2019年12月12日
ビルという男の作ったナイフ
ところで同時ご出品のビル ラトル ナイフについても逸話があればお聞かせくだされば大変嬉しいです。イチローさんが渡米同時におもったことと物が結びつくと、その物を見るたびになんだか教訓を感じるのです。
そして77年のGUN誌も探してみます。マルパソさんならお待ちかもしれないですけど。
@HENLLY

ベニシアに住んでいたころだよ。表庭にいたら目の前にゆっくりとクルマが停まったんだよ。そして中年で小太りの男が出てきたんだわ。
「こんにちは、私の名はビル、このちょっと先に住んでいます」
「おー、いずざっそー・・マイネイムはイチロー、イーチと呼んでくれ、会えてグラードだよ」
と、ベニシアではガンフォトグラファーとして知られていた日本人はタドい英語で気さくに応対した(^O^)
「私はグラージでナイフを作っているんですよ」
(ガレージではなく米国ではグラージと発音)
「おー・・見せてほしいですよ」
「こういったナイフです」
と、ビルはポッケからナイフを出した。
「ふむふむ、ラヴレスタイプですね・・・うーん、これはなかなかの出来だ!!・・一見ラヴレスだけど一味ちがう、ユーの個性と情熱が感じられるよ」
じっさい、それは自分が持っていたラヴレスよりも味わいのあるナイフだった。
「どんな値段で売っているの?」
「これで250ドルもらっています」
「じゃあ、ひとつ作ってもらおうかな」
「オーケー♪」
彼はウキウキとした足取りでクルマにもどったよ。
まだ売れてはいないので注文とれて嬉しいんだな・・しかしあの才能なら名は出るだろう・・そう想いながらビルのトラックを見送ったわ。
一週間ほどしてビルはナイフを持ってきたよ。
それがコレね。
どう見ても良い作品だ。
小器用な日本人ナイフメーカーがアメリカのナイフを真似たのとはちがい、作者の個性がそこはかとなく漂っている。
日本人もダンスは上手いが、黒人のそれは動きは同じでもオリジナリティーに満ち満ちている、そんな違いというものがあるものだよ。
これは日本に紹介すれば審美眼のある人は買うだろうと想った。そうして一生懸命にナイフを作っているビルを助けてあげたいと想った。
しかし、そのころのイチは多忙だった。
仕事が目白押しだった。
いつも撮影で苦しんでいた。
ビルの相手をしている時間を作れなかったのよ。
「ああ・・・時間を作ってビルの工房に行き、10本ばかりの注文を入れてあげなきゃ・・・」
と、いくども想うのだけど、その1時間が作れない。コンバット誌の記事、ハンドガンナー誌、他の雑誌の締め切り、射撃の練習、そしてSWAT訓練への参加もあって、ナイフどころではなかった。人助けの余裕なんてゼロだった。
やがてビルナイフのことは忘れてしまった。
噂によると、ビルはもう亡くなったそうだ。
〈・・・すまなかったなぁ・・・〉
と、このナイフを見るたびに想っていたよ。
ビルにそういう販売計画を告げたわけでもない、なんの約束もしなかった、ビルはナイフを買ってもらって嬉しそうだった。なので心に負うところはなにも無い・・・けど心残りだった。彼の才能を世に知らしめることができなかった自分を反省したよ。
この負い目が後になってエマーソンナイフ、ストライダー、GTナイフ、そしてウォーレントーマスなどに対し情熱をもって世に知らしめるという行動の源となったわけなんだよ。
ビルナイフは、いわば無名の刀だ。
だが、無名なだけで、モノは一流。
センスと技術が光っている。
しかし、人は「有名である」ことを欲する。
ラヴレス本人でなく、アシスタントが作ったナイフにラヴレスの刻印を打てば満足して高値をつける。
美意識もへったくれもないのがナイフ界なのさ。
拳銃は撃ってみれば実力が判明する。
だがナイフにはそれがない。
人々は有名かどうかだけで判断するようになっている。
使うなんてとんでもない。
磨いて箱に入れておくだけ。
それがいけないなんて想わないよ。
ただイチは違う価値観をもっているだけのことさ。
このビルナイフを落札した人には思い切りよく使ってほしいよ。一生モノだから息子に譲り、彼がまた使う。なんだか良いナイフだな〜と次の世代がまた使い続ける。そうあってほしいよ。
えっ?
もったいなくて使えない?・・・
それはそれでいいさ、
机の端に置いておき、ときどき手にとって鑑賞する。一年も鑑賞していれば「鑑賞眼」が育つ。そこに美を感ずる時がくるものよ。ただ、ひたすらに眺めること、これが美意識を鍛えることになるんだよ。
ちなみに、このナイフはヘンリー君に似合うよ♪
250ドルなら払う価値はあるよ。
ヤフオクです↓
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p731428748
by 発掘マンのイチ
そして77年のGUN誌も探してみます。マルパソさんならお待ちかもしれないですけど。
@HENLLY

ベニシアに住んでいたころだよ。表庭にいたら目の前にゆっくりとクルマが停まったんだよ。そして中年で小太りの男が出てきたんだわ。
「こんにちは、私の名はビル、このちょっと先に住んでいます」
「おー、いずざっそー・・マイネイムはイチロー、イーチと呼んでくれ、会えてグラードだよ」
と、ベニシアではガンフォトグラファーとして知られていた日本人はタドい英語で気さくに応対した(^O^)
「私はグラージでナイフを作っているんですよ」
(ガレージではなく米国ではグラージと発音)
「おー・・見せてほしいですよ」
「こういったナイフです」
と、ビルはポッケからナイフを出した。
「ふむふむ、ラヴレスタイプですね・・・うーん、これはなかなかの出来だ!!・・一見ラヴレスだけど一味ちがう、ユーの個性と情熱が感じられるよ」
じっさい、それは自分が持っていたラヴレスよりも味わいのあるナイフだった。
「どんな値段で売っているの?」
「これで250ドルもらっています」
「じゃあ、ひとつ作ってもらおうかな」
「オーケー♪」
彼はウキウキとした足取りでクルマにもどったよ。
まだ売れてはいないので注文とれて嬉しいんだな・・しかしあの才能なら名は出るだろう・・そう想いながらビルのトラックを見送ったわ。
一週間ほどしてビルはナイフを持ってきたよ。
それがコレね。
どう見ても良い作品だ。
小器用な日本人ナイフメーカーがアメリカのナイフを真似たのとはちがい、作者の個性がそこはかとなく漂っている。
日本人もダンスは上手いが、黒人のそれは動きは同じでもオリジナリティーに満ち満ちている、そんな違いというものがあるものだよ。
これは日本に紹介すれば審美眼のある人は買うだろうと想った。そうして一生懸命にナイフを作っているビルを助けてあげたいと想った。
しかし、そのころのイチは多忙だった。
仕事が目白押しだった。
いつも撮影で苦しんでいた。
ビルの相手をしている時間を作れなかったのよ。
「ああ・・・時間を作ってビルの工房に行き、10本ばかりの注文を入れてあげなきゃ・・・」
と、いくども想うのだけど、その1時間が作れない。コンバット誌の記事、ハンドガンナー誌、他の雑誌の締め切り、射撃の練習、そしてSWAT訓練への参加もあって、ナイフどころではなかった。人助けの余裕なんてゼロだった。
やがてビルナイフのことは忘れてしまった。
噂によると、ビルはもう亡くなったそうだ。
〈・・・すまなかったなぁ・・・〉
と、このナイフを見るたびに想っていたよ。
ビルにそういう販売計画を告げたわけでもない、なんの約束もしなかった、ビルはナイフを買ってもらって嬉しそうだった。なので心に負うところはなにも無い・・・けど心残りだった。彼の才能を世に知らしめることができなかった自分を反省したよ。
この負い目が後になってエマーソンナイフ、ストライダー、GTナイフ、そしてウォーレントーマスなどに対し情熱をもって世に知らしめるという行動の源となったわけなんだよ。
ビルナイフは、いわば無名の刀だ。
だが、無名なだけで、モノは一流。
センスと技術が光っている。
しかし、人は「有名である」ことを欲する。
ラヴレス本人でなく、アシスタントが作ったナイフにラヴレスの刻印を打てば満足して高値をつける。
美意識もへったくれもないのがナイフ界なのさ。
拳銃は撃ってみれば実力が判明する。
だがナイフにはそれがない。
人々は有名かどうかだけで判断するようになっている。
使うなんてとんでもない。
磨いて箱に入れておくだけ。
それがいけないなんて想わないよ。
ただイチは違う価値観をもっているだけのことさ。
このビルナイフを落札した人には思い切りよく使ってほしいよ。一生モノだから息子に譲り、彼がまた使う。なんだか良いナイフだな〜と次の世代がまた使い続ける。そうあってほしいよ。
えっ?
もったいなくて使えない?・・・
それはそれでいいさ、
机の端に置いておき、ときどき手にとって鑑賞する。一年も鑑賞していれば「鑑賞眼」が育つ。そこに美を感ずる時がくるものよ。ただ、ひたすらに眺めること、これが美意識を鍛えることになるんだよ。
ちなみに、このナイフはヘンリー君に似合うよ♪
250ドルなら払う価値はあるよ。
ヤフオクです↓
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p731428748
by 発掘マンのイチ
2019年12月12日
コロシ弾
市 (2019年12月12日 01:41)
│Comments(4)
│てっぽ
3.6グレインの火薬。
ってことは、鉄板用のヘナチョコダマ(失礼!)より1割以上多い?。 グルーピンも気になるけど、バレルはどれのだろう?。 ブライリーのバレルをフィッティングのためにケズルなんてことはないでしょうから・・・。ないですよね?。まさかね?。
MIZ

そう、あのロールスロイスのスライドを外してT-16用でガボガボに広がったスライドを滑り込ませてみたところ、まるで精密にフィットさせたようにぴったしカンカンんですよ(^O^) バレルは予備のがあって、それもそのまま使えました。
もちのろん、ロールスのバレルは手付かずでスライドとともに組まれたままなので、ま、45秒もあればブライリーカスタムに早変わりするんです。
STIフレイムのカットは年代によって微妙に異なるので、このようにジャストインする確率は10%というところですよ。
3.6グレインの火薬があれば充分に悪漢を殺せます、けど、これは試合用の弾であって、キャリーするときは初速1100フィート超の4.2グレイン、またはファクトリー製セルフディフェンス用のハロウポイントの入ったマグを差しています。
by コロシの心は母心・・・とワケわからんこと言ってみる拳銃男
ってことは、鉄板用のヘナチョコダマ(失礼!)より1割以上多い?。 グルーピンも気になるけど、バレルはどれのだろう?。 ブライリーのバレルをフィッティングのためにケズルなんてことはないでしょうから・・・。ないですよね?。まさかね?。
MIZ

そう、あのロールスロイスのスライドを外してT-16用でガボガボに広がったスライドを滑り込ませてみたところ、まるで精密にフィットさせたようにぴったしカンカンんですよ(^O^) バレルは予備のがあって、それもそのまま使えました。
もちのろん、ロールスのバレルは手付かずでスライドとともに組まれたままなので、ま、45秒もあればブライリーカスタムに早変わりするんです。
STIフレイムのカットは年代によって微妙に異なるので、このようにジャストインする確率は10%というところですよ。
3.6グレインの火薬があれば充分に悪漢を殺せます、けど、これは試合用の弾であって、キャリーするときは初速1100フィート超の4.2グレイン、またはファクトリー製セルフディフェンス用のハロウポイントの入ったマグを差しています。
by コロシの心は母心・・・とワケわからんこと言ってみる拳銃男