2020年04月25日
CHPリポート
市 (2020年04月25日 23:06)
│Comments(15)
│てっぽ
おはばんよぉー(^。^)/
ゴールデンウィークですかぁ・・・
旅行自粛の長期休暇だなんて未曾有の出来事ですね〜
みなさん、
どうやって過ごすのでしょうか・・?
ともあれ、
マロンパのCHP書き起こしなど読みながら
昔を懐かしんでくださいな。



警察が新しい拳銃を採用するとき、いったいどんなふうに拳銃を配り、どのような教育をするのか、その様子をこの眼で観たいなぁ・・という願いを当時はもっていたものでした。そういう意味で、これらのフォトを撮れたときはすごく嬉しかったですよ♪
ではでは、
ハイウエイパトロールのリポートをどうぞ♪
**********
アメリカの広さを今さら説明するまでもないと思うが、なにしろ私の住むカリフォルニア州だけでも日本の1.2倍もあるのだから、とにかくモーレツに広々とした国だと言える。
そして、この広い国の都市間を結ぶものは、鉄道というよりも非常に発達したフリーウェイと呼ばれる高速道路であって、サンフランシスコから10分で行けるサウサリートにしろ、対岸のバークレイにしろ、そしてメキシコとかニューヨークに行くにしても、この制限速度55マイル(88キロ)のフリーウェイで、60マイルをオーバーしてハイウェイ・パトロールにつかまらないように気をつけながら行くことになる。
この便利なフリーウェイは、その名の通りにフリー、つまりいくら走っても無料だが、本来の意味は、信号もなく対向車もないのでフリー(自由)に走れるといったところからきているそうだ。
C.H.P. というのは、このカリフォルニア内のフリーウェイ上における、スピード違反などの道路交通法違反や犯罪を取り締まるためのポリスで、すなわち、カリフォルニア・ハイウェイ・パトロールのことだ。
サンフランシスコから北東に150キロばかり行くと、サクラメントという市があって、そこにはカリフォルニア中のハイウェイ・パトロールマンを養成する学校があり、C.H.P.になりたい人は、必ずそこを卒業しなくてはならない。
期間は20週間で、その間にC.H.P.に必要なこと━━法律の勉強、運動、運転、武器などの取り扱いをみっちりとたたきこまれるわけだ。
☆S&W M68☆
C.H.P.アカデミー(学校)について取材させてほしいという手紙を送ってから数日経ったある日、C.H.P.のウエポン・トレーニング(武器指導)デパートメントの責任者である、サージャントのボブ・マックウォーターから電話があって、取材には協力するからいつでも来てくれということだった。
だいたいにおいてアメリカの警察とか軍隊などは市民に対して開放的で、特に新聞や雑誌などには全く協力を惜しまない。
しかし、考えてみれば、警察にしろ軍隊にしろ、我々市民が皆でお金を出し合って、自分達を守るために組織したものなのだから、正当な理由を持った願いだったら協力するのが民主主義国家というものだろう。
ボブ・マックウォーターは、スラッと背が高く、リチャード・ウィドマークのような感じの親しみやすい人で、永年、武器を扱っているため、GUNをかまえたらウィドマークよりもきまって見える。日本で考える指導員とはずい分ちがって、かなりワイルドな人のようだ。
「見たところ、ハンドガンはM67を使っているけど.38スペシャルを使用するんですか。ぼくはてっきり.357マグナムのM19とか、ハイウェイ・パトロールマンM28あたりを使ってると思ってました」
「そうなんだよ、1977年の8月までは、それぞれが自分で買っていろんなものを持っていたが、ある事件のときに、自分のタマを撃ち尽くしてしまい、仲間のものを借用しようとしたら別のサイズだった━━なんてことがあって不便さを感じたので、9月から.38スペシャルに統一し、S&WのM67かM68を支給することにしたのだよ」
「M68?」
「そう、M68。これはS&W社に特別注文して600丁だけ作らせたもので、市販はされていないが、M67が4インチ・バレルなのに対して、M68は6インチ・バレルがついているというわけだよ。どっちを選ぶかは各人の意志にまかせてある。」
「.38スペシャルではパワーが足りないと思うけど」
「そう、普通の.38スペシャルではパワーがない。そこで、いろいろテストした結果、110グレインの軽いホロー・ポイントと、普通よりも丈夫に作られているガバメント・ケース(空軍用の薬きょう)にマグナム・プライマーを組み合わせ、ブレットのスピードを1,250フィート(375メートル)まであげたら、対人用としては十分な効果があることが分かったのでこれに決めたわけで、このカートリッジになってから、すでに5回発射され、5人とも即死しているよ。もちろんこれはオーバー・ロード(火薬のつめすぎ)なので、フレームの弱い、チーフスペシャルとかデテクティブなどでの使用は禁止している」
「C.H.P.に入るのは難しいですか?」
「いろいろ規定もあるけど、一番大切なのは、その人の人格で、在学中もしっかり監視して、もし警官として不適当と思われる性格の人にはその場でやめてもらう」
☆ハンドガンの配給☆
今日は入校5週間目、はじめてハンドガンが配られる日だ。試験を受けて合格し、個人面接にて、人格あるものと認められた人はこのアカデミー(学校)に入り、朝は5時に起こされて心身の鍛練、法律の勉強などのハード・スケジュールをこなし、5週間目からいよいよ武器の使用方法を習いはじめるわけだ。
在学中にもらう給料は、1か月に1,200ドルで、卒業して働きだした時点で1,400ドルになるという。完全寮制の学校で、訓練中に1,200ドルもらうとは悪くない話だ。
アメリカでアパートを借りて、車のローンを払いながら夫婦で生活するとして、800ドルあったらまずまず楽しくやれるだろう。きりつめたら500ドルでも可能だ。
C.H.P.のタマゴ達は、配給室に行って練習服や警棒、靴、S&Wの手錠、それにM67かM68を好みに応じてもらい、それに合ったビアンキのブレイク・フロントのホルスター、ベルトなども受け取って、クラス・ルームに入ってくる。
このクラスは62人で、その内の10人ほどがM68を選んでいる。常に車で行動するC.H.P.にとっては、やはり短い方のM67の方が好ましいのだろう。
生徒の中の約80パーセントは、以前にハンドガンを撃った経験があるわけだが、オール・ステンレス製のS&Wリボルバーは珍しいとみえ、皆、しげしげと興味深げにあれこれと角度を変えてはながめている。
S&Wのステンレス・モデルは、警察関係に優先して売られているので、我々一般人が定価で買うのは難しく、私もようやくガン・エクスチェンジのネイトに頼みこんで一丁手に入れて愛用しているが、このM66、357マグナムは非常に魅力あるハンドガンだ。
クリント・イーストウッドの「ゴーン・トレット」 で、2.5インチのM66が出てきたので、映画好きの人は御存知だろう。
「ヨォーシ!みんないいか。今から、ハンドガンの取り扱い方を教えてやる」
と、ボブがどなりはじめた。
「今、みんなが持っているGUNは、S&Wのステンレス・リボルバーで、短いのが4インチ、長いのが6インチバレルだ。
たまには油をくれてやりたくなるだろうが、このGUNはサビないのでその必要はない。また、内部に対しても6か月に一度ばかり、ホンの1~2滴たらしてやれば良いのだから、この学校に居る間は全く手入れの必要はない。
GUNを他人から渡されたとき、それが空だと分かっていたにしろ、必ずシリンダーをオープンして、タマの有無を確かめること。それをやらない奴はオタンチン野郎のゴクツブシだと思え!
それから、シリンダーを閉じるときに、カッコつけやがって、片手でふりながらバチンとやるバカがいるが、あれは牛のクソ(ものすごく悪い言葉)のやることで、これはなるべく静かに閉じてもらいたい。リボルバーは丈夫なGUNだが、こればかりは君のGUNを早々に痛めることになる。
リボルバーというものは、ダブル・アクションで撃つものだから、いちいちハンマーをコックするなんて、まどろっこしいことをしてもらっては困る。しかし、はじめからダブルでやれと言っても難しいだろうから、はじめの4回まではシングルで撃って、君のGUNに慣れてもらう。
しかし、その後はすべてダブル、試験もダブル、実戦もダブルだ。分かったな!」
と、ボブは強い調子でたたきこむように教え、重要なことに関しては、うんと悪い言葉をはさんで、そのことを印象づけるように講義する。
☆シューティング☆
はじめの日は新しいGUNが支給され、取り扱いの注意、照準のしかた、ダブル・アクションとシングル・アクションにおけるトリガーの引き方のちがいなどを習い、室内の壁に貼る、ドライ・ファイア(空撃ち)練習用の小さなターゲットが配られた。実弾射撃に入るまえにドライ・ファイアをくり返してトリガーの引き方を身につけるわけだ。
そして、1週間後にいよいよ実弾射撃に入る。5週間ばかりバッチリ身体を鍛えられた生徒達は、かけ声も勇ましくシューティング・レンジに行進して入る。朝から晩までハード・スケジュールで鍛えられたために、なまりかけていた身体がシャンとなったらしく、皆、動作がきびきびとしていて、表情もさわやかそうだ。
マリファナ・パーティーにうつつを抜かす、ドロンとした若いアメリカ人たちとはまるで違う、この生き生きとした目、日焼けした顔、ムンムンとした汗のにおいをまき散らす若い集団を見ていると、若者にとっていかにスポーツが必要かが分かるというものだ。
「ヨォーシ!今から3組に分けてシューティングを行なう。ターゲットはシルエットではなく、はじめの内はブルズアイ(黒丸) を使用し、25ヤード(約23メートル)からの立射。ブルズアイ・ターゲットを撃っている間は、シングル・アクションでも良いが、シルエットを撃つコンバット・シューティングに入ったらダブルになるので今のうちから慣れるような努力をしておいてもらいたい」
ズラリとならんだC.H.P.のタマゴたちは、ステンレスのS&Wリボルバーに、練習用のワッドカッター・ブレットつきの.38スペシャルを6発塡めて、ボブの指示に従ってバンバンやりはじめた。
室内でドライ・ファイアをくりかえし練習しただけあって、かまえ方、立ち方などすでにしっかりしている人が多い。一般のレンジで見られるような無茶苦茶な立ち方をしている人はさすがにひとりもいないようだ。
右手でグリップの握り方がズレている人や、左手をただそえるだけで、まるで引きつけていない人などはやはり沢山居て、これはアシスタントのジェリーがひとりひとり注意してまわる。
リズムに乗って、両腕をかたくしっかりと伸ばしながら、良い感じで撃っている人は、以前にどこかで習った人だろう。そんな人もチラホラ居るようだ。
だいたいにアメリカ人は、子供の頃からGUNを身近にして育っているので、初めて手にした人でも緊張する様子もなく、取り扱い方を見ていても自然で安心感がある。
「ちょっと、そのM68をぼくにも撃たせておくれよジェリー」
と、頼むと、「O・K、君は素人とはいえないからな・・・・・」
と言いながら、50ヤードのところに、特製の小さなC.H.P.用のシルエットを立ててくれた。一般のポリス用の半分くらいのサイズだ。これに関してはコンバット・シューティングの項で紹介するが、C.H.P.は25ヤードより遠くでは練習しないのだ。
「いや、撃った感じをみるだけだからターゲットは要らないよ」と断わって、60ヤードばかり向こうの土手に撃ち込んでみる。
M68のシリンダーは、.38スペシャルだが、バレルの方はどうみても.357マグナム用で、M19と同じ厚さだ。重量のある.357マグナム用のバレルから .38スペシャルのワッドカッター(先の平らなブレット)を撃つのだから、リコイルは全く気にならず、ちょうどターゲット用のGUNを思わせる。これなら、いかにC.H.P.のシルエット・ターゲットが小さくとも 外れるわけはないような気がしてくる。
4インチのバレルだと、50メートルくらいまでの気がするが、6インチのバレルなら100メートル先での風船割りゲームに十分に使用できるから面白い。
一通り全員が撃ち終わるころ、サクラメント平野は夕日に染まり、カワサキのモーター・サイクルを使った特訓のメンバーや、ドライビング・テクニックのクラス、ヘリコプターなども帰ってきた。
「ハラへったなあ」と、夕食を待ち切れなさそうな顔が私にうったえる。
「そうなんだ、ぼくも今、熱いコーヒーとハンバーガーを思い出していたのさ」
なにが幸福かって、腹ペコになってしまって、うまそうな食べ物にありつけるときほど生きている嬉しさを感じることはないものだ。
「ヨォーシ!今日はこれまで。誰でもはじめからウマくは撃てないものだから、焦らず練習をつんでもらいたい。
なお、次回はライアット・ガンの撃ち方を覚えてもらう。では解散!」
━━Gun1978年6月号より━━
コノトウサクヲ テチヤサンニササグ[・凸・]/
by マロンパ





















このリポートの中で、
「GUNを他人から渡されたとき、それが空だと分かっていたにしろ、必ずシリンダーをオープンして、タマの有無を確かめること。それをやらない奴はオタンチン野郎のゴクツブシだと思え!
それから、シリンダーを閉じるときに、カッコつけやがって、片手でふりながらバチンとやるバカがいるが、あれは牛のクソ(ものすごく悪い言葉)のやることで、これはなるべく静かに閉じてもらいたい。リボルバーは丈夫なGUNだが、こればかりは君のGUNを早々に痛めることになる。」
という部分がありますが、これがジャパンの読者の反響をよんだ・・ということは最近の皆さんのコメントで知りましたよ(^。^)
当時は読者からの感想文は少なく、それらを読む機会もなかったので、こういったリポートが受けるのかどうかさえ判らず、ただ自分の興味で訪問したい所に行ってリポートをGun誌に送るだけという状態だったのです。
ブルシェ→雄牛のクソ
という表現はアメリカでは多く使われているわけですが、日本語に訳すと間が抜けるのですよね。
日本で「くそー!!」といっても誰もそれほど気にしませんが、米国で「ブルシェー!!」なんて女性の前で言おうものなら社会的地位をあやうくするくらいのインパクトがあるんです。もちろん小学校などでは禁句です。
どうして牛のクソという言葉がそんなにキツイのかな?・・なぜ牛のクソなのだろう?・・犬のクソだとどうして禁句じゃないのだろう?・・そもそもいったい牛のクソにはどういう意味があるのだろう?・・・これについては聞き回ったのですが、その語源は得られないままです。
ある学校の先生が言うには、その意味としては「私はそうは想いませんね〜」という気取った言い方をする代わりに、強い否定をこめて「ブルシェ」とか「ガッデイム」などといった言葉が使われはじめたのではないかと。
サイプレさんにリサーチしてもらおう♪
そんなわけですから、CHPのインストラクターがシリンダーをバチッと閉じる奴はブルシェだと言った時には若い生徒たちを笑わせるという効果があったわけです。
ただ、禁句とはいえ、男たちが集まるとそういった禁句を並べ立てながら話をするのは普通のことで・・でも知らない人の前では使わない。目上の人に対しても禁句なのです。もし、近くに女性がいて聞かれてしまったら、すぐに謝るのが礼儀なのです。
日本語でブルシェに近い言葉があるとしたら
「こん畜生」ではないかと。
これを目上の人には言えませんよね(^。^)
ともあれ、こういった言葉を英語圏の人に言ってはいけません。男たちは笑ってはくれます、が、内心では「愚かなジャップだ」と軽く観られますからね。
市
ゴールデンウィークですかぁ・・・
旅行自粛の長期休暇だなんて未曾有の出来事ですね〜
みなさん、
どうやって過ごすのでしょうか・・?
ともあれ、
マロンパのCHP書き起こしなど読みながら
昔を懐かしんでくださいな。


警察が新しい拳銃を採用するとき、いったいどんなふうに拳銃を配り、どのような教育をするのか、その様子をこの眼で観たいなぁ・・という願いを当時はもっていたものでした。そういう意味で、これらのフォトを撮れたときはすごく嬉しかったですよ♪
ではでは、
ハイウエイパトロールのリポートをどうぞ♪
**********
アメリカの広さを今さら説明するまでもないと思うが、なにしろ私の住むカリフォルニア州だけでも日本の1.2倍もあるのだから、とにかくモーレツに広々とした国だと言える。
そして、この広い国の都市間を結ぶものは、鉄道というよりも非常に発達したフリーウェイと呼ばれる高速道路であって、サンフランシスコから10分で行けるサウサリートにしろ、対岸のバークレイにしろ、そしてメキシコとかニューヨークに行くにしても、この制限速度55マイル(88キロ)のフリーウェイで、60マイルをオーバーしてハイウェイ・パトロールにつかまらないように気をつけながら行くことになる。
この便利なフリーウェイは、その名の通りにフリー、つまりいくら走っても無料だが、本来の意味は、信号もなく対向車もないのでフリー(自由)に走れるといったところからきているそうだ。
C.H.P. というのは、このカリフォルニア内のフリーウェイ上における、スピード違反などの道路交通法違反や犯罪を取り締まるためのポリスで、すなわち、カリフォルニア・ハイウェイ・パトロールのことだ。
サンフランシスコから北東に150キロばかり行くと、サクラメントという市があって、そこにはカリフォルニア中のハイウェイ・パトロールマンを養成する学校があり、C.H.P.になりたい人は、必ずそこを卒業しなくてはならない。
期間は20週間で、その間にC.H.P.に必要なこと━━法律の勉強、運動、運転、武器などの取り扱いをみっちりとたたきこまれるわけだ。
☆S&W M68☆
C.H.P.アカデミー(学校)について取材させてほしいという手紙を送ってから数日経ったある日、C.H.P.のウエポン・トレーニング(武器指導)デパートメントの責任者である、サージャントのボブ・マックウォーターから電話があって、取材には協力するからいつでも来てくれということだった。
だいたいにおいてアメリカの警察とか軍隊などは市民に対して開放的で、特に新聞や雑誌などには全く協力を惜しまない。
しかし、考えてみれば、警察にしろ軍隊にしろ、我々市民が皆でお金を出し合って、自分達を守るために組織したものなのだから、正当な理由を持った願いだったら協力するのが民主主義国家というものだろう。
ボブ・マックウォーターは、スラッと背が高く、リチャード・ウィドマークのような感じの親しみやすい人で、永年、武器を扱っているため、GUNをかまえたらウィドマークよりもきまって見える。日本で考える指導員とはずい分ちがって、かなりワイルドな人のようだ。
「見たところ、ハンドガンはM67を使っているけど.38スペシャルを使用するんですか。ぼくはてっきり.357マグナムのM19とか、ハイウェイ・パトロールマンM28あたりを使ってると思ってました」
「そうなんだよ、1977年の8月までは、それぞれが自分で買っていろんなものを持っていたが、ある事件のときに、自分のタマを撃ち尽くしてしまい、仲間のものを借用しようとしたら別のサイズだった━━なんてことがあって不便さを感じたので、9月から.38スペシャルに統一し、S&WのM67かM68を支給することにしたのだよ」
「M68?」
「そう、M68。これはS&W社に特別注文して600丁だけ作らせたもので、市販はされていないが、M67が4インチ・バレルなのに対して、M68は6インチ・バレルがついているというわけだよ。どっちを選ぶかは各人の意志にまかせてある。」
「.38スペシャルではパワーが足りないと思うけど」
「そう、普通の.38スペシャルではパワーがない。そこで、いろいろテストした結果、110グレインの軽いホロー・ポイントと、普通よりも丈夫に作られているガバメント・ケース(空軍用の薬きょう)にマグナム・プライマーを組み合わせ、ブレットのスピードを1,250フィート(375メートル)まであげたら、対人用としては十分な効果があることが分かったのでこれに決めたわけで、このカートリッジになってから、すでに5回発射され、5人とも即死しているよ。もちろんこれはオーバー・ロード(火薬のつめすぎ)なので、フレームの弱い、チーフスペシャルとかデテクティブなどでの使用は禁止している」
「C.H.P.に入るのは難しいですか?」
「いろいろ規定もあるけど、一番大切なのは、その人の人格で、在学中もしっかり監視して、もし警官として不適当と思われる性格の人にはその場でやめてもらう」
☆ハンドガンの配給☆
今日は入校5週間目、はじめてハンドガンが配られる日だ。試験を受けて合格し、個人面接にて、人格あるものと認められた人はこのアカデミー(学校)に入り、朝は5時に起こされて心身の鍛練、法律の勉強などのハード・スケジュールをこなし、5週間目からいよいよ武器の使用方法を習いはじめるわけだ。
在学中にもらう給料は、1か月に1,200ドルで、卒業して働きだした時点で1,400ドルになるという。完全寮制の学校で、訓練中に1,200ドルもらうとは悪くない話だ。
アメリカでアパートを借りて、車のローンを払いながら夫婦で生活するとして、800ドルあったらまずまず楽しくやれるだろう。きりつめたら500ドルでも可能だ。
C.H.P.のタマゴ達は、配給室に行って練習服や警棒、靴、S&Wの手錠、それにM67かM68を好みに応じてもらい、それに合ったビアンキのブレイク・フロントのホルスター、ベルトなども受け取って、クラス・ルームに入ってくる。
このクラスは62人で、その内の10人ほどがM68を選んでいる。常に車で行動するC.H.P.にとっては、やはり短い方のM67の方が好ましいのだろう。
生徒の中の約80パーセントは、以前にハンドガンを撃った経験があるわけだが、オール・ステンレス製のS&Wリボルバーは珍しいとみえ、皆、しげしげと興味深げにあれこれと角度を変えてはながめている。
S&Wのステンレス・モデルは、警察関係に優先して売られているので、我々一般人が定価で買うのは難しく、私もようやくガン・エクスチェンジのネイトに頼みこんで一丁手に入れて愛用しているが、このM66、357マグナムは非常に魅力あるハンドガンだ。
クリント・イーストウッドの「ゴーン・トレット」 で、2.5インチのM66が出てきたので、映画好きの人は御存知だろう。
「ヨォーシ!みんないいか。今から、ハンドガンの取り扱い方を教えてやる」
と、ボブがどなりはじめた。
「今、みんなが持っているGUNは、S&Wのステンレス・リボルバーで、短いのが4インチ、長いのが6インチバレルだ。
たまには油をくれてやりたくなるだろうが、このGUNはサビないのでその必要はない。また、内部に対しても6か月に一度ばかり、ホンの1~2滴たらしてやれば良いのだから、この学校に居る間は全く手入れの必要はない。
GUNを他人から渡されたとき、それが空だと分かっていたにしろ、必ずシリンダーをオープンして、タマの有無を確かめること。それをやらない奴はオタンチン野郎のゴクツブシだと思え!
それから、シリンダーを閉じるときに、カッコつけやがって、片手でふりながらバチンとやるバカがいるが、あれは牛のクソ(ものすごく悪い言葉)のやることで、これはなるべく静かに閉じてもらいたい。リボルバーは丈夫なGUNだが、こればかりは君のGUNを早々に痛めることになる。
リボルバーというものは、ダブル・アクションで撃つものだから、いちいちハンマーをコックするなんて、まどろっこしいことをしてもらっては困る。しかし、はじめからダブルでやれと言っても難しいだろうから、はじめの4回まではシングルで撃って、君のGUNに慣れてもらう。
しかし、その後はすべてダブル、試験もダブル、実戦もダブルだ。分かったな!」
と、ボブは強い調子でたたきこむように教え、重要なことに関しては、うんと悪い言葉をはさんで、そのことを印象づけるように講義する。
☆シューティング☆
はじめの日は新しいGUNが支給され、取り扱いの注意、照準のしかた、ダブル・アクションとシングル・アクションにおけるトリガーの引き方のちがいなどを習い、室内の壁に貼る、ドライ・ファイア(空撃ち)練習用の小さなターゲットが配られた。実弾射撃に入るまえにドライ・ファイアをくり返してトリガーの引き方を身につけるわけだ。
そして、1週間後にいよいよ実弾射撃に入る。5週間ばかりバッチリ身体を鍛えられた生徒達は、かけ声も勇ましくシューティング・レンジに行進して入る。朝から晩までハード・スケジュールで鍛えられたために、なまりかけていた身体がシャンとなったらしく、皆、動作がきびきびとしていて、表情もさわやかそうだ。
マリファナ・パーティーにうつつを抜かす、ドロンとした若いアメリカ人たちとはまるで違う、この生き生きとした目、日焼けした顔、ムンムンとした汗のにおいをまき散らす若い集団を見ていると、若者にとっていかにスポーツが必要かが分かるというものだ。
「ヨォーシ!今から3組に分けてシューティングを行なう。ターゲットはシルエットではなく、はじめの内はブルズアイ(黒丸) を使用し、25ヤード(約23メートル)からの立射。ブルズアイ・ターゲットを撃っている間は、シングル・アクションでも良いが、シルエットを撃つコンバット・シューティングに入ったらダブルになるので今のうちから慣れるような努力をしておいてもらいたい」
ズラリとならんだC.H.P.のタマゴたちは、ステンレスのS&Wリボルバーに、練習用のワッドカッター・ブレットつきの.38スペシャルを6発塡めて、ボブの指示に従ってバンバンやりはじめた。
室内でドライ・ファイアをくりかえし練習しただけあって、かまえ方、立ち方などすでにしっかりしている人が多い。一般のレンジで見られるような無茶苦茶な立ち方をしている人はさすがにひとりもいないようだ。
右手でグリップの握り方がズレている人や、左手をただそえるだけで、まるで引きつけていない人などはやはり沢山居て、これはアシスタントのジェリーがひとりひとり注意してまわる。
リズムに乗って、両腕をかたくしっかりと伸ばしながら、良い感じで撃っている人は、以前にどこかで習った人だろう。そんな人もチラホラ居るようだ。
だいたいにアメリカ人は、子供の頃からGUNを身近にして育っているので、初めて手にした人でも緊張する様子もなく、取り扱い方を見ていても自然で安心感がある。
「ちょっと、そのM68をぼくにも撃たせておくれよジェリー」
と、頼むと、「O・K、君は素人とはいえないからな・・・・・」
と言いながら、50ヤードのところに、特製の小さなC.H.P.用のシルエットを立ててくれた。一般のポリス用の半分くらいのサイズだ。これに関してはコンバット・シューティングの項で紹介するが、C.H.P.は25ヤードより遠くでは練習しないのだ。
「いや、撃った感じをみるだけだからターゲットは要らないよ」と断わって、60ヤードばかり向こうの土手に撃ち込んでみる。
M68のシリンダーは、.38スペシャルだが、バレルの方はどうみても.357マグナム用で、M19と同じ厚さだ。重量のある.357マグナム用のバレルから .38スペシャルのワッドカッター(先の平らなブレット)を撃つのだから、リコイルは全く気にならず、ちょうどターゲット用のGUNを思わせる。これなら、いかにC.H.P.のシルエット・ターゲットが小さくとも 外れるわけはないような気がしてくる。
4インチのバレルだと、50メートルくらいまでの気がするが、6インチのバレルなら100メートル先での風船割りゲームに十分に使用できるから面白い。
一通り全員が撃ち終わるころ、サクラメント平野は夕日に染まり、カワサキのモーター・サイクルを使った特訓のメンバーや、ドライビング・テクニックのクラス、ヘリコプターなども帰ってきた。
「ハラへったなあ」と、夕食を待ち切れなさそうな顔が私にうったえる。
「そうなんだ、ぼくも今、熱いコーヒーとハンバーガーを思い出していたのさ」
なにが幸福かって、腹ペコになってしまって、うまそうな食べ物にありつけるときほど生きている嬉しさを感じることはないものだ。
「ヨォーシ!今日はこれまで。誰でもはじめからウマくは撃てないものだから、焦らず練習をつんでもらいたい。
なお、次回はライアット・ガンの撃ち方を覚えてもらう。では解散!」
━━Gun1978年6月号より━━
コノトウサクヲ テチヤサンニササグ[・凸・]/
by マロンパ
















このリポートの中で、
「GUNを他人から渡されたとき、それが空だと分かっていたにしろ、必ずシリンダーをオープンして、タマの有無を確かめること。それをやらない奴はオタンチン野郎のゴクツブシだと思え!
それから、シリンダーを閉じるときに、カッコつけやがって、片手でふりながらバチンとやるバカがいるが、あれは牛のクソ(ものすごく悪い言葉)のやることで、これはなるべく静かに閉じてもらいたい。リボルバーは丈夫なGUNだが、こればかりは君のGUNを早々に痛めることになる。」
という部分がありますが、これがジャパンの読者の反響をよんだ・・ということは最近の皆さんのコメントで知りましたよ(^。^)
当時は読者からの感想文は少なく、それらを読む機会もなかったので、こういったリポートが受けるのかどうかさえ判らず、ただ自分の興味で訪問したい所に行ってリポートをGun誌に送るだけという状態だったのです。
ブルシェ→雄牛のクソ
という表現はアメリカでは多く使われているわけですが、日本語に訳すと間が抜けるのですよね。
日本で「くそー!!」といっても誰もそれほど気にしませんが、米国で「ブルシェー!!」なんて女性の前で言おうものなら社会的地位をあやうくするくらいのインパクトがあるんです。もちろん小学校などでは禁句です。
どうして牛のクソという言葉がそんなにキツイのかな?・・なぜ牛のクソなのだろう?・・犬のクソだとどうして禁句じゃないのだろう?・・そもそもいったい牛のクソにはどういう意味があるのだろう?・・・これについては聞き回ったのですが、その語源は得られないままです。
ある学校の先生が言うには、その意味としては「私はそうは想いませんね〜」という気取った言い方をする代わりに、強い否定をこめて「ブルシェ」とか「ガッデイム」などといった言葉が使われはじめたのではないかと。
サイプレさんにリサーチしてもらおう♪
そんなわけですから、CHPのインストラクターがシリンダーをバチッと閉じる奴はブルシェだと言った時には若い生徒たちを笑わせるという効果があったわけです。
ただ、禁句とはいえ、男たちが集まるとそういった禁句を並べ立てながら話をするのは普通のことで・・でも知らない人の前では使わない。目上の人に対しても禁句なのです。もし、近くに女性がいて聞かれてしまったら、すぐに謝るのが礼儀なのです。
日本語でブルシェに近い言葉があるとしたら
「こん畜生」ではないかと。
これを目上の人には言えませんよね(^。^)
ともあれ、こういった言葉を英語圏の人に言ってはいけません。男たちは笑ってはくれます、が、内心では「愚かなジャップだ」と軽く観られますからね。
市
2020年04月25日
CM 2003年 8ガツゴーだにゃん
市 (2020年04月25日 12:51)
│Comments(7)
│てっぽ

これはコンバットマガジン2003年8月号に載ったSTIではないでしょうか。
38スーパー、40S&W。両方アッパー一式買われてます。
38スーパーは2004年1月号でSTI R26になってます。40口径のスライドの方はエッジ改に進化。
ニャロンパさん、
これで合ってないですかねー(?_?)
松浪和夫


おおーう(°_°)
そうだったよーなキガスル!!

ニャロンパさん、
早く応えるのよ、早くにゃん(^。^)/
2020年04月25日
緊張しながらスマイソンのグリップにチャレンジ
市 (2020年04月25日 04:02)
│Comments(7)
│てっぽ

このグリップはですね、
これもゴンカロ・アルヴェスです。
黒帯が無くて地味ですが、真直ぐに木目が通った上等な部位から作っています。 ゴンカロは不思議な材で、こういう地味な物でも黒帯がいくつも入った派手な物でも、 視線と心を捉える魅力があります。 ココボロやローズウッド系も視線釘付けになりますが、 それも派手さや華麗さ故のこと。 ところがゴンカロは派手さ無縁な無地に近い物でも視線を捉えて離しません。 なぜか? 分かりません(笑)。 だから、日本語には「魅力」と言う言葉があります(笑)。 後5年程見続けると分かるかもしれません。
さて、 左側がフットボールカット、右側がスピードローダカット、チェッカリング無しのスムース仕上げ、Nフレーム、 と言えばS&Wが1977年に作った125周年記念のM25-3専用の物。 S&Wのメダリオンが薄く金色なのも125周年記念モデル専用だと思います。 こういうグリップは別売されませんから、125周年記念のM25-3から外したのは間違いありません。 とても貴重なグリップですから、くれぐれも削ったりいじったりしないよう、切にお願いしますm(_ _)m。
背景のスピーカー、高そう(^^♪。 好きな音楽を良い音で楽しみながら、名銃を愛でながら時間を過ごす、 心の栄養であります。 ただ、 以前にも書きましたが、こういう上等なオーディオでフルトベングラー始め古い録音を聞くと音質の悪さも耳につきまして… 名演を取るか、音質を取るか、悩ましいところです。
CYPRESS
そーですかぁ♪
ゴンカーロとはおどろきです。
チェリーかな、なんて想ってましたよ
(^◇^;)
メダリオンが銀でなくて金だったので
タダモノではないと感じていましたし・・・
さっそく、自分好みに削ってスマイソンに付けますね♪
・・なんてこたしません(^。^)
ヤガテハ ヤフオクニ ダシマショウカネ
でも300ドルになるかどうか・・・
イッカゲツブンノ タマダイカァ・・・
でもねサイプレさん、
バイロイト音楽祭でフルベンが振ったベートーヴェンをパワーのあるシステムで聴くと、彼がフツフツと湧き出る喜びを懸命に抑えながらも感動しきりながら指揮しているのが感じられますよ。78回転時代の古びた音の中からにじみ出てくる名状し難い熱い音・・それが確かにあると想いますよ。
それは「七人の侍」や「カサブランカ」がカラーになったって、それ自体では感動が高まらないのと同じではないかと。
たとえばカザルスのドヴォルザークのチェロ協奏曲、これも古い録音ですが、今のヨーヨーマの凄い録音とくらべても音楽性のスケールでカザルスの方がまったく上だと感じています。これってただの好みのもんだいなのでしょうかね?・・・

底から見ると、少しのズレはあるものの
木目をよく揃えてあります♪
底から撮ったのはチャター君のために
スマイソンのグリップを撮影するための
練習です。緊張してます!!
では、こんな感じでいいかどうか
スマイソンを撮ってみましょう・・・
緊張が極度に高まって心臓がバクバクです。
はいっ、これでどーか?????

すいません。 子猫ちゃんの顔写すのと同じくらいに近寄ってくださいね‼️
chatter box
子猫ちゃんの顔写せ、という過酷な条件ですが
これでヨロシーてDeしょうか・・・
by ただの仕事のためにでも目の開かない子猫を親から盗んでまで連れ出して撮影する鬼のカメラマンだが達成感で身体が震えているボク
・・・え?・・・どっかちがったぁ???
まあいいさ・・・・・・・・
2020年04月25日
ビアンキ プレイトを撃つ
市 (2020年04月25日 01:06)
│Comments(2)
│訓練

コロナのせいでソーディスが強要される
今日このごろ、
ですけどウチのあたりはいつも
誰もいないのでシンパイなぁーい♪

学校がないうちに射撃術を身につけさせたい、というのが父の計画です。



しかし10歳のジュンはまだまだ非力で 9mmカービンをフリーハンドで撃つことはできません。
けど、バイポッドありなら遠くのプレイトも
ほぼ確実に倒せます。

ケニーにも、そろそろビアンキカップを教えておきたく、まずはフォウリンプレイトから始めました。10ydから撃たせると3秒台で撃ってしまうので、5秒台で撃てといえば、それは難しいと。でも20、25ydに進むとミスの連続。ターゲットが小さくなると、これほど難しくなるものか・・ということが解った初日でした。
銃という道具があれば遠くをヒットできるわけですが、そこにさらなる精度とタイムを要求されると底は深くなるばかり。
いやはや、射撃の世界は素晴らしい!!
by そろそろ22口径は辞めさせて9mmに重点をおきたい・・けど弾代に悩み始めた父