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2019年04月19日

残念なミステイク

市 (2019年04月19日 08:54) │Comments(6)語りのプラザ
じつは、この数日というもの、ちょっと後悔し続けていることがあります。
残念なミステイク

残念なミステイク
先週の練習のときにムーヴァーの機材が入った収納箱を開けたところ、ネズミが入っていました。これは毎春のことなので「これこれ、ここは君たちの住むところではないよ、すぐに出ていきなさい」と声に出して言いながら追い出そうとしました。しかしよく見ると、そのネズミの腹には小指半分くらいのベイビーが4匹もブラ下がっており、箱の中で母親が走り回っても口だけで吸い付いて離れないのです。

あれあれ、困ったな・・・
そう想いながら一家のフォトを撮りました。母親は、それほど人間を恐れてはいません。敵意もなさそうです。その姿には理屈抜きに感動させられます。
そのあたりには多くのネズミが穴を掘って住んでいますが、蛇や鳥たちの来襲で生存率は高くないようです。たしかに箱の中は安全そうで母親の知恵に感心しました。でも、なぜかネズミは追い出すという習慣になっていたので、気にもせず、彼らに傷を負わせないように箱をゆっくりと倒し、それでも出て行かないので、ていねいに裏返しにしました。ターゲットの紙などを噛み切って作った居心地の良さそうな巣も地面に落ち、母親はしかたなく出ていきました。

その後ろ姿を見て、自分は罪なき貧しい一家を追い出す自分勝手な暴力人間なのだという想いがありました。心は澄まないけど、ネズミを箱に住まわせてはいけない、みたいな固定観念にとらわれていたのです。じゃ、どうすればよかったんだ?・・そう自問自答しながら練習を続けました。

残念なミステイク
そして射撃練習をやり、コントローラを再調整するためにもどってみると、地面に二匹の子供が置き去りにされているではありませんか。その姿にハッとしました。でも、きっと母親が探しに戻るだろうと想い、その可愛い姿をアイフォンに収めました。

そして、夕方になり、コードなどを片付けながらチェックするとベイビーたちはまだそこに・・・

動けないのかい?
母さんは来なかったのかい?

残念なミステイク
そう言いながら手に取ると、まるで胎児のよう。目もまったく開いていません。悪いことしたなぁ~、と反省しました。彼らはコードを噛むわけでもなく、被害など受けたことはないのです。そのまま住まわせてやればよいのです。76歳になって、そんな判断もできないとは情けないと後悔しました。

しかたがないので連れ帰りました。しかし育てる自信などありません。もうすこし成長していればいいのですが、こんなに小さくては母親なしでは生きられないだろうと想いました。

命ってなんなんだろう?
人間の命とネズミの命とでは、宇宙人から観てどちらが大切なのだろうか・・・それらはまったく同等で、どちらも重要なんかではないのではないのか・・・命なんて、地下から湧き出る水のように無尽蔵な気がする・・・

残念なミステイク
わぁっ!! カワイイ!!!

ジュンは一目惚れです。
ナナ奥もケンシロウも大歓迎。
さっそくミルクをやりました。
ほそぼそと飲みはします。
箱に布を敷き、ライトで温度をキープします。
育ての係長はもちろんジュンです。

残念なミステイク
ジュンは写真を撮り、それをiPadの画面に。

しかし、三日後の朝には片方が死んでいました。文句もいわず、抗議もせず、安らかに永眠していました。ジュンは泣きながら丘の上に墓を作りました。

もう一匹も死ぬだろうな・・・やれやれ、なんという判断ミスか。と、憂鬱な気持ちでした。

そしてiPadのクラス三日目。この日はナナ奥も同行するのでミルク係がおらず、ジュンが心配するので元気のないネズミも一緒です。受講の間も父のポケット内にいるベイビーのことをジュンは心配していました。しかし、昼食の前にチェックすると死んでいました。ジュンには黙っていました。後になってベイビーの死を告げるとジュンはしばらく泣いていました。

ここで、ダダは母親ゆずりのマジックワードを使います。ダダが子供のころに犬が死んで悲しんでいると母は言いました。
「あのねイチロー、犬はね、家族の誰かの代わりに死んでくれたのよ。だからありがとうと言いなさいね」
これには救われました。そしてジュンもケンもホッとした表情になりました。噓も方便というわけです。

「でも死んだことをどうしてすぐに言わなかったの?」とジュンはムッとしながら聞きました。

「ジュンがダダだったら、これから楽しい食事が始まるという時に自分の愛する子供に言うかい?・・・告げたからといってネズミが生き返るわけでもないのに時をわきまえずに言う必要があるの?」

「・・・・・・・・・・・・」

自分のミステイクでネズミの子たちを死なせてしまいました。その代わり子供達には、あま悲しい想い出となりました。これは貴重な体験だと想います。そう想うのも暴力人間の身勝手なのですが・・・。

ともあれ大した出来事ではない、のでしょうけど、次に射撃場の箱にネズミの一家がいたら追い出さないようにしますよ。でも、家の中に入ってきたらトラップで殺します。

あーあ、はやく人間を辞めたいものだよ。



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Posted by 市 at 08:54Comments(6)語りのプラザ
この記事へのコメント
この記事を読んで、どう感じ何を思うか・・・。
これぞまさに「哲学」!。
命、種の存続、そして家族愛。

母ネズミが戻らないのは、種の保存のため。
脱落するのは弱い遺伝子。戻って全滅するリスクは犯せない。遺伝子に刻まれた生き残るための術。
イチローさんのマジックワード。
「犬はね、家族の誰かの代わりに死んでくれたのよ。だからありがとうと言いなさいね」。
これは偽りではなく真理かもしれませんね。
2匹の子ネズミが脱落したおかげで残りの母子は生き残る。子ネズミの死にはしっかりとした意味がある。
よく哲学で扱うテーマですけど、これぞ真理、無意味な事は何一つ無い、なのかも。

「へっ、たかがネズミ」と全く気にかけない人もいるでしょうし、イチローさんのように深く気にかける人もいる、これは為人でしょう。
「家の中に入ってきたらトラップで殺します」、これはもう「種の保存」にかかわる潜在意識、家族に害を加えるものは許さん!の表れ。誰もが持つ自然な感情かと。

哲学の哲の字。
この文字の意味は「叡智」。
深遠な道理を知りうるすぐれた知恵。真実在や真理を捉えることのできる最高の認識力。
といった意味です。
で、私は息子に使いました。
文字の意味に少しでも近付いて欲しいものです。
Posted by MIZ at 2019年04月19日 10:26
イチローさんの家の猫はこの判断が正しかったと言っています
Posted by ゴードン at 2019年04月19日 12:39
お世話になります。私も動物が好きですし、虫を駆除するのも心が痛むのです。具体的にネズミから受ける被害の種類も正確にはわかりません。ですからイチローさんの問いかけに対していろいろ考えてしまいます。知っているのはネズミが媒体でペストのような伝染病が流行したり、家や電線を噛んで被害が出る可能性があったり。でもだからといって、このネズミさんがペストを媒体しているという根拠はなく、電線を噛まれた被害があったわけでもなく。ただネズミだからというだけで一括りにされて、ネズミとしては納得いくのかなとか。でもご家族の健康を考えたら、イチローさんのご判断は正しかったのだと感じました。
Posted by @HENLLY at 2019年04月19日 23:49
考えさせられます。これしか言葉が浮かばない。しかしこれだけでもカキコせずにはおられないヲトコでした。
Posted by 佐伯 at 2019年04月20日 02:00
いつの日にか、みーやんとは語り明かさないといかんね。タマゴ酒を飲みながらね(⌒▽⌒)
Posted by 市 at 2019年04月20日 12:15
難しいですね。難しいです。
Posted by 晴れ晴れショー at 2019年04月20日 18:05
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