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2014年01月29日

小説 SIG PRO

市 (2014年01月29日 23:38) │Comments(7)記事
事件や災難といったものは、前ぶれなく突発的おこるものだ。日頃の平和な生活の中で考える「死」は、現実感などなくて、遠い未来のことか、または他人事くらいにしか思えない。 しかし、長い人生のある瞬間、それも唐突に、人はどうしようもなく災いの渦に巻き込まれてしまうことがある。まるで運命のツメに引っかけられたように‥‥ 先日、こんなことがあったのだ。最初のところから詳しく書いてみるよ。 6月28日の夕刻、ワシはサンフランからサンディエゴに飛行機で飛んだ。 空港で、ニューハンプシャー州から着いたばかりのジム社長と落ち合った。 ジムは、ウィルコックス社の社長。秘書のバーバラと営業部長のボブも一緒だった。 大型のペリカンケイスが3個、スーツケイスは四個とうい大荷物だったので、社長はクライスラーのミニヴァンをレントした。 “ハイアットリージェンスィーなんてイーチの気に入るかな‥?” 7人乗りのゆったりしたミニヴァンでダウンタウンのホテルに向かう途中、ジムがワシに聞いた。運転はボブだった。 “そんな高級ホテルは好みじゃないな、そんなカネがあったなら火薬とブレットを余分に買って、もっとカップの練習をしたいよ” ワシは、遠慮なしに言った。 “まあ、そう言うなって、ウィルコックスはキミのスポンサーなんだから、ブレットなんか家の床がヒシャげて地面が窪むほづ送ってやるからさ…たまには南キャリフォニアの豪華な空気を吸って、楽しくやろうよ… といっても明後日からはミリタリーベイスに閉じこもっての仕事が続くんだがね…”  ワシは、ウィルコックス社の開発アドヴァイザーだった。特殊部隊向けのプロトタイプができると、それをテストして、改良点を指摘するのが役目だった。 ウィルコックス社には、多くのエンジニアが働いているが、彼らが造った製品が実際に役立つかどうかのテストができる人が居なかった。そこで、スワットやシューティングの経験豊富なワシに役がまわってきたのだ。 その報酬として、ウィルコックスはワシのビアンキカップのスポンサーになり、試合参加の費用などをヘルプしてくれるのだった。 今回の仕事は、サンディエゴの基地でパワーグリップとM4の組み合わせでナイトシュートのテストに立ち合うというものだった。
テストをするのはスィールズの隊員達で、月曜日の夜から始まることになっていた。 サンディエゴには、大規模な軍港がある。空母や潜水艦も多く出入りし、トップガンのスクールもあればスィールズの訓練基地もそこにあった。 “まだ陽も高いし、どうだ? ホテルに入る前に国境線でも見物するってのは…” “まあ、いいわね、私初めてよ…” と、若くて美人のバーバラがはしゃいだ。 “よーし、じゃあ、そこのフライドチキンに寄って、チキンナゲットとアイスティーを買おう。遠足気分を出そうってわけだよ”  それを聞いたボブは、機敏にミニヴァンを駐車場に停め、チキンを買うためにサッとクルマを降りた。営業という仕事がらなのか、頭の回転や身のこなしも良い。 “ヘイ、待ってよボビー、私も行くから…”  バーバラが小走りでボブの後を追った。 “…可愛いよね、バーバラは…” と、ワシはあたりを見回しながら言った。 “ウン、あれで頭の回転も良いしね…忙しい時の残業や土曜出勤もイヤがらずにやってくれるんだよ” “仕事を大切に考える女は、男もそうだけどさ、やはり魅力があるよね…” そんな会話をしていた。 あたりには人がいなかった。 駐車場には一台のクルマさえ見えない。日曜日の午後はヒマな時間帯らしい。その静けさが気になってワシは外に注意を払っていたのだ。 そして。 まさにその時だ、一台の古いワゴン車がゆっくりと現れた。そして、植え込みの向こう側に停まった。50mほど離れていた。 チキンを買う客だったら、もっと近くに停めるハズ。かと言って他に店があるわけでもなかった。樹木がさえぎっているので見えにくかったが、ワシもジムもジッと観察した。 “あのエコノラインは、30年モノのアンティックだよジム…” “…よく知ってるな…” “モーターサイクルをアレに積んで野山に出かけるのが夢だったんでね…” “…だけど、今どきあんなのに乗ってるヤツは、犯罪に関係してるのを宣伝してるようなもんだぜ…” ジムの言葉は、半分真剣だった。 そして、その時、別のクルマがエコノラインに寄りそって停まった。これも年代モノだった。60年代の大型なアメ車だった。 ワシはスッとウィンドウから顔を退けた。ジムも同時に同じことをした。 何が起こるか、あるいは何も起こらないのか知らないが、あの連中と視線を合わせるのは不必要なことだった。

つづく(信玄殿 早うお頼みもうすぞよ)



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 お待ちどうさお〜ヽ(^0^)ノ (2014-12-15 20:35)

Posted by 市 at 23:38Comments(7)記事
この記事へのコメント
信玄さん、ありがとう<m(__)m>。
この小説の頃は銃の世界から遠ざかっていたので、
初めて読みます。
続きが楽しみです(^.^)。

それにしてもイチローさんの女性の好みは、ま、いいか(笑)。

信玄さん、もう一度、本当にありがとう<m(__)m>。
Posted by CYPRESS at 2014年01月29日 23:48
おお、コレです!信玄さんありがとうございます。

やや、ネタバレ含みますが…
この記事を読んだ、自分、まだ高校生だったので「奴らは、人間の姿はしているが、人間とは別な生き物だから蚤と同じように殺してOK」ってのを読んだ時は、面食らいましたね。
自分もまだ青かったな…
Posted by Q太郎 at 2014年01月30日 00:45
懐かしいですね。この後の展開は…。お楽しみということで取っておきますね。
Posted by ハラハラショー at 2014年01月30日 05:43
(^O^)ハウディ~♪

CYPRESSさん、Q太郎さん、喜んでいただけましたか(*^o^*)
ナニ?続きが気になるから早よ書けって?
ガッテン承知の助平♪

弁当やお茶と一緒に、ちゃ~んとカバンにコンマガ入れてトラックに乗り込み。
休憩や待機時間にカキコしちゃいますよん。
なので、しばしお待ちくださいまし。


(♪おッ魚 くわえた ドラネコ~ 追ぉッかけェ~てェ♪)
♪さぁーて!
次回のサザエさんはぁー。

・ハリアーップ ジム!
・イチローは波平?
・マルパソ 二つで充分ですよ

の三本です!
じゃーんけ~ん ぽんッ!
ウフフ♪
また来週ゥ~(昔は、ンガ ググッ!やったのに…)
Posted by 信玄 at 2014年01月30日 06:39
ハウディー!

信ちゃ~ん(^〇^)/

眠気に耐えてよく頑張った!感動した!
猫泉銃市郎

泣けるぜ
きゃらはん警部

ビールを市ケース贈ろう
ぎるごあ中佐

ウチに来て妹とファミコンしていいぞ
はぁとまん軍曹

どうもあがとりぃ~
(・∀・)/ ガーンバ

by こんなに頑張る子ならばパラコードは70センチあげれば良かったなあ、と思ったケチなオトコ
Posted by マルパソ84 at 2014年01月30日 08:06
ジムとワシは、後部座席に乗っていた。
ジムは、片目だけ出して監視を続けようとしていた。
“ヘイ、ジム、ガンを出そう!”
ワシは、そう言いながら、後部のトランクルームに這い移った。
“ウン、コンビネイションは2011だ、M4はあるがタマが無い。右側のペリカンを開けてくれ、そこにピストルがある。タマもそのあたりにあるはずだ”
ワシは手早くロックの数字を合わせてペリカンケイスを開けた。三角形の角のまるいソフトケイスがあった。それを持ちながらタマを探した。フェデラルの箱があった。

“フォーティスミスでいいのか?”
“アー、それだ、でもマガズィンは空だよ”
ズィッパーを開けてソフトケイスからガンを出す。見たこともないピストルだった。
SIG P2340とスライドに刻印が打ってあった。
タマの内側を逆さにして50発のタマを床にまいた。右手で10発ばかり握ってマグに詰める。12発入った。もう一つのマグもフルにする。残りのタマはポケットに入れた。

“OKジム、アイムレディー‥”
ワシはジムの背中に向かってそう言った。このときは、まだジョーダン半分で、遊びを兼ねた訓練の気持ちでいた。
しかしタマと銃の準備ができたのは安心な気持ちだった。この国アメリカでは何がいつ起こるか判ったものではないからだ。“…さすがに手慣れたもんだなイーチ、オレはヤツラの様子を見ることに気を取られて、ガンを出そうなんて考えなかったよ”
“イヤイヤ、これはコンバット気分の遊びというもんよ”
“だがな、その心構えってのが大切さ…なにしろヤツラは麻薬ギャングだからな…”
“えっ!売買の真っ最中か?”“ビンゴだぞ。でかい箱をセダンの方が受け取り、エコノの方は紙袋だ。バイヤーは後からヤツラだな…あそこに停まったのは道路の両側を見張りながら取引ができるからだろう。賢いやり方だ…”
ジムの背後から、のぞいて見た。
二台のクルマは、窓越しに何かを話しているようだった。
“こっちのこと気にしないのかな?”
“クルマが空だと思っているんだろ”
“そうか…ところでジム、このガンは何だ?”
“オー、スィグプロのことか…それは、今月のNRAショウで発表されたはずだよ。ウィルコックスには、もっとずっと前からあるけどね…ミリタリーはすでにテスト中で、レイザー用のマウントをウチで造ったところさ”


つづく
Posted by 信玄 at 2014年01月30日 11:35
“あーホントだ、レイルが切ってある…でもストッパーになる切り込みがないぞ…ガンを撃つと、反動でレイザーは前に滑ろうとするんだが、このままじゃスッポ抜けないか?”
“ウン、じつはそのことをSIG社に伝えたんだが、あんまり反応がなかったな…よく判ってないみたいだった…ただし、言えることはだ、これでグロックは終わりかもしれんということだよ…フレイムを良く見てくれ”

 ワシは、明るいところにピストルを移してよく観察した。質の良いパーカーライズかと思えたフレイムには少しのヒケがあった。
 それはポリマー射出成形したときに温度変化でおこる現象だった。それにしても見事な造りだと思った。グロックのような安っぽい印象がまるで無いのだ。一目でポリマーだと見破る人はいないかもしれないーー
それほどキッチリとしたフレイムなのだ。

“なるほど…これは良い出来だな…ワリと小ぶりだが229よりは大きそうだな…”
“アー、ちょうど229と226との中間だ、良いサイズだろ?それで値段は600ダラを切って売るそうだよ”
“ナニ?600ダラ以下だって?…それは安くきたもんだ、そりゃ売れるよ、同じような値段なのにグロックやベレッタを買うのは賢い判断じゃないもんね”

 ワシは、手にした「スィグプロ」を驚いた気持ちで眺めた。
 世には、多種のピストルが存在する。そして、今市場にあるピストルの中で最も優れたモノと言えばSIGなのだ。
 SIGが一番だと考えるのはワシの独断ではない。FBIもミリタリーも、一般のポリスもガンスミス達も、知識のある人だったら異口同音にそう言うだろう。
では、スィグのどこが良いのか?ピストルの能力を判断するとき、大切なのは次の三項目。

1:頑丈信頼できること。
2:使いやすいディザイン
3:よく当たること。
 故障せず、ジャムせず、多様なタマにも対応でき、人が実際に撃って使いやすく、そして命中精度の高い銃ーーこれが理想のハンドガンなのだ。
スィグのピストルは、これらの三項目テストで抜群の性能を持っている。
ガンショップから100丁買って、箱から出し、いきなり1000発撃つーーそんな競争をしたとする。実際にそんなテストはしたことないが、個々の銃を撃っての印象から判断すると、以下のようになると思う。

1位 SIG226
2位 ベレッタ92F
3位 H&K USP
4位 グロック17


つづく
Posted by 信玄 at 2014年01月30日 11:45
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