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2012年12月21日

バトルスナイパーM4  の記事です 長いっ!!!

市 (2012年12月21日 14:29) │Comments(6)記事








  BATTLE SNIPER M4
by Ichiro Nagata

    ★猫もシャクシもM4★
 オバマ大統領がガンコントロールをするということでCNNだったかFOXニュースだったかで議論をしていたことがあります。
 例によって「鉄砲を取り上げないと犠牲者が出続ける」とか「鉄砲があるから犠牲者とならないですむ人もいる」とか「銃で殺せないなら爆弾でもナイフでも殺すから同じだ」とか、いろいろと話し合っていました。その終わりにキャスターがこう言いましたよ、
“むやみやたらに銃を取り上げられると私としては困るのですよ、だって私は銃が好きでけっこう持っているのですからね~…”
 あははは、さすがアメリカだなぁ~、と笑ってしまいましたよ~。
 
 アメリカ人にはテッポ好きが多く、意外な人がこの趣味にはまっていて驚くこともよくあるのですね。
 で、テッポ好きと言っても、かなり分野があります。まず多いのはショットガンではないかと、そしてハンティングライフル、リムファイヤの22口径、そしてハンドガンなどだろうと想います。
 ようするに「何を撃ちたいのか?」という個人の事情で分野別れができるのだとワシは感じています。ただ紙ターゲットを撃つのが楽しいとか、動いているモノがいいとか、飛んでいるターゲットがいいとか、鉄板を速く撃ちたいとか、遠くの的に命中させたいとか、様々な個人の好みがあるわけですね。
 そこで、ワシはどうかといえば、
「鉄砲は日本拳法の延長にある」と位置づけているのですね。手足で闘うには限度があるのでナイフも使い、それではリーチが足りないので銃を使う、これなら自分の繰り出したコブシが眼の届く距離まで飛んでいく…という便利な魔法の道具が銃なんだと考えているわけです。
 そういうことでワシのターゲットは「自分や家族を襲ってくる人間」と定めが決まっているわけですね。
 そして実は、自分の家は自分で守るという気持ちは多くのアメリカ人がもっており、犯人がドアや窓を破りはじめてから警察に電話をすれば助けに来てくれるだろうと考える人はそれほど多くはないのですね。
 強盗がやってきて、ガチャンと窓を破り、すぐに電話をしても警察官が来るのは早くて3分、この180秒という間にいったい犯人はどういった動きをするのだろう、まさかヴィデオのリモコンのポウズボタンを押したようには止まっていないだろう、ということは誰にでも想像がつくことなのですよね。
 ちなみに我が家の場合は人里離れているのでポリスに助けを請うても30分以内にくるなんてあり得ないと考えていいのですよ。なので悪いヤツが武器を持って敷地内に入って来たら自分たちで逮捕なり射殺なりするしかないのですよね。
 
 「アメリカは三つのGから成り立った、それらはガッド、ガッツ、ガンである」という古い言葉があります。ガッドは神のことで、それと開拓者の根性とGUNで国が成り立ったという意味ですね。
 どうしてアメリカ人は鉄砲を捨てないのだろうかと疑問に想う日本人が多いようですが、こういった歴史的、そして精神的背景を理解しないといつまでも解らないわけです。
 日本でも明治時代までは重い刀を腰に差して歩いていたわけですし、戦争で惨敗し米国を前にして自らの精神まで亡ぼす前は、我が国でも護身のための拳銃などが売られていたわけですよね。
 それはともかく、
 現代のアメリカでも護身は自分でするものだと考える人々は多く、かなり小さな街にでもガンショップがあり、拳銃やショットガンがよく売れているわけです。
 護身のために銃を備える、そして練習もするという人々、こういう人は「コンバットシューター」というわけなのです。
 しかし、護身のために撃つという人々にはかなりな技術差もあり、3mから当てられない人もいれば25mからヘッドを撃ち抜ける人もいるというぐあいに様々なわけです。
 ようするに、セルデ(セルフディフェンス)のマインドの強さ、想定の厳しさ、そして予算の多寡などによってセルデの道具は変わってくるのですよね。
 で、そこで、
 近年になってM4タイプの人気が急加速しているのですよ。昔から AR15系はかなり人気がありましたが、今ほどのような熱気はなかったと感じています。
 M4とは、米軍がヴェトナム戦争から導入していたM16というアソルトライフルを進化させたもので、初めは「フラットトップ」と呼ばれたりしていました。どう進化したかと言えば、簡単に言って「夜の戦闘に対応するようになった」ということではないかと想うのですよ。キャリングハンドルが廃されトップがフラットになり、ハンドガード上下と横にレイルが付き、そこに夜戦のためのディヴァイスが搭載できるようになったわけです。M4となってからはビアンキカップで使われ始めたダットサイトも搭載されるようになり、射撃のスピードと精度が格段に向上しました。
 ナイトヴィジョンやレイザーサイト、そしてヴァーティカル グリップなどが状況に応じて自由に載せ替えできるようになり、その戦闘力たるや、ムカシの比ではないのです。
 “M4にゴテゴテとアクセサリーなど載せるのは好きではない”
 と、そう言う人もまだいますが、載せる必要のないものは外しておくわけですよね。戦いに必要なモノだけを状況に応じて増やしていくのですよ。レイルのある銃だとナイトヴィジョンを搭載できて勝てるチャンスは向上するのに、ナイトヴィジョンがないと殺される可能性が増すわけで…。
 戦闘の道具とは、見かけや好みなど関係なく、勝てるか負けるか、撃つか撃たれるかであり、暗闇で相手が見えないのに敵からは丸見えになっているという状況は死を意味するわけで、ゴテゴテなテッポは嫌いだなどとノタマウ戦友がいたら早々とお別れしないとティームが危険にさらされるわけです。

 「できるだけ多くのアクセサリーをそろえておき、状況によって使い分ける」
 つまりそういうことですね。
 M16では夜の射撃戦に対応できませんが、M4だと選択肢が増えるわけです。選択肢というのは多いほど有利で、これは「戦争ではオカネのあるほうが強い」という理屈に直結しているのではないかと想うのですよ。
 でもオカネがあるほうが強いといっても、武器を買うための予算を出さない国だとオカネがあることにはならないわけですから、それは「セルデのマインド」に関わることなのだと想いますね。
 選択肢というのはどういうことかと言えば、たとえば将棋において相手の手持ちのコマに飛車があり、桂馬も香車も銀もあり、それにくらべてこちらには歩しかなく、防戦を強いられているのに相手の王は鉄壁の穴熊囲いに入った上で様々な攻撃手段がある…とそういうことですからね、アメリカ軍に取り囲まれた硫黄島のようなものではないかと想うのですよ。
 なので、選択肢とはオカネのことでもありますね。でも軍備にケチるという選択肢もあり、こういう国はいつかコッピドイ目に遭う可能性が高いでしょうね。

 さて、
 そのM4なのですが、民間人の間で大人気となり、若者からトシヨリまで、サラリーマンからドクターまでと拡大し、ワシのようなゲージュツカのオジイサン(笑い)までが競うようにアクセサリーを増やしているという状況なのですよ。
 M4の何が魅力かと問われれば、女の子の着せ替え人形のようにアクセサリー類をいくらでも増やせるし自分の個性に合ったカタチにもっていけるからではないかと想うのですよね。それにやはりなんだかM4ってかっこがいいのですよね~。
 というわけで、ガンファンならば、猫もシャクシもM4を持ちたがるのが今のアメリカというわけです。

     ★M4に求めるもの★
 さて、ワシの M4はどれくらい前にゲットしたのか想い出せませんが、ムカシのコルト AR15やアラン ゼダのやイーグルのやとあり、それにナイツがあります。多分探せばもっと出てくるような気もします。
 そしてアッパーときたらワンサとあります。ちょっとこの記事のために集めてみましたが、まだまだ出てくることでしょう。
 M4というものは、アッパーが大切で、これで性能が決まるといえます。アッパーはフレイムとバレルとハンドガードから構成され、命中精度を決めるのはバレルではありますが、バレルを留める方法とかで命中精度も変わります。だいたいにバレルが浮いた状態に保持される「フローティング方式」が良いとされますが、そのあたりはちょっと複雑な要素もあるようですよ。
 ともあれ、ムカシから多くのガンスミスが AR15の命中精度を上げようとトライしていましたが100mで10cmという時代があり、やがて5cmに集弾できるようになってきました。まあ、今でもヘタなバレルでは10cmほどに散るものがいくらでもあるそうですがね。
 ロウワーフレイムさえあれば、精度の高くなったアッパー、またはバレルだけを入れ替えてアップデイトしていけるところがM4の魅力で、ワシもそうやってアッパーの数が増えたというわけですよ。
 ナイツのデイヴ ラッツがいろいろなバレルをテストしたところ、抜群なのはノヴェスキ で100ヤードから1インチに集弾したターゲットを見せてくれました。ワシの持っているナイツバレルの性能は3本とも100m/5cm弱というところです。
 M4はバトルライフルなので100m/5cm という性能で充分だとワシは想っています。だって、M4のサイトは基本的に等倍であり、ブースターで望遠にしても2.5倍くらいのものですから、これを生身の人間が撃ってバレルの性能を引き出すことは難しいのですよ。つまり100mからダットサイトで狙ってもノヴェスキバレルだろうが普通バレルだろうがモンダイにするほどの差は出にくいわけです。
 インターネットなどに「オレはドコソコのバレルでハーフインチのグルーピングを出したぞ~」などと書き込まれていても、それはラッキーショットだったりウソだったりする可能性があるので、すぐに信じてはイケナイのですよね。メイカーがらみでウソを書く人ってけっこういますからね。
 ですから、M4の精度を実験したかったらまずはダットサイトを外し、最低でも10倍のスナイパースコープを搭載して何日もかけて撃ってみないと判らないのですよ。ちょろちょろっと5発ずつ撃って、その中で一番良いグルーピングを切り取って魚釣りの魚拓のように仲間に見せてハナシのネタにするのは楽しいことですが、だからといってそれを信じきってはイケナイのですよ。
 春夏秋冬、暑いとき、寒いとき、雨模様だったり湿度が低かったりと、様々な条件下で撃ってデータを出すのがよく、1本のバレルを信用できるまでは毎週撃って少なくとも1年はかかるというのがワシの考えです。そしてスコープにおいても同じことがいえます。数日間は同じ所に集弾していたのに、ある日にゴソッと別なグルーピングになる、そして場合によっては散りまくったりと不可思議なことがよく起こります。その原因はスコープなのか銃なのかの見分けも楽ではないことがよくあるのです。
 ともあれ、頑丈なスコープと頑丈な銃、この基本が崩れると面白くないわけです。
 そういうことでワシがM4に求める精度は100m/5cm、この性能を活かすために1-4倍のCQBスコープを搭載しライトスナイパーガンとしても使える、というものでした。
 それはたしかにフンパツして高価なノヴェスキバレルを自分の M4に組み込みたいという気持ちになったことはありましたよ、しかしいつも想い直しました。その理由は、「ギャス直接噴射」というメカニズムが信用できないという結論に至っていたからです。
 どうして信用できないかといえば、それらのアッパーがことごとくジャムったからです。つまりウチにゴロゴロと転がっているアッパーは、ある確率で故障するという前科があってのことなのです。
 「プッシュロッド式が良い、実戦において噴射式は使いたくない」
 この気持ちは M4を撃てば撃つほどに強くなりました。射撃訓練でM4がジャムって教官や生徒たちがパパッと慣れた手つきでジャムクリヤーするのを観るたびに「次は我が身…」とサメた気持ちになったものです。

 噴射式かプッシュロッド式か?
噴射式というのは弾丸が飛ぶときのギャス圧を直接ボルトに噴きこんで作動させ、プッシュロッドはギャス圧でロッドを動かしてボルトを動かすというもので、どちらが良いかということでは常に議論のタネとなっているのですよ。

 で、ワシの噴射式アッパーたちときたら、初めは調子が良いのに数ヶ月も放置して撃つといきなりジャムって、スプリングやバファーを替えたらしばらくなおり、でもまた後でジャムるとか、とにかくそんなのばかりなのですよ。気分屋たちなんですね。
 でも、どういうわけか他の人たちって撃っている途中でジャムってもクリヤーしてケロリとして撃ち続けることが多いのですよね。ワシのばあいは、千発に一度でもジャムがあると原因を考えないではいられないわけで…というのは「実戦ではその珍しいジャムが必ずおこる」と想定してしまうのですね。これはきっと剛胆さに欠けているワシがチマチマと気にしすぎるからでもありますね。
 ともあれ、ワシが銃に求めることは「精度よりもトゥリガーを引いたら必ずタマが飛び出すこと」なのです。この自信が得られなかったら戦闘などゼッタイにいやです。
 噴射式には問題などなく自分のは調子が良いという人はいても、現実にワシのアッパーはジャムっているわけで、これが運のせいであろうとなかろうと、噴射式とはサヨナラしたいと想ってしまうのはシカタないのではないかと…。
 まあ、構造なんてどうでもいいのですよ、糞射式(笑)だろうがなんだろうがトゥリガーを引くたびにタマさえ出てくれればいいというわけなのです。

 そうそう、そういえば想い出したことがありますよ。
 クリスコスタたちがディザイン参加して組み立てたというAR15をワシとキャメロン編集長にブラヴォーカンパニーが贈ってくれたのですよ。その BCMをキャメロンはワシの目の前で千発撃ってジャムなしだったということがありました。
 コスタは生徒達が買いやすいようにと M4 廉価版を作ったわけですが、その質のよいのに驚きました。で、ワシのはまだあまり撃っていませんが、お客さんたちに撃たせるかぎりでは調子は良いようです。
 まあ、こういう例もあるのでイチガイに噴射式はイカンとは言えないことも解ってはいるのですがね…。
 とはいえですね、ワシんとこには SIG 550というスイス製の凄いライフルがあるのですよね。アメリカ製とスイス製では品格が違うとはいえ、どうしてもこの550とM4をくらべてしまうわけですよ。
 550はぜんぜんジャムったことがないのですね。いろいろなタマを使ってもバシバシと頑強に動くのですよ。そして、1983年とかに出て来た銃なのに100m/25mmという命中精度を秘めているのですよ。そのころの AR15なんてゴルゴさんの不可思議な方法で分解できるアーマライト以外は大したモノではなかったのです。
 で、FBI教官の奨めもあって、ワシはその550でスナイパースクールに参加し最初からワンインチの規定をクリヤーしたものです。撃つ前はせせら笑っていたポリスのスナイパーたちは550の周りに集まってきてシゲシゲと眺め、ウエバー教官はスナイパーライフルにセミオートの時代は必ず来る、と予言したものですよ。
 世界一の軍用銃はどれか? そう聞かれたら今でもワシは SG550だと答えますよ。
 ただ、550にはレイルがなくて、ナイトヴィジョンもレイザーも搭載できず、実質的にはM4に負けるわけで…。
 そこで優れた戦闘銃を求めるワシは、しかたなくM4に凝ることとなり、時代の流れとともに深みにハマることとなりました。ただ、有り難いことにM4関係のアクセサリーやパーツは雨後の竹の子のように各所から販売され、信頼できそうなアッパーなども増えて凝り甲斐があるわけですね。
 求めることは故障しないという信頼性、その上でなるべく当たるということ。ほんとうのところを言えば、100m/25mmの命中精度を秘めたM4、これなんですね。

    ★ヴァイキングのアッパー★
 そんな折、ミッキーファアラの息子のローガン君がヴァイキング タクティクスのアッパーを愛用しており、ワシも買おうと想いました。気に入った理由はハンドガードの細さと長さです。撃ってみるとなんだかM4とはまったく異なったライフルのような感触があり、とても撃ちやすいのです。早撃ちをする時は左手を真っ直ぐに伸ばして撃つわけですが、この技法にピッタリの造りなのですよ。でもまあ、左手延ばしがいいかと言えば、屋外での射撃や競技ではよくても屋内の戦闘ではフレクスィビリティーに欠けるのでコレばかりにするとまずいのですが…でもキチンとマスターだけはしておくわけです。これも選択肢を豊富にするというコンセプトの一環というわけですね。何でも学び、やがては自分流を確立するというのが良いと想うのですよ。
 そしてある日のこと、写真を学んでいるローガン君がワシのレンズを欲しがっていることが判りました。それはもう使っていないヤツでしたので彼のヴァイキングと交換しましたのです。お互いにモウケましたね。

 で、このヴァイキングアッパーのフレイムはノヴェスキでバレルは BCM のものでした。ノヴェスキバレルは$500と高価なので買えなかったのだそうです。このまま1年ばかり撃ってみてジャムしないようだったらバレルを替えようと想っていました。
 200発ほどこれで撃ったところ調子はよく、やってきた自衛隊員たちに貸したところでも快調でした。
 それまで愛用していたルイスのモノリスティックにカーボンバレルという組み合わせのアッパーに良いものが加わったと安心していました。
 ところが、その10ヶ月後のこと、ある警察官がやってきました。
“イチローさん、M4を撃ってみたい!!”
 そういうので最良のセットアップであるはずのヴァイキングを渡しましたよ。自分で撃つよりも他の人に撃たせたほうがタマ代を使わずにテストができるという「下心」がワシにはあるので、どんどんお客さんに撃たせるのですよ。笑
 すぐにジャムりました。
 ヤッキョウがイジェクションポートに引っかかっています。10発と連続して撃てません。ワシが撃ってもジャムるのです。
 “だいたいね~、警察官のくせしてM4なんか撃つからイケナイんだよ…”
 とナンクセつけて撃つのをやめましたよ。
 後でローガン君に渡すと、やはりジャムです。スプリングを替えたりしてもダメです。ギャスブロックが詰まっているのかもしれません。すくなくとも千発は快調に動いていたアッパーが季節が変わったとたんにまったくダメになったのです。こういうことは以前にも何度かありました。
 信頼しかかっていたアッパーがアッパッパァ~になったのです。
 多分、修理はできると想います。直せてまた撃てるようになるのは確かです。でも、もうワシの心は直りません。以後の訓練には使いますが、本当の闘いが起こったとき、これを持ち出すことはないのです。
 ワシってリラックスしていて愉快で楽しい人なんですよね、でも武器に関してはすっごくウルサイのですよ。ナイフならちょっとナマクラでも人肉くらいは切れますが、鉄砲という武器って故障したら重大な命の危機に陥るのですよ。すぐに拳銃を引っこ抜けばええではないか、じゃないっちゅうのです。
 正直に言うと、どうも噴射式はシンケイシツで欠陥ディザインではないかという気がしなくもないのです。これはまったくシロートのただテッポ好きなだけの、それでいてソコソコ経験のあるワシの独善的で一方的で間違いの可能性の高い解釈ですがね。笑
 とにかく、もう噴射式はイヤです!!

 うむむむむむむ~、どうしよう???
アッパーはもとのカーボンに取り替えて、思案にくれる日々が一ヶ月……

 そこにSIG社からメイルが来ました。
 「おまたせして澄みません、やっと516アッパーを発送できました」
  
     ★GO16アッパー★
 516アッパー!!!
 じつはコイツに最後の期待を寄せていたのですよ。
 ここに至るまでを書くと長くなりすぎるので縮めますが、SIG社がワシをドイツに行かせてX5カスタムの製作アドヴァイスをさせていた頃からの計画でした。その時にライフル ディザイン部門に寄って新しいライフルのハナシもあり、それは堅く口止めされていたのです。
 その頃にあったライフルにワシは失望しており、工場長にかなりモンクを言いました。
 しかし大きな会社ほど改良には時間がかかるもので、そのことを忘れるほどに待つこととなりました。
 そしてやっとSIG 516が市場に流れ出てきました。雑誌から撮影の依頼がありアーケディアPDにて516にお目にかかりました。
 それはミリタリー&ポリス向けの14.5インチバレルのものでした。
 “うん、良くできている”
 手にしてすぐに良いと感じました。ピストン式にしては小ぶりになっており、それでいて剛性の高さが伝わってきます。ハンドガードを掴んでみると通常のM4よりも太いとは感じません。ほんとうならピストンが入る分だけ背高になるわけなのですが、これはレイル部の上をギリギリまで攻めてあり違和感ゼロなのです。つまりM4に慣れた人がハンドガードを握ってもプッシュロッド式であることに気が付かないのです。現にポリスの1人が言いましたよ。
 “えっ? これピストンガンだって??”
 それってすごいことです。
 撮影が終わってからテストをしました。
 載っていたダットサイトを外して15倍ものスナイパースコープを載せました。それも評判の高いナイトフォースです。
 簡単に100m/25mm を達成です!!
わずか14.5インチという短いバレルでこの精度がっ!!……ラッキーショットの可能性があるので何度も撃ちました。でも毎回ゴボリと当たります。
 “これ、もらっとくわ”
 ワシはアッパーをフレイムから外して持ち帰りましたよ。だって、どしてもほしかったんだもん。
 アメリカの法律では、鉄砲とは基本的にロウワーフレイムのことを指すのです。登録番号がロウワーに打たれています。で、下側を勝手に持ち帰ると犯罪になります。でも、アッパーには制限などありません。ガンショップでアッパーを買えば、無登録でそのまま持ち帰れます。なので外してワシが持って帰るには “請求書まわしとってや~”とさえ言えば誰もモンクを言えないのです。
 で、バレル長16インチ以下のライフルだと民間人は持てない、という法律もあります。でもライフルは買えなくても、アッパーだけなら買えるのです。でも、そのアッパーを自宅でロウワーと結合させると違反となります。ですから、離れた場所に保管しなければなりません。ところが、もし AR15ピストルを持っていれば、それに14.5インチを載せても、それはピストルなのでOKなのですよ。
 なので、ワシが短いアッパーを持ち帰ると言ってもアーケディアのポリス諸君は笑っているだけなんです。きっと彼らはワシが自分の家で結合して撃つという悪事をはたらくにちがいないと邪推しているに相違ありません。むしろ撃たないほうが不自然だと想っているのではないかと。
 “自分の土地で撃っているのを誰が見ているっちゅうんだ? そしていったい誰が取り締まるっちゅうんだ??”
 そうなんですよ。警察も、銃を取り締まる ATFでさえも、こんなクッダラナイことでいちいち捜査なんてやらないのです。
 だからと言ってワシが法を破ってショートなアッパーを撃つかといえば、それはありません。ぜったいにやりませんよ。ワシが法律を破る可能性は万に一つもないのです。それだけはここで断言しておきますね。

 でも万に一つもなくても、京(けい)にひとつくらいはあるかも…笑

そしてワシはすぐにSIG社に注文を入れましたよ。“16インチアッパーをくんろ”とね。
 ところが初回の配給が売り切れたらしく、数ヶ月も待たされてようやく届いたのです。
 さっそくナイツからカーボンを外して516アッパーを搭載します。そしてあの15倍スコープを載せます。庭先にあるホキマ射場から100mを撃ちました。よく当たります!!スコープの調整がすむころにはすでに25mmのグルーピングは当たり前となっていました。
 数日かけて撃ち、いつも素晴らしく当たります。ヤッキョウはビシビシと勢いよく飛び、不安感がありません。

 “とうとう願いが叶うのか?・・・”
 そういう予感に包まれてドキドキしました。夢のワンメネットバレル、そして憧れのピストン式!!!
 “1000発をクリーニング無しで撃てたら、まずは信頼できるだろう…”
 そういう想いでテストを始めました。
 テストというのは遊び撃ちや訓練と違ってちょっと面倒なのです。コールドショットの日々なのでチョッとずつ毎日のように撃ち、毎回の緊張もあります。でも真剣にやるつもりになっているのです。
 516とは「GO! イチロー!」の意味だったかと、やっと解りましたよ。笑

     ★1-4倍スコープ★
 しばらく15倍スコープで撃ち、やがて1-4倍のに替えました。その上にはマイクロT-1というエイムポイントが載っています。
 これはワシのバトルライフルに載せる最新のセットアップです。
 50mくらいまではダットサイトで狙い、それ以遠は4倍のスコープで狙うというコンセプトです。これは200mの距離を撃つときに50mまで近寄って狙えるというような感覚で撃てるという仕組みなのですよ。200mとなれば等倍のダットサイトでのヘッドショットは難しすぎですが、4倍スコープなら容易になるのです。
 で、このスコープは日本製なのです。
 それもワシが一番良いと想っている日本の工場で作られており、ワシのアドヴァイスも取り入れられています。もっと改善していきたいのですが、とりあえず使えるところまで来ているので販売をしています。取り扱いはOTSという官公庁相手のショップです。
 インフォはこれです。

     株式会社オペレーション・トレーニング・サービス
     Operation Training Services Co.
     〒179-0073 東京都練馬区田柄2-51-17-1F
     TEL03-5967-0633 FAX03-6750-6407
     
お店が  タクティカルプロショップ エリート
     〒179-0073 東京都練馬区田柄2-51-17-1F
     TEL03-5967-0634 FAX03-5967-0635

 そうそう、OTS といえば、この記事でワシが被っているヘルメットも扱っています。
 これは FAST のバリスティック ヘルメットでメイカーからのイタダキ物なんですが、あとで値段を聞いてびっくりしました。とてもかぶり心地がよいです。
 じつは、ワシは M4をモーターサイクルに積んでパトロールをしたいので、そのために軽い方の「ベイスジャンプ ミリタリーヘルメット」というのを購入予定なんです。
 野山を低速で走るだけなのでオートバイ用のヘルメットはやめてこれで充分かと。それにナイトヴィジョンとIRライトをヘルメットに装着しなければならないので、そうなるとコレが最適なのですよ。

 ところで、日本でのエアガンに1-4倍スコープを使っているシューターがいますね。
 たとえば、市ブログのメンバーとなっている「まうさん」は強力ウヨクの1人です。
 そのまうさんに、ちょっと質問をして答えをいただきました。その文章を転載させていただきますね。
 
「僭越ながら、お答えさせていただきます。 まず、競技ごとに銃を準備するのが考え方の基本なのですが、室内フィールドでのタクティカルシューティングイベント用であります。 距離は5mから12m程度で、基本の的は20cmの金属プレート。(灰皿)です。タイムトライアルで、最後のストップターゲットには、ブルズアイターゲットがあり、点数によりタイムが減算されるという競技です。 そこで、単に当てればいいターゲットにはオフセットしたT-1を使用し、最後のブルズアイには精密射撃のできる4倍スコープと瞬時に切り替えるためです。 そのため、アイアンサイトは外してます。 タニコバM4はガス銃なのにさかさまにしても撃てます。 距離も12m程度なのでホップは不要です。少しくらいホップがかかっても12m程度なら直進します。 (ホップを殺した自作チャンバーパッキンを使用してますが) また、マガズィンにはファステックスを付けて、ガンベルトから伸ばしたパラコードと繋ぐことで、マグチェンジ時に重いマガズィンが床に落ちて破損することを防いでます。(股間でブラブラしますが) またマグプルAFGフォアグリップとショートグリップをアンダーレールに付けてます。これは左右のスイッチングを早くするためです。 あとは、ライトとレーザーモジュールを付けてます。 レーザーの用途はドットサイトとの差によって瞬時に距離を読み取るためです。by まう@東大阪 」

 ここまで凝っていれば老後の幸福は約束されたようなものではないかと。笑い
 なにしろ人の幸せとは「自分を何かに捧げていられるかどうか」ですからね。

    ★バトルスナイパー M4★
 ナイツに516アッパー、そしてスコープとダットサイト搭載。ナイトヴィジョンも数秒で載せられる…。
 これでバトルライフルは完成です。
 かなりシヤワセです。
 後はヒマをみては少しずつ撃ってタイムプルーフしていきます。やはり千発は超えないと安心はできませんからね。
 そこで翌朝から200m先の12インチプレイトを狙って12発ほどずつ撃ち始めました。
 きっちりと当たります。いつも当たります。もんだいありません。……でも、なんだかつまんないのですよ。
 なにがつまんないのか??
しばらく考えてやっと気がつきました。
 1インチに挑戦できないからです。
 せっかく狙撃をするのならターゲットは小さい方が楽しい。15倍スコープでテストをするときは1インチの黒テイプ貼って穴をあけて楽しんだのに、今はもう撃てない。なぜかといえば4倍スコープではこれが見えないからです。ワシのアソルトライフルはものすごく当たる、なのにその性能を引き出すチャンスはない。かと言ってライフルで50mから撃つなんてピストルにばかにされてゴーハラです。これが隠れ不満だったのですね。
 しかしですよ、この銃に長いスナイパースコープを載せたらレイルが短いのでナイトヴィジョンのルームが無くなってまずい。考え込みましたよ。
 うむむむむむ……ハッ!
 ナイトフォースの2.5-10倍だったらそう長くはないゾっ! もしかしたら…
 と、閃くものがありました。
 そこで10倍を引っ張り出します。選択肢ヤローですからね、いろいろ取りそろえているわけですよ。
 やっぱり!!…これは、なんてコンパクトなのでしょう!! ワシの1-4倍とあまり変わらないのです。
 ばっちり載りましたよ。なははは
 10倍といえばマリーンスナイパーも長いこと使っている倍率ですからね。都市での狙撃は6倍でいいと言うくらいですからね。
 さっそくこれで撃ちましたよ。とうぜんながらターゲットは1インチです。狙えます。バシーンと撃つとズコッと穴が開くのですよ。10倍スコープだと100m先の親指のアタマが見えるどころか光線の具合では5.56mmの弾痕さえ見えるのですよ。
 そういうわけで、毎朝のように3発ずつ撃つ日が続いています。
 グルーピングをチェックするには3発がよいと教えられました。それを幾度も繰り返すのです。仕上げは5発にしてもいいということです。でも、とにかく大切なのは、その日の一発目なのですよ。
 スナイパー訓練では、まず自分の銃に熟知することが大切です。
 その日の第一発目がどこに当たるのか、
それを識っていなければ人質をとった犯人など撃てるわけもありません。
 ですから、春夏秋冬にまたぎ、朝昼バンと
撃つ必要があるのですね。
 それは毎日ではなく、週に一度で充分なの
ですが、一番に大切なのは
「コールドショット」です。
 その日の第1発、それがコールドショットです。午後には銃が冷えたからといってそうは呼びません。
 撃つ前は、身体も銃もコールドです。スナイピングには準備運動も想ったほどには役にたちません。実戦では常にこのコールドショットで勝負することになります。
 日により時により、ぼこっとグルーピングが動くことって多いのですよね。それは銃に原因があったり、自分がモンダイだったりします。もちろんタマは同じものを使います。
でも、日頃はいろいろなタマを使ってそれぞれにデータをとっておくべきです。
 「一日に3発も撃てば充分だ」
 と、FBIのデイヴ ウエバー教官は言いましたよ。ワシもまったく同感です。
 で、この原稿を書いてる今朝も8時に撃ちました。今朝はタランバトラーのコンペンセイターをつけました。すると着弾が3cmほどナナメ下に動き、上下6クリックずつ修正しました。100m でワンクリックすると6mmほどレティクルの中心は動くのです。径2cmのコインを狙うのにワンクリで6mmも動かれるとちょっと困るのですがね。
 で、3発のグルーピングが1cm くらいになりました。200mで撃つとピンポン玉ほどにまとまりました。
 これは、すごいことですよっ!
 だって M4はスナイパーライフルではないのですからね。M4は近い距離でキッタハッタするバトルガンであり、研ぎ澄まされた狙撃銃ではないのですよ。
 いわば、めっぽう喧嘩に強い浪花のアンちゃんがふらりと心斎橋を渡ってメリケンに現れ、M24みたいな由緒正しいながら血統書付きの実力に乏しい狙撃銃をへし折るようなものですからね~。笑

 「狙撃銃とは100ヤードで1インチに集弾できる性能を持つ銃のこと」
 と考えてよいわけですが、この性能を持った銃は重くてカッタルイのがほとんどなのですよね。500m先のターゲットをコロリンと倒せるのは痛快きわまることであり、敵にとっては怖ろしい存在なんです。
 狙撃銃が重くたい理由は二つあります。バレルが太いのと大きなタマを使うからです。排気量の多いクルマが重くなるようなものですね。バレルが太いのは熱くなっても命中精度を保つためだとか他にも理由があるそうですが、最近の研究ではそうでもなくなってきているようです。大切なのは最初の1発が狙った一点に当たることであって、連射後の精度がどう変化するかを心配するよりも、持ち歩きが楽な軽い銃のほうが実用的だと考える人種もいるわけですね。ワシもそのひとりですがね。
 狙撃銃のタマは7.62mmが圧倒的に多く、これが主流といえます。で、これが狙撃銃のタマとして最適かといえばゼンゼンそんなことはなく、もっと良いカートリッジは多いのですよ。ただ、これは軍用弾としてどこにでもあり、入手がたやすく、とくにミリタリーでは在庫豊富だから手軽に狙撃を始められる、という理由なのだそうです。
 ようするに予算に合わせた便利なタマというわけですね。
 ですから、本格的な狙撃をやるとしたらラプアマグナムあたりでないと物足りないとワシは想うのですよ。これは1000mを楽々と撃てるので「狙撃~!!」という実感が得られます。でも、1発のタマが500円もするのでワシはビビって年に一度も撃てないのです。そして、もちろん、このようなドエライお方には流石の浪花あんちゃんもいさぎよくゴロニャンするのです。
 さて、それはソレとして、  
 「バトルスナイパーM4」という構想。
 これがワシの夢だったのですよ。
 バトルガンといえば、100m以内程度の距離で戦う軽快にして丈夫なライフルで300mの敵に必中とはいかなくとも威圧を与えられる、というイメイジがあります。
 しかし市街地戦闘で建物を攻めるときなどは、屋上や窓から狙い撃ちされてバタバタと倒されてしまいます。こういう場合に200m からのヘッドショット、500mからは上半身を確実にヒットできるだけの性能を秘めたライフルを全兵士が持っていたら相手はどんなにヤリニクイことかと。
 銃の性能を引き出すのは人間の仕事ですが、このためには難しく苦しく長い訓練よりも「適正な照準器」があればすむことだろうと想うのですよ。
 では、どういう照準器が必要なのか?

 格闘には拳と眼が要りますよね。
 で、どちらかといえば拳はちょっと弱くても、鋭い眼があれば利がありますよね。眼が弱かったら拳の能力を有効に使えないので不利ですよね。
 まずは頼れる拳を作る、そして拳の威力を相手の急所にたたきこむための眼力を得る。これらの融合が強さにつながるわけですね。
 
 銃撃戦では相手を先に見つけた方が勝ちとなります。良いスコープは、いち早く敵を見つけるための優れた眼です。精度の高い銃があってもスコープが無能だと駄目なのです。駄目という言葉は囲碁用語の「駄目」で、つまり「目ができないで死んでいる」という意味です。これではダーメダーメですね~。
 ともあれ、ここらにワシの研究主題があるわけなのですよ。

 近距離でも素早く撃て、200mで5cmという性能を持ち、それも早い連射ができ、夜間の戦いにも強く、かつ軽快なバトルスナイパー M4。この長年の夢はSIG 516アッパーの出現によって叶えられそうなのです。
 ここで、5.56mmという口径のパワー不足を指摘する人が出てくると想うのですが、その場合はSR25のような7.62mmをゲットすればよいことです。でもそうなるとかなり重くなってしまいワシのコンセプトから外れてしまうのです。
 風の影響を受けやすくパワーに欠ける、と、これが5.56mmの弱点です。が、ワシにとっての狙撃目的は1発必中ではありますが、必殺である必要はないのですよ。遠距離の場合は、むしろ脇腹や足などに小さな穴をあけて戦線離脱させてやるほうが敵方にとっては困りものですしね。
 で、M4のタマは軽いので風に流されると言われていますが、タマが小さいのでワリとそうでもないという気もするのです。風速20m くらいの横風でも100mくらいだったら気にしないで撃てましたしね。まあ、それらのことは、銃の調整がすんだところからデータ出しをやっていこうと想っています。
 むしろ M4の「非力感」が出るのはすぐ近くで撃ち合う時ではないかと想うのです。
 「当たっているのにぜんぜん倒れない」という兵士もけっこういるわけで、そこらはポウルハウの言うように「相手の背骨を砕け」というアドヴァイスに従って精度ある射撃訓練を積むのがよいでしょうね。
 銃にしても装備にしても、軽いということはワシとしては重要で、バトルスナイパーM4を求めた理由もそこにあります。
 いつも散歩の時にはどれかの銃を持って歩きますが、M4にタマの入った弾倉を入れて8kmも歩くと老骨の疲労が大きく、これ以上重いヤツはごめんだな、みたいな気持ちになるのですよね。とても7.62mmを持つなんて気持ちにはなれません。まあこれはワシが非力なせいですが、100kmも歩かされるという自衛隊さんだって持ち物は100gでも軽くしたいというのが本音というものではないでしょうか。

     ★スナイパー訓練★
 さてさて、今朝のコールドショットは改まった気持ちで正式なスナイパーのように200mから5発撃ちましたよ。
 200mの所に12インチのプレイトが立ててあり、黒く塗ってあります。10倍スコープだとすごく狙いやすいです。呼吸を整えながらそれを狙って、
バン、カツーン…バン、カツーンとゆっくり撃つのです。すると着弾点にボツっと白い弾痕が付きます。スコープは100mに合わせてあるので200mだと3センチほど落ちます。
 4発がまとまって大きな点のように見えました。ううむ…凄い! と想いながらラストショットを放ちます。その弾丸は200mという空気の壁を凄まじい速度で貫きながら鉄板に当たって砕けます。
 「5cm」という集弾でした。
 “おおう!…すごい…すごすぎる…”
 つい、ワシは呻きましたよ。
 自分が狙いをつけた一点にタマが毎回飛んで行くというのはとても痛快です。

 516アッパーで撃ち始めて12日目ですが、さすがにコイツの性能に自信を持ってもよいという気がしています。
 この精度でこの信頼性…。
 じつは、12日間一度もクリーニングをしていないのです。ただバレルの中だけにはフロッグルーブというオイルを塗ったスネイクというクリーニング用のヒモを毎日一回だけ通しているだけなのですよね。これはウエバー教官には内緒です。知られたら怒られます。だって「20発撃ったら大掃除しろ~!!」とうるさく言われていましたからね。でも現実には日を重ねるごとに精度は上がり続け、とうとう狙撃銃の域に達してしまったわけで…。
 「1日70発くらいは撃って、途中でクリーニングなどしないよ」とマリーンのスナイパー教官は言ってましたしね。
 ワシは精度が落ちるまでクリーニングしない、というテストをしたいのですよ。
 なので来年の今ごろには、この銃が本当に凄いままなのかということの結論を出せると想っています。
 と、いうことで、
 「バトルスナイパーM4」という画期的な銃が完成しそうなので、これを活かすための訓練を始めたいと想います。
 道具がきたら、それを使いこなす練習をしないと宝の持ち腐れですからね。でもこの銃なら持ち腐れでもよいので持つだけでもOK なのですがね。笑
 このライフルの目的は「護身用」ということになりますから、それに沿ったカタチでメニューを作ります。
 まずはベニシア時代にやっていたように、ブザーが鳴ってから何秒で銃を取り出して窓をあけ、外にあるターゲットをヒットできるか、という訓練です。これには「どこにどのように銃を保管するか」が重要です。武器の取り出しに手間取ることって多く、それが致命的な遅れを招きますからね。
 次は、外に走り出てどれくらい速く初弾を放てるか、ということです。あるときはプローン、あるときはニーリング、ある時はスタンディングというように射撃姿勢に変化をつけます。スナイピングでは立って撃つのは精度を期待できないのであまりしなくてもいいのですが、慣れておく必要はあります。
 それと風の強い日の着弾点移動を知っておくのも大切ですね。それと雨の日だと弾丸が200m飛ぶ間に幾度か雨粒にぶつかるので、その曲がり具合も試したいですね。これは空中でパパパッと白い破裂が見えてキレイなんですよ~。
 そして家の周辺を守る用意ができたら、次はテリトリーのパトロールです。運動を兼ねて歩くのはよくやっていますが、機動力を発揮する訓練はオロソカになっていますので、これを充実させようと想います。
 林のパトロールは、4輪ではできないので2輪の機動力を使うことになります。
 そういう計画なので、ホンダのモンテッサという古いトライアルバイクを購入しこれで練習を始めました。でも、じっさいのパトロールにはホンダのCT 110というバイクで出かけるのですよ。このバイクは「マウンテンゴート」と呼ばれるくらいしっかりしたもので、乗りやすく、避難をするときにもすごく役立つと想うのです。細いリヤカーもあるといいのですがね。でもこの「ハンターカブ」は人気が高く、なかなか出物がありません。この号が出るころにはゲットしておきたいものです。
 なお、SATマガにフォトを入校した後でソガヒロがタランバトラーのコンペンセイターを送ってくれたので、さっそく付け替えたところ反動が激減しましたよ。
 そしてタンゴダウンのバイポッドは外して、グリップポッドにしました。これはとても使えるグリップです、が、ライトを外さなければならなく、サテサテどうしたものかと思案中なのですよ。
 そして、この原稿書きを終える今日の朝は、昨夜に撃っておいたターゲットをチェックしました。
 月がなく、曇っているので星明かりもないという暗い夜を待ってナイトヴィジョンによる夜間射撃をしたのです。M4での夜間射撃は 25mや50mでしか撃ったことはなく100m というのは初めてでした。この距離になるとさすがに暗くて見えにくいです。10倍のままだとターゲットを探すのに手間取るのでズームリングを回して3倍まで下げました。こうなると広い野原を見渡すのが楽です。ターゲットもすぐに見つかります。倍率を下げたほうがナイトヴィジョンの映像もシャープです。でもいったんターゲットを見つけたら10倍に戻して撃つのも良さそうです。ここでレイルに装着してあったシュアのヴァンパイヤ ライトを点灯しました。なにしろヴァンパイヤですから夜に強く、相手からは察知できないインフラレッド光線なのです。ターゲットはさらによく見えました。今の小型 IR は100mも届くのですね。
 ターゲットは8インチのプレイトです。人間の致命傷ゾーンというサイズです。でも楽勝で撃てると感じました。ハズスなんて心配などまったくありません。
 “トラトラトラ、ワレ奇襲ニ成功セリ” なんて呟きながらトゥリガーを引きましたよ。
 バキッ、と弾丸が鉄板で砕けて火花が散ります。昼間とはまったく異なる濃厚そのものな映像です。6回の火花を確認しました。
 その次は200mのターゲットを探します。暗くてすこし手間取ります。ナイトヴィジョンだけで覗くとすごく明るくみえるのですが、スコープを通すと暗くなってしまうわけです。ワシのナイトヴィジョンは小型な近距離用なので50mくらいまでならドラマティックなほどに威力を見せます、が、スコープを通して遠くを狙うと暗くなるのです。それでも200mでボンヤリとターゲットが見えました。トゥリガーを3回引くと、毎回ヒット音があり、とても驚きました。
 まっくらな世界、肉眼だと真っ暗。なにも見えません。だいたい自分の銃も見えないのですべて手探りなのですよ。なのにナイトヴィジョンを覗くと煌々たる緑の世界があり、あったハズのターゲットが見える。そしてトゥリガーを引くとガインと当たるのです。解っているとはいえ、そしてこれが大きな目的だったとはいえ、現実に200m先のターゲットをヒットすると感動します。
そして翌朝の今朝、ターゲットを見に行きました。すると100mでは拳のサイズにボコリと集弾していました。もっと慎重に狙えばさらに小さくなると想います。200mでは限界がありますが、敵が丸出しの場合は必中という気がします。50mでしたら耳にイヤリング用の穴だって空けられ、だらしなく伸びている鼻毛だってカットできるかも。笑
 と、こう書くと皆さんは「なるほど~すごいな~!」と感じると想うのですよ。でも、もし君自身がこれを体験したら、その驚きと感動は読んだよりも百倍はありますよ。

 銃にゴテゴテとモノを載せるのは嫌いだ、とオッシャル人も、ワシのバトルスナイパー を撃ったら改心する風はみせなくても、心の中では土下座するにちがいありませんね。
         では、また!! 市 
   


Posted by 市 at 14:29Comments(6)記事

2012年12月21日

加州農業情報

市 (2012年12月21日 00:27) │Comments(5)てっぽ


♪ぼくの名前はヤンボウ♪・・・
では加州よりニュースをお伝えいたします
気象庁の占いによると 今年は暖冬予想でし
たが みごとに外れまして毎朝1センチの氷
がはるというまれに見る厳冬もようと
なっています

さて こんな異常気象のさなかに農業史上
で初といわれ年に一度の恒例となって
いるオークの木にM4の花が加州では
開花しております

住民たちはオーク林の中をゆっくりと歩き
ながら注意深くM4をさがし 見つけると
うれしそうに収穫し子供達の歓声が
あちこちからあがって賑わいをみせて
います


収穫したM4は オークの下ですぐに料理
してお酒とともに召し上がるのが市番
ではないでしょうか
ことしのM4はまるまると太っており
ビールをたっぷりと飲ませたせいで
シモフリも正調に入っております

M4のタマからパウダーを抜きまして
ウドンにかけますと「カヤクうどん」と
なり 住民たちは舌鼓をバンバンと撃って
います

以上 冬の加州からお知らせでした
♪ふたーりあわせてヤンマーだぁ♪

なぜかキャリフォニア州のことを
加州と書くのですね〜(^^)

今日は忙しいので朝から緊張気味で
少したくさんクルッていますヾ ^_^
  


Posted by 市 at 00:27Comments(5)てっぽ