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2016年10月26日

兄との会話

市 (2016年10月26日 02:02) │Comments(16)語りのプラザ


今朝はブログを開く余力など自分にはないだろう、と想いました。が、朝のお茶を飲んでいると兄が心の中にしっかりと生きていることを感じ、元気がでました。うなだれていてもしかたないのでブログを開き、コメント欄を読みました。

すると・・・・・・
これまで経験したことのない多くのコメントが
(*^_^*)

皆さんからの一様なお悔やみの言葉・・・・・・

ていねいにすべて読みました。

そして、なぜか読み終わってから
初めて涙がハラハラと・・・

自分でもらい泣きかよ (^_^;

ありがとう、皆さん<(_ _)>


このフォトは、兄への尊敬をこめて撮影したイチロー若きころの渾身の一作です。
ニコンFに180ミリのレンズという組合わせで撮りました。
トライエックスというフィルムを使い D-76という現像液を2倍に薄めて現像するという最高なモノクロの処理です。でも古い写真の複写なので画質は落ちていますが・・・

得意の早撃ちでパシッと撮ったので本人は撮られたのも知りませんでした。

ここは浜辺、兄は乾いた砂をつかんでパラパラとくりかえし落としながら話していました。

“人間の存在なんて、この一粒の砂みたいなものじゃないかと想うんだよ・・・”

と、そんな話をしており、この言葉は後々のワシに大きな影響を与えてゆきました。

「人生は、人と人との出逢いで展開されるドラマだとオレは想う・・・」

「人の求めるべきは栄光ではなくて、自分の幸せなのだぞ」

こういった珠玉の言葉は、じつはすべて兄からのパクリなんです。

「いいかイチロー、人の世でおこることのほとんどは、どうでもよいことなのだから、そこをよく考えて行けよ」
渡米するにあたって兄は100万円くれながら、そう言いました。

“うん、自分がのたれ死にしようが どうなろうが どうでもいいことだ・・・もともと細事にこだわるのは性に合わないことだし・・・”

そういった考えをもってワシは異境の地にチャレンジしました。

そして5年後に なんとか食えるようになって休暇で日本に・・・

兄はスキヤキを作ってくれ、暖かいもてなしをしてくれました。話題はいつも哲学のこと・・・つまり人はどう生きるべきで、どういう価値観を持つべきかということです。

「かっちゃん、この5年間 ずっと考えていたんだけど、かっちゃんは世の出来事のほとんどは どうでもいいことだと言ったよね?」

「ああ・・・言ったよ・・・」

「そこで聴きたいのだけど、いったいどういうことなら どうでもよくないの?」

その質問に兄はギクリとしました。

あ!! やはり兄もその先までは行ってなかった・・・どうやら弟が兄の精神世界に入ってきたナ・・・とワシが客観的に感じた瞬間でした。
そこでたたみかけます、
「自分の生き死になど どうでもいいことだから受け容れられる、けど、自分の子供が奪われることになったら、それもどうでもよくはないのかな・・・?」

「・・・・・・・・・」
兄は沈黙しながらスキヤキを焼いて配っていました。

それもどうでもいいことだと言えば、反撃があるだろう・・・
しかし、どうでもよかないと言ってしまえば、これまたキツイ反論が待ち受けている。
兄としても、なかなか返事のできない局面でした。

弟は5年間の間に、現実社会のありようをカナリ学んでいました。
自分の答えは持っていたのです。

「けっきょく、一粒の砂でしかない我々は、いかなることが起ころうと、そのすべてを受け容れながら未来に向かうしかないのじゃないの?・・・どうでもよくはないと唱えても、人智でそれを越えられない場合は多すぎて・・・だから起きてしまったことは、もうすべて どうでもよいと考えて先に進むしかないのでは?・・・」

そのころのワシは、失敗をしても後悔するのは二秒間だけにして、即座に未来に立ち向かわなければ時間の無駄になる、という強い気持ちを持っていたのです。

こうした会話などを通して、未来の危機に備える心や、今という時を大切にすることの重要さを互いに磨いてきたのです。

ちなみに どうでもよいこと、
の意味は「拘るな」という意味です。

ものごとに拘らないで生きろ!!!
これが兄の哲学でした。


ふと西の空を見ると、雲ががかかって光が薄いです。

ああ・・・こういう日は曇りのほうが心に優しくていいなぁ〜♪



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Posted by 市 at 02:02Comments(16)語りのプラザ
この記事へのコメント
初めてのコメントですが…自分も最近身近の人の死を経験する事が多くなりました。逝ってしまった方の事は分かりませんが、残された方は、やはり念が残ります。残念です。でも、念が残るからこそ、その人は心の中で生き続けるのだと思います。拙い文章申し訳ありませんでした。
Posted by かかし at 2016年10月26日 03:03
寝る前にTACTICAL LIFEを覗いて正解でした。

イチローさんのお話しを拝読し、改めて感じ入りましたが、本当に素晴らしい兄君様だったのですね。

血縁だけの父からは何ひとつ大切なことを教われず、共に育った兄弟もいない私にとっては、うらやましい限りです。

イチローさんの中に息づく兄君様の教えを、おすそ分けしていただいて、少しでも成長したいと思います。
Posted by カズヤカズヤ at 2016年10月26日 03:09
素晴らしいお兄さんですね。
いつまでも心の中に生き続けることでしょう。
人生の哲学、考え続けます。
お兄さんに、イチローさんに、ブログを通じて出逢えてよかった。
Posted by Fumi at 2016年10月26日 05:45
イチローさんのブログに度々登場する兄上様が亡くなられたのですね。イチローさんに大きな影響を与えた方なのですね。つまり我々はイチローさんを通じて兄上様の教えをいただいていたのでねぇ。
そう思うと兄上様がとても身近に感じられ、敬意と共に兄上様を失った寂しさに浸っております。
どうぞ安らかに。
Posted by テツヤ at 2016年10月26日 06:34
ボクにとって重く、とても価値あるイチローさんのお言葉ですが、お兄様の影響も多大にあったのですね……感謝です。

目上の人の言葉を真摯に受け止め、日々自らの糧としていけば、人類は精神的に大きく進化し続けれるのだと思います。
しかし実際はその様にはいかず、結果としていつの世も同じことの繰り返し…。

ただボクにとってお二人の言葉の価値ははかり知れず、必要としている人に届けたい言葉でもあります。

ありがとうございます。


便利グッズとしてデジカメを使うボクですが、未だにフィルム以上とは思えませんし、それなりのつきあい方しかできません。
既に古い人間ですね。(^^;
イチローさんの渾身の作品、目から鱗です。
見やすい写真は得意ですが、イチローさんのように魂のこもった写真は一生撮れない気がします。
懐古的かも知れませんが、フィルム撮影・現像のお話とても嬉しかったです。
ボクはネオパンSS派でしたが。(@_@)
Posted by モゲ at 2016年10月26日 07:44
イチローさんへ。

人の死は悲しいもの。ましてそれが親兄弟、子や孫であれば尚更。
しかし、生あるものが必ず死ぬのも真理。

親が死に、
子が死に、
孫が死ぬ。

一休禅師の言葉です。

身内が亡くなるのは悲しい事ですが、この順番通りであれば良し。と私は思っています。

歳の順に亡くなれない事も多いです。
先ずは健康でないと。

イチローさんがお兄さんから学ばれた様に、私もイチローさんの姿から言葉からイチローさんの哲学を少しでも学べたらと思っています。
Posted by MIZ at 2016年10月26日 09:57
おお、久しぶりにブログを見ると訃報が…

まずはお悔やみ申し上げます。
なるほど、この方がイチローさんの人生を
方向付けた方だったんですね。

一連の話から見ると天寿を全うされたようですね。
残された側としては残念至極ではありましょうが、
不運な最後でなかっただけよかったことと思わなければ
こちら側も心が傷みます。

私も年齢が重なってきて周辺で訃報を聞くことが
多くなってきました。残念と思う反面、受け入れなければ
いけない現実と思えるようにもなりつつあります。
まさに
「一粒の砂でしかない我々は、いかなることが起ころうと、
そのすべてを受け容れながら未来に向かうしかないのじゃないの?
どうでもよくはないと唱えても、人智でそれを越えられない場合は
多すぎて・・・だから起きてしまったことは、もうすべて
どうでもよいと考えて先に進むしかないのでは?・・・」
というのを実感しつつあります。

なんだかえらそうなことを書こうとして
かえって変にこだわった文面になってしまいました。
私は難しいことを言わずに

「お兄さん、ご苦労様でした!」
「イチローさん、落ち着いたらまた前進してください!
 遅ればせながら付いていきます!」

って言っちゃったほうがよかったですね。

合掌
Posted by センセ at 2016年10月26日 11:25
とてもお辛いでしょう。
親しい、それも家族がなくなったのですから。
屋久島の方ですか?
私は屋久島に行くのが夢でもし行ったらお会いしたいと思っていました。
心からお悔やみ申し上げます。
Posted by ゴードン at 2016年10月26日 15:59
イチローさん
心よりお悔やみ申し上げます。

お兄様と語りあい、議論をかさねた日々、、 素敵な時間ですね。
Posted by リョー at 2016年10月26日 18:34
 イチローさんの哲学的な思索は、兄上の影響が大きかったのですね。

 人の命は限りがあり、肉体はいつか滅びます。ですが、イチローさんが兄上から薫陶を受けたように、私もまたイチローさんから何かを学び(12月の訓練でまたお世話になります)、そしてそれを少しでも次の世代に伝えていけたら、と思います。

 ご尊兄の逝去を心よりお悔やみ申し上げます。
Posted by 神武 保具 at 2016年10月26日 21:24
イチローさん、兄との会話読ませて頂きました。
お兄さんとの会話部分は緊張感があり、何度も繰り返し読んでしまいました。
お兄さんもイチローさんもお互いを認め信頼していないとできない会話だと思いました。
素晴らしいお兄さんですね、自分は下に弟がいますが、自分の哲学を伝える事は今のところ出来ませんが 「ものごとに拘らないで生きろ!!!」凄い言葉ですね!
この言葉を理解し体言できるのに何年間かかるかわかりませんが常日頃思い出し考えてみたいと思います
お兄さんのご冥福を心から御祈りいたします。
Posted by 習勇 at 2016年10月26日 21:25
最近、自分の親もイチローさんと年齢が近い事もあり、また父親も自分の人生の仕上げについて考えている節があり、自分は親に対して何をアクションできるのかを考える様になってきました。
その中で、少しずつ自分なりにお返しをしていくしかないと思い、まずは物心ついたか、つかないかの時に壊してしまった父の万年筆のお詫びに、自分の買った万年筆ををプレゼントする事にしました。
当時は、こっぴどく怒られた記憶しかありませんが、それだけ大切なものだったのだろうと思います。
ずっと気にはしていましたが、なかなか行動できずにここに至るまでに40数年かかりました。
これからの親との時間は少しでも「幸多かれ」と願いつつ、親子共々にお互いに少しでも余計な事を取り払って、スッキリとした気持ちでお別れができればと思っています。
Posted by 番頭 at 2016年10月27日 00:20
言葉にするわけにも行かず、もどかしい気分です。
自分も父を亡くしていますし、父とほぼ同じ年になられた朝倉先生も故人と成りました。
お兄様の事はブログでしか存じ上げず、簡単に言葉にするのもおこがましいくらいですが、心中痛み入ります。
今持って、時折父の事や朝倉先生はじめ、お世話になられた故人の方を思い出すことがあります。
イチローさんが言うように、ふわっとした心持ちに襲われ、いたたまれなくなる事もありました。
次第に、その感覚も起こることが少なくなりますが、折に触れ自分自身と向き合うことになりながら、その方々が自分の糧になっている事を噛み締めました。
イチローさんも、家族との時間を大切に過ごして下さい。
Posted by chatter box at 2016年10月27日 00:21
「書斎で耕した額」
~by 開高健~

凛々しい表情。
人のための仕事から生まれる迷いの無い目付き。
人々から先生と呼ばれるに相応しい知識と人格を想像出来る相貌。
でなければ91歳まで医師を続けられなかったでしょう。

兄上、91歳と言う事は1925年、大正15年のお生まれですね。
亡くなった私の父と同い年。
戦前、戦中、戦後、と懸命に暮らしてこられた。
高度成長期に生まれ育った私にはどうやっても敵いません。

「旅立つ」
これは中々巧い日本語です。
親しい人間を亡くした心を大変巧く表しています。
今でも亡くなった両親が旅行中で帰ってきそうな気がしています。

柔らかなシャツの皺を初め、不自然さが無い写真。
とても「不自然さが無い」写真です。
「自然」ではなく、「不自然さが無い」です。
技、技術、技巧があるのです。

「フィクションでもノンフィクションでも言葉を選ぶ事に変わりはない」
~by 開高健~

しかし、そういう人為的なものが写真を邪魔してません。
芸術的な写真とはこの兄上のポートレイトの様な写真を言うのでしょう。
見事です。

人の世に完璧なもの、「死」だけです。
誰でもいつかは死ぬもの。
それでも、心構えは出来ているつもりでも、衝撃と喪失感には圧倒されるばかり。
私にはこのポートレイトが素晴らしい手向けになっていると思います。

みまかりし人に冥福あれかし

合掌
Posted by CYPRESS at 2016年10月27日 01:11
追悼

勝男お兄様、、、
初めてイチローさんのお兄様のご自宅にお邪魔させて頂いたのはもう10年以上の前の事でしょうか?
指宿にあるご自宅はイチローさんとって正に永田家の御実家のような雰囲気でした。
初めてお目にかかったお兄様は、まだまだ現役のお医者様、背が高くて実直で温和な印象で、かなりの多趣味のお方でした。
イチローさんの以前のブログで静岡のお話やイカ釣りのお話などで良くお聞きはしていましたが、なるほど、
このお方が、イチローさんの青春期を御支えになったお方か。という印象でした。


ゆっくりと咀嚼するようにお話を語り、哲学、精神論、音楽、趣味の囲碁や将棋、、、
麻雀に関しては点数表の簡単な見分けの本まで自費出版されるこだわりよう、中でもオーディオの造型が素晴らしく、子供の丈ほどもあるスピーカーで、色々クラッシックを聞かさせて頂きました。
イカ釣りのエギと言われるルアーも自作され、 近くの釣具店に売り物として並ぶ程の出来栄えでした。
正にイチローさんのお兄様らしいエピソードですね。


昨年の10月にイチローさんが来日の際、4日間お世話になりました。
押しかけ案内人の自分に対してもいつも心良く迎え入れて頂き、恐縮と共に心の広さに感激致しました。
来鹿当時、イチローさんは訓練で満身創痍、本当に見ていても痛々しい状況でしたが、
お兄様と語らいでいるうちに日に日に回復し、4日の間に色々なお話をさせて頂きました、中には時を経つのも忘れて夜2時過ぎまで語るという日もありました。

ある時、
“僕はココに宝物を持っているんだよ"と胸に手を当てて言われました。
"実はここに大きな血瘤があるんだよ。だからこれが破れたら簡単に、楽に死ねる。。。だから宝物なんだよね。"
いとも簡単に自分の死の事に語り、"それまでは大事にしてるんだ"と言われていました。
その時、自分は何て覚悟だろう‼︎、その境地にいつかいけるのだろうか?そういう死期感を自分は持てるのだろうか?
と感じました。
帰国の際も玄関まで見送られ、"またね"の一言、、短いお言葉の中に全てが込められているなぁと感じ入ったのを思い出します。


来月イチローさんの来日と共にお逢いするのを楽しみしていたのですが、、、、このような事になり残念でなりません。。
勝男お兄様を少しばかりしか面識のない自分ですが、少しでもお兄様のお人柄を皆さんにお伝えしたくメールさせて頂きました。
イチローさん差し障りがございましたら御割愛下さい。
カッちゃんこと勝男お兄様の御冥福をただ祈るばかりです。勝男お兄様、本当に有難うございました。どうか御安らかに。
合掌
喜多長
Posted by 喜多長 at 2016年10月28日 07:28
イチローさん 若かりし頃の渾身の写真。
お兄様の表情やイチローさんの心が凝縮されていて、自分の感動を言葉では表現できない一枚です。
とても素晴らしく心に残ってましてコメントさせて頂きました。
心にじんわりとあたたかいものが広がって…いい写真ですね…
それから…最近 黒澤明さんの映画を子供達と何本も鑑賞させてもらい、白黒映画の美しさや登場する人の魅力に新たな感動を頂きました。
Posted by 薩摩小雪 at 2016年11月17日 08:34
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