2013年02月22日
★楽しいプラクティス★ 紫電の炎
市 (2013年02月22日 13:15)
│Comments(8)
│語りのプラザ
★楽しいプラクティス★
“さぁーて、ミスカレン、プラクティスを始めるけど、その前にどんな練習をしたいのか聞きたいところですぞ”
“どんなって?”
“練習ったっていろいろあるんだ。スローファイヤのブルズアイとかドロウの訓練とか近接コンバットとかスタンスの基礎作りとか、ウィークハンドの集中訓練とかストロングハンドのポイントショルダー、ムーヴァー撃ち、ランニングシュート、バリケイド。それにムーヴメント、ドアエントリーなどなどハンドガンテクニックもいっぱいあるんだよ。他の武道と一緒でね、一人前になるにはミッチリはまりこんで3年はかかるんだ”
“どんな道も遠いのね・・・”
“だから、練習のときはあれもこれもと言わず、ひとつふたつの項目に限って撃ちこむんだ。ただターゲットに向けてバンバン撃つのは遊びとしては良いけど練習にはならず時間とタマがムダなだけ、常になんらかの目的を持ち、自分の技量を見つめながら創意と工夫で技術を改革しながら鍛錬するんだよ”
“そうなのね、わかりました”
“だから今日はなにをやりたいのか、それを決めよう”
“…わたしね、クロウスアタックの練習を習いたいの…”
“うん、近接コンバットか…じゃファンダメンタル スピードシューティンをやろうかね”
“…ね、驚かないの?”
“なにが?”
“人殺しのテクニックを習いたいって私は言ってるのよ、オンナのわたしが…”
“ハハハ、なにをカレンは言ってるの?拳銃という小型機械は人を撃つために造られているんだぞ。スポーツとしても世界中に広まって射撃はスポーツだと信じている人もいるけど、ハンドガンの本来の目的は人間や動物の命を絶つということにあるんだ。だからピストルを持ったら人殺しの訓練をするのもアタリマエと言うものだよ、違うかい?” “………”
“P7は純粋の殺人道具だ。闘いの宿命を背負ってこの世に存在する殺戮のトゥール。精密に人の命を絶つためのサラブレッドなんだ…持ち主はコイツを使いこなすために鍛錬しなければ無意味というものさ”
“殺戮のトゥール……なのね?”
“こわい? 君の用心棒クンが?”
“そうハッキリ言われるとツライものがあるわ。わたし護身用というコトバにボンヤリとしたロマンティックなイメイジしか持っていなかったから…”
“よくそれで心理学者のタマゴがつとまるね〜、あのね、殺人道具という言葉にショックを感じるのは、殺人が悪だという固定概念があるからではないの?”
“えっ?どうゆうこと?”
“殺人は悪いことだとは限らないだろ?世の中には死んだ方がいいヤツとか死ななければならないヤツ、それに生かしておけないヤツがいるじゃないか”
“でも、それは法律と警察の仕事よ、一般人がやったら犯罪なのよ”
“そこなんだ。殺人は悪、犯罪は悪、そう決めつけるところに人間のオロカさがあると思う。警察も手を出せない汚職政治家を狙撃したら刑務所行きだが、戦争では相手国の良いお父ちゃんをたくさん殺すほど英雄としてカネと勲章をもらえるんだよ。ヘンだと思わないかい?…”
“じゃ、正義と悪はどう決めて行けばいいの?なにが悪でなにが正義なの?”
“世には正も悪も存在しないよ”
“そんな!…そうかしら・・・どうして?”
“正も悪も人間がつくりあげたマボロシなんだ。いいかい?「悪」というのは「嫌い」という意味をもっともらしくした言葉なんだと想わないかい?”
“う〜ん・・・じゃ、正義はなんなの?”
“「正義」とは「好き」という言葉から後ろめたさを隠蔽したものさ”
“・・・・・・・”
“キライだから殺す、スキだから助けると、そう言ってるのならとても自然だ。動物界の自己保存の本能そのままだから納得がいく。でも正義だ悪だとワメキだす人間を見ると、そこにはエゴの腐臭がしてくるんだ。せっかく人間が持っている良心という微弱なタカラものをヤツラから感じ取ることはできないんだ“
“……そうか…そうなのね、スキかキライかという基準で考えていけば、価値判断がハッキリとして自分の進む方向は見えてくるような気がするわ…”
“そう、だから、ぼくの心には悪とか正義とかいう言葉はない。かわりにスキとキライというモノサシ言葉があるだけだ。だから、カレンが人殺しの練習をしたってなにも驚かないというわけだよ。君が銃をとって人を撃つとき、それがどんなカタチであれ、ぼくの心を裏切るものじゃないと信じているしね”
“ありがとう、自分の命の使い方が解ってきそうよ”
“クヨクヨするのは人生はあまりにも短すぎる、サアサア、練習だ!リクツはどうあれ、ハンドガンのシューティングはカケネなしに楽しいものだよ”
四角いヘッドが付いた IPSC 用のターゲットを使うことにしてステイプラーで木枠に2枚を貼った。ターゲットを貼り終えたところでステイプラーをカレンに向けて撃つ。コの字形の針がどういうわけかピンクのシャーツに貼り付いた。
“うらやましい・・・”
“えっ? なぁに?”
“うっ? いや、ほら、いまボクのPセブンでカレンは撃たれたんだ”
“うん、ほんとに音が似ているわね〜”
“ところでお父さんには拳銃の撃ち方をどんなふうに習ったの?”
“えーと、両手で持ってリアサイトの間にフロントサイトを並べて目の焦点はフロントに合わせてトゥリガーは引き絞るようにゆっくりと引く・・・だったわ・・・25ヤードで4インチのブルズアイに半分くらいは当たったかなぁ・・・”
“そうか、ではまず2mの距離に立って撃とうかね、はいここに立ってごらん”
“わぁー、こんなにターゲッツが近い!”
カレンは怪訝そうだった。
“では、銃を両手で持って銃が胸の前にくるように持ち、ブザーがなったらターゲッツを犯人だと想って1発ずつ撃ってみよう”
“わかったわ、マイティーチャー!”
タイマーを鳴らす、するとカレンはカキンとPセヴンのセフティーを切りざまに2発を連射した。大胆な動きだ、瞬発力もある。適性はあると感じた。1.4秒で弾丸は各ターゲットの中心付近を貫いていた。カレンはなにかを考えているようだった。
“どう想っているの?”
“このターゲットが犯人だとしたら、ゆっくり撃ってもだめだと想ったのよ”
“そうだね、トゥリガーを引き絞るように、なんて時間はないよね?・・・で、フロントとリアサイトを合わせて撃ったの?”
“それがぜんぜん見ないで撃ってしまったのよ、だってそんな時間ないし・・・自分でも変だと想うのだけれど・・・”
“つまりお父さんの言いつけをすっかり無視してしまったわけだね?・・・どうしてかな?”
“いえることはひとつだわ、それはあなたは父と違って危険そうだってことよ”
“危険だってぇ〜?”
“悪い人間にとってわね・・・という意味よ”
“ティチャースペット♪”
“なんの歌? それ・・・”
“ぼくがティーチャーで君はペットさ”
“なんのこと?”
“先生のお気に入りってこと・・・君は学校でも先生から好かれただろう?”
“教え甲斐がある、とは言われたわ”
“いやまったく彼は正しい、では今のを繰り返してやろう、だんだんにスピードを上げようか・・・”
2mからの2発、この訓練を30分ほどつづける。するとカレンの動きにはスピードがつきゆとりも生まれた。水を飲んで続ける。次は3mから同じことを繰り返す。そして次は4mに退ってまた撃つ。
“疲れないかい?”
“大丈夫よ、それよりとっても新鮮、普通のターゲット射撃では味わえない世界だわ・・・でもね、4mになってから当たる範囲が広がってきているのよ、これはどうすればいいの? スピードを落とすの? かまわず速く撃っていいの? ”
“速く撃つとどうなると想う?”
“真ん中に当たらなくなると想う”
“ガンファイトで真ん中を外すとどうなるのかな?”
“相手は倒れない、と習ったわ・・・”
“すると君が撃たれることになるね・・・”
“・・・精度を優先せよとおっしゃるのね、マイティーチャー?”
“イエース、マイペット君、それだよ”
“精度を上げると撃つのが遅くなって、その分撃たれる確率があがるのはどう考えればいいの?”
“それでも精度を保つほうがいいよ”
“相手も銃を持っている、撃たれるのは覚悟をしろ、という意味?”
“まさに、そうだよ”
“あなたは私よりもずっと速いのね?”
“ここではそう変わらないよ君と、そして1秒相手よりも速くヒットしたとしても相手は死にながらも撃ってくるよ”
“ではこの練習の意味はどこにあるの?”
“これはファンダメンタル、つまり基礎射撃というわけさ、じっさいはこのように相手と向かい合って撃ち合ってはいけないし、今やっているのはただ狙った相手を確実に倒すための訓練というわけだよ、で、次はターゲットを1つだけにしよう、そしてブザーが鳴ったら相手が倒れるまで撃ち続けるという訓練に切り替える”
“倒れるまでって?”
“弾丸が心臓のあたりに3発くらいは当たったという手応えがあるまで撃つ、まあ5発くらいかな?”
“たくさん撃つのね?”
“そう、人間の身体に1発の銃弾が当たって即死する確率は20%もない。撃たれた相手の意識が2秒間でもあったら弾倉が空になるまで君に撃ち込んでくるんだ・・・が、そのことは後回しにしてもっと基礎をやろうよ”
こうしてカレンはまた真剣に練習を始めた。スペアマグが1個しかないのでタマを詰めてやるのに忙しく、しまいには指が痛くなった。でも、幸福な気持ちだった。
“あー、もう続かないわ、腕と目が限界だわ…でもインスティンクトシューティンの感覚らしいものは判ってきたのよ”
“それは良かったじゃない”
“ところまた質問なのだけど、人を実際に撃つのって難しいことなのね?”
“そうだなあ…撃つことは簡単だけど、撃つまでがタイヘンというところかな?”
“どういう意味?”
“人はね、そこのターゲットみたいにつっ立って待っていてはくれないのだよ。場合によってはアッチもガンで狙ってくることもあるしね”
“そうよね…それで?”
“こっちのイノチはひとつ、つまりたったの1発食らってもオワリだから、ゼッタイに勝てるときだけ闘うという心がけが必要だよ”
“そんなの可能?”
“可能もなにも、そうするしか他に生きる道はないのだよ。だから、撃ちたいヤツがいたら後ろからとか、相手が武器を持っていないときとか、カンペキに油断しているときだとか、そういった状況で攻撃をかけるのが本当のガンファイターなんだな”
“ヒキョーな感じだわね”
“賢いと言ってほしいね、カレンがここのところをキチンと理解しないかぎりはガンファイターにはなれないぞ”
“ふふふ、ムキにならないでねマイティーチャー、さっきの話からそれは納得しているのよ・・・ところでほかの質問だけれど、あなたは撃ったことある?人を?”
“・・・えー…、ないよ〜…”
“あっ!あるのねっ?”
“ナイナイ、ないってば”
“あるわよ、だれにも言わないから言いなさいっ!”
“ホント…ないよ”
“ダメダメ、質問されてからあなたの目のまばたきの回数が増えたし、視線も宙に浮いたわ。これは真実を言ってないときの基本的な兆候なんですからね。心理学者の観察はするどいのよっ! 精神性発汗を調べたらすぐに判ることなんだから…ほら、あなたの手のひら、わずかに湿っている・・・これが証拠だわ・・・でも、もうこれ以上は聞かないでおくわね、ワケありのようだし…”
“なんのこと? うるわしき乙女に手を握られて平然としている男などいるとでも?・・・汗が滝のように流れ出ても自然なことだよ・・・”
“…そうか、後ろからとか、武器を持ってない相手を撃つのか…それなら難しくはなさそうそうね”
“そんなに皮肉っぽく言わなくてもいいだろ?そんな状況にもって行くのはやさしくないのだから。闘いというのは作戦にあるということなんだ。お互いが銃を持って正面から撃ち合うなんてことはゼッタイに避けるのがプロの道なんだ。流れダマや、まぐれあたりの恐ろしさときたらもう…とはいえ、そうも行かないことがたまにはあるけどね”
“あのね、私ね、相手に発砲のチャンスを与えないというあなたのやり方、内心ではとても理にかなっていると想っているのよ。ちょっと感動的な教えだと想うわ・・・ただあなたと同じでスラッとお世辞を言えない私があるだけなのよ・・・”
“そうか・・・どこまでボクの心を読んでいるのか判らないけど・・・ちょっとコワイね、心理学はタマゴでも・・・”
“・・・ねえ?私のような新米でも闘うことができるかしら?”
“昨日のチンピラくらいとならね”
“相手が複数で、銃を持っていたら?” “ダメ!相手がひとりでも、銃を持ったヤツとやり合ってはいけないよ”
“じゃ、どうするの?” “近付かないか、逃げるか、あやまるかだね”
“囲まれて、レイプされるようなときは?”
“生命をかけて闘うか、苦しみに耐えて生きのびるかだろう…君のそのときの価値観にまかせるしかない”
“価値観が生きるか死ぬかを分けるのね?”
“うん、生命というものは、ときにはまるで薄氷のようにもろいものだよ”
“ほんとに、わたしもそう思う…”
“ところで、今度はボクからの質問だけどね“
“なあに?”
“君は誰と闘うつもり?P7M13という相棒と一緒に誰を相手にするの?…”
“えっ?どうしてそんなこと聞くの?そんなつもりなんてないわよ”
“あっ!まばたきが増えた!視線もそらしたぞ!手のひらが湿った! 精神性の発汗だっ!”
“…シャーラーップ、からかわないでよ”
“君は突然に練習したいと言った。その練習には普通でない熱心さがあった。撃ち方に憎しみと怯えが感じられた。焦りもあった。タマを1000発も持ってきた……たしかに君はシューティングを楽しんでいた、だが笑顔がどこか空虚だった・・・これだけの根拠があるんだけど、もっと解説が必要?”
“……………”
“話すんだカレン、秘密は守るから…ねっ?”
“・・・ぜったいに、守ってくれる?”
“誓う!”
“でも・・・なぜ聞きたいの?”
“君を愛しているからだ…愛した人がトラブルしてたらなんとかしたいだろ?誰だってそうだろ?知らん顔なんてしないだろ?”
するとカレンは空の遠くに視線を投げた、そしてしばらく考えてから言葉を出した。
“……監禁されてるの”
遠くを見やったまま、そう言った。
“兄さんが、だね?…麻薬グループに?”
“警察に言えば殺すって…兄妹3人ともに…”
“それで、ヤツラはどうしろって?”
“姉を働かせて15万ダラ作って返せって要求してきたの・・・”
“フーン、1ヵ月に500ダラ返して何年かかるのかな、エーと…”
“違うのよ、姉は客をとらされるの、彼らのバーに住みこんで……だから銀行は今日で辞めたのよ”
“えっ!…強制売春か!”
“姉は今夜から行くの……”
“警察に連絡しよう!”
“したわ、きのうの夜に…でも証拠もなにもないし、姉の自由意思でバーで働くのじゃないかって言うの。あっちには弁護士もいてどうしようもないのよ…兄は証言なんてぜったいにしないし…”
“…そうか、それで君は独りでヤツラにアタックしようと考えた…”
“…それほどハッキリした考えはないわ、彼らと闘って勝てるとは思えないし…ただね、今日という精神的にハードな日をボンヤリとなにもせずに過ごすなんて気が狂いそうだと思ったの・・・そうしたらPセヴンを撃ちたくなったのよ…それだけなの・・・”
そう言うカレンの肩が小刻みに揺れた。あのトビ色の美しい瞳からは大粒の涙がハラハラとこぼれ落ちる。
とめどもなく流れ出る悲しい涙を拭おうともせずに彼女は夕日に向かい、小柄な身体を震わせて泣いていた。
こんな、とてつもない困難を抱えこんでいるのにカレンはさっきまで笑顔を絶やさなかったのだ。その気丈さに感動した。この、カナリヤのように華奢な身体のどこにそんな強靭な精神が宿っているのだろう。
薄暗くなったレンジには弾痕だらけのターゲットが静かに立っていてシューティングラインの右側には無数の空ヤッキョウが散らばって鈍く光っていた。
ボーゼンとなった。
思考が途絶えた。涙がこみ上げてきた。涙が出たとたんに哀しくなってカレンと一緒に佇んでしばらく泣いた。
不幸だらけの世の中。困難だらけの人の道。そんな情景の中にあって、何か抜き差しならないものを感じていた。
やがて、理性が戻ってきた。
…どうしよう…これは個人で解決できるようなことではない、頼めるところもない、かといってそのまま放置できる問題ではない。ここでカレンの困窮に背を向けて逃げ出すことはできるが、そんな自分には耐えがたいものがある。空疎な精神はいやだ!勇気を出そう!こんなときにまず必要なのは勇気なのだ…でも、どうするんだ?・・・いったい…いや、闘ったら負けると頭から決めているが、本当にそうだろうか?麻薬ギャングといっても強力な集団だとは限らないではないか…こっちだって2年以上もスワットのトレイニングを受けてきたのだから相手次第では案外…いったいどんな奴らなのか?・・・
そんなことを、じっと考えた。
“よぉし! カレン、どこか明るいレストランに行って軽いものでも食べよう、ねっ?熱いティーを飲もう、そして考えるんだ。しっかり考えよう。たった今できることはそれしかないんだから・・・そうだろ?”
そう言って、カレンを包むように抱いた。
仰向いたカレンの濡れた頬にキスをした。
彼女の涙は生まれ故郷の屋久島の海と同じ味がした。カレンは抱擁に応えて両腕の力を強めた。銃の道に生きる自分、もとより弾丸に当たって死ぬのは覚悟のうえだ。涙した後は気持ちが軽くなる。覚悟ができて怖れも消える。熱いティーを早く飲みたいと思った。
〔裏話〕
この章は、訓練方法がオリジナル小説と
まったく異なっています。
ムカシと今ではワシの教え方は随分と
変わり、より単純で明日から役に立つと
いう射撃方法に進化しているのです。
そして・・・
「“じゃ、正義と悪はどう決めて行けば
いいの?なにが悪でなにが正義なの?”
“世には正も悪も存在しないよ”
“そんな!…そうかしら・・・どうして?”
“正も悪も人間がつくりあげたマボロシ
なんだ。いいかい?「悪」というのは
「嫌い」という意味をもっともらしくした
言葉なんだと想わないかい?”
“う〜ん・・・じゃ、正義はなんなの?”
“「正義」とは「好き」という言葉
から後ろめたさを隠蔽したものさ”」
↑
ここの部分ですが、この小説ではこれを
市は言いたかったのです。
どう想いますか?
“さぁーて、ミスカレン、プラクティスを始めるけど、その前にどんな練習をしたいのか聞きたいところですぞ”
“どんなって?”
“練習ったっていろいろあるんだ。スローファイヤのブルズアイとかドロウの訓練とか近接コンバットとかスタンスの基礎作りとか、ウィークハンドの集中訓練とかストロングハンドのポイントショルダー、ムーヴァー撃ち、ランニングシュート、バリケイド。それにムーヴメント、ドアエントリーなどなどハンドガンテクニックもいっぱいあるんだよ。他の武道と一緒でね、一人前になるにはミッチリはまりこんで3年はかかるんだ”
“どんな道も遠いのね・・・”
“だから、練習のときはあれもこれもと言わず、ひとつふたつの項目に限って撃ちこむんだ。ただターゲットに向けてバンバン撃つのは遊びとしては良いけど練習にはならず時間とタマがムダなだけ、常になんらかの目的を持ち、自分の技量を見つめながら創意と工夫で技術を改革しながら鍛錬するんだよ”
“そうなのね、わかりました”
“だから今日はなにをやりたいのか、それを決めよう”
“…わたしね、クロウスアタックの練習を習いたいの…”
“うん、近接コンバットか…じゃファンダメンタル スピードシューティンをやろうかね”
“…ね、驚かないの?”
“なにが?”
“人殺しのテクニックを習いたいって私は言ってるのよ、オンナのわたしが…”
“ハハハ、なにをカレンは言ってるの?拳銃という小型機械は人を撃つために造られているんだぞ。スポーツとしても世界中に広まって射撃はスポーツだと信じている人もいるけど、ハンドガンの本来の目的は人間や動物の命を絶つということにあるんだ。だからピストルを持ったら人殺しの訓練をするのもアタリマエと言うものだよ、違うかい?” “………”
“P7は純粋の殺人道具だ。闘いの宿命を背負ってこの世に存在する殺戮のトゥール。精密に人の命を絶つためのサラブレッドなんだ…持ち主はコイツを使いこなすために鍛錬しなければ無意味というものさ”
“殺戮のトゥール……なのね?”
“こわい? 君の用心棒クンが?”
“そうハッキリ言われるとツライものがあるわ。わたし護身用というコトバにボンヤリとしたロマンティックなイメイジしか持っていなかったから…”
“よくそれで心理学者のタマゴがつとまるね〜、あのね、殺人道具という言葉にショックを感じるのは、殺人が悪だという固定概念があるからではないの?”
“えっ?どうゆうこと?”
“殺人は悪いことだとは限らないだろ?世の中には死んだ方がいいヤツとか死ななければならないヤツ、それに生かしておけないヤツがいるじゃないか”
“でも、それは法律と警察の仕事よ、一般人がやったら犯罪なのよ”
“そこなんだ。殺人は悪、犯罪は悪、そう決めつけるところに人間のオロカさがあると思う。警察も手を出せない汚職政治家を狙撃したら刑務所行きだが、戦争では相手国の良いお父ちゃんをたくさん殺すほど英雄としてカネと勲章をもらえるんだよ。ヘンだと思わないかい?…”
“じゃ、正義と悪はどう決めて行けばいいの?なにが悪でなにが正義なの?”
“世には正も悪も存在しないよ”
“そんな!…そうかしら・・・どうして?”
“正も悪も人間がつくりあげたマボロシなんだ。いいかい?「悪」というのは「嫌い」という意味をもっともらしくした言葉なんだと想わないかい?”
“う〜ん・・・じゃ、正義はなんなの?”
“「正義」とは「好き」という言葉から後ろめたさを隠蔽したものさ”
“・・・・・・・”
“キライだから殺す、スキだから助けると、そう言ってるのならとても自然だ。動物界の自己保存の本能そのままだから納得がいく。でも正義だ悪だとワメキだす人間を見ると、そこにはエゴの腐臭がしてくるんだ。せっかく人間が持っている良心という微弱なタカラものをヤツラから感じ取ることはできないんだ“
“……そうか…そうなのね、スキかキライかという基準で考えていけば、価値判断がハッキリとして自分の進む方向は見えてくるような気がするわ…”
“そう、だから、ぼくの心には悪とか正義とかいう言葉はない。かわりにスキとキライというモノサシ言葉があるだけだ。だから、カレンが人殺しの練習をしたってなにも驚かないというわけだよ。君が銃をとって人を撃つとき、それがどんなカタチであれ、ぼくの心を裏切るものじゃないと信じているしね”
“ありがとう、自分の命の使い方が解ってきそうよ”
“クヨクヨするのは人生はあまりにも短すぎる、サアサア、練習だ!リクツはどうあれ、ハンドガンのシューティングはカケネなしに楽しいものだよ”
四角いヘッドが付いた IPSC 用のターゲットを使うことにしてステイプラーで木枠に2枚を貼った。ターゲットを貼り終えたところでステイプラーをカレンに向けて撃つ。コの字形の針がどういうわけかピンクのシャーツに貼り付いた。
“うらやましい・・・”
“えっ? なぁに?”
“うっ? いや、ほら、いまボクのPセブンでカレンは撃たれたんだ”
“うん、ほんとに音が似ているわね〜”
“ところでお父さんには拳銃の撃ち方をどんなふうに習ったの?”
“えーと、両手で持ってリアサイトの間にフロントサイトを並べて目の焦点はフロントに合わせてトゥリガーは引き絞るようにゆっくりと引く・・・だったわ・・・25ヤードで4インチのブルズアイに半分くらいは当たったかなぁ・・・”
“そうか、ではまず2mの距離に立って撃とうかね、はいここに立ってごらん”
“わぁー、こんなにターゲッツが近い!”
カレンは怪訝そうだった。
“では、銃を両手で持って銃が胸の前にくるように持ち、ブザーがなったらターゲッツを犯人だと想って1発ずつ撃ってみよう”
“わかったわ、マイティーチャー!”
タイマーを鳴らす、するとカレンはカキンとPセヴンのセフティーを切りざまに2発を連射した。大胆な動きだ、瞬発力もある。適性はあると感じた。1.4秒で弾丸は各ターゲットの中心付近を貫いていた。カレンはなにかを考えているようだった。
“どう想っているの?”
“このターゲットが犯人だとしたら、ゆっくり撃ってもだめだと想ったのよ”
“そうだね、トゥリガーを引き絞るように、なんて時間はないよね?・・・で、フロントとリアサイトを合わせて撃ったの?”
“それがぜんぜん見ないで撃ってしまったのよ、だってそんな時間ないし・・・自分でも変だと想うのだけれど・・・”
“つまりお父さんの言いつけをすっかり無視してしまったわけだね?・・・どうしてかな?”
“いえることはひとつだわ、それはあなたは父と違って危険そうだってことよ”
“危険だってぇ〜?”
“悪い人間にとってわね・・・という意味よ”
“ティチャースペット♪”
“なんの歌? それ・・・”
“ぼくがティーチャーで君はペットさ”
“なんのこと?”
“先生のお気に入りってこと・・・君は学校でも先生から好かれただろう?”
“教え甲斐がある、とは言われたわ”
“いやまったく彼は正しい、では今のを繰り返してやろう、だんだんにスピードを上げようか・・・”
2mからの2発、この訓練を30分ほどつづける。するとカレンの動きにはスピードがつきゆとりも生まれた。水を飲んで続ける。次は3mから同じことを繰り返す。そして次は4mに退ってまた撃つ。
“疲れないかい?”
“大丈夫よ、それよりとっても新鮮、普通のターゲット射撃では味わえない世界だわ・・・でもね、4mになってから当たる範囲が広がってきているのよ、これはどうすればいいの? スピードを落とすの? かまわず速く撃っていいの? ”
“速く撃つとどうなると想う?”
“真ん中に当たらなくなると想う”
“ガンファイトで真ん中を外すとどうなるのかな?”
“相手は倒れない、と習ったわ・・・”
“すると君が撃たれることになるね・・・”
“・・・精度を優先せよとおっしゃるのね、マイティーチャー?”
“イエース、マイペット君、それだよ”
“精度を上げると撃つのが遅くなって、その分撃たれる確率があがるのはどう考えればいいの?”
“それでも精度を保つほうがいいよ”
“相手も銃を持っている、撃たれるのは覚悟をしろ、という意味?”
“まさに、そうだよ”
“あなたは私よりもずっと速いのね?”
“ここではそう変わらないよ君と、そして1秒相手よりも速くヒットしたとしても相手は死にながらも撃ってくるよ”
“ではこの練習の意味はどこにあるの?”
“これはファンダメンタル、つまり基礎射撃というわけさ、じっさいはこのように相手と向かい合って撃ち合ってはいけないし、今やっているのはただ狙った相手を確実に倒すための訓練というわけだよ、で、次はターゲットを1つだけにしよう、そしてブザーが鳴ったら相手が倒れるまで撃ち続けるという訓練に切り替える”
“倒れるまでって?”
“弾丸が心臓のあたりに3発くらいは当たったという手応えがあるまで撃つ、まあ5発くらいかな?”
“たくさん撃つのね?”
“そう、人間の身体に1発の銃弾が当たって即死する確率は20%もない。撃たれた相手の意識が2秒間でもあったら弾倉が空になるまで君に撃ち込んでくるんだ・・・が、そのことは後回しにしてもっと基礎をやろうよ”
こうしてカレンはまた真剣に練習を始めた。スペアマグが1個しかないのでタマを詰めてやるのに忙しく、しまいには指が痛くなった。でも、幸福な気持ちだった。
“あー、もう続かないわ、腕と目が限界だわ…でもインスティンクトシューティンの感覚らしいものは判ってきたのよ”
“それは良かったじゃない”
“ところまた質問なのだけど、人を実際に撃つのって難しいことなのね?”
“そうだなあ…撃つことは簡単だけど、撃つまでがタイヘンというところかな?”
“どういう意味?”
“人はね、そこのターゲットみたいにつっ立って待っていてはくれないのだよ。場合によってはアッチもガンで狙ってくることもあるしね”
“そうよね…それで?”
“こっちのイノチはひとつ、つまりたったの1発食らってもオワリだから、ゼッタイに勝てるときだけ闘うという心がけが必要だよ”
“そんなの可能?”
“可能もなにも、そうするしか他に生きる道はないのだよ。だから、撃ちたいヤツがいたら後ろからとか、相手が武器を持っていないときとか、カンペキに油断しているときだとか、そういった状況で攻撃をかけるのが本当のガンファイターなんだな”
“ヒキョーな感じだわね”
“賢いと言ってほしいね、カレンがここのところをキチンと理解しないかぎりはガンファイターにはなれないぞ”
“ふふふ、ムキにならないでねマイティーチャー、さっきの話からそれは納得しているのよ・・・ところでほかの質問だけれど、あなたは撃ったことある?人を?”
“・・・えー…、ないよ〜…”
“あっ!あるのねっ?”
“ナイナイ、ないってば”
“あるわよ、だれにも言わないから言いなさいっ!”
“ホント…ないよ”
“ダメダメ、質問されてからあなたの目のまばたきの回数が増えたし、視線も宙に浮いたわ。これは真実を言ってないときの基本的な兆候なんですからね。心理学者の観察はするどいのよっ! 精神性発汗を調べたらすぐに判ることなんだから…ほら、あなたの手のひら、わずかに湿っている・・・これが証拠だわ・・・でも、もうこれ以上は聞かないでおくわね、ワケありのようだし…”
“なんのこと? うるわしき乙女に手を握られて平然としている男などいるとでも?・・・汗が滝のように流れ出ても自然なことだよ・・・”
“…そうか、後ろからとか、武器を持ってない相手を撃つのか…それなら難しくはなさそうそうね”
“そんなに皮肉っぽく言わなくてもいいだろ?そんな状況にもって行くのはやさしくないのだから。闘いというのは作戦にあるということなんだ。お互いが銃を持って正面から撃ち合うなんてことはゼッタイに避けるのがプロの道なんだ。流れダマや、まぐれあたりの恐ろしさときたらもう…とはいえ、そうも行かないことがたまにはあるけどね”
“あのね、私ね、相手に発砲のチャンスを与えないというあなたのやり方、内心ではとても理にかなっていると想っているのよ。ちょっと感動的な教えだと想うわ・・・ただあなたと同じでスラッとお世辞を言えない私があるだけなのよ・・・”
“そうか・・・どこまでボクの心を読んでいるのか判らないけど・・・ちょっとコワイね、心理学はタマゴでも・・・”
“・・・ねえ?私のような新米でも闘うことができるかしら?”
“昨日のチンピラくらいとならね”
“相手が複数で、銃を持っていたら?” “ダメ!相手がひとりでも、銃を持ったヤツとやり合ってはいけないよ”
“じゃ、どうするの?” “近付かないか、逃げるか、あやまるかだね”
“囲まれて、レイプされるようなときは?”
“生命をかけて闘うか、苦しみに耐えて生きのびるかだろう…君のそのときの価値観にまかせるしかない”
“価値観が生きるか死ぬかを分けるのね?”
“うん、生命というものは、ときにはまるで薄氷のようにもろいものだよ”
“ほんとに、わたしもそう思う…”
“ところで、今度はボクからの質問だけどね“
“なあに?”
“君は誰と闘うつもり?P7M13という相棒と一緒に誰を相手にするの?…”
“えっ?どうしてそんなこと聞くの?そんなつもりなんてないわよ”
“あっ!まばたきが増えた!視線もそらしたぞ!手のひらが湿った! 精神性の発汗だっ!”
“…シャーラーップ、からかわないでよ”
“君は突然に練習したいと言った。その練習には普通でない熱心さがあった。撃ち方に憎しみと怯えが感じられた。焦りもあった。タマを1000発も持ってきた……たしかに君はシューティングを楽しんでいた、だが笑顔がどこか空虚だった・・・これだけの根拠があるんだけど、もっと解説が必要?”
“……………”
“話すんだカレン、秘密は守るから…ねっ?”
“・・・ぜったいに、守ってくれる?”
“誓う!”
“でも・・・なぜ聞きたいの?”
“君を愛しているからだ…愛した人がトラブルしてたらなんとかしたいだろ?誰だってそうだろ?知らん顔なんてしないだろ?”
するとカレンは空の遠くに視線を投げた、そしてしばらく考えてから言葉を出した。
“……監禁されてるの”
遠くを見やったまま、そう言った。
“兄さんが、だね?…麻薬グループに?”
“警察に言えば殺すって…兄妹3人ともに…”
“それで、ヤツラはどうしろって?”
“姉を働かせて15万ダラ作って返せって要求してきたの・・・”
“フーン、1ヵ月に500ダラ返して何年かかるのかな、エーと…”
“違うのよ、姉は客をとらされるの、彼らのバーに住みこんで……だから銀行は今日で辞めたのよ”
“えっ!…強制売春か!”
“姉は今夜から行くの……”
“警察に連絡しよう!”
“したわ、きのうの夜に…でも証拠もなにもないし、姉の自由意思でバーで働くのじゃないかって言うの。あっちには弁護士もいてどうしようもないのよ…兄は証言なんてぜったいにしないし…”
“…そうか、それで君は独りでヤツラにアタックしようと考えた…”
“…それほどハッキリした考えはないわ、彼らと闘って勝てるとは思えないし…ただね、今日という精神的にハードな日をボンヤリとなにもせずに過ごすなんて気が狂いそうだと思ったの・・・そうしたらPセヴンを撃ちたくなったのよ…それだけなの・・・”
そう言うカレンの肩が小刻みに揺れた。あのトビ色の美しい瞳からは大粒の涙がハラハラとこぼれ落ちる。
とめどもなく流れ出る悲しい涙を拭おうともせずに彼女は夕日に向かい、小柄な身体を震わせて泣いていた。
こんな、とてつもない困難を抱えこんでいるのにカレンはさっきまで笑顔を絶やさなかったのだ。その気丈さに感動した。この、カナリヤのように華奢な身体のどこにそんな強靭な精神が宿っているのだろう。
薄暗くなったレンジには弾痕だらけのターゲットが静かに立っていてシューティングラインの右側には無数の空ヤッキョウが散らばって鈍く光っていた。
ボーゼンとなった。
思考が途絶えた。涙がこみ上げてきた。涙が出たとたんに哀しくなってカレンと一緒に佇んでしばらく泣いた。
不幸だらけの世の中。困難だらけの人の道。そんな情景の中にあって、何か抜き差しならないものを感じていた。
やがて、理性が戻ってきた。
…どうしよう…これは個人で解決できるようなことではない、頼めるところもない、かといってそのまま放置できる問題ではない。ここでカレンの困窮に背を向けて逃げ出すことはできるが、そんな自分には耐えがたいものがある。空疎な精神はいやだ!勇気を出そう!こんなときにまず必要なのは勇気なのだ…でも、どうするんだ?・・・いったい…いや、闘ったら負けると頭から決めているが、本当にそうだろうか?麻薬ギャングといっても強力な集団だとは限らないではないか…こっちだって2年以上もスワットのトレイニングを受けてきたのだから相手次第では案外…いったいどんな奴らなのか?・・・
そんなことを、じっと考えた。
“よぉし! カレン、どこか明るいレストランに行って軽いものでも食べよう、ねっ?熱いティーを飲もう、そして考えるんだ。しっかり考えよう。たった今できることはそれしかないんだから・・・そうだろ?”
そう言って、カレンを包むように抱いた。
仰向いたカレンの濡れた頬にキスをした。
彼女の涙は生まれ故郷の屋久島の海と同じ味がした。カレンは抱擁に応えて両腕の力を強めた。銃の道に生きる自分、もとより弾丸に当たって死ぬのは覚悟のうえだ。涙した後は気持ちが軽くなる。覚悟ができて怖れも消える。熱いティーを早く飲みたいと思った。
〔裏話〕
この章は、訓練方法がオリジナル小説と
まったく異なっています。
ムカシと今ではワシの教え方は随分と
変わり、より単純で明日から役に立つと
いう射撃方法に進化しているのです。
そして・・・
「“じゃ、正義と悪はどう決めて行けば
いいの?なにが悪でなにが正義なの?”
“世には正も悪も存在しないよ”
“そんな!…そうかしら・・・どうして?”
“正も悪も人間がつくりあげたマボロシ
なんだ。いいかい?「悪」というのは
「嫌い」という意味をもっともらしくした
言葉なんだと想わないかい?”
“う〜ん・・・じゃ、正義はなんなの?”
“「正義」とは「好き」という言葉
から後ろめたさを隠蔽したものさ”」
↑
ここの部分ですが、この小説ではこれを
市は言いたかったのです。
どう想いますか?
この記事へのコメント
業務連絡 バドマンカンパニのKさん、メイルが戻ってきましたよ。そちらのメアドが間違っているようですね。
Posted by 市 at 2013年02月22日 14:11
読んでみましたが、市郎さんの考え方が如実に現れた文章だと感じます。
正義と悪の考え方についても非常に納得る部分も有りますね。俗世間の常識に縛られない柔軟な発想も必要になると言った感じが伝わりました。
正義と悪の考え方についても非常に納得る部分も有りますね。俗世間の常識に縛られない柔軟な発想も必要になると言った感じが伝わりました。
Posted by HiroSauer at 2013年02月22日 16:56
「好き」から欲を抜きましたね?
ここまで、書き直しちゃうという事は…
結末を楽しみしております(⌒▽⌒)
ここまで、書き直しちゃうという事は…
結末を楽しみしております(⌒▽⌒)
Posted by Elan at 2013年02月22日 20:35
こんばんようさんです。
正義と悪の定義ですかぁ
今の世では、師匠のおっしゃりたいことは、正解のひとつなのかもしれませんね。
ほかにもありそうですが、時代によって変化してきてるし土地や人種によっても差があるんでしょうね。
善人vs悪人 ?? 司法判断? それらとは違う人の感情からのアプローチですよね。
「頑固が信念」なのか、「優柔不断が信念」なのか、いろいろ折られます。
私は「時と場合が信念」なので、「それもあり!」と
思うことが多いです。だから感情からの定義はありですね。
大阪人は環状線に乗って、勘定で物言いますがぁ。。。
正義と悪の定義ですかぁ
今の世では、師匠のおっしゃりたいことは、正解のひとつなのかもしれませんね。
ほかにもありそうですが、時代によって変化してきてるし土地や人種によっても差があるんでしょうね。
善人vs悪人 ?? 司法判断? それらとは違う人の感情からのアプローチですよね。
「頑固が信念」なのか、「優柔不断が信念」なのか、いろいろ折られます。
私は「時と場合が信念」なので、「それもあり!」と
思うことが多いです。だから感情からの定義はありですね。
大阪人は環状線に乗って、勘定で物言いますがぁ。。。
Posted by まう@東大阪 at 2013年02月22日 23:03
市様のおっしゃる通りであると思います。
今日、自分も部下に話をしました。
「人生や仕事には『分析』が大切」であると。
できれば、3回以上、「何故?」と考えることが
必要だと。
そして、上記と矛盾するようだが、「常に戦士としての感覚を磨き、自分のバランス感覚を大切にして、即決する習慣を持つこと」が大切だと。即ち、「好き」と「嫌い」の状況判断の技術を磨くことです。
方面軍砲兵に時間はあっても、戦闘機のパイロットや、ストリートファイターには分析の時間がない。大作戦の名参謀となる学習と、俊敏な優れた兵士たる嗅覚の両方を養い、状況に応じて使い分けなければ生き残れない、良く生きることができないと思っています。
今日、自分も部下に話をしました。
「人生や仕事には『分析』が大切」であると。
できれば、3回以上、「何故?」と考えることが
必要だと。
そして、上記と矛盾するようだが、「常に戦士としての感覚を磨き、自分のバランス感覚を大切にして、即決する習慣を持つこと」が大切だと。即ち、「好き」と「嫌い」の状況判断の技術を磨くことです。
方面軍砲兵に時間はあっても、戦闘機のパイロットや、ストリートファイターには分析の時間がない。大作戦の名参謀となる学習と、俊敏な優れた兵士たる嗅覚の両方を養い、状況に応じて使い分けなければ生き残れない、良く生きることができないと思っています。
Posted by maj.m at 2013年02月23日 03:36
正義と悪。
最近の“正義”に関する考え方は、イチローさんの述べられる正義とは異なり、深い考察抜きであまりにも単純化され過ぎてるような気がします。
後ろめたい部分を隠す“単純化された正義”は、暴走するので恐ろしいものです。
イチローさんの作品を確か当時中学生か小学校6年生くらいで読ませてもらいました。(新聞配達もせず、立ち読みで、すみません。) 一人の命を奪えば殺人なのに、戦時では多くの敵を殺せば英雄とされることに気付かされたときは、頭をガツンと叩かれました。
日本でもフランスみたいに義務教育の中学生くらいに「哲学」を必修となればと思っています。複雑な“正義”や、生まれたからには必ず死ぬことを踏まえて、年取ってからではなく、若い自分から亡くなるときの蘇生処置の有無をどうするか、 胃瘻に対する考えやその反対側にある妊娠中の出生前診断など具体的なことを義務教育中から考える機会を作ってくれればと思います。
イチローさんの述べられる正義、後ろめたさを隠す正義をしっかり考えなければ、薄っぺらな人間にしかなれないと思うのです。
最近の“正義”に関する考え方は、イチローさんの述べられる正義とは異なり、深い考察抜きであまりにも単純化され過ぎてるような気がします。
後ろめたい部分を隠す“単純化された正義”は、暴走するので恐ろしいものです。
イチローさんの作品を確か当時中学生か小学校6年生くらいで読ませてもらいました。(新聞配達もせず、立ち読みで、すみません。) 一人の命を奪えば殺人なのに、戦時では多くの敵を殺せば英雄とされることに気付かされたときは、頭をガツンと叩かれました。
日本でもフランスみたいに義務教育の中学生くらいに「哲学」を必修となればと思っています。複雑な“正義”や、生まれたからには必ず死ぬことを踏まえて、年取ってからではなく、若い自分から亡くなるときの蘇生処置の有無をどうするか、 胃瘻に対する考えやその反対側にある妊娠中の出生前診断など具体的なことを義務教育中から考える機会を作ってくれればと思います。
イチローさんの述べられる正義、後ろめたさを隠す正義をしっかり考えなければ、薄っぺらな人間にしかなれないと思うのです。
Posted by Ignacio,M.D. at 2013年02月23日 08:00
勧善懲悪
子供の頃、ヒーロー物のテレビプログラムに心躍らせてました。
若い頃は、
善は滅私 悪は私欲
そんな感じに思ってました。
正義を善に置き換えてますけども。
最近は…
正義は 好き
悪は 嫌い
選択肢の一つにいただきます。
必要な時にチョイスしたいと思います。
子供の頃、ヒーロー物のテレビプログラムに心躍らせてました。
若い頃は、
善は滅私 悪は私欲
そんな感じに思ってました。
正義を善に置き換えてますけども。
最近は…
正義は 好き
悪は 嫌い
選択肢の一つにいただきます。
必要な時にチョイスしたいと思います。
Posted by champon at 2013年02月23日 12:45
オリジナルのほうも持っていて、ここはスティールチャレンジの「スモークンホープ」だったはずなので、最初読んでて「アレ?」って思いましたが、なるほど改定されてるんですね。
おかげで、今後、オリジナル版とはどう変わったのか見比べるという楽しみが出来ました。
>撃ちたいヤツがいたら後ろからとか、相手が武器を持っていないときとか、カンペキに油断しているときだとか、そういった状況で攻撃をかけるのが本当のガンファイターなんだな
自分の最も好きな言葉です。
サバゲーの経験から、相手と面と向かって撃ち合いやっても、勝てる確率なんて50%も無い訳ですから
おかげで、今後、オリジナル版とはどう変わったのか見比べるという楽しみが出来ました。
>撃ちたいヤツがいたら後ろからとか、相手が武器を持っていないときとか、カンペキに油断しているときだとか、そういった状況で攻撃をかけるのが本当のガンファイターなんだな
自分の最も好きな言葉です。
サバゲーの経験から、相手と面と向かって撃ち合いやっても、勝てる確率なんて50%も無い訳ですから
Posted by Q太郎 at 2013年02月23日 19:20
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