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2012年06月22日

狙撃拳銃のリポート

市 (2012年06月22日 13:28) │Comments(12)記事

え〜と、、SATマガに載せた狙撃拳銃の
記事はまだここには載せていませんでし
たよね?
載せたような気もするのですが、まあ人が
苦しむわけでもないので載せますね(^^)
週末の読み物としてどうぞ。





★遠くを撃ちたい★
マリーンの狙撃手は優秀だとして知られており600mだの1000mだのの距離で狙撃訓練をする。だがストーキング訓練では200mまで忍び寄ってから撃つ。なぜ200mかといえば、この距離だと敵の姿がよく見え、風の影響も読みやすいので極めて高い確率でヒットできるわけだ。じっさい、10倍以上のスコープを搭載したスナイパーライフルを撃ってみると200mという距離から人間の頭に命中させるのはいとも簡単だということが判る。 
 一方、米国のポリス スナイパーが本番で撃った距離の平均は80ヤードだそうだ。FBIの狙撃班によると300ヤードまでを撃てるようにしておけば充分だという。
 考えてみれば、300ヤードという距離から必殺の一弾を放てるということはなかなか魅力的なことではないか。平和とはいえない国に住んでこんな狙撃銃を身近に備えるのは心強いことだ。しかし難をいえばライフルは長すぎて常時携帯ということが出来ないこと。そして危ない目に遭うのはやはり外出している時が多いわけで…。

 そこで外出にはCCWのための小型拳銃ということになる。
 小型拳銃の特徴は、軽くて小さいので携帯に便利というものだが、これには射程が短いという短所がつきまとう。目前にいる暴漢が自分を殺そうとしている時には使える武器だが、道路の反対側で犯人が自分の妻を殺そうとしている場合には一発必殺で倒すということはできないと見てよい。小型拳銃というのは至近距離用としてディザインされており、とても撃ちにくいのだ。
 したがって、射程を伸ばしたい人は中型拳銃を選ぶ。こうなると戦闘力は格段に上がるわけだが、それでも25m先の悪漢を撃ち倒すには難しいものがある。射場で時間をかけて25m先の20cmのターゲットに確実に当てることができる人でもドロウを入れて3秒以内に初弾を放つというコンバット射撃では至難の技となる。
 さて、CCWの許可をもらいSIG P226を携帯するようになった。これならほとんどフルサイズの拳銃という大きさなので撃ちやすく、よく当たり、装弾数も多いので本格的なガンファイトに対応できる。拳銃というものは大きくなるほど使いやすくパワフルで精密に撃てるものなのだ。
 本格的なガンファイトという意味は、目前にいる3人を撃ち倒し、クルマに乗っていた2人も即死させ、加勢に飛び出してきた6人のギャングもすべて沈黙させる、といった状況のことで、これに対するにはチーフやPPKでは難しすぎるわけだ。
 226は、そういう「大喧嘩」に対処できる強力な拳銃なのだ。難点といえば重くてカサバルことだがね。
 しかし、ツラツラ想うに、CCWのサイズは持ち主のマインドセットに比例するのではないかと想う。つまり、やる気があるほどにデカイのを持つ、ということ。

“イーチのキャリーガンを見せてくれよ”
 と、対ギャング班の連中に聞かれたのでタクレーヌから226を抜いて見せた。すると、
“ほほう…これなら強力だ…”と感心された。そこでシャーツの下からグロック19を抜いて
“場合によってはこっちを抜くんよ”
 というと、
“おお~う!!”
 と、感嘆の声をあげる。そしてパンツのポケットからチーフをサッと抜いた、
“ええっ?? う~ん、これで判ったが君は大したファイターだな~”
 と、二人は顔を見合わせていた。
 この時は、たまたま3挺をキャリーしていただけで、通常は2挺だ。しかし誰かが3挺もキャリーしていたらワシもそのマインドセットの強さに感嘆の声をあげるだろう。しかし、ワシとしてはそんな自分に決して満足はしていなかった。
 
「携帯するのならより強力な武器がよく、それもできるかぎり遠くを撃てるのがよい」

 これがワシの考えだ。
 そして想った・・・

“今のままでは射程が短いので、より遠くを撃つために「狙撃拳銃」を携帯しよう…”

 CCWといえば上着かパンツの内側、またはポケットに入れるものだという観念があって、これがワシのジャマをしていた。ダットサイト付きの拳銃は大きすぎて持ち歩けない、という気持ちがあった。
 しかし、市街地で本当に拳銃での闘いをするのならビアンキカップ用みたいなハンドガンが最も強いことは解っていた。そしてある時に気がついた。
“なにも身につけることもあるまい、タクレットLはダットサイト付きが入るようにディザインすれば速く抜けるし、他にもバッグを作ればよいだけのことではないか…”
 こうして狙撃拳銃の実験を始める。

    ★50mを射程に入れたい★
 拳銃でどの距離まで闘えるのかという意見は、人によってまったく異なるだろう。
 ミリタリーもポリスも拳銃は主として7ヤード以内で撃つことを前提として訓練する、そして教官の多くが拳銃では遠くを撃てないと考えている。
 拳銃で50mの距離で闘えると想う人と、そうでない人とに別れ、その差はオープンクラスの試合に出ているかどうかによるのではないかと想われる。

 10m以内の距離で素早く撃てる射手を育てるのは簡単だが25mで闘える射手を育成するには10倍以上という時間と弾薬が必要となり、シューターの才能も必要となってくるわけで、拳銃は当たらないという迷信はここらから生まれているのではないかと想う。じっさいのところ数多い射撃教官の内で幾人がIPSCやビアンキカップ スペシャルという銃を撃ったことがあるかと問えば、それは50人に1人もいないだろう。

 拳銃が当たらないのではなく、
 当てられる人が少ないだけのこと。
 つまりはこれだと想うのだ。

さて、現実には拳銃が秘める性能とはいかなるものか? このことをワシ自身も明確に知りたいわけで、そこから狙撃拳銃のコンセプトが生まれるわけだと想われる。

 ワシの場合は必殺の距離は50m、重傷を負わせられる距離は100m超。もし犯人の上半身が見えていたら200mまでは制圧射撃を加えたいと想定している。制圧射撃というのは、相手の近辺に弾丸をバラバラと飛ばす方法で、運が良ければ当たってしまうというものだ。上半身が丸見えの場合、5発撃ったら、その内の1発はヒットさせるくらいのつもりで撃つ。これをやられると、至近弾がバラバラと飛んで来るので、相手はかなり恐怖を覚えるわけだ。ちなみにこの場合は頭上1.5mほどを狙って連射すればよい。精度の高い拳銃で安定したプローンで撃つと等身大のターゲットなら200mでもほぼ確実に当たる。

 では、必殺の距離を50mにしたいとワシが決めたのはどうしてか?
 じつは、それなりの経験があるのだよ。

    ★起きそうになった事件★
 ほとんどの事件がそうであるように、この場合も予想だにしなかった場所でまったく突然に起きた。
 それは、メル ミラードというポリス インストラクターから譲ってもらった中古のブルバレル付きのS&Wリヴォルヴァを使ってサンフラン スィスコ郊外にあるパブリックレンジで練習をしていた時だった。
 25ヤードの距離から直径10cmほどの黒点に15分間に50発撃ち、すべてを黒丸内に入れるということにワシは凝っていた。そして、その日曜日も混んだ射場で同じ練習を黙々とやっていた。
 撃ち方始めの笛がなって皆が撃ち始め、15分後に撃ち方止めの笛が鳴る。そしてターゲット交換というルールだ。15分間に50発という自分なりのルールは、この15分の間に50発入りのタマ箱を空にする、というところから来ていた。
 スタンディングで25ヤードから連続50発を10cm内に撃ち込むというのはとても難しいことだ。後々になって判ってくることだが、たとえばレヴェルの高いLAPDのスワット隊員にとっても難しいことなのだ。
 ただしこれは一般射撃の基本であって、戦闘射撃となるとまったく違ったテクニックを学ぶことになる。
 ワシはいつしか、時折はそれを達成することができるようになっていた。レンジマスターたちからもよく褒められていたし、他の日曜シューターに教えを請われたりもしていた。
そんなある日のこと、撃ち方止めの笛が鳴る前に50発を撃ち終えたワシは空にしたリヴォルヴァを机の上に置いて黄色の待機ラインに立ってターゲット交換の合図を待っていた。やがて笛が鳴りターゲットを貼りなおし、再び待機ラインに立ったところにテッド今井というレンジマスターがやってきた。そして彼は囁いた。
“イチロー、そのガンに今タマをこめて予備のタマも持って私についてきなさい”
“えっ? いいの? そんなことをして?”
とワシは一瞬戸惑ったが、テッドの命令口調に身体はもう動いていた。ターゲット交換の待機中に机の上にある銃に触ろうものならスピーカーでものすごく怒鳴られるのだ。しかしワシは机の上に置いたリヴォルヴァにタマをこめ始めた。周囲を見回したが誰も気にしてはいない様子だった。まあそれはテッドがワシの直近に立ってワシを見ているので訝しがる者はいなかったのだろう。そしてタマをこめ終わるころワシは初めて疑問が湧いた。
〈いったいテッドは何をさせる気だ?…〉
リヴォルヴァのスィリンダを閉じたとたんに
“私について来なさい”
 とテッドは言い、早足で歩き始め尋ねる間もなく日本語で説明を始めた。
“あのね、中国人ギャングで仲の悪いグループ同士が来ていて喧嘩しそうだから、もしも撃ち始める奴がいたら撃ち殺してちょうだい。イチローはあっちのクルマの近くにいるヤツラを撃ってちょうだい、他のはワタシたちが撃つからね…”
 目立たないように小さくアゴでしゃくられた方を見ると3人ほどの東洋人が見えた。まっさきに考えたのは、その距離とどこから撃つか、ということだった。射場の出入り口にクルマが停まっており、そのタイヤに隠れてプローンで撃てば6発で3人なら撃てるだろうと感じた。
“あのクルマの下から撃つけどいいよね?”
とワシはテッドに囁き、テッドは頷いて右の方に行った。ワシが左翼、テッドが右翼を守ることとなった。さて、相手は何人いて味方は何人いるのかさえ判らなかった。ターゲットは6~10人くらいかも知れないと想った。とにかく発砲するヤツがいたら次々に撃とうと想った。とくに緊張は感じなかった。動悸もなかった。恐怖はもちろんなくて冷静そのものだった。そんな冷静な自分が観えて不思議な気もしたが、まあこんなものだろうぐらいにしか想わなかった。すぐに盾にするクルマに着いた、がまだ何も起こっていなかった。いきなりプローンに入るのも目立つと想ったのでそこでなんとなく周囲を見回していた。パンという音がしたらすぐに寝転んで射撃をしようと想った。距離は50mほど、クルマの下からなのでサイトは日陰に入り、さぞかしフロントサイトはくっきりと見えるだろうと想った。もしも立って撃つヤツがいたら一発で倒せるという確信があった。クルマに隠れて撃つヤツがいたら足でも手でも、見える部分を次々に狙撃してやろうと考えていた。ギャングたちは撃ち始めたとたんに予想だにしていなかった方向から一斉に狙撃されて数秒で全滅するだろうと想った。
 しばらく経った・・・。なにも起こらない・・・。これはダメそうだな、と感じ始めた。起こるならもっと早く起こっているだろうという気がしてきた。右側からテッドがやってきた。
“あっちのヤツラ帰ってったよ”
“そう…じゃシューティングにもどろうか…”
“ギャングたちが口喧嘩始めたので撃ち合いになるかもと想ってね…”
 すこしがっかりしていたワシにテッドは説明しながら射座まで付き添ってくれた。テッドは何事もなかったように振る舞い、何かが起こりつつあることを感知した客は1人もいなかった。
 ワシはまたターゲットを撃ち始めた。そして考えていた。
〈…いい経験になったな~、これは実戦経験と同じだ。あれだけ落ち着いていられたらこれからも大丈夫だ…そうか、できるだけ離れたところから撃てればより安全なんだな、射撃の腕も大切だが有利な場所に立つというのはもっと大切なんだな…それとなるべく遠くを撃てる拳銃があるといいな…いったい拳銃ってどれくらいの距離まで撃てるのだろう?…逆光線だと狙いにくいし、暗くなるとサイトが見えなくなるしな…手足を使った喧嘩とはちがい銃と銃との闘いは知能の働きが勝機をつかむことになるようだな。しかし今日は昼間なら50mで狙撃できることが判ったので、それだけでもトクしたな…〉
 などと考えていた。
 
 その後、本格的な試合に出始める。
 名人達の腕前や、種々の拳銃に触れる機会も増し、拳銃の性能も判ってくる。
 闘いを想定した拳銃の試合の場合、遠くは50ヤードが多く、まれに70ヤードの速射などもあることが判った。そして特殊な拳銃なら300mからでも当てられることも知った。だが、それらは戦闘用ではなく、単発だったりボルト操作が必要だったりで、とにかく大きすぎてフトコロに入れて歩けるというシロモノではなかった。サイトを50mに合わせておけば100mからなら50cmほど上を狙えばかなり当たるのだということも知った。当時に流行していた.44マグナムは戦闘用としては不向きで、357マグナムの方が現実的なのだと知った。そして世の中には安い拳銃と高い拳銃があることも知り、壊れやすいのや頑丈なのがあることも判った。そしてカスタマイズすればさらによく当たるようになるということも知り、精度の高い拳銃はそれゆえに強い武器となることなども知るようになった。

 こうして年齢を重ね、今や拳銃を護身のトゥールとして携帯するようになったところでツラツラと考えることがあった。
「自分の敵はどの距離にいるのか?」という想定だ。
 街で金品目的に脅されるのに対処するなら2mで撃てればよかろう。しかし妻や娘を人質にとられたら5mからの1.5秒ヘッドショットという高度な技が要求されるだろう。では道路を隔てたところで娘がクルマに連れ込まれるとしていたらどうするのか? その距離は20mかもしれないし50mかもしれない。撃つタイミングを逃したとしても、せめて逃げ去るクルマのタイヤに穴をあけて救出の可能性を残したい。ビアンキカップではプローンで50ヤードという距離からコブシサイズのターゲットを撃ち、これはそう難しいことではない。できればカップガンを持ちたいものだ、だがこれでは大きすぎて携帯には向かない。スティル チャレンジ用カスタムの速射力とカップガンの命中精度に迫れるキャリーガンがあったらベストな拳銃といえないだろうか? CCW用といえば小型拳銃だと相場が決まっているが、大型になるほど人の命を救える可能性も大きくなる。現実にフルサイズのコルト45を携帯する人も少なくはない。だったらもう一歩踏み込んで試合銃のように「狙撃できる拳銃」をキャリーするというのはどうなのだろう?…。
 そういった構想が浮かんでしまうと、うずうずと熱いものが脳天までこみ上げてくる。

     ★狙撃拳銃とは?★
 では「狙撃拳銃」とは何か?
これについて熟考してみる。
 まず参考になるのは狙撃銃だろう。
 狙撃用ライフルにとって何が大切かを考えれば、狙撃拳銃への手がかりも掴めるのではないかと想うのだ。
 狙撃銃の目的は遠くを正確に撃つこと。
 そのために必要な要素としては、

1. 100mから最低でもピンポン玉を確実に撃てるという銃の性能。

2. 100mからピンポン玉を凝視できる照準器。これはオープンサイトだと可能ではないので少なくとも6倍以上の高倍率スコープを意味する。  

3. 100mからのピンポンを撃つとき、ブレずに引ける味の良いトゥリガープル。

 高性能銃、高性能スコープ、切れの良いトゥリガー。狙撃銃の条件とは、この三項目に絞ることができそうだ。

 それを拳銃に当てはめてみようか。
 ただし拳銃であるからには至近距離でのスピードを犠牲にするわけにはいかない。とても俊敏でとても遠くを撃てるというコンセプトから外れてはイケナイと想うのだ。
 高性能な拳銃には50mで2.5cmという性能がある。
 しかし、そのためにはオープンサイトでなくスコープが望ましい、というよりは必需品だろう。できたら倍率がほしいが、それだと5mから撃つときのスピードにおいて支障をきたすので等倍がよいだろう。それも暗い場所で撃つことが半分はあると想定しダットサイトの選択は必然といえる。そしてそれはより小型なものが良く、土砂降りの中でも照準でき泥をかぶっても水洗いでき防水である必要もある。そして電池は一年間は点けっぱなしでもよいというのが望ましい・・・と、そうなればエイムポイントのマイクロ、それもナイトヴィジョン対応のT-1というモデル。これをさしおいて他には見当たらない。じつのところ、このマイクロが発売されたことでワシの長年の夢だった「狙撃拳銃」の構想が実現できるのだと言える。

      ★ダットサイト★
 ブライアン イーノスというシューターがエイムポイントをビアンキカップに持ち込んで優勝して以来、ダットサイトはゆっくりと射撃の世界に広がっていった。
 初めは電気光学サイトなど信用できないと食わず嫌いを決め込んでいた軍や警察のカワズたちも、今ではこぞって使用している。
 じっさい、今のアメリカでは井の中から出たことのないカワズでさえダットサイトの良さは認識している。
 日本でもダットサイトを最初に使い始めたのはエアガンシューターたちであり、やがて警察や自衛隊も採用することとなる。
 そんなダットサイトで練習を積んでスピードシューティングの世界でトップの座に躍り出たのがマック堺という男なわけだ。
 そのマックに、ダットサイトについてコメントを書いてほしいと頼んだら、以下のようなメイルをくれた。

  ★ダットとオープンサイトの差★
 まず、ダットサイトとオープンサイトについて説明させていただきます。
 ダットサイトは、スコープのような単眼鏡の形をしており、倍率もありません。その中を覗くとダットと呼ばれる赤点が光っており、狙いたい的にそれを合わせることで照準ができます。
 スコープと違い、目から離して狙うこともできますし、目に近づけても狙えます。
 オープンサイトは、フロントサイト、リアサイトから成りフロントサイトの凸部分を、リアサイトの凹のへこみに合せて、それを的に合せて照準します。
 ただ単に早く撃つというのであれば、重量も軽いオープンサイトが有利だと思います。
しかしターゲットに確実に当てるとなると話は変わります。
 オープンサイトでは、的が大きい場合は別として通常はフロントサイトに焦点を合せます。的、フロントサイト、リアサイトを一直線に合せて撃つ訳です。
 それに比べ、ダットサイトの場合は的を見つめそこにダットの中心を持って行くだけで照準は完了します。
的にフロントとリアを合わせる煩わしさが無く、ダットを撃ちたい一点に乗せるだけでピンポイントで撃てます。
 フロントとリアのズレを調整する必要なく、かつ目の焦点を的に合せるだけというのはとても安心な照準方法なのです。
 オープンサイトは、フロントサイトに目の焦点を合わせるので的とリアがぼやけ、しかもフロントとリアで的の下が隠れてしまうのです。ヒットしたい部分に焦点を合わせるだけというのはとても楽なのです。
 フロントとリアを確認しかつターゲットに合わせるのを瞬時にやるのがオープンサイトですが、これがすごく長く感じます。ダットサイトには必要の無い時間なのです。
 スティールチャレンジは、真っ白く塗られた円形の金属の的を使用し、数メートルから40mほどにある5個の的を早く撃つ競技です。
合図と同時に銃を抜き5個の的に当てるという早さを競います。白い的は実銃の場合黒い弾痕が残り着弾点がわかります。その場合も、スティールプレートを撃つにつれ、弾の跡が黒くのこり、だんだんとフロントとリアの関係が
曖昧になってきます。
 スティールチャレンジでオープンサイトを撃つ場合は、ファイバー等も無い真っ黒いフロントとリアが好きです。真っ白の中に、真っ黒いフロントとリアの方を合わせる方がスッキリして楽に感じるからです。
 ダットサイトの場合は、的が黒くなろうが確実に狙えました。また、日が沈むころでもギラギラと日差しが強いときでも、的にダットを合せて撃つとそこに弾が当たります。
 オープンサイトの場合は、日没になるとフロントとリアが見えにくくなってきます。見えにくくなるということは時間をかけてサイトを確認することになり、狙うのが遅くなるということです。
 撃つ動作において、ダットサイト、オープンサイト両方に言えることは、狙った後引き金を引いて撃つことになりますが、ここでも差が出ます。引き金を引くという動作は、大変難しいです。サイトが合っていたとしても、銃をぶらさずに引き金を引ききらないと当たりません。引ききる瞬間まで的を狙い続けることになります。
 ダットサイトの場合は、的を見つめてダットが狙った場所にずれないように確認しつつ
引き金を引けますがオープンサイトの場合は、フロントとリアの関係を崩さないように引き金を引きます。当然のことですが、焦点が曖昧になりやすく、確実に撃つにはダットサイトよりも確認の時間がとられます。
 さらに実銃射撃の場合は、フリンチと呼ばれる反動に対する反応で難しくなります。
 フリンチは、反動を怖がるあまり銃を動かしてしまう現象です。
 これは、引き金を引く動作をするときに起こり、引き金を引ききったときには違う方向にずれてしまいます。
 ダットサイトならば、的を見つつどこを狙っているかはダットが動くので確認しやすいです。オープンサイトの場合、的を見ているとフロントとリアの関係はぼやけているのできっちり確認するのが難しくヒットマークも見えません。
 簡単に言いますと、ダットサイトは的に狙いを合わせる手順が少ないため、早く確実に当てやすいと思います。オープンサイトは、手順が多くミスが起きやすいと思います。
 以上は、競技をやっているシューターの多くは感じていることと思います。私はシューティングをやってもう20年になりますが、銃をあまり撃ったことのない女性のシューティングマッチの為にAKを用意した時、オープンサイトとダットサイトを比べて撃ってもらいましたところ横から見ていてもダットサイト付きの方が早く確実に当たっており、本人もダットサイトが使いやすいと言っておりました。
 こんなことからも、ダットサイトの方が確実に早く当てられるのだと想われます。
 マック堺

    ★テラロッサの場合★
 お世話になります。SATマガジンの寺澤です。ハンドガンにダットサイトつけて、どんだけよくなったかの感想原稿を送ります。
 M4などライフル系にはダットサイトはもはや必須アイテムといえ、ダットがないと狙いニクイとすら思う。ハンドガンもまた同様のはず! 小誌でイチローさんもコンパクトで取り回しがよい拳銃にダットが着いたら“最強の戦闘拳銃!”とおっしゃっておりましたが、未熟なテラはガンを構えてからダットを探すのに時間がかかってしまい、アイアンサイトより遅いんです。イチローさんからは「ばっかもーん! DVD『初弾』をみて練習しろ!」と怒られております……。これから精進いたします!

 という場合もある。笑
 銃を撃つこと自体、そう簡単にマスターできるものではないので、いずれにせよ訓練を積む必要があることは当然だね。
 ちなみに、現存する無数のダットサイトの中では信頼性やバッテリー寿命においてエイムポイントが最高峰なのだが、これとて時折ダットに狂いが生じるので定期的な着弾チェックが必要なのだ。今日撃ってゼロを確認しても一ヶ月も放置してから撃つと50mで5cmくらいズレでいることは多い。
 これはダットサイトの欠点ではなく、上下左右の調整ネジの作り方にモンダイがあるわけで、そういう現象は狙撃用のスコープでも見られるものだ。
 近距離で撃つ場合にはこの狂いは認識できにくいものだが、50mでセンターにゼロインして翌日もそのままとはかぎらない。4クリックくらいの再調整が必要なことは普通におこるのだ。しかし、どうかすると調子の良いモノは、1ヶ月間くらい毎日撃ってもそのまま動かなかったりもする。
 そしていったん航空機で銃を運ぶと、ほぼ確実に再調整が必要となる。その原因はバラしてみれば解ることだが、現行の調整スィステムがオソマツだからなのだと想う。
 そういうことなので、50mで5cmに当たり続ける銃があっても現実に使う場合はヒットできるのは20cmのターゲットだということを織り込むべきかと想われる。しかしこれでも拳銃の能力としては画期的なわけだね。

 さてさて、エイムポイントは「まあ使える」ダットサイトだとワシは考えている。で、他のはどうなのか?
 じつは、命を託せるようなのはなかなか無いと感じているのだ。
 5発撃っただけでダットがプツリと消えてしまう。調整ネジが利かなくなって着弾点がまったく定まらなくなる。なかにはレンズが外れて落ちたのもあった。とかくトラブルが多く拳銃に載せて2万発撃てるダットサイトはエイムポイント以外にしらない。ただ、タスコジャパンが販売していた日本の○○○ 社製には良いものがあった。しかしこれも製品に均一性がなく、壊れるものも多かった。そしてもうその会社は無い。
 たとえばイオテックはカッコ良くて宣伝もよく効いて有名だ。イラクでハムビーが爆破されたのに中にあったM4に載ったイオテックはまだダットが点いていたというハナシもあって話題になった。そこで、オークランド警察はイオテックを導入しライフルオフィサーに配った。ところがパトロールに使い出すと故障が相次ぎ、とうとうマイクロと交換したというイキサツがある。
 それと残念なことは、現時点の日本製にはワシから見てミリタリーや警察で使えるような信頼に足るダットサイトが存在していないということ。じつは3代目となるプロトをカップガンに載せて毎日撃っており1万発を超えてダットはまだ光っている。まだブレも起きていない。レンズは世界のどれよりも良い。ただしエレヴェイション&ウィンデイジの調整ネジがスムーズに動かないというモンダイがある。これは純日本製で、この会社が本気になって開発を続けてくれれば素晴らしいモノになると感じている。

     ★トライアル★
 さてそこで、
 身近にある良く当たりそうな拳銃を眺めながら、次々にマイクロを搭載して実験を繰り返してみた。
 じつは、狙撃拳銃の始祖として数年前に作ってもらった「ブラックウイドウ」という魅力的なのがある。これには狙撃拳銃の条件を満たすものが多く含まれている。じっさい、これをカバンかコンピュータケイスかに入れて持ち歩けば済むことでもある。だが、この道の好き者としては常にアップグレイドしたいものだからね。
 ブラックウィドウにはエイムポイントM3専用のマウントが着いているので、より小型なマイクロは使えない。それと飛距離は少し縮んでも、どこでも入手できる9mmルガー弾を使いたいと想っていた。
 15連発以上の多弾装であること。
 より軽量であること。
 なるべくコンパクトであること。
 そして、使用するカートリッジは入手が容易で低伸性に優れていること。
 「低伸性」とはパソ子の辞書では出てこないが、昔にはあった気がする。「ていしんせい」と読み、つまり弾頭がフラットに飛ぶということだ。まちがっていたらゴメンね。
 とまあ、こういった条件で銃を選んでみたわけだ。

     ★SIGとグロック★
 まずCCW用の狙撃拳銃としてはSIG P226にマイクロを搭載したものを市オシとしていた。その理由はタクレットかパンツの内側に差している拳銃が226だからだ。
 腰から抜いたキャリーガンもバッグから出した狙撃拳銃も同じタイプの銃だと違和感がまったくないからだ。
 しかしこれをテストしてみると50mで20cmというグルーピングなのでチと心細い。本当はもっと良い性能を秘めているのに2万発も撃ったために精度が落ちたのかも知れない。そのうちにバーストバレルと交換してテストをしたいと想う。
 慣れているせいもあるが、226という銃はとても使いやすく、安心感がある。そして精密に狙うときはハンマーをコックするわけだが、このときのトゥリガープルは素晴らしくて銃の性能を引き出すのが楽だ。全長も短めであり軽量でもあり、たまにバネが折れることもあるが、信頼性は高い。将来はCCW狙撃拳銃として携帯する可能性は高いだろうと想う。

 226の対抗馬としてグロック34のスライドにマイクロを直搭載したものを組んでみた。エイムポイント社がこのマウントとT-1を送ってくれた。彼らのテスト結果ではマイクロをスライドに搭載しても壊れる心配はなく、グロックがジャムることもないという。ただしスライドが重くなるので火薬を減らしたタマだと動かないこともある。
 友人の1人にレイ ティロナという元警察官がいて「ゴズィラスキン」という処理をワシのグリップに施してくれた。熱くした金属棒で表面を溶かしながらボツボツを付けるというのはかなり流行っているが、日本文化の大好きなティロナはゴジラのファンであり、その肌をグロックに転写するという離れ業をやってくれたのだ。
 グロックの人気は高いが嫌う人も少なくはなく、その第一の原因はグリップの後部下のデッパリだろう。これはとても不愉快なコブなのでワシの使うグロックはすべて削り取ってある。ティロナの改造するグロックもこのニーズに応えている。じっさい、この「手のひらのタンコブ」を取り去ることによってグロックは悟って改心した人のように好感の持てる拳銃となるから不思議だ。
 グロックを狙撃拳銃とするにはフレイムがポリマー製なので直搭載がベストだと感じている。これでテストしたところ226と同等のグルーピングだった。そしてこれもバーストバレルに交換すれば性能は上がるハズ。ただしリアサイトの溝だけでマウントが留まっているので反動への耐久力は期待できない。このことはエイムポイント社も理解しており特別なスライドを計画している。それはマイクロを低く強く装着し、その前後に背の高いフロントサイトとリアサイトとを立てるというものだ。こうなればマウントの要らない狙撃拳銃が誕生することになる。
 さて、226とグロックは同等なグルーピングを持つわけだが、これは据え置きで撃った場合のことで人間がスタンディングで撃つとなると命中率には大きく差が出る。その原因は「トゥリガープル」に他ならない。SIGの滑らかで切れ味の良いトゥリガーに対してグロックの重く引きずるようなプルには耐え難いものがある。そのためにグロック用のトゥリガーアッセンブリーが市販されているわけだが、それでも引くにツライのがグロックなのだ。
 しかしこのG36は異質なほどにスラリとしていて軽くて面白いのでコレクションとしては嬉しいものがある。 
 人間には使う目的でなくモノを入手し、ただ眺めて楽しむという性癖があるわけで、銃の世界もどちらかといえばそっちの数が多いのではないかと想われる。かくいうワシも悟りの境地からはほど遠いので必要のないモノをゴマンと集めて心の充足を得ているわけだね。ほしいモノを買うと空腹が満たされるような快感があるわけだよ。なので、このグロックを携帯する気持ちなどサラサラなく、たまに撃ってみるだけなのだ。ねっ? 君だってこんなの引き出しに入れておきたいだろ?
 
     ★チャレンジャー★
 持っていて嬉しい拳銃の王様クラスとしては、この「チャレンジャー」というロングスライドだろう。ナウリンがミッキーファアラに贈呈したカスタムだ。
 あるときミッキーが何か他のテッポを買うとかで現金が必要となり、ワシにこれを買わないかと持ってきた。
“なに? ナウリンのSTIカスタム? え? 3000$でいいの? もちろんもらうよ~!”
 と、見もしないで譲り受けた。ナウリンの作品なら価値としては5000$、いや、すでにナウリンは先だっているので価値は上がるばかりだろう。ミッキーもワシに渡せば転売などしないので今は亡きナウリンへの顔も立つと想ったのだろう。やがてトモがこれを知りワシは詰問されることとなる。
“あの名刀はボクに売れとミッキーに頼んであったのですよぉ~…”
“あ~そうだったか、では小包で送るよ、ふーん、コレそんなにいいもんかね?…”
 と、冗談を言いながらケイスから出してよくよく眺めるとそれは拳銃の名刀かという佇まいではないか。剛の者、傑物、したたか者、そんな風情なのだ。剣術では最強だった薬丸ジゲン流の侍たちが愛用したナミノヒラ(波平)のような長剣。その肌は飾り気のない豪傑を想わせ、全体の風貌も剛胆そのものだ。
 そのパワフルな存在感ゆえに、疲れた時やショゲた時に手に取ると元気が湧いてくる、まさにそういう拳銃なのだ。そして銃口のサイズからみて口径は38スーパーだと想っていたらNOWLIN 9mmという刻印が打たれていた。もちろんながら、あの有名なナウリンの純正バレルが入っているのだ。
 日本では「刀」と呼ばれる人斬りの道具が美術品として高価売買されているようにアメリカでも特別な銃や珍しいガンなどは投資の対象となっているわけだ。
 さてそこで、
 このチャレンジャーはGun庫には入れず「座右の拳銃」として机の上や引き出しの中に入れてあったわけだが、ふとしたことでこれにR226マウントを装着したらサゾカシ格好良いのではないかという閃きがあった。だが残念なことにチャレンジャーにはレイルが無かったので、閃く回数分諦めることとなる。R226マウントはSIG用にディザインしたものだがレイル付きSTIや1911のオペレイターにも簡単に装着できる。そこでそのオペレイターに着けてみるとカッコ良いのだ! 撃ってみるとその大口径45ACP弾は豪快そのもので老眼なのに良く当たる。50ヤードから撃って弾痕は10cm近くに集まる。大口径ヘヴィーヒッターの狙撃拳銃、それも10連発。ぜんぜんワルクない。
 コルトガヴァメントという銃に熟知した人なら、この性能には驚きを感じるハズだ。それに230グレインという重い弾丸を50m以上も正確に飛ばせるとしたら10連発でも納得できるではないか。ワシは9mm弾が好きではある、が、こうなると昔にさんざん撃っていた45口径に引き戻されそうな気持ちになる。
 というわけで、このグリーンなレイル付きのフレイムの端正なオペレイターを惚れ直すことになった。
 で、オペレイターをさらに好きになればなるほどにチャレンジャーが気になってしまう。
 なにしろこっちは25連発。これは矢車剣之助をたじたじとさせられるタマ数なのだ。
 なに? 矢車剣之助とは誰かですと?
では、このさい説明しておこうか。
 それはチャンバラマンガだった。時代劇なのに武器はたしかリヴォルヴァで機関銃なみに撃ちまくって大勢の敵をなぎ倒すという内容。その主人公様が矢車剣之助さ。小学生がみてもいくらなんでもあんなにタマは出せないだろうと想える多弾の侍だが、なぜか見ているだけでスッと快感を得られたもんよ。
 ひょっとしたらワシは矢車先生に大きな影響を受けているのかもしれないよ。
 話を矢車拳銃にもどそうか。
 
〈…そうか…R226のレイルをフレイムの下側にネジ留めすればいいのか…〉
 矢車市之助は考えていた。
〈…しかしこの美術品にボルトの穴を開けたら値打ちは下がってしまう…しかし将来売る気などまったくないのだから煮ろうが焼こうが自分次第だ…とはいえ美しいままで遺したい…しかしそれにどんな価値があるというのか…テッポは撃ってこそ値打ちを発揮するのではないか…でも新しいSTIを作ってそれにR226を装着するのが正解ではないのか…しかしこの煮立った気持ちはそこまで持たない、もうトイレに駆け込む寸前まできているので思考力もないほどなのだ…では誰に頼んでフレイムに穴を開けるつもりだ…レイルにも二重穴を開けるわけでシロート細工では難しいぞ…ところで明日は仕事を休めるぞ…自分でやれば半日で完成できるぞ…もうれつにカッコ良い狙撃拳銃ができて、そいつをバババババババと矢車射法で撃てるのだぞ…う~んん……〉
 
 「…!!」と人は物事を決める一瞬がある。
 それは神の啓示を受けたように人をして行動に駆り立てる。
 矢車市之助はつと立ち上がった。
 もはや美術品破壊に対する罪の意識は消えていた。もう誰が来ても押しとどめることなどできない。市は敢然としてR226を持ち出し、そのパーツをチャレンジャーの横に並べ、じっと見つめていた。そしてやおらナウリンの遺産を分解する。グリップセフティーを切りやすくするためにパテを盛りつけ、トゥリガーの前面を好みのカタチに変えた。
 そして翌日の朝日が昇り、西にさしかかったところで挑戦印の狙撃拳銃は完成していた。
 なにもしないとなにも起こらず、なにもしないままに日々は過ぎて、そこには以前のままの自分がトシをくっただけで残る。そのようにして30年くらいはいとも簡単に過ぎ去るものだ。だが、この日はチャレンジャーにR226が装着されてマイクロのT-1が搭載されている。小さいが、ふと心に灯った夢が実現していた。想像したカタチが手の上にあり、実在の重量感は心を充足させていた。
 ようするに矢車市之助は「うわ~い!」と大喜びしていたわけだね。

 夢は壮大である必要なんてないさ、日々を生きる上で楽しそうなモノを作るだけで人生は輝くものだよ。モノ作りはTVゲイムのように「空疎な過去」を作ることはなく、カタチとして残り、自分自身の創作として明日への成長につながるものだ。君も電気のプラグを引っこ抜いて何かを作ることにチャレンジすれば未来を変えることができるぜい。
 なんちゃっても、大多数の人には余計なオセッカイだけどね~。

 そして矢車市之助はホキマ射場に新設した50ヤードラインに座る。
 それは撮影ストゥディオの脇にあるので家から数秒で行けるので数あるテッポの命中テストをするには便利だ。
 この机に屋外用のカーペットをかぶせてステイジバッグやレンジバッグ、そしてタクレーヌなどの上に狙撃拳銃を乗せて撃つ。砂袋だと巧く撃てるのだが、やはり現実の闘いを想定すれば身近にあるバッグを使うということに慣れる必要がある。もちろん、実際の狙撃訓練はバッグのサポート無しで行うが、時間をかけて精度を試す場合はより撃ちやすい方法でやるわけだ。
 で、どんなに精度の高い銃でも人間にとって撃ちやすくなければ精度は出せない。そのためには握りやすいグリップと滑らかなトゥリガープルが必要となる。
 226は良いトゥリガープルだがグループ中ではグロックが最悪だ。なんとか撃てるが、慎重に狙うために10発を撃つスピードがまったく遅くなる。226とグロックは同じくらいの精度だったが、撃ち易さという大切な部分では断然に226が優った。オペレイターもデューティーガンとして納得でき、SIGのX5の場合は、これはもう素晴らしい。軽くて滑らかでタッチが柔らかいのだ。X5のトゥリガーの味はまさに最高級で命中精度もファクトリーガンでは抜群だった。そしてブラックウィドウとなれば、これは無敵かと想わせる。トゥリガープルはX5に負けるとしてコンペンセイターがあるので連射が速くなる。あきらかに発射時のハネ上がりが小さく、ダットはビシリと狙った位置にもどってくる。これはファクトリー製にダットサイトを載せた狙撃拳銃ではとても勝てないだろう。この命中精度は100mで10cm以内というもので50mでは狙った一点を確実にヒットできる。ここだ、と想ってトゥリガーを引くと、その一点にボツリと黒点が付くので弾痕の見える鉄板撃ちではその痛快さに感動する。今更ながらブラックウィドウを作ったマークモリスというガンスミスの腕前に驚いてしまう。
 ただし断っておくことがある。
 使ったタマについてだよ。
 ブラックウィドウのタマはワシのリロード弾で、ブレットもプライマーも火薬も、この銃に最適なものを使用しており、他の銃では普通の練習用を使った。命中精度のカギを握るのは「弾丸」なわけで、これが銃によって精度が高かったり落ちたりする。バレルとブレットには相性というものがあるわけだ。しかしこの相性の良い弾丸を見つけるには、いろいろなのをテストする必要があり、今回はそこまではできない。なので9mm群にはモンタナゴールドという中庸なタマを使った。これは過不足のない調和のとれたブレットだ。値段もまずまずで、精度も悪くはない。練習ではもっぱらこれを使うし、相性の良いバレルを持ったシューターはこれをビアンキカップでも使っている。
 ところでブレットを変えて撃つと着弾点がガラリと変わることが多い。モンタナゴールドでセンターに調整した拳銃に同じ火薬とプライマー、同じヤッキョーでホーナデイ弾を撃つとなんと10cmほど離れたところにゴボリと集弾することがある。そしてバレルによっては同じところに集弾することもある。これは不思議な現象だ。この道30年のワシにとっても、これは七不思議のままなのだよ。ちなみにヤッキョーが異なると着弾点が変わるとジョン プライドは言うが、たしかに同じブランドのケイスのほうが集弾率は高くなる。でも、これはなんとなく解るね。
 さてさて、そこで、
 いよいよメイン イヴェンターであるところの「矢車拳銃」の出番となった。
 まずは、ステイジバッグの上から狙って空撃ちをする。
 「ぎょっ!」とした。
 狙いを着けて〈撃とうかな〉と想いながらそろりとトゥリガーに触れるとカチンとハンマーが落ちるのだ。射手の心を読むどころではなく、発射準備にかかろうとするだけで弾丸は飛ぶのだ。
 スタンディングで撃っている時はヤケに引きやすいトゥリガーだと感じてはいたが、精密に狙う50ヤード射撃では想像を超えた威力を発揮する。このトゥリガープルは1パウンドあたりだと感じる。ビアンキカップの規定は2パウンド以上なので違反となる軽さだ。2パウンドでも素晴らしいのに、そのはるか上なのだ。ちなみにトゥリガープルは軽いほど撃ちやすい。だが興奮した人が使うと暴発させるので警察官や軍人には使わせないようになっている。普通は4パウンド前後というわけだ。
 市之助は矢車号を慎重に撃ちながらマイクロの調整ネジを回して着弾点に合わせる。トゥリガープルは絶妙、触れるだけでタマは飛び出す。慣れるのに少しかかったが「凄い」の一言しかない。だいたい真ん中に当たるようになったところでゆっくりと10発を撃つ。 
 10cm以内に集弾していた。このサイズはモンタナゴールドの平均的な性能を示している。残念なことに今年はまだビアンキカップの試合用弾を作ってはいなかった。それを使えば半分のグルーピングになると想う。なぜならワシはナウリンのカップガンを持っているが、それだと2cmほどにまとまるからだ。しかしそれもバレルが老朽化して交換する時期にある。しかしもうナウリンさんはいないのが残念でならない。
 ともあれ、いくつかの狙撃拳銃ができた。
 次にやるべきことはSIG 226のバレルをバースト製にしてみることだ。これで5cmという集弾性能を出せれば226狙撃拳銃をCCWに加えたい。
 これより後の実験はワシのブログで発表してゆくことにするので興味のある人は訪問してくださいな。
http://ichiro.militaryblog.jp/

 追伸:
 この原稿を書き終えてから、ふと想い出し古いP226からバレルを抜いて226狙撃拳銃に入れて撃ったところグルーピングは半分くらいになりましたよ~♪ 昔のバレルは良かったということですかね~?

 では、また~!!
          市



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Posted by 市 at 13:28Comments(12)記事
この記事へのコメント
実は今回のSATマガジン買っていないので、こうやって載せてもらうのは非常に有り難いことだなと感じます。本来だったらあり得にい話だと思いますし。

僕もやっとマルイ製のP226を買い、スティール風の練習やサバゲでも使ってますが、最近は、やはり普通のままだと少し味気ないなと感じ、サバゲやマッチ(僕のさ地元ではマッチは皆無ですが)にも使えるハンドガンに仕上げたいなと考えています。
Posted by HiroSauer at 2012年06月22日 14:27
ごちそうさまでした。
堪能させていただきました。この記事が読みたいが為に日本から送ってもらおうとしていたところでした。
僕のアパートは2階で、まどからアパートの入り口、50m先ぐらいまで見えるのですが、この距離で悪人に対応できると素晴らしいですね。10mで対峙するときより幾分かは心の平静を保てそうです。『当たるの?』って聞かれたら答えに困りそうですが。
Posted by タクマ at 2012年06月22日 16:48
そのコンセプトならこの拳銃ではダメなのかな?
ぜひご意見を聞きたいもので。

http://www.youtube.com/watch?v=MVK_Su7XN2E&feature=player_embedded
Posted by (・(ェ)・) at 2012年06月22日 22:49
ご掲載ありがとうございました。私が住んでいる街の書店ではSATはあまりおいてなく、買えないことが多いです。申し訳ない気持ちで読ませていただきました。
ところで「M65」ですが、もしデホーントハンマーの3インチの特集のことでしたら、GUN誌ではなくコンバットマガジンです。82年頃の9月号か10月号です。私もあのフォルムには衝撃を感じました。黄金比に見えました。デホーントハンマーの3インチを後ろから見ると、まるで豹が襲い掛かっているみたいに見えました。
ロジャースのポリスホルスターとのバランスも、当時としては一歩時代を先取りした感じでした。あんまりにも写真が美しかったので、切り抜いて部屋に貼ったりしていましたので、その号は持ってません。今思えば惜しいことをしました。でも当時高校生のわたしは、その写真をずっと見ていたかったので、切り抜いて貼ってたわけです。もしその号を見られるのでしたら、私も是非見たいです。・・失礼しました。
Posted by ヘンリー at 2012年06月23日 00:47
タクマ、もっと射場に通って常に撃ってないとイザというとき命中させることはできないゾ(^^)こんど鉄板練習をするときには50ydからも鉄板を撃とうではないか(^o^)
Posted by 市市 at 2012年06月23日 01:13
(・(ェ)・)さん、この拳銃がグロックやXDよりも優れているかどうかは実射してみないと解りませんね。で、50mで5cmの精度を出すためにはグロックやXDでもバーストなどの特製バレルを組み込む必要があり、新しい銃だとバレルが作られていないのではないかと。ワシの経験で、箱から出して撃ち、50m/5cmの性能を出せるストックガンといえばSIG-210だけでしたよ。あれは特別に素晴らしいです(^_^)
Posted by 市市 at 2012年06月23日 01:30
>SATはあまりおいてなく、買えないことが多いです。申し訳ない気持ちで読ませていただきました。
ところで「M65」ですが、もしデホーントハンマーの3インチの特集のことでしたら、GUN誌ではなくコンバットマガジンです。82年頃の9月号か10月号です。。。そういう気持ちで読んでいただくと、まさに無料購読していただく価値を感じとても嬉しいです(^-^)で、、あらららコンマガでしたか〜(^_^;ホーグさん、このさい両方とも<m(__)m>ワシも読みたいですよ<(_ _)>
Posted by 市市 at 2012年06月23日 01:41
CCWの記事に続き掲載ありがとうございます。こちらで本を入手するのは大変ですので嬉しいです、この週末にユックリ読みたいです。

ところで、上記の記事に出ている「テッド今井さん」は大昔の別冊GUN誌に登場していた日系人の方ですよね?
この当時の別冊GUNにて、イチローさんは「米国籍34歳」と紹介されていました!
Posted by TUCSONちゃん at 2012年06月23日 15:41
イチローさん こんばんみ〜m(__)m


おーちゃんでおます。
『狙撃拳銃』SATマガジンでも読まして頂きました(^-^)v
R226が欲しいなぁ〜って思っていたときに、あっちの銃、こっちの銃に付け放題?チャレンジャー、ゾクゾクしまんなぁ〜(^_-)
名刀を自分流にすることって勇気と決断と大義名分が必要ですよね(-_-;)
『撃ってナンボ』って正しく大義名分ですね(^-^)v
イチローさんは正に矢車剣之助になったと同時にカスタムに掛かる時は『夜の帝王』に変身したのかも…。


と思いながら拝読したおーちゃんでした。
Posted by おーちゃん じぇい じぇい 中野 at 2012年06月25日 16:49
市子さ〜ん、アモクッキングしてますか〜?! 今週は一人でアタフタしていましたのよ。 メジャーイベント(アクシデント)は、ワタクシお気に入りのクックウェアの赤いLeeちゃんを先日ぶっ壊してしもーた事です。 ワタクシ、か、か弱い乙女、細腕ですのに、、、キャリアーバディー部分の金属に亀裂が入り、一部曲がってしまい。。。そんなに力入れていたつもりはないんですけど、ハンドルがスタックしたので戻そうとしたところ戻らなくなり、バラしてみたら既に遅しでした。チーン。。。(•ө•)
このご時世、リローディングマシンはもちろん交換用部品も品薄で、ようやくネットで見つけた店にオーダーしました。 しかし、そろそろ青い方にアップグレードしてもいいんじゃないかという事で旦那がいつのまにかディロンのリローダーをオーダーしてくれていました。 あ、でも650です〜、1050はやっぱり夢のマシーンのままです☆ ディロン社や他の店に在庫はなく3週間待ち、そんなに待っていられないので色々あたってこれまたようやく在庫を持っているところを見つけてオーダーしたそうです。 当日2台残りがあり旦那が電話する15分前にうち1台が売れたとか。 もともと.45用なのを無料でコンバートしてくれるとのことでコンバージョンキット代が浮きました^_^  Dillon、プライマーはチューブにセットするんですね! Leeはトレイからレールを通してフィードするのでチューブ式は初めてです。 市子さんはプライマーをどのようにセットしていますか? トレイに並べてサクサクチューブをさしていますか? 振動式トレイから流し入れていますか?? 振動式のトレイはもはや出回っていないとのことなのでLeeのトレイ(と、トレイカバー)を代用して使ってみたいと思います。 はやく到着しないかにゃ〜。 予備アモをもっと多めに作っておいたら数週間リローディングマシーンがなくても大丈夫だったんですけど、しょぼーん。 
それでは、市子さん、引き続き1050でのアモクッキング楽しんでくださいね♪ Leeのトレイとカバーは自分用予備と友人の分含めて今晩床につく前にオーダーしますので、もしお入り用でしたらメール下さいまし|゚∀゚)ノ))))

PS:ホーナデイのワンショット、教えていただいてから愛用しています
Posted by リリコ at 2013年02月02日 10:55
リリコよ〜(^^)/ワッシここんとこぜんぜん玉造温泉してないんよね〜、、拳銃はたまにしか撃たないし作り置きもあるし。。でもぼちぼちビアンキカップの練習をせんとね〜(^_^;) ワンショットはリサイズが軽くできていいよね〜(^^)ウチでは小さなサソリがよう出るんで、ワンショットをシュッ!! これでコロリンとおねんねするんよ。でもあとで目覚めるようだけどね〜(^o^) で、とうとう青の650をゲット、これでリリコもいっちょまえのシューターというわけだね〜(^-^)おんめでと〜ん!(^^)!
Posted by 市市 at 2013年02月02日 16:20
コレだ~す♪(^〇^)/
Posted by マルパソ88 at 2015年06月11日 01:27
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