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2015年06月07日

バレルリンク

市 (2015年06月07日 14:24) │Comments(7)てっぽ


バレルとスライドがかみ合ったまま後退し、ある瞬間にバレルはスライドを解き放つ・・・これがショートリコイルの絶妙さですよね(^^)

で、バレルをクイッと引き下げる大役を果たすのが、このバレルリンクですが、これには5種あり、穴の間隔がわずかずつ違うのですよ。

なっとくですか? センセ?・・・(^^)
市  


Posted by 市 at 14:24Comments(7)てっぽ

2015年06月07日

其の弐

市 (2015年06月07日 13:51) │Comments(3)語りのプラザ
 ビアンキ会場から持ち帰った五千発の薬莢の写真を見せたら、やるしかないではないですか。その手間に比べたら、軽いものです。と言いたいところですが、とりあえずやれるところまでやってみます。  

前回からの続きです。  

ハワードの父親である本田誠作は、一九二〇年アメリカに渡った。ハワイを経由してサンフランシスコに上陸し、大陸を横断してニューヨークへたどり着いた。誠作の妻夏子は赤ん坊を身ごもっていた。生まれるな、生まれるなとおなかの赤ん坊に言い聞かせて、二人は大型のトランクを二つ抱えて大陸横断鉄道に乗った。  誠作がニューヨークのど真ん中の、安アパートで生活を始めたその夜、陣痛がやって来た。明け方、赤ん坊が生まれた。誠作は、ハワードと名付けた。夏子は初めその命名に反対だった。生粋の日本人夫婦から生まれた子供なら、日本名をつけてほしいと誠作に言った。  アメリカ国籍を取ってアメリカに骨を埋めると決心して日本を飛び出したのだ、というと夏子も納得した。誠作は夏子と赤ん坊を連れて教会へ行き、カトリックの洗礼を受けた。蝋燭の揺れる炎が、夏子の腕に抱かれた赤ん坊の青く、つぶらな瞳に映っていた。  日曜日にはかかさず、家族で教会へ行ってミサに参加した。  ある時、自分の目が青いことを不思議に思ったハワードが、父に尋ねると、父は一瞬怖い顔をして「それは突然変異なんだ」とだけ答えた。そして大きく分厚い手でハワードの頭を撫でながら言った。 「だからといって気にすることは全然ない。この国では実力さえあれば夢が本当になるのだから」  大きくなるにつれて、ハワードは教会で友達を見付け、家に連れて刳るになった。友達をたくさん作れ、というのが誠作の教えだった。小学校に入ると、ハワードは必ずといって良いほど学校の友達を連れて帰った。中国人二世の息子、生粋のニューヨーカー、シシリアの血を受け継いだ少年、ユダヤ人、南部からやってきた黒人少年。その頃には誠作の銃砲店が成功して、移民してきて以来住んでいたこぎたないアパートから、ハドソン川の近くのフラットに引っ越していた。  ジュニア・ハイスクールに進むと、ハワードは頭角を現し始めた。成績はいつもトップクラス。中でも、一番好きで得意だったのが科学だった。バッグの中に、科学者の自伝をいつも忍ばせていた。トーマス・エジソン、グラハム・ベルなどの発明家の発想にも興味があった。ハイスクールに入学した時、誠作がハワードに勉強部屋を与えた。ハワードは本棚に科学者達の著作を並べた。勿論、中身は半分も理解できなかったが、科学者達が寝る間も惜しんで研究に没頭し、真理を突き止める姿に引かれたのだった。科学の本が欲しいと言うと、誠作は店を急に閉めて本屋に連れて行き、その場で何冊も買ってくれた。ハワードが読み終えると、父の部屋にそっと置いておく。寝る前に読むのだというが、父に貸した本はなかなかハワードの部屋に戻ってこなかった。  チャレンジ・スピリットだ、と誠作は事ある毎に言っていた。わずか五ドルの財産を持って太平洋を渡り、ニューヨークまで渡ってきた両親。野菜売りから身を起こしてガンショップの主の座に就き、ニューヨーク郊外に家を買おうとしている。 「やったらやれる。やったらやれるんだぞ」それが誠作の口癖だった。  父が油まみれになって銃を修理する背中を見ながら、ハワードは工房を遊び場にして育った。ニューヨークのど真ん中マンハッタンではアメリカン・ドリームが次々と実現していた。ハーレムでナイフを剥き出しにして暴れまわっていた二十二、三の若造が、急にスーツを着てフォードを乗り回したりする。株だ、と若造は言った。  一九二九年に荒れ狂った大恐慌もおさまり、ウォール・ストリートには多くのビジネスマンが帰ってきていた。誠作は大恐慌を逆手に取って事業を伸ばした。こつこつ買い溜めていた株は、大暴落の始まる一週間前に総て売り、金に換えてあった。一年後、株式市場が落ち着く頃を見計らって、名も無い株を底値で買い集めた。それはすべて兵器関連株だった。やがて世界がきな臭くなっていくと、株はじわじわと上がり、ヒトラーがポーランドに侵攻した時に頂点に達した。そのニュースを、ハワードはニューヨーク大学のキャンパスで聞いた。  二十一歳の春、父から日本製のオートバイをプレゼントされた。中古のメグロだった。元の持ち主が、故障しても部品が手にはいらないというので手放すことになったメグロを、誠作がわずか三ドルで譲り受けてきたのだ。ハワードはハーレーの整備工場に持ち込んだが、修理は出来ないと断られた。自分でやるのならいいかと聞くと、やれるものならやってみろ、と言い返された。その日から毎日のようにハワードは大学の授業を終えると整備工場に直行した。「できるわけがない」と言わんばかりの整備員を横目にハーレーの部品を削ってメグロに合わせ、一〇日間で修理した。  ハワードは息をふきかえしたメグロでニューヨーク近郊を走り回った。マンハッタンを出発してハドソン川を渡り、南下して自由の女神へ向けてアクセルをふかす。ニューヨーク湾からの海風をいっぱいにあびながらスタッテン島へ上陸する。東にハンドルを切り、ブルックリンへ。天気がいいとコニーアイランドへ寄ってアイスクリームを買った。後はゆっくりとマンハッタンまで戻ってくる。ロングアイランドにはルアーを積んでよく釣りに出掛けた。夏が来るころにはニューヨークで知らない所はなかった。夏休みには、体になじんだメグロで遠乗りにも出た。  ニューヨークの秋は一瞬にして過ぎ去ってしまう。革ジャンパーを着込んでも、オートバイでは寒すぎる。ハワードはメグロをオーバーホールして、部品の擦り減り具合をチェックした。摩耗の激しい部品は思い切ってすべて捨てて、ハーレーの部品から削り出した。分解修理を終えて、春まで車庫に入れる。しばらくのお別れだった。  その年の冬、運命を変える事件が起きた。パールハーバー攻撃。ニューヨーク・タイムズの大見出しに、日本軍の機動部隊がハワイを襲ったという記事が載った。その日から、日本人に対する感情が極度に悪化した。絶えず白い目で見られ、石を投げ付けられる。友人の多いハワードも例外ではなかった。クリスマス・ツリーを銃砲店に飾ることも出来ず、リビングルームに小さなモミの木を立てた。だが、ショーウィンドウの硝子からひびが消えることはなかった。日曜礼拝でも冷たい視線を浴びせられた。面と向かって、ジャップの人殺し野郎と言ってくる老人もいた。親しい神父だけが、「争いは早く終わる筈です。それまでは、どうか不当な圧力に耐えて下さい」と励ましてくれた。  一九四二年二月一九日、ルーズベルト大統領が行政命令第九〇六六号に署名すると、太平洋に面した西海岸地域の日本人移民達は、根こそぎ内陸部の強制収容所にいれられた。誠作たちにも迎えが来て、バージニア州のホームステッドホテルに連行された。ホテルでは個室があてがわれ、食事もふんだんにあった。ドイツやイタリアの外交官達と同じ待遇なのが、せめてもの救いだったが、それもつかの間だった。 「奴ら、そろそろ動き出しそうだぜ」サミュエルが言った。  ハワードは、追憶を振り払って、言った。 「いよいよか」 「既に原爆は完成しているんだ」  サミュエルがあごをひき、ハワードを見つめた。 「完成しただけじゃ意味はない。今までに誰も原爆の凄まじさを見たものはいない。開発にあたった物理学者だって、頭の中でシミュレーションだけだ。問題は、どうやって、そしてどこへ原爆を落とすかだ」 「五〇九部隊はどこに移動する予定なんだ?」ハワードは訊いた。 「太平洋の島だ。最終的にはグアム島あたりだろうが、まだはっきりしたところは分からない」 「標的は日本か……」 「ベルリンはもうすぐ陥落する。ヒトラーだって覚悟を決めるだろう。裁判の被告を選ぶか、自決か。ベルリンに入城するのはアメリカ軍より、ソビエト軍の方が先だろうな。エルベ河を渡ったら、時間の問題だ」 「トルーマンはヒトラーを殺すのでなく、日本を潰すために使うのか」 「いや、トルーマン大統領もまだ知らないだろう」 「大統領までが?」 「こいつは最高機密なんだ。我々がこの情報に接触できたのは、本当に幸運だった。それに……」 「おやじの功績だって言いたいんだろう」 「そうだ。誠作のつかんだ最大で最後のトップ・シークレットだ」  ハワードは内ポケットからグレーのサングラスを取り出して言った。 「マンハッタン計画の責任者はグローブス将軍。そして、物理学者チームのヘッドはオッペンハイマー博士だ。軍人は、敵を殺すのが仕事だ。任務を全うするに違いない。この二人を落とすことはできないだろう。しかし、下っ端の物理学者は違う。所詮は学者だ。良心をくすぐれば、情報入手が出来る。それが突破口になる」 「そうだな。五〇九部隊はB29を改造して飛ばすつもりらしいぞ」 「改造? 投下方法に問題があるのか?」 「今までにない強力な爆弾だ。そう簡単にはいかない。イギリス空軍が何か特別な装置を運んでくるらしい」 「ウェンドーバーに行って、そこから情報を送ってくれ」  ハワードはサングラスをかけた。 「しかし、ほんとにそっくりだよ、その命令口調なんか。それでこそ、君はコントローラーなんだぞ」 「橘さん……」 「サミュエルと呼べ。君は私の指揮官だ」  橘が、ハワードの肩をたたいた。 「迷うな。我々は祖国のために、戦うんだから」 「祖国のために」
つづく  

二十年以上ぶりに読み返し、打ち直してみて、自分の下手さ加減に呆れてます。が、何だかこれから自分が進むべき方向が少しばかり見えてきたような気がします。  イチローさんに言われなければ、こんなことはしなかったはず。色々気づかされました。ありがとうございました。<(_ _)> 松浪和夫

自分で動いて自身で悟る・・・(^-^)
君は「成長株」の典型というわけです♪


  


Posted by 市 at 13:51Comments(3)語りのプラザ