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2017年01月23日

プレイトマスター参戦記

市 (2017年01月23日 02:41) │Comments(3)記事
イチロー様 横レス失礼いたします、絶賛職探し中のカズヤでございます。 このPMCという競技は、私がもっとも力を入れているシューティングマッチでして、過去かなりの試合に参加させていただいております。 2012年と、古い話しになるのですが、私の個人ブログにて、PMC参戦記をレポートしておりますので、参考までにご覧いただければ幸いです。 出二夢カズヤの横浜PMC12th参戦記 その1

http://uzi9mm.militaryblog.jp/e355939.html

出二夢カズヤの横浜PMC12th参戦記 その2
http://uzi9mm.militaryblog.jp/e356556.html

出二夢カズヤの横浜PMC12th参戦記 その3
http://uzi9mm.militaryblog.jp/e357880.html

全3回と長いレポートではありますが、試合前日のガントラブルに始まり、試合では最下位となった事実を含め、なかなかに面白い記事になっていると思いますので(自画自賛)、シューティングマッチの参加経験の無い方も、よろしければ覗いてやってくださいませ。
カズヤ


そう♪ こういう記事を多くの未経験者に読んでもらいたかったんよ。
あんがとカズヤ(^O^)/

  


Posted by 市 at 02:41Comments(3)記事

2016年04月15日

スコーピオン

市 (2016年04月15日 23:19) │Comments(7)てっぽ記事


“ええと、思い出はスコーピオンだけど、M84に挑戦しても良いですよ”

そーいって 膨大な『ベレッタM84 小説』のタイピングに挑んでくれたムラさんが旅立って1年が経ちますた。
そんなムラさんに、Gun誌1981年12月号に掲載されたイチローさんの『スコーピオン 小説』を贈るだす~♪
by マロンパ




『スコーピオン・ショート・ストーリー』  
アメリカ中には何百というスワット・チームがあるが、スコーピオンを持ったチームはベカビルくらいのものだろう。なぜなら、このSMGはアメリカに輸入されたことがないし、持ち込みも禁止されているからだ。共産国の武器は買わないことになっているのだ。  
ベカビルには大きな刑務所がある・・・・・・小さな平和なタウンなのにスワットがあるというのも、この刑務所を意識してイザという時を考えてのことだ・・・・・・その刑務所には多くの面会者がやってくる。当然、面会者は身体検査をされるわけだが、ある時、3人の女が面会を申し込んだ。囚人はふだつきの凶悪犯だ。係官は怪しいと思ったか、女の持ち物をいつもより念入りに調べると、はたして少量ながら麻薬を発見した。ただちに女達を逮捕し、さらに乗ってきた車を調べたら、スペア・タイヤの下にこのスコーピオンがあったのだ。さて、ではどうしてそのスコーピオンがチェコからはるばるU.S.A.まで旅行してきたのか?  
それは1969年の10月2日、深夜のことだった。シスコから国道1号線を北に50マイルほど行った所の海岸に、2人のKGBエージェントがアメリカ製のゴム・ボートで上陸した。スタクトンに向かうソ連の穀物輸送船から夜陰に乗じての飛び降りた2人だった。2人とも英語は堪能でアメリカの事情に精通し、大量のヘロインとドル、そして1人はトカレフ拳銃、もう1人はスコーピオンをかくし持っていた。この2人の使命は、当時アメリカが開発を計画していたMXミサイルの性能とコンコードにある海軍の弾薬貯蔵所に原爆があるかないかの確認だったと言う。  
2人は海岸で茶色のブレザーコートとLeeのジーパンに着かえると、別々に分かれて行動を開始した。スコーピオンの男は、国道のカーブのきつい所に待ち構えて、大型トラックがスピードを落とした時後ろから飛びついて、そのままサンフランシスコに入り、ランバード・ストリートで飛び降りてユニオン・ストリートの方に姿を消した。もうひとりのトカレフは、スコーピオンのように長い間ボリショイ・バレー団にいたわけではなかったので、そんな離れわざを使えず、ダンキン・ドーナツをかじりながら朝になるのを待った。明るくなったところで国道に出て、親指を立てながらサンフランシスコに向かってゆっくり歩き出す。つまり、ヒッチハイクで堂々とシスコに行こうというシャレた考えだ。車は20分に1台の割で通るが、なかなか止まってくれるものはいなかった。2時間ばかり経った頃、ダッヂのバンが人影を認めてか、スピードをゆるめながらトカレフの横をゆっくりと追い越し、止まるかと思ったらそのままカーブの向こうに消えてしまった。「オー、ファック!」とトカレフは英語でわめいて中指を空中に突き立てた。怒っても冷静な男だった。  
「オイ、みたかジャック・・・」と、ダッヂを運転していた男は助手席のサングラスに言った。「ハァー、あの腹の出っ張りでしょう?ベルトにオートをさしてますナ。たぶん.45か 9mmあたりじゃないかと思ってたところですよ。上着がちょっと厚いのでわからないけど、大型には間違いないですナ」  その2人は日系人だった。しかも日系人にはめずらしく、GUNには目のない連中で、射撃の腕も決して悪くなかった。
「あの男をひろったやつは、うまくいってもまる裸にされるか、下手したらBANGだな・・・」と運転手はつぶやいた。「やりますか、ストリート・クリーニングを・・・」ジャックと呼ばれる、苦みばしった顔の男は静かに言った。「仕方なかろう、見殺しはイカンものナ・・・」  ダッヂの男は車を止め、黒のガンボックスから銀色に輝く6インチの大型リボルバーを取り出す。ヘビーなスラブ・バレルが付いた見事なハンドガンだった。男は素早くシリンダーをひらいて+Pのホローポイントを抜き取り、かわりに緑色のブレットが付いた.357マグナムを6発装填する。「KTW・・・やっぱり、ポリスには届けないのですナ・・・」と、ジャックは低くつぶやく。「ウン、道路のこちらからやつをヒットすれば、タマは1マイル彼方の海底に落ちるって寸法さ・・・ポリスとのゴタゴタはメンドーだからな」  運転手とジャックは車から飛び降りるとカーブの少し手前にある路肩の岩に身をかくして待った。  待つほどもなくトカレフは視界に入ってきた。1号線の海側を疲れたような足取りでやってくる。その距離30mに縮まった時、ジャックが岩かげから出て怒鳴った。  「ヘイ、ライドが欲しいんだろ、乗せてやってもいいゼ」  トカレフはギクッとして声の方を見ると相手は丸腰だ。ちょっと安心した。「そうか、助かるゼ、さんざん歩いてクタクタさ、ところでお前さんひとりかね?」「そうさ、その前にちょっと上着のボタンを外して内側を見せてくれないか、俺は心配性でネ、もしGUNを持っているんだったら捨ててもらいたいだけなんだ」「気の毒だが、俺も心配性なんだ。これなしにはやってけないんだな。それにこれさえあればお前さんのあのクルマもいただけるしね」と言いながら上着のボタンを外しトカレフを抜きかけた時だ、ジャックから数m離れた岩の下の草むらで凄まじくカン高い爆発音が起こった。プローンに構えた運転手の6インチが吠えたのだ。トカレフの鼻のあたりにポツリと穴があく。テフロンコーテッドされたソリッドブラスのタマはトカレフの延髄を破壊させながら、はるか海の彼方に飛び去った。証拠になるタマは回収不可能となったわけだ。  倒れたトカレフを目立たぬ草むらにころがした2人は所持品を検査する。「約束通りGUNはターゲットの役をしたオレがもらいますよ、ちょうどトカレフの特集記事を作ろうと思ってたんスよ」と、ジャックはトカレフの土をぬぐう。「オイ、この白い粉は麻薬じゃないか?」バッグから取り出した包みを開いた運転手が驚いた声を出す。「こりゃ10キロはあるぜ・・・ペッペッ、まずいもんだな。こりゃ、麻薬にちがいないぞ、ソーレッ!」と、包みを次々に空に投げる。「ハイヨ!」とジャックがおどけてパイソンをショルダー・ホルスターから抜きざま片っぱしから撃ち砕く。真っ白い粉が粉雪のように海面に舞った。10kgのヘロイン・・・残念ながら、この2人はその価値と売り方を知らなかったのだ。もし、知っていたら、今頃は、サンタバーバラにシューティング・レンジ付きの別荘を持ってハッピーな毎日を過ごせたはずだ。そのチャンスを逃がしたために2人は今だに忙しいガン・レポーターとして毎月を〆切りに追われ続けているのである。  

ドハハハ・・・ここまで書いたら、スコーピオンの経路については全くワシの創作であることが分かっちまったでしょうが、実はポリス・デパートメントでも調べがつかないので、勝手に空想してしまったわけです・・・。なに?ついでに続きを書いてしまえだって? イエス・サー!  

一方、トラックに飛び付いてシスコ入りを果たしたスコーピオンは、ユニオン・ストリートでシャレた服や帽子、靴などを買い揃え、その足でカー・ディーラーの多いバンネス・ストリートに出てフィアットのスポーツカーを購入する。フィアットなどと言うチープなクルマに憧れるところがKGBの貧しさと言うかドンくささだが、日頃は冷静に任務だけを遂行するスコーピオンもアメリカの物資の豊かさをまのあたりにして「オレも条件さえ良ければ亡命してもいいかもしれん・・・」などといった考えがチラリと頭のどこかをかすめる。まず麻薬ルートとコネクションを持ち、マフィアとの関係をつける。そこで大量のへロインと引き換えに、まずコンコードの海軍基地にある核兵器の秘密をいただく──。これがとりあえずスコーピオンがとるべき行動だった。まず、どの店に行くかということなどは、すべて本国で調べがついていた。スコーピオンはオファレル・ストリートにある、しけた感じのバーに入った。そこには顔面をヒゲで埋めつくして、人相も分からなくなった、これまたしけた感じのバーテンダーがいた。名をカールと言い、マフィアの組織の末端にバイ菌のようにこびりついている男なのだ。そして、自我だけはやたらに強く、自分はいつでも組織から離れて独立できるというのが口ぐせで、拳銃の上手さと知識を自慢し、たいして美人でもない金髪のぎすぎすした女房をすぐにひざに抱いて他に見せびらかすことくらいしか能のない男だ。KGBの調べでは、その拳銃の腕にしろ、すぐにあせって地面を撃ち、知識と言っても分解と組み立てくらいという小学生なみであることが分かっていた。  「アンタがカールだね。ハジキが上手いってウワサだゼ」とスコーピオンはくすぐる。  「ソーでもないけどよ、ムカシ軍隊にいたしね・・・」と、単純なカールはたちまち打ち解ける。  「ところで、ヤクを10キロばかり持ってるんだがね。アンタの上の方に伝えてもらえないか、お礼はアンタにもするよ」  「オーット、ダンナ。冗談はいけませんや。アンタ新顔ですかい?でも、ホラ、あそこのスミにいるアル中みたいな男を知ってるでしょう。半年ばかり前にサンディエゴPDからSFPDに移ってきた麻薬Gメンですぜ。アイサツでもしたらどうですかい。それくらいはコチトラにも分かってるんですぜ」と小声でアゴをしゃくる。  「そうか、ではアイサツをするから、他の客が入ってくる前に店を閉めちまいな」と言いながらスコーピオンを取り出したKGBエージェントは、サイレンサ-をカチリと装着したかと思うと、バーの隅でグッタリしている男の左腕を無造作に撃った。プルルルという音がしたかと思うと天井にケースが当たってバラバラと落ちた。撃たれた男はアル中とはとうてい思えない素早さで横っ飛びに飛んでアンクル・ホルスターからスナブ・ノーズを抜こうとした。とたんにスコーピオンが長々とバイブレイトして、男ははじかれたようにひっくり返る。あまりのことにド胆を抜かれたカールの頭に、落ちてきたケースがコチン コチンと当たる。  「いや、アンタの言うとおり、やつはポリ公さんだったようだ。だが、オレは仲間じゃないのがこれで分かったろう・・・」  カールはふるえる手でマフィアのチンピラに電話し、そのチンピラが幹部に知らせてから、事は急速に運ぶ。  「かくしたって仕方がないから言うが、俺はある国の諜報員だ。実はヤクとの引き換えに、ある情報が欲しいわけだ。ヤクはある所にかくしてあるが、明日でも渡せるゼ・・・」  スコーピオンの取り引き話を聞き終わったマフィアの幹部、名をナザリーノというさすがにドスの効いた男だった。いきなり胸の奥からベレッタの.380を抜いてスコーピオンに突き付け、KGBのGUNを奪うとゆっくり言った。  「御苦労だったが、アンタにはセメント・シューズをはいてもらう。タルの中にセメントを入れて両足を突っ込んでおくと半日で固まる。そしたらシスコから45マイル沖に出かけるわけだ。そこまで行くと海溝があってな、底なしに深いんだ。そしてドブン・・・。我々を裏切った仲間は、そして敵もだが、皆あそこに沈んでいる。たいていの連中は放り込む前に頭に1発ナマリだまを入れてやるが、アンタのためにはそのナマリもケチらせてもらうことになる。イヤ、へロインなんていらんよ。それよりも、ウチのドンときたら大の赤ぎらいでな・・・愛国者なんだよ、ウチのボスは・・・」そういうわけで、スコーピオンもアッサリと消されてしまい、ケチで臆病なカールは、店を一軒持たせてもらえるという約束で、Gメン殺しの犯人として自首し、その妻であったニーナがチェコのSMGスコーピオンを自分のクルマのスペア・タイヤの下にかくしていた・・・・・・というわけでした。(完)


  


Posted by 市 at 23:19Comments(7)てっぽ記事

2015年12月09日

SATマガの記事より

市 (2015年12月09日 14:57) │Comments(24)訓練記事


あのイチローさんと日本で会える!?
その第一報が届いたのは、2015年7月のこと。イチローさんのブログで発信された、“ジャパンに行く予定がたちました♪”という報せに、全国のファンがどれだけ興奮したかは想像に難くない。憧れのイチローさんと日本で会えるなど、ほとんどのファンは夢想だにしていなかったことだろう・・・・・・。

“イチロー ナガタ”という特別な存在。
その名に尊敬の念と憧れを抱いているガンマニアは日本国内だけでもかなりの数に上るだろう。美麗極まる芸術的な写真と、斬新な切り口のレポートで数々の名銃を日本に紹介し、トイガンシーンを常に牽引して来た偉大な人物。
「月刊Gun」をはじめ、「COMBATマガジン」、「モデルガンチャレンジャー」といった、代表的なガン&ミリタリー専門誌をまたに掛け、長年にわたって活躍したのは、後にも先にもイチローさんただ一人だ。
それも、
“銃本来の性能を読者に伝えるためには、レポーターが一級の射手でなければならない”
という強い信念のもと、自ら様々なシューティングマッチに参加。ビギナークラスからスタートし徐々に成績を上げ、ついには最上級シューターへと上り詰めて行く様子が克明に綴られたレポートは、多くの読者を強烈に魅了した。
それまで、銃そのものを愛でるといった楽しみ方しか知らなかったガンマニアが、射撃という「行為」にも興味を持ち始めたのは、間違いなくイチローさんの影響によるものだ。
そんなイチローさんが2011年、インターネット上に突然ブログを開設された。
それまでは雑誌メディアで、月に1回発信されるだけだった最新の情報が、惜しげもなく連日公開されるという驚き。それまでは想像するだけだった、イチローさんの鋭い動きや、柔らかく響く肉声が、動画を通じて見聞き出来るという、今という時代ならではの喜び。さらには、ブログ上に書き込んだコメントに、イチローさんご自身がレスをくださるという夢のような現実。新鮮な文章から伝わって来るイチローさんのお人柄に、長年のファンはもちろんのこと、新たなファンが続々と増えて行ったのだ。
そのブログ「TACTICAL LIFE」にて先述の通り、9月の来日と、茨城県のサバイバルゲームフィールド「特殊作戦群区」内に常設された「JWCS公式レンジ(※現在は閉鎖)」、そして埼玉県の「田村装備開発トレーニングセンター」にて、イチローさんの直接指導による射撃訓練が行われることが電撃発表されたのだから、全国のイチローファンは上を下への大騒ぎ!
JWCS公式レンジでの訓練の参加枠は当初50名を予定していたが、用意されたエントリーチケットは一瞬で完売。会場のキャパシティ上ギリギリとなる10人分の枠を追加し、訓練は総勢60名で行われる運びとなった。


会場に続々と集まる笑顔また笑顔

美事な秋晴れに恵まれた、訓練当日の2015年9月23日(水・祝)、会場となるJWCS公式レンジには、遂に迎えたこの日を待ち望んだ参加者たちが続々と集結! 筆者は主催者側スタッフとして、受付業務を行っていたのだが、すべての参加者の輝くような笑顔と、全身から喜びが満ち溢れている様子を見て、なんとも言えない充足感に包まれた。
エントリー手続きにともなうやり取りの中、サバゲもシューティングも未経験で、この日のためにエアガンとホルスターを買ったという方もいることがわかっていた。訓練について行けるだろうか? と不安をこぼす方もいたのだが、そういった想いを遥かに上回る喜びのエネルギーが、肌に感じられるほどに強く、会場に充満していたのだ。


ガンハンドリングとドロウの基礎

まずは訓練会場に並んだ参加者をゆったりと見渡したイチローさん。全員の装備やたたずまいから、全体的なレベルのバラつき具合を確認されたのだろうか。まずはガンハンドリング(銃の扱い方)の基礎から、この日の講義がスタートした。
銃を撃つ時にとるべきスタンス、グリップの握り方、トリガーの引き方など、あくまで実銃を扱うことを前提とした教えを授けてくれるイチローさん。
ドロウから射撃を行い、ふたたびホルスターへと戻す基本動作を全員に実地練習させた後は、その動作に含まれる重要なポイントを解説してくれた。
射撃を終えて下ろした銃のマズルが、自分の身体に向いてしまうことを避けるためには、どのような動きを心がけるべきか?
銃を戻す際にはホルスターに目線を落として、その位置を確認する必要があるのは何故か?
すべての参加者が理解出来る平易な言葉で、ひとつひとつの動作が、何故そうすべきであるのか? という理由を、丁寧かつ合理的に解き明かすイチローさん。
その口調はあくまで静かだが、しかし有無を言わせぬ説得力に満ちており、参加者たちはひと言たりとも聞き逃すまいと全力で聞き入っているかのようだった。
ホルスターから抜いた銃で撃つ1発目の弾丸、すなわち“初弾”を、正確に、それも出来るだけ素早くターゲットに当てること。
競技射撃はもちろんのこと、実際の戦いにおいて最も重要なこの技術を身につけること。そして、強いマインドをもってそれを実行するということが、ここまでの講義のテーマであった。
イチローさんが誰かに射撃を教える際、その生徒にはこのように言われるそうだ。

“射撃ってのはなぁ、お前が考えているより、ずっと難しいものなんだ。”

そして1年後、その生徒が腕を上げて来た時にはこう言う。

“射撃ってのはなぁ、お前が考えているより、ずっとずっと難しいものなんだ。”

さらにその1年後には、

“射撃ってのはなぁ、お前が考えているより、ずっとずっとずっと難しいものなんだ!”

以下、その繰り返しなのだという。
つまりは、射撃の道にゴールは無いということで、そう言うイチローさん自身でさえ、さらなる高みを目指して、日々を必死でもがいているのだ。
人間である以上、完璧な射撃を毎回行うことは不可能といえる。それでも「完璧な射撃」に出来るだけ近付くために撃ち続けて行く。
強いマインドを持つ、というのは、そういうことなのかもしれない・・・・・・。


二重円陣を組んで撃ち合う、実戦形式訓練

ドロウからの射撃をひととおり練習したところで、屋内のシューティングレンジから、屋外フィールドへと場所を移し、訓練はいよいよ実戦形式へと進む。
砂利敷きのフィールドに出た参加者たちは、イチローさんの指示のもと、まずは大きく二重の円陣を作った。
あらかじめ赤、青、黄色、白と色分けされた、直径240mmのABSプレートを全員が胸に下げていたのだが、これは銃弾が命中すれば確実に倒れる位置、バイタルゾーンを表している。つまり、このターゲットに命中させない限り、相手は確実に撃ち返して来るというわけだ。
各人、同じ色が並ばないよう適度に散らばり、イチローさんの号令で内側の円陣は時計回りに、外側の円陣は逆回りにそれぞれ歩き出す。

“撃て!”

というイチローさんの合図とともに、内と外の円陣同士、自分の下げたものと違う色のターゲットを探して狙い撃つのだ。
サバゲ経験者でも、こういった形で撃ち合うのは初めてだっただろう。撃つべき色のターゲットを瞬間的に見つけ、素早く狙いをつけて正確にトリガーを引くというのは、相当に難しい芸当だ。咄嗟の状況に判断が追いつかず、やみくもにトリガーを引いた参加者が多かったようで、ターゲット以外の部分に被弾した痛みによる小さな悲鳴が、あちこちから聞こえて来た。
内と外のメンバーを交代し、円陣の回転方向も逆にするといった形で回数を重ねると、全員がかなり落ち着いた射撃を見せるようになったのだが、訓練はさらに難易度を増して行く。
今度は「撃て!」の合図とともに、隣の味方の後ろを通った上で、先と同じ射撃をするというメニューが開始された。
当然、味方の後ろを移動する時は、銃口を地面か空に向けて、安全を確保する必要があるのだが、敵側が撃って来るというストレス下においては、正確な動作が出来なくなるのだ。
この後さらに、「味方の前を横切ってから撃つ」というメニューが追加されたのだが、自分が前を通っているのに銃口を下げていたり、味方が前方にいるのに銃口を上げていたりと、もはや身体と頭がバラバラ状態。
ターゲットを狙い撃つだけであれば可能でも、それが撃つべき色を識別し、尚且つ横に移動し、さらに銃口の向きを意識する必要も生じるとなると、もはや別次元の難しさとなる。
身についていない技術は、実戦の場ではまったく実行出来ない。
つまり、こうしたシチュエーションでの訓練を十二分に積む必要があるのだということを、多くの参加者が身をもって痛感させられた内容だった。


1発外したらアウト! わずか35発の必中訓練

実戦形式の訓練を終え、ふたたび屋内レンジに戻った参加者たちには、新たな試練が与えられた。それは、JWCSというシューティングマッチに使用する全7ステージを常設した、JWCS公式レンジの環境だからこそ出来る訓練メニューだった。
まずは5発で当てる感覚を身につけるべく、各人それぞれにJWCSのステージを選び、試合形式でタイムを計っての射撃を行った。
そしていよいよ訓練本番。横1列に並んだ各ステージを5発でヒット出来たら、隣のステージに走り込み、また5発を当てたら隣へという具合に撃ち進む。
つまり、「全7ステージ35枚のターゲットを、1発も外さずに撃つまでのタイムを競う」という恐るべき内容だ。1発外したらそこで終わり! というルールは、凄まじいプレッシャーとなって参加者たちに襲い掛かった。
序盤のステージであえなく外して肩を落とす者、最終ステージの最後の1発を外して、その場に崩れ落ちる者。そこでは様々なドラマが展開されたが、たった35回の射撃が、「外したら終わり」という枷を与えられただけで、かくも厳しい難行となる。
しかし考えてみれば、銃を使った戦いの場で、「外してもいい状況」などあるはずも無く、どんな状況でも必中の一撃を放てなければ、生き残ることなど出来ないではないか。
生きるか死ぬかの戦い、という土壇場でのプレッシャーに較べたら、この程度の射撃など完遂出来て当然だろう。逆に言えばこの程度のプレッシャーに勝てずして実戦の場に立つことなど、到底出来ないはずだ。

一撃必殺。

過去の銃器雑誌のレポートで、イチローさんが何度と無く書かれて来たこの言葉が、ガンファイターとして最も必要とされる要素であること。それが今回の訓練を通じて、ようやく胸に落ちた。
そう思うのは筆者だけではない、と確信している。


夢のような一日を終えて

あっという間に過ぎ去った素晴らしき一日。憧れのイチローさんから、直々に訓練をつけていただいた、というこの日の体験は、すべての参加者にとって、今後の人生を明るく照らしてくれる最高の思い出となることだろう。
上述したJWCSステージを使っての必中訓練において、あえなく失敗した者には叱咤激励を、美事クリーン(=満射)した者には、惜しみない賞賛の言葉をかけてくれたイチローさん。その暖かい優しさに触れた参加者の皆が、どれだけの感激を味わったことか!
主催側の立場として、仕切りの部分で反省すべき点は多々あったが、訓練に参加したすべての人の、心からの最高の笑顔には、救われた思いだった。
幸運にも筆者は、アメリカでイチローさんのお宅にお邪魔し、その素晴らしい人となりに触れた経験を持っている。だからこそ、今回の訓練に参加された皆さんの気持ちが手に取るようにわかるつもりだ。
イチロー ナガタという人物は、我々ファンが長年想い描いて来た理想像をあっさりと塗り替え、改めて憧れてしまうほどの魅力を持った、本当に凄い人なのだ。
 
最後に、訓練終了後に設けられた食事の席で、筆者がイチローさんから授かった教えを記しておこう。
YouTubeで見られる、アメリカで実際に起こったシュートアウト(銃撃戦)の動画には、驚くべき至近距離からの、無茶苦茶な撃ち合いの様子が収められている。
そんな地獄の釜の底ような状況下で冷静に狙いをつけ、バイタルゾーンを一撃で撃ち抜くような芸当は、どうやったら出来るのですか? と質問した筆者に対し、イチローさんはただひと言、

“訓練だ!”

頭をひっぱたかれたような、衝撃の教えだった。イチロー射撃訓練の参加者よ、これからもお互い精進しようではないか!

Text by 金子カズヤ

ワシ、ただ普通のガンオタクなのにカズヤはちょっとオオゲサだね・・・
でもあの日の、表現に窮するような、なんというか・・すごく暖かい空気が立ちのぼる雰囲気の訓練は初めての体験だった。
参加者の喜びのオーラが充満していると感じていた。
人々に感動してもらえるのは、とても嬉しいことだとつくづく想ったよ。
ありがとう、皆さん(^-^)/

死ぬまえに、もいっかいヤリタイ(^○^)
市  


Posted by 市 at 14:57Comments(24)訓練記事

2015年11月11日

MJマガジンの記事

市 (2015年11月11日 01:22) │Comments(12)訓練記事
おはばんわぁ〜\(^O^)/
MJマガジンの最新号がとどきましてね〜(^^)
日本でのバットン射場訓練が記事になっていましたので作者のケンに頼んで本文を掲載させてもらうことにしました。
ここで使用したフォトはバットンたちが撮ってくれたものですがMJ記事には、あのときのフォトが満載されていますので、訓練に参加した方々はゼシとも本誌をみて自分の姿をみつけてくださいナ(^^)

あのときの皆さんの熱く輝く瞳はとても嬉しく、ワシの一生の想い出となっています(*^_^*)
では、どうぞ・・・




久々にイチローさんが来日し、射撃訓練の場を設ける‥‥という情報は、ブログ記事を通じて全国へ伝わった。射撃の基本を、戦いの基本をレクチャーしてくれるというのだ。
思い返せば30年前、モデルガンメイカーのMGCが主催していたガンショウ会場において、「ホルスタからガンを抜き、撃つ」という「新情報」を、「新技術」を、ガンファンたちに伝承したことが日本におけるエアガンシューティング隆盛の始まりだった。
それが今、「射撃訓練」という形で繰り返される。が、今回の射撃訓練はシューティングマッチ対策ではなく、「撃ち合い」を想定しての、実戦を考えてのトレイニングだ。

9月23日。
茨城県に位置するJWCS公式レンジにおいて射撃訓練は行われた。
朝早くから参加者は続々とあつまり、その数は50名を優に超える。
それぞれに挨拶を交わし、射撃訓練のための準備を進める中、イチローさんはエアガンでの試射を始めた。5m先の的をゆっくりと撃つ。
数発を放ったところで、「ああ、なるほどね‥‥」と呟き、続けて、「エアガンは実銃とは違って、反動で銃口が下がるんだね‥‥」と、ひとりごちした。エアガンマニアでも気づきにくい特性をピンポイントで指摘できる観察眼は、インストラクターとしての能力の高さを示すには充分すぎた。

射撃訓練の一歩目は、ホルスタに収めたガンを抜き出し、もしくは銃口を下げた状態から振り上げ、初弾を放つという基本から始まった。ハンズアップ(両手を上げた構え)から腕を振りおろし、ガンを抜き、的を狙い、そして撃つ。エアガンシューターたちにはお馴染みの、そして「いまさら」の基礎の基礎だ。わざわざ、教えてもらうほどの技術ではない。
が、この「初弾撃ち」の重要性をイチローさんは説く。
易しいとはいえ、百回、千回、万回と繰り返す中には、必ず握り損ない、撃ち損ないがある。それはなぜ発生するのか? どうすれば正確に、素早くガンを抜けるのか、撃てるのかを考えさせる。そして試させる。
たった一発を放つだけのシンプルな動きの中に無限の思考が存在する。

わざわざアメリカからやってきて、イチローナガタともあろうものが「射撃訓練」と称して勧めるのがホルスタからの抜き撃ちとは‥‥。
と、「自称・実戦派」であれば声を上げるかもしれないが、参加者たちは空撃ちの一発・一発に真剣に取り組む。意味を考えながらトゥリガーを引く。どの目もマジだ。
もし、この訓練を開始するにあたり、「ワシは天下のイチロー様だ! ワシの言うことは正しいから、ガンバって初弾練習をするよ〜に!!」と、言い放っていたらどうか? 
「ナニ言ってんだ? そんなのとっくに知ってるよ。サギ師め!」
と言い返し、フリはしても、真剣には訓練に取り組まないだろう。
が、イチローさんは「射撃は難しいので、ワシも含めて一緒に練習しよう!」と誘い、続けて、初弾練習の何がどう大事なのかを、論理的に、科学的に、なおかつ誰もが理解できるよう説明していったのだ。
「初弾練習は最も大事」と納得しての訓練は、自然と熱がこもる。







ハンズアップの姿勢から腕を振りおろしホルスタからガンを抜いて撃つというアクションは、技術力を鍛えることで進歩する。精度もスピードも高められる。が、それだけでは戦闘の場では役立たない。そこは「自称・実戦派」が指摘する部分でもある。
競技では的の数も大きさも決まっており、なおかつ配置される場所も距離も最初から分かっている。そんなものをいくら撃っていても、千変万化する実戦では役立たないという論だ。
一見、それは正しく聞こえるが、決定的な誤解がある。
競技という、役立たないはずの、易しいはずの、そんな基本さえもまともに撃てない輩が、どうして実戦で強く戦えるというのか?
先の論は「小学生の勉強抜きに、いきなり中学生の問題を解け」というほどに滑稽な話で、役立たない。
基本を学ぶ。
その重要性を理解する。
その後の「実戦」が意味を持つ。
射撃訓練・壱で、ガンを抜き撃つという基本を学べたところで、本格的な射撃訓練、実戦訓練へと移った。


射撃訓練・弐だ。
これは、参加者たちを2グループに分け、二重の輪を作らせ、一方は時計方向に、もう一方は反時計方向に歩かせることからスタートした。
あくまでも自然に歩く中、イチローさんが叫ぶ“ファイア!”の合図とともに全員が体を反転させ、別グループの胸に吊られた的を狙い撃つのだ。


イチローさんの合図によって、別グループの参加者の胸に吊るされた的を撃つ‥‥と書いたが、これは、誰の、どの的を撃っても良いというルールではない。自分が首から下げている的と同じ色を吊った相手を探し出し、その的のみを撃てる。つまりは、合図を耳にした後、ガンを抜きつつ敵を探し、正確無比なる必殺弾を叩き込むという訓練だ。
射撃訓練・壱と同様に、こちらも単純明快ながら奥深い。


実は、人の脳は同時に2つのことを処理できない。通常はできない。
それが、「思考」と「運動」という2つであれば可能だが、「思考」と「思考」はできない。自転車に乗りながら歌は唄えても、歌を唄いながら、心の中で九九は唱えられない。
この射撃訓練・弐は、通常は2つの思考、2つのアクションである、「ガンを抜いて撃つ」と「敵を探し出す」を一つの思考、一つの動作として行い習得するのが狙いだ。俗に言われる「身体が覚える」という行動のことで、改まっての思考なしに自然とガンを抜き、的を探し出し、撃てることを養う。





何かを学ぶとき、それが易しそうな所為に感じられたとしても、決して一足飛びにはたどり着けない。基礎の基礎から一歩ずつ、着実に歩を進めるのが確かな方法だ。近道だ。
射撃訓練・弐は、これだけで一ヶ月間でも二ヶ月間でも、いや、いつまでも続けられる基本練習の一つだ。身体が意思の助けなしに自然と動き、ガンを撃てるようになった後でも基礎訓練としての価値がある。
射撃訓練・弐の応用編として、今回は二人フォーメイションでの動きもレクチャーされた。敵を倒すよりも優先し味方同士での誤射を避け、常に安全を確保するよう心がける。
「思考」が追加される度に難易度は上がるが、それを学べることの喜びを見出し、身につけるべく行動する彼らの顔は生き生きとしていた。

射撃訓練・参は、JWCSのコースを利用して行われた。
JWCSとはスピードシューティング競技のことで、アメリカで、実銃を使っての競技だったものを日本へ持ち込み、エアガン用にコース設定をアレンジし作られたものだ。
メインとなるコースは全部で7つあり、各コースに5つの的が並ぶ。
通常、5つの的を、どれだけ早く撃ち終えられるかを競い、それを7コースで繰り返す。合計タイムが短いほど好成績となる。
そんな射撃競技の的を使い、コースを活かし、射撃訓練・参の内容が発表された。
訓練は7つ並んだコースの一番端から撃ち始め、連続的に1つずつ、7コース全てを撃つというものだった。つまりは全部で35個の的を撃つ。
スピードは重視せず、全弾必中を目標とした射撃訓練だ。

7つのコースを連続的に撃ち続ける。35個の的を全てヒットする。タイムは競わず、ひたすら精度を求める。
それが射撃訓練・参だ。
今回の訓練に参加している面々の中には、名の知れたシューターが何人も交じっており、それ以外にもエアガンを撃ちなれたベテラン組みが大挙しており、ゆっくり撃つなら簡単にクリーン(満射)できるはず‥‥といった空気の中、スタートした。
この俺が一番乗りだ!
と、意気込んで撃ち始めるも、最初の1コース目ですでにミスショットを出す者もいれば、2コース目、3コース目で失敗する参加者も多い。
誰もが、自信を持って、時間をかけて射撃を進めるものの、最後の7コース目が遠い。遥か彼方だ。
繰り返しての挑戦も許されているため、ポツリ、ポツリとクリーンも見られるが、その数は少ない。全体の10%まで届くかどうかだ。
この射撃訓練・参を通じて、「外さずに撃ち続ける」ことの難しさと重要性を誰もが思い知らされる。
信じられないかもしれないが、7コース目の最終弾を、35発目を外した挑戦者は数えただけで6人もいた。
1発だけなら誰でもヒットできる。
5発や10発なら簡単に当てられる。
しかし、最後の最後まで集中力を切らさず、35発の全弾を命中させるのは容易ならざる技だ。ここでもまた、訓練の奥深さを知らされた。


イチローさんが「射撃訓練」の場を設けると知ったとき、最初はエアガンシューティングの基本をレクチャーする「射撃教室」のことだと、勝手に理解した。それはそれで日本のファンにとっては最高のイベントに違いないが、今の時代に、エアガンシューティングが広く知られた時代に、その必要があるのかと、疑問も浮かんだ。
ところが、話をよくよく聞いてみると「射撃教室」ではなく「射撃訓練」だと分かった。
まあ、最初から、「射撃訓練」と発表していたわけだが‥‥。

エアガンを使い、撃ち合いの場を想定しての訓練を行う。
射撃教室よりも、もっと無意味で需要のなさそうなこのイベントに対し、喜んで参加したいと手を挙げるファンが大勢あらわれた。
日本で、エアガンを使って、撃ち合いをどう有利に進めるか、生き残るのかの訓練に意味があるのか?
そんな疑問を持つ、意見を持つ人がいてもおかしくない。
あからさまに、「そんなの意味なんてないよ!」と、声高に叫ぶ者がいても不思議ではない。
意味があるのか? ないのか?
実は、その発想というか「分類」を人が求めるのは不安の現れだと、心理学の世界で説明されている。
日本人の多くが「血液型性格判断」を信じるが、それもまた、未知の人に対し情報不足からくる不安を解消するための方策として用いられていると、解明されている。

もちろん、世の中のいくつかの現象や人々の行動の中には、納得できるだけの「意味」を語れるものもあるが、多くの場合に意味などない。
言うなれば、人の行動は、それが面白いと感じられれば近寄り、面白くないと判断すれば離れるに過ぎない。
 
今回、「イチロー射撃訓練」の取材を通し、何らかの目標を持って、何かに向かって生きている人達にとって、「この企画は面白い」と受け止められたはずだと思えた。
 
射撃訓練。すなわち撃ち合いの場におけるノウハウの伝授。
そこには、もちろん意味などない。 少なくとも、日本の地においては実用性も生産性もない。
が、全くの無意味でありながらも、射撃訓練を受けた者の胸に広がる充実感、充足感は、他の何かをもって代え難い満足感として残った。
それはなぜか?
と、問われれば、参加者の多くは、自分はエアガンが好きで、射撃が好きで、縁のない(有ってほしくない)未知の世界の話ではあるものの、「撃ち合い」の状況での戦い方に興味を持っていたから‥‥と答えてくれると思う。そこにウソはなく、事実だ。
ただし、それは、「一つの事実」でしかない。
他にも重要な「事実」がある。

私が初めてイチローさんに会えたのは1979年のことだった。36年前だ。
それからの長い年月で、直接、そして間接的に多くの教えを受けた。
その36年間の経験から断言するなら、イチローナガタの魅力と価値は、射撃の上手さや写真の巧さにはない。ガンファンを唸らせる豊富な知識や経験も、ほとんどオマケに近い。
イチローナガタの真の魅力と価値は、彼が、物事に対し、呆れるほど素直に、そして真っ直ぐに向き合えるという哲学にある。
成功も失敗も正面から見つめる。 成功も失敗も正面から受け止める。
それを実践し、追求している稀なる人物がイチローナガタだ。
そして、それらの成否の経験を肥やしに自己の成長を求め、進むのがイチローナガタだ。
そのため、「射撃は難しい」と言い切る。自分は勉強中だと語る。
「オレ様」感は微塵もない。
そんなイチローナガタの言葉だからこそ、人は耳を傾け、信じ、頼れる。
不安が渦巻く社会において、信じ、頼れる言葉を直接に聞ける時間と空間は心地よいに決まっている。
別の重要な「事実」とは、他の誰でもない、イチローナガタの「射撃教室」だからこそ心が躍り、同時に、真っ直ぐに自分を見つめる男の言葉だからこそ心温まるのだと断言する。
by KEN











  


Posted by 市 at 01:22Comments(12)訓練記事

2014年12月15日

お待ちどうさお〜ヽ(^0^)ノ

市 (2014年12月15日 20:35) │Comments(31)てっぽ記事
http://www.hyperdouraku.com/ichiro/sig_p226sao/index.html

みなさん、おまたせ〜 !(^^)!

突の然ですが、とうとうの
ようやくにしてSAOのリポートを
ハッピョできましたん(^^)

驚異の無料リポートですよん(^o^)

ハイパーさんに感謝 多謝 大謝・・・

まずはご一読アレ(*^_^*)


  


Posted by 市 at 20:35Comments(31)てっぽ記事

2014年03月23日

AR-180 Howa

市 (2014年03月23日 13:45) │Comments(5)記事













                     AR-180 

     ★TV映画 SWAT★
 移民となり、サンフラン スィスコの街に着いたのは、たしか31歳のころでしたよ。この新天地で知る人はなく、持ち金は少なく、その時はものすごい不景気で失業者があふれており、皿洗いの仕事を見つけるのに毎日ダウンタウンをほっつき歩いて1ヶ月以上もかかってしまうという就職難でした。
 でもなんとか日本風のレストランにもぐりこんで、テンプラを揚げるという職にありつき、ようやく落ち着いたところでテレビが欲しくなって1番安い80ダラのモノクロ TV を買いました。
 そのときやっていたのが 「SWAT」 という番組で毎週楽しみに観ていたのです。
 そんなある日の SWATです!
   ワルモノがいて、軍の倉庫だったかに侵入し「特別に凄い高性能なライフル」を奪って街に出たのですよ。この危険極まる犯罪者に SWATは敢然と立ち向かい、どうやったかは覚えていませんが、とにかく犯人をヤッツケてメデタシとなりました。
 物語はいつものようにタアイのないものなので心に残ることはありませんでした、が、その日の番組からは鮮烈に刻まれたものがありました。
 それは犯人が盗んだテッポーなんです!!
   犯人も盗む時に嬉しかったのか、その銃をオモムロにキャメラに見せびらかすようにし、キャメラもまるで待ち構えていたようにその銃をナメルように写しましたよ。笑
 “あっ!! AR-18だぁ~”
 その特徴ある姿がガーンと心に焼き付いてしまったのですよ。
 “ほ、ほしい、欲しい!!!・・・”
 熱病の始まりですね。
 サンフランに着いたものの銃を買うほどのオカネはなく、何を買うかさえ考える余裕すらなかったのですが、ひとまず夜の職を得て昼間は英語学校に通うという生活パターンができ、心にゆとりができたのです。
 人が浮気や恋をする時って、たいていは、こういう「心のゆるみ」が出た時なんです。
 そして、恋というのは、女が相手とはかぎらず、時としてモノへの恋ってあるわけなんですよね。で、こっちの方が安上がりですし。
 そこで早速AR-180の値段を調べます。すると250ダラでした。AR-18はフルオートで、180は民間用のセミオートなのです。
 ウチの全財産2,800ダラ。買えない額ではありません。しかし月給は380ダラ・・・タマや付属品も買うとなれば一月分の給料が無くなります。
 “やはり、今はやめておこう・・・”
 慎重なワシは自重しましたよ。
 しかし、恋心が冷めたかといえば、それが燃えさかるばかりなんです。そこで、どうすればよいかジッと考えたのです。
 “今、カネを倹約できるといえばバス代くらいのもの、それもビビたる金額・・・いやまてよ、2年間バスに乗らなければ AR-180が買えるではないか・・・よしっ!!”
 その日から職場まで走りました。
 片道30分。1ダラで買った中古のジーンを履いたワシが颯爽とサンフランのダウンタウンを走るようになったのは AR-180のせいだったのです。

 「50歳にて死ぬることと決めよ、未来を想い患うなかれ」

 と、そういうテツガクで渡米したわけですが、でもこの時期は妻が音楽学校に通っていて経済的に最も苦しい時期でした。AR-180を買うという目標を立てることで自分を元気づけたのだと想います。
 
 この想い出は70歳となった今でもワシの心に鮮明に残り、あの熱い気持ちと実行力を忘れてはならないと自分を戒めています。

 その後、学費の支払いでさらに貯金は減り、とうとう全財産170ダラという窮地までいきました。まあ、それを想定していたので AR-180は買わなかったのですがね。
 “いよいよ脇目もふらずに働く時だ!” 
  と決意し、学校もレストランも辞めて観光ガイドをやったり大林建設USAに売り込んで建築写真を撮ったりしながら暮らし、やがて Gun誌の仕事も始めました。
 始めの頃は Gun 誌の記事のギャラは180ダラでしたが、それを回すことでテッポが買えるようになっていきます。ガイドの収入は千ダラを超えていたので、今の日本でいえば30万円くらいの月収があったことになります。こうなると収入の1/4ほどという AR-180の値段はキツイとは感じなくなりました。
 なので、バス代を倹約しはじめてから1年と経たずして、夢のAR-180を買うことができました。  

    ★豊和のAR-180★
 いや~、ようやく買えた AR-180!!
   たいしたものです。
 かっこいいですし、恋するほどに憧れでしたからね~♪
 で、それはイギリス製でした。アメリカのアーマライト社のテッポなのにイギリス製だというのです。でも、イギリス製となれば聞こえがいいので安心して撃ちましたよ。
 すると、れれれ??
   ジャムるのですよ。ヤッキョウが出てこずイジェクションポートに引っかかるんです。ワンマグなんて撃てません。オリジナルのスコープを載せて撃ってみると50mで5cmくらいの精度だったと想います。
 百年の恋は数日で冷めました。
 美人でなくてよい、健康な身体を持ち炊事洗濯をキチッとやってくれる女性がほしいんです。それだとコッチも頑張って働けます。
 “AR-180ってダメですね~”
 と、ワシは言うようになりました。ムカシ恋した女の悪口を言うもんじゃありませんよ、でもまあそれがモノであり事実だったらゆるされますよね。すると・・・
 “キミのはホーワではないな? AR-180はホーワ以外はダメだよ、ホーワにしなさい”
 と、ガンショウでオジサンに言われました。そしてガンショップでもどこでも同じ事を言われました。
 「AR-180は豊和製でないとダメ」
 と、これはアメリカではほとんど常識となっているらしいのですよ。

 そして年月は惜しみなく流れました。
 ワシは70歳のジーサンとなりました。
 なんと40年近くもテッポに漬って生きてきたのです。

 “そのテッポ、くれんかね~?”
 と、メイカーに言えば
 “カーシコーマリマシータ~! ”
 と、言われるほどに出世しました。
 そして、市老がここで観ていただくのは、言わずとしれた豊和のAR-180なのです。
 
      ★最も89式に近い銃★
 なぜ今に AR-180か??
 それには目的があります。
 この銃は数あるライフルの中で最も89式に近いのです。
  AR-180は、アーマライト社が開発し、豊和工業が下請けで製作し輸出していました。そして後に89式を開発するにあたり、このアーマライト銃をコピーしたわけです。
 
 そこで、この銃を撃ってみることで89式の特徴や命中精度を探ることができるのではないかとワシは想ったわけなのですよ。

 89の精度を探ってどうすんだ、ですって?
 はい、それには目的があるのですよ。

 去年の五月、軍隊が集まって射撃競技会があったそうですね。
 場所は、オーストラリア。
 参加したのは日本の自衛隊、そしてアメリカ、カナダ、フランス、イギリス、ニューカレドニア、ニュージーランド、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイと東ティモール。さらに中国やトンガなどからも来年参加するためにオブザーヴァーとして来ていたというウワサもあります。

 競技は、各国の正式採用のライフルや拳銃などで競われたらしいです。
 日本は、精鋭無比と長年に渡って自称する「空挺団」から選手を送ったそうです。
 で、結果はビリから二番目だったと。
 敗因は、400m という距離も撃たされ、銃の装備が競技に適していなかった言う説が多いようです。
 
 各国が500mを射撃できる装備の銃を持ってきたのに空挺団ティームは、ダットサイトだけの89式だったと聞いています。
 アソルトライフルでの試合となれば、5、25、50、100、そして200m どまりでいいと想うのですが、どうもこのマッチには狙撃の要素が強いという気がしますね。なので低倍率スコープを採用しているアメリカ軍も苦労したのではないかと想います。
 ともあれ、空挺 OBの意見として「精鋭無比と言われた空挺団も古い猛者隊員がいなくなって、戦闘能力のレベルが低下している」などとのたまう元自もいるようですが、猛者と射撃の巧さは無関係で、射撃に精通した自衛隊員なんて昔からおらず、今もいないだけではないのでしょうか。

 たった1人、自衛隊に射撃のプロがいて、試合のルールを読み、彼の作成したメニューで半年の訓練を行っていればビリから二番目ということはあり得なかった、とワシは想うのですよ。
 負けるという結果は恥ではない、だが、勝つための訓練も努力もなにもせずに無策で出かけるなんて聞くのも恥ずかしい。そしてもっと恥なのはそれをまた今年も繰り返すということ。

 これは殺し合いではなくて「競技」です。
競技というからには、コース設定がありルールがあります。
 「コースとルールを読み、攻略方法を考える」だけのことなのです。何が起こるか想像もつかない実戦にくらべたら楽チンなのです。トップに立つことは難しくても、中くらいの成績は出せるのですよ。
 
 たとえば、サンフランスィスコ エリアのコンバットシューティング競技で五指に入っていたワシが世界の舞台であるビアンキカップに初出場したときの成績は90位あたりだったと想います。成績が悪かった原因は、コースに慣れていなかったこと、そして銃がビアンキカップを撃つのに適切ではなかったことです。そこでワシはヒマをみては攻略法を考え、訓練に励みました。そしてやがて20位付近に上がり、やがては世界の8位にまでいけました。
 ワシは射撃が大好きなのですが、それほどの才能はなく、集中力もなく、いわば「お楽しみシューター」なのですよ。まあ、フツーのテッポ野郎なんです。それでも努力だけで世界のトップテンに入ったわけです。
 努力というのは「良い銃、良い照準器、適切な訓練」これだけのことです。
 空挺団の得意なラグビーも銃剣道も持久走も落下傘降下もなにも出来ないヒヨワなワシですが、拳銃射撃だけは趣味でやっているうちに上手くなったわけですね。
 さてそこで、
 自衛隊の射撃技術が世界ではビリから二番目というのは、ワシとしてはオモシロクないのですよ。
 これが世界の最貧国ならともかく、押しも押されぬ経済の列強国であり、オリンピックやサッカーや野球でも世界レヴェルである立派な国なのに、その国を守る自衛隊の射撃術がビリの方では日本人なら誰でも笑えないのではないかと想うのですよね。

 敗因は装備だって?
 バカこくでねえだ!
 射撃の競技には良い銃と良い照準機が必要なのは常識だろがっ!!
   準備もしないで試合に出るという無能さが一番の敗因だろうがっ!!
 
 と、やんわりとツッコミたいのですよ。
 
 で、そこで、
 なんでも、銃やスコープは自衛隊が公式に採用しているものでないといけないというルールがあり、もしこれが今年も惨敗するための言い訳としてマカリ通っているとしたら、外国人は日本人全体の知能水準をせせら笑うことになるのではないかと想像するのですよね。

夫: 試合があるんでスコープほしいよ
妻: だめよ、今あるダットで出なさい
夫: あれだと400m を狙えないんだよ
妻: 競技結果なんかどうでもいいわ
夫: それでは隣り近所に恥ずかしいよ
妻: ビリではどうしていけないの?

 と、そういった会話をしている夫婦がいました。そして彼らは世界で三番目の大金持ちなのですよ。
 “さすが交戦権のない家族はすごいな~” 
 と、印戸寝士矢などの家族らが感心するやら驚くやら・・・。

 ま、でも文句は言いますまい。
 過ぎたことはもどらないので、それよか今年の競技について考えてみましょう。
 今年の自衛隊は強いですよ。
 なぜって、空挺団は学んできたからです。
 優勝した国やトップクラスだった兵士達の銃の写真がゴマンと撮ってあるハズです。彼らの銃はどれで、性能はどうで、スコープはどこ製で倍率はこうで・・・そういうデータが収集されており、それらを参考に自衛隊が今年の競技に使う銃と新しいスコープはすでに決まっており、射撃のスタンスもどこに重点をおくかとか、距離による弾道や風の読み方などにも熟知しており、来たる5月の試合に向けて日々訓練をしているハズです・・・と想うのです。
 当然ながら、今年のティームを訓練する幹部は多くの情報をとって400mくらいはどんな隊員でも確実にヒットできるような銃を隊員たちに渡して「命中させる訓練」を指揮しているわけですから、今年は「中程度」には行けるだろうとワシは期待しているのです。

    ★OTSのスコープ★

 去年の敗因が「装備の不備と訓練不足」でしたら、今年は「装備の充実と1年間の訓練」があるわけで、次に出るティームは去年とは見違えった強力な選手陣となるのは自明の理というものですよね。
 ただのウワサですが、今年は富士学校が競技大会を受け持つという情報があり、もしそうだとしたら、ここは自衛隊の中心なので最高の能力が発揮されるハズですね。

 というわけで、ワシは今年の自衛隊にとても期待しています。銃が好きで、SAT マガジンを読むような君も、やはりワクワクする気持ちで待っているのではないですか?

   そこで、今回は「自分が選抜ティームの指揮官だったら、銃はこうする」という課題で実験してみることにしました。

 とはいえ、しょせんは民間人ですから89式を撃つわけにはいかず、89に最も近いと想われる豊和工業製の AR-180を使っての実験となるわけです。

 さてさて、
 まずは、AR-180にスコープを載せる必要があります。といっても、180には89のようにフレイムの上に薄い鉄板が貼ってあり、ここに専用の小型スコープをマウントするようになっています。89式の場合はここにブラスキャッチャーをマウントするのですよね。そしてここにダットサイトも載せているわけです。で、それにはかなりムリがあり、89を横にして落とせばダットサイトはマウントごとボロリと外れてしまうのではないかと想像しています。
 とはいえ、89も180もなんとかここにスコープマウントを装着しないと400m を撃てる銃にはならないわけで、そこがオーストラリア競技大会に出るための最初の難関であり、これをクリアできれば50%は前進することになるとワシは想うのですよ、というよりも、マウントを付けられないとしたら再びダットサイトで見えもしないような400m 先 のターゲットを撃つことになるわけです。
 そこで、ですが・・・
 AR-180で狙撃ができれば89式でも400m を撃つことができる・・・と、ワシはこう考えたわけです。
 そう思いついた夜に、インターネットで探してみました。急がば回らず急げ、というわけです。笑
「scope mount for ar180」とキーをたたきました。すると・・・あった~!! のですよ。
 世の中には AR-180ファンがちゃんといて、彼らはそれに高倍率のスコープを載せて撃ちたいと願い、それが作られ売り出されているのですよね~。 速攻ゲットです。ハンドガードの下に取り付けるレイルもあったのでこれもお買い上げです。これで自分の好きなバイポッドが使えます。
 三日後にはこれらが届き、その日のうちに AR-180はライトスナイパーライフルの様相を帯びました。
 スコープマウントとレイル。
 この二つのアクセサリーはとても貴重な存在です。なぜって、これらのサポートによって遠距離ではまるで無能だった180が鋭く変身し400m への挑戦権を得たのですからね。
 アメリカの軍用銃にナイツ社のレイルを付けることによって阿呆な M16が M4というワールドクラスの軍用銃に変身したわけですから、89式も「使える銃」に仕立てることは難しくないのですよ。
 
 長年好きだった AR-180・・・。
 これにマウントとレイルを付け、グリップポッドを装着して立たせました。
 “う~ん、トラトラトラだぁ~!!”
 とワシはご機嫌となってワインを飲みながら眺めていましたよ。
 真珠湾攻撃の映画では、奇襲隊がパールハーバーの上空に達した時点で「奇襲成功、トラトラトラ」の信号を発していました。
 そうなんです、180にマウントが載った段階で、ワシは「400m 射撃 成功せり」を確信でき、トラトラトラと叫んだわけです。
 翌朝、ワシはそれにスコープを搭載しました。ウチにはすごいボロからものすごいスコープまでイロイロと揃っています。
 ここで選んだのは、現時点で89式に最も適すると想われる OTS の1-6倍です。これは日本製ですし、値段もわるくないと想います。これがどうして良いかというと、1倍(実際はすこし倍率あり)で使えば CQB の速射に使えるからです。スイッチを入れると真ん中でダットが光り、まさにダットサイトとして使えるのです。そして、ズームアップすると6倍までいくのですよ。6倍という倍率は300ヤード射撃を可能にする充分な倍率なのです。
 6倍は300ヤードを撃てる、というこの根拠ですが、FBI スナイパーティームがムカシ行った実験で「ポリススナイパーが発砲する距離は平均で80ヤードほどであるから300ヤードまでを撃てればヨシとする」という結論を出したところからきています。で、300ヤードで狙うターゲットは人間の頭の中心10cm 径くらいなので、競技会で使う大きなターゲットだと400mでも充分な射程といえるのではないかと想うのです。
 そこで、今年のショットショウの後で6人の御一行様を招いて「スナイパーごっこ」をしてみました。M4タイプのライフルにイロイロなスコープを載せて400や500ヤードを撃つという実験です。そのうち2機の M4には OTS の1-6倍を搭載しました。
 御一行様の内訳は、ジャンボという柔道3段ながらテッポは初めてというドシロート、ナイフ屋のヤマシタ、拳銃名人のヤダピとトモ、そして自衛隊射撃教官クラスが2人というものでした。教官たちは当然ながら上官の許可を得たうえでウチに来ています。私費を使ってやってくる見上げた男達で、彼らの知識欲には素晴らしいものがあります。
 訓練内容は略しますが、この三日間の射撃で判明したことは、M4にスコープを搭載すればジャンボやヨシのようなシロートでも400mで当てられ、教官クラスになると、より素早く当てることができる、ということでした。そして数々の拳銃試合に出ているヤダピとトモはさらにスピードと精度を出せた、ということです。自衛隊員よりも射撃訓練歴の長いフトッチョの民間人の方が上手いわけですが、これは当たり前のことですね。
 スケートだって、どんなに体力のある人でも年間20分しか練習させてもらえない場合は、毎週リンクで遊んでいる女子供にも敵わないわけで。自衛隊の射撃訓練不足には世界に冠たるものがあるのですよね。

 自衛隊は海外派遣などで活躍しているので、さぞや個人戦闘能力も高いと想っているとしたら大間違いで、実際に銃撃戦に巻き込まれたらバタバタと撃たれて倒れることは明らかだとワシは考えています。
 いつも89式を持っているのに、それを撃たせると下手、なぜかといえば射撃訓練をほとんどやらせていない・・・これが実体なのです。
 オーストラリアの試合結果は、それを予感させるものとし「より深刻な問題」と捉えていただきたいものです。
 「試合で弱いと実戦でも弱い」
 これは当たり前のことですからね。

 ともあれ、AR-180のテスト模様はフォトで説明させてもらいますね。
 で、そこで、
 “AR-180にはスコープを搭載できても89式だとどうやねん? ムリやろ?・・・”
 という妥当な疑問があるのではないかと。

      ★89式バトルスナイパー訓練★

 ところがですね、もう何年も前に陸自では次のような驚くべき実験訓練を行っていたらしいのですよ。
 「建物をテロリストが占拠し、それを攻めるために隊員を建物に向かって走らせると、窓や屋上から撃たれるために兵士の損耗率は膨大なものになる」
 と、こういう報告があったそうです。
 「だったら89にスコープを搭載し、突入する前に見えているテロリストを遠くからの狙撃ですべて倒し、窓や屋上がクリアになってから走り出せばどうか?”
 と、いう提案があり、それを実戦的な訓練に興味のある司令官が音頭をとって実験されたそうです。
 まず89式にスコープを載せることから始まり、スコープとはなんぞや、いかなるものぞや、どのように構えるものぞや・・・などなどの勉強会を開き、クラスルームの机には多くの89式ライトスナイパーが並び、なかなか壮観だったらしいです。
 受講者は陸曹クラスが中心で、たいていは生まれて初めてゴルゴ13のようなスコープを覗いたということで感動していたと。 
 次の日は実射もやったようです。
 まずは100mでゼロインをやり。なんと本番では、ビアンキカップ用のフォーリングブレイトを、それも100m から撃ったと!!
 当たればコロンと倒れるので、倒れたらロープを引いて起こすのです。なんと100m の距離から引っ張るのですが、連隊ではすでに実験をすませ、ターゲットをうまく起こせることを実証していたそうです。
 そして、あれこれと射撃メニューをこなし、ラストは個人個人による画期的な「6枚落とし」をやったと!!
 合図で隊員は射撃を開始、6枚の8インチプレイトをいかに速く倒すかの競技だったと。
 中にはスコープのゼロがズレながらも、そのズレを見越した修正でよく当てていたと。まあ、スコープ搭載で100mから手のひらサイズというターゲットは簡単すぎて初心者向けともいえるのですが、ギリギリのスピードを出せ、ということになればハナシは別です。こうなると突然のように難しくなるのはスティル チャレンジを撃ったことのある人なら解っていることでしょう。
 で、だいたいは12秒程度で6枚を倒し、なんと8秒で倒した隊員もいたそうで。で、その隊員ときたら89式はめったに撃たないという部署から来ていて「ただ言われたとおりに狙って撃っただけ」ということらしいです。こういう射撃才能のある隊員が全国にはかなりいるようなので、射撃ティームを編成するのはきわめて簡単だと想えるのですよね。
 柔軟性に欠ける自衛隊でこういう訓練を実行できる司令官は、偉大な存在ではないかと感じます。
 
「89式バトルスナイパー」の実験を陸自ではすでに行い、良い結果を出していた、なんて
画期的ですよね。

 ということは、つまり、89に高倍率スコープを搭載するというノウハウは陸自にあるわけです。考えてみれば、89にはダットサイトが載っているのですから、それをスコープと交換するだけという単純なハナシなので充分に可能なわけですものね。

 それなのに、空挺ティームはスコープを搭載しなかった。後になって「制式装備でないと使えない」などと言うのはバカげた言い訳にしか聞こえませんよ。他の国がやっていることなら我が国でもできるわけですからね。

 しかし、今年は天下の富士学校から選手が送られるというウワサ。本当だといいですね。そして中くらいでいいから来年へのステップとなる成績を出してもらいたいです。

 今年は日本の報道陣も興味を示して競技に関するニュースを流してくれると嬉しいですね。あ、でも彼らは壊滅した民主党の残党的な存在なので、また文春あたりからの報道となりますかね~。
 ともあれ、
 オーストラリア戦に向けて猛訓練中の隊員各位様、国を想う我々からも試合での健闘を祈ります。
 鉄砲指南 永田市兵衛
  


Posted by 市 at 13:45Comments(5)記事

2014年02月18日

アカプルコの休日

市 (2014年02月18日 11:31) │Comments(11)記事



今度はちゃんと行きますよ〜に(ノ゚O゚)ノ
遅く成ってすみませんm(__)m

誕生日!! おめでと〜ございま〜す 
¥(^0^)/
マルパソさんの提案で! 
サプライズ・メールで〜す (^^;
コンバット・マガジン 
1982年12月号の記事で〜す 
(^0^)b
KO-1



   アカプルコの休日

 アカプルコの秋は、陽ざしがやわらかだった。秘密結社 ``酷最団`` に追われていた、イーチ・ナガラッタは、こつぜんとその姿をかの有名な避暑地に現したのだった。 イーチの仕事は倉庫番であった。 ここで、のんびりと体を休めながら、来年早々から開始する、酷最団せん滅作戦の第2波を練っていたのだ。
いつもはS&WのM65とチェコ製のCz75で武装するイーチなのだが、今日はH&KのP7をさりげなくビアンキの♯4アスキンズ・アベンジャーにさしていた。そして反対側には2個のマガジンがコブラ・ガンスキンのマガジン・パウチに納まっている。P7もマガジンも体にピッタリとフィットしているので、ジャケットの前を合わせれば、ウデききの警官でもそれをみやぶれないだろう。

 西ドイツのヘッケラー・アンド・コック社は、意欲的な小火器を続々と発表してガン・ナッツたちを喜ばせていた。だが、ハンドガンにかけては、今ひとつでHK4、P9S、VP70Zなど、その設計思想こそ注目にあたいしたが、本格派のシューターに受け入れられる要素には欠けていた。 しかし1980年に発表された、P7だけは別格のものだった。 スクイズ・コッカーという、驚異のメカニズムを持ち、その大きさは、ワルサーPPやベレッタM84などのようなポケット・サイズで、しかも、カートリッジは9mmパラというパワフルなものだ。 これまでの常識として、9mmパラ以上のオートは、ある種のロッキング・メカニズムを持つべきものであったが、P7は、380オートのようなブローバック・タイプなのだ。 もちろん、ただのブローバックではない。 チェンバーの前方に小さい穴をもうけ、発射時に発生したガスが、スライドの下部に接続したピストンに吹きつけられて、スライドの後退するパワーを弱めるというものだ。 ガス圧を利用した、ディレイド・
ブローバックというわけだ。

 生か死かという、逃げ場のない近接戦では、ジャムがつきもののオートだと心配がつきまとう。 これまで、ずっとリボルバに命を託してきたイーチ・ナガラッタが気まぐれにもH&Kのオートを携えているのはめずらしいことだった。 イーチは、これまでの長い戦いを通して、オートで信頼できるのはガバメントとCz75であることを知っていた。 ことに、16連発のCz75には、大きく信頼をよせて、長く愛用していたのだ。 だが、それでも近接戦のときに、まず火を吹くのは、ヒップ・ホルスタから銀色の閃光をきらめかして抜かれる、3インチのM65が常であって、Cz75が、おもむろに胸のデサンティス・ホルスタからその暗い銃口をもたげるのは、至近距離の敵がボーリング・ピンのように倒れ、自分の体をひとまず安全なところに移動してからと決まっていた。
 
 それほどに用心深く、かつ、ガン・ファイトに精通したイーチが、なぜ、P7 1挺だけでフラついていたのだろうか。 理由は、ふたつあった。 
 第1は、アカプルコが戦いの場ではなく、骨休めの地であり、酷最団につきとめられる心配のないかくれ場だったからだ。 ここでは、万一のときを切り抜けるための ``護身用`` ハンドガンだけで充分だったし、なによりんも、他人に気ずかれないよう、小型のものが望ましかった。 実際のところ、アカプルコでのイーチは、まる腰でいられるくらいに安全だといえた。 
 酷最団のまぬけな殺し屋たちはカリフォルニアばかりをかぎまわっていて、まさかイーチがワールド一家から充分な報酬を得て、アカプルコまで飛んだとは想像だにもしなかったのだ。 仮に、それを知ったとしても、7月にシコルスキーをグランドマスターで撃墜された酷最団は、それ以上に費用をかけてまで追ってくるガッツを持ち合わせていなかった。
 そして第2の理由が、P7の性能にある。 ベレッタM84も捨てがたいが、やはり380より9mmパラのほうがショッキング・パワーがあり、しかもP7はシルバー・ティップ弾を使用できるので、ひとりに1発撃ち込めばことが足りる。 380だと、ひとりを倒すのに3発ぐらい必要であることが多かった。 それにベレッタM84なみのサイズでしかないP7は、最近のハンドガンでありながら、あの、ガサツなものを感じさせなかった。 ドイツ的なカチッとした、まとまり。 細部にわたる心づかい。 手に取ったときに伝わってくる完成度の高さ。 P7は、近来、まれにみる上等なオート・ローダーなのだ。 オートには必ずといってもよいくらい付いている、サム・セフティーがP7にはなかった。 かわりに、スクイズ・コッカーというレバーがグリップ前方にあり、グリップを握りしめることによってファイアリング・ピンがコックされ、あとはトリガーを引くだけで発射できるのだ。 このメカニズムは、D・A リボルバのようにシンプルだった。いや、それよりも
、 トリガー・プルがD・Aのように長いストロークでなく、シングル・アクションのそれなのだ。 そういった理由から、P7はディフェンシンプ・ハンドガンとして現在得られる最高のもののひとつでわないか。 とイーチ・ナガラッタは、考えたのだった・・・・・・。

ことわっておきますが、このストーリーに出てくる団体および個人などは実在しません。 
充分な報酬だって? なにをいってるのですか! 〈コラッ、自分で書いといて勝手にさわぐな〉

 なにやら、人の気配を感じた倉庫番は、シェピー・トラックの思いドアを足でいっぱいに開きながら、アスキンス・アベンジャーからP7を抜く。 アカプルコの太陽の下で、P7は不気味な牙のようにギラリと光る。
 イーチは、真昼の静寂の上に、左足からソロリと降り立つ。 はき慣れたニュー・バランスのシューズは沈黙を守りながら地面をグリップする。 1足70ドルという、バチの当たりそうな値段のシューズだが、戦いにあけくれるイーチにとっては、この上ない相棒なのだ。 ワールド一家から送られる報酬を6ヶ月貯金してやっと買ったものだが、あらゆるところで役に立つ。
 「・・・・・・チキッ」 50mほど後方の草ムラに、かすかな金属音を感じたイーチは、一瞬にクラウチングを決める。 まるでニーリングのように低く安定したかまえだった。 「ダダンッ! ダダンッ!」 すかさず放ったP7の鋭いダブルの2連射は、ブラック・ホークの持ち主を沈黙させるに充分すぎた。
 「そんなイモいハジキでやられる俺か・・・・・・」 イーチはニヤリと笑う。

 後ろでクルマの止まる音がした。 ハッとトラックの後方にヘバリつくイーチ・ナガラッタ。 クルマをへだてて撃ち合うとき、シャープなシューターは、必ず相手の足をんねらうものだ。 イーチは常に基本に忠実だったので、相手の視線に、足をさらすようなヘマはしない。 P7を左手に持ち替えたのも基本どおりであった。 
  `` ムムッ、ラングラー!・・・ 4WDのヴァンとはニクイ奴。 どうやら敵はイモばかりじゃなさそうだ・・・・・・ `` 奴らは、どうやらフレッドから依頼を受けた殺し屋たちらしい。
 退路を断たれたイーチは、物かげに飛び込んだ。 Cz75があれば、恐怖の16連射でラングラーごときはポンコツとなり、持ち主のイチローは、あと1年の残っている月賦に泣くはずだが、ディフェンシブ・ガンの悲しさ。 タマ数を計算しなければならないのだ。

 「ズダダンッ!」 ときおり、不意に現れる敵を正確に倒すP7。 ツアイスのシューティング・グラスの奥に光る、鋭い目 〈ソーカネー?〉 が、その火線を正確にあやつる。
 P7は9連発・・・・・・マガジンに8発とチェンバーに1発だ。 タマ切れがこわい。 P7では即決戦で勝負すべきだ。

 「ダンッ、ダンッ」 敵に牽制を与えながら、イーチは行動を開始する。
 カベをバリケードにして裏側の敵を倒す。
 スキを見たイーチはフェンスに飛びついて、岩かげの敵を上から撃った。 額のどまんなかに、シルバー。ティップをたたき込まれた男は、後頭部がザクロのようにはじけるのを、苦痛というより、ある種の衝撃と快感さえ覚え世を去った。

 イーチは血路を開くために、ヒラリ、ヒラリと動きまわりながら、あらゆるポジションを駆使して撃ちまくる。 アベイラブル・カバーのテクニックをマスターしていること。 タバコをすわないこと。 女にモテないこと。 以上の3点がゴルゴ・サーティーンとイーチの異なるところだった。
 
 見えたかと思うと撃ち、隠れたかと思うと、また撃ち、走ってはどこかにもぐり、飛び出しては潜み、同じところから4発と撃たずに、とびハネるイーチの目まぐるしい動きは、S&Wアカデミーのアベイラブル・カバー・コースで身につけたものだった。 このときばかりは、フレッドに50ドルで雇われたゴルゴ30もまっ青になった。

 「クソッ、人力型の3輪か。 せめてトーハツのエンジンがつんであれば楽なのに・・・・・・」 と、メグロ・オートバイの時代に育ったイーチは、ヤングな読者にとって、わけのわからぬことをわめきながら、それでも喜んで、P7を乱射しながら裏門から逃げて行く」のでありました。 イーチを消せば、ギャラを送らないですむという、邪悪なフレッドの野望は、またしても敗れ去ったのだ。 暗黒街の酷最団に追われ、なフレッドにも追われるロンリー・ウルフの運命やいかに・・・・・・。

 〈そんなカオしてないなあ・・・・・・ どっちかというと、ハッピー・オッサンやんけ〉



   ★★★★★
しゃーない小説やね〜(>_<)
でもなんか微笑ましい(^o^)

これもせっせと手打ちで書き起こして
くれたんだね?・・
<(_ _)>あんがと、、ご苦労様

他のみんなも変換ミスはあるものの、
たいしたジョブをやってくれたもんだ。

さて、日本は雪で大変なことになって
るようだから KOちゃんの活躍を
期待してるど(^^)

by イーチ ナガラッタ(∩.∩)

  


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2014年02月10日

ターニングポイント

市 (2014年02月10日 04:47) │Comments(15)記事
最近、昔懐かしいイチローさんの文章がUPされているので、古いリポートを引っ張り出して読んでしまいます。 その中でも私の人生において、ターニングポイントになったイチローさんの言葉をこちらに書きたいと思います。
掲載されたのはGun誌 1980年6月号です。書いたのは、イチローさんではなく、当時自称CA第二支局長の野沢賢治さん、そうケンさんです。この号に出ていたのは、ニックさん、ジュンヤナカモトさんなど、後にコンバットマガジンで活躍して面々です。
今、イチローさんが行っているトレーニングの黎明期に当たる内容で、自分もやってみたいと思ったものです。 それ以上に、ずっとイチローさん宅に居候していたケンさんが、イチローさんから受けたメッセージが、当時小学生6年生だった自分にとって、いかに生きるべきかを考えさせられました。ぜひ、みなさんにも読んでいただきたいと思います。

Gun誌1980年6月号より抜粋

読者の中には将来、アメリカに住み、イチロー兄貴にシューティングを教えてもらいたいと考えている人も居ると思うが、イチロー兄貴にシューティングを教えてもらうには、独立心、研究心があり前向きであるという事と、ニコチンなどで、肺をおかされていないという事などが、必要条件だ。事実、どんなスポーツでも本格的にやっている人にニコチンとか多量の酒は禁物だ。  
「若いときはウンと勉強しなければならない、それには金もかかる。親にたよっている男はガッツが足りないのでどうせ脱落する。ガンバッてる奴は金のないのが多い。そんなとき、いくら安いからといってタバコや酒に金を使い、マージャンで時間を浪費するのはもってのホカ。本を買え、映画をみよ、フィルムを一本でも多く買って撮れ。趣味は多く持て。仕事は2~3種類出来る男になれ。皆一様に同じ人間なれば、努力した者が生き残れる。誰だって初めからガッツを持ってはいない。君自身でたたきあげるのだ。  
まだ知識も技術もなにもないヤング諸君!君達には若さ、つまりこれからの長い時間があるではないか。学べ。英会話でも音楽でも、あるいはモデルガンについてでも。君が何かをしている限り君は学んでいるのだ。  大切なのは今の今、決して空白に過ごしてはならない。コンプレックスは殆ど皆が持っているもの、そんなものは気にせずに、とにかく物事にかかるときは体当たりあるのみ。君が本気で一生をそれに捧げるならば、期待以上の成果は必ずあがる。  
GUNに魅力を感ずるのは、すでに男の証しだし、その好奇心はエナジーだ。エナジーある男は何かを成せる。日本にそういった簡単な事の分からない先生や親が多くて、大切な筈の教え子や息子に芽生えた、そのかすかな可能性をつみ取る場合が多い。彼等は自分達の生活に手いっぱいなので、全くの近眼になりきっていれ、将来の展望というものを考えることが出来ないだけなのだ。 名のある大学にやれば大丈夫と考える親は多い。ナニが大丈夫なモンカ。子供の適性を見抜き、小さな可能性を捜し出してそれを伸ばしてやるのが親であり、先生たるものである。  私は勉強が大好きだが、学校でやらされるあの学習というやつには耐えられなかった。特に英語は常に追試追試で全くスポイルしていた。だが私は写真に興味を持っていたので、アメリカに渡るべく自分で英会話を勉強し、アメリカに来てからもセッセとやって、あまり向いているとはいえない英語でもなんとかなっている。  
私に英語をつめ込もうとした、あの中学、高校の先生達が、今だにあの全く通じない、日本人にしか通じないあの変な英語を君達につめ込もうとしているかと思うと腹が立つ。それが私の言う空白の時間だからだ。  日本の英語の先生の中で、アメリカに来て会話のできる人が10パーセントは居るだろうか? モデルガンを買って来て、ウットリとながめている時、それは空白の時間ではない。それは美意識の芽生えなのだ。  「日本人は美というものを、じかに掴み取ることの出来る、唯一の民族だ。」とバーナード・リーチが書いている。  
はじめは私も「フーン、そうかね。」と思っていたが、アメリカで世界中の人間と付き合った今、バーナード・リーチの言葉はオセジでない事を確信できる。  
美意識は欲望となり、エナジーとなって、人間の生活を助ける大切なものだ。  アメリカ人には気の毒な人が多い。一枚の絵を賞めるのに、これは構図がこうで、バランスがどうだから良いのだ。と、いったかんじで見る美術家が多いからだ。  
日本人は、どちらかというと作者の意識、あるいは情熱をじかにその胸に感じとるのだ。この話は長くなるのでやめにして、とにかく、日本人はもっともっと世界にぐんぐん伸びる要素を持った民族なのは確かなのだから、自信を持って自分の世界を広めていってもらいたい。分からず屋に囲まれてくらすのはどんなに大変か、私も体験しているので理解出来るが、でも、要は君次第だ。人生を閉ざすドアに自動ドアはない。どうせ不必要なドアなんだから体当たりで開くべし。そして、何かを身につけ、独立できる男になろうぜ!」  

これは31歳にして日本を脱出し、6年かけてポリス・コンバットのディスティングイッシュト・マスターとなった初の日本人、そしてGUNを撮れば世界一といわれ、遂にS&W社からまで仕事依頼が来た、わがイチロー兄貴から皆さんへのメッセージです。  
ワシもモデルガン屋で良いから、その道のプロになったる。
以下略 野沢賢治

いかがでしたか? イチローさんのショートストーリーも良いですが、この言葉に書かれている事を読んでみると、何か感じる事ってあると思います。私もやっぱり、何かにチャレンジし続けたいなと思います。  
最後に、遅くなりましたが、イチローさん誕生日おめでとうございます。これからもお元気で。
chatter box

うんうん♪・・・
忘れていましたが
読んで想い出しました。

イチローかけだしの時代の
メッセイジですね〜(^_^;

客観的に読むと
生硬ながらパワフルだと感じます。

ワシって昔から元気があったの
ですね〜(^o^)

今もアタマ悪くても「元気」のみを
武器として生き抜いている
のですよね (^。^)

ところでバーナード リーチの
言葉ですが、これは
ドナルド リーチの方だったかも
しれません(^_^;)

まあどちらでもいいか(^0^;)

それにしても・・・
chatter box さんはこれを6年生の
時に読んでターニングポイントに
なったと・・・(*_*)

ものすごい読解力・・!
そして咀嚼力・・!
自分の子もそうあってほしい(^-^)

こういう人は、ワシの文章に
出逢わなくても自分自身で強く
正しく生きる道を探していくタイプ
であったんだと想います。

揮発性のない人は
火を近づけても燃えませんからね。

火薬は火に反応して爆発しますが、
水飴みたいな性格だと火を入れても
柔らかくなるだけで・・・

生まれ持っての強い生命力が
あるのか無いのか?

これはハタから見ても判らず
自分自身だと なお解らないという
気がするのですよね。

自分の中の潜在能力というのは
「自分が窮地に立ったとき」に
判るというものではないかと。

強い心を持っているのか、
直感力にすぐれているのか、
判断力はあるのか、
行動力はどうか、

こういった大切な要素って
窮地でこそ本領を発揮するわけ
ですから、びびりながら生きている
と自分が燃えないままに歳をくって
しまうわけで・・^_^;

まあ、そういう燃えないままの
人生もぜんぜんワルくはないですが、
というか、もしも人類全員が燃えたら
世は焼け野原になっちゃいますし(^o^)

で、ですねchatter box さん、
今朝は雨で試合がキャンセルに
なったのでシャーナイからSATマガ
の原稿でも書くかな〜・・と想って
いたのですが、きみの書き込みを
読んでハッとしたことがあるのです。

自分のメッセイジを読んだ小学生
だった きみが感動して
ターニングポイントとなったという
ことで、ワシには目覚めるものがあった
のですよ。

“うーん (>_<)6年生の子供が自分の
メッセイジを読んで自分の方向性を
見いだしたというのに、ワシ自身は
どうなんだ・・?・・(-。-;) ”

と、反省したのです。

ワシは仕事を半リタイアしていますが、
今年はもっと仕事を減らすつもりで、、
ここで足かせになっているのは
SATマガジンなのです。

“ここらでSATを辞めなきゃ・・・”

と、そう想ったのです。

“自分で進退を決めないで
誰が決めるのか!!・・・”

と、考えたのです。

chatter box さんのおかげで
ワシもターニングポイントが
決まりそうです。
ありがとう(^-^)

まず自由になって、それから
何をしようかと考えよう・・

と、そういうつもりです。

  


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2014年02月09日

SIG P210

市 (2014年02月09日 05:15) │Comments(10)てっぽ記事
イチローさん、オハ今晩わ!
信玄さんがガラケイで一生懸命打ったのに、文字制限で一括送信ができないので、代わりに送りました。 同時多発誕生日、信玄さんの巻です。

【SIG P210】 by ICHIRO NAGATA

拳銃はしょせん、殺しの道具、見かけの美しさなど、どうでもよい。 そう考える男には、知性も理性も、夢もロマンもない。 トカゲだって、たまには美しい空を仰いで感動しているというのに…

“サア、一挺だけとりなさい。地上に存在する銃の中からたった一挺だけをキミにあげよう……” もし、そんなことになったら、ワシはたいして迷いもせずP210とゆう芸術品をとる。 世にはゴマンとゆう数の銃があるが、スィグP210こそはワシの最愛の友なのだ。 これは16年間、銃と暮らしてきたイーチの結論なのだよ。 と、ゆうわけで今月は、ワシの一番大好きな拳銃「スィグP210」だぞー! ところで。 いまさら「スィグP210」と書くと違和感があるだろう。 だけど、これは「シグ」ではなく「スィグ」なのだ。 このさい、ハナシを強引に脱線 させてしまうが、ま、ヒマな時聞いてくれ。 ムカシ、ばかーな編集者がいて、ワシにモンクを言った。 “イチローさん、シルバーチップのことをシルヴァーティップと書くのをやめてください。雑誌としては他のリポーターと統一しなければなりませんからね。だいたい英語をカタカナで発音しようというのは不可能なんですからジタバタしないで慣用にしたがってくださいよ” と、きたもんだよ。 “トーイツなんてクソくらえ!”  ワシはまずそう答えたね。 “あのな、コトバの使い方とゆうのはリポーターの個性なんだから、同じリポーターにしても、ものごとを知るにつけ、だんだんと変化していいと思うんだ。 それに、コトバは生きているんだ。時代とともに変わらなきゃ不自然だよ。 ワシだって初めはセンパイ達を盲信してシルバーチップと書いたもんだよ。でもSILVERの「VER」は上の歯を下クチビルにあてて発音するマサツ音なのだから「ヴ」とゆう便利なカタカナを使って、「シルヴァー」と書き、Bからはじまるハレツ音の「BER」なんかのときに「バー」と書いて区別したほうが感覚的にピッタシくると思ったので変えたんだが、ダメかね?” あ、ソーかぁ……と、アタマのいい奴ならこれだけ言えばナットクしてくれるのだけど、この編集者は閉鎖的でガの強い脳硬化タイプだった。 “でもねぇ、シルバーチップでずっととおってきてるんだし、第一そんなこと言ったらキリがありませんよ。単語をみーんな考えなおさなきゃならないし、不可能ですよそんなこと。それに、たいして重要なことじゃないしね。なんでイチローさんはイチイチこだわるのかなぁ~。ほっときましょうよ、もう…” 人間は自分の知識の入れ替えに対しては怠惰なものだ。マチガイだろうがオロカだろがいったん得た知識は守りたがる。でも新しい情報にもスナオでありたいとワシは思うのだ。 “いいや、不可能ぢゃない。ひとつひとつの単語に注意を払って書けば良いだけのことだよ。君も編集者なら、若い読者の未来のために努力しようよ” “いやー、しょうがないなー。シルバーチップでいいじゃないですかー、どこがいけないんですかー?こんな話よっかウィスキーが欲しいなー” “よしっ、いいか編集者ドノ。シルバーチップのハナシはやめよう。こんどは「チップ」のハナシだ。チップをティップとしては困るのかい?” ワシは話題のポイントを急所に移した。これが理解できなかったらこのオトコとはつきあう価値がないと思いながら。 “チップでいいですよチップで。ティップなんてかっこつけですよ” “そうか、じゃ「チップ」とゆう単語が出てきたらどう発音するんだ?” “エッ?” “シルヴァーは銀のことだな。ティップは先端とゆう意味だ。TIPと書く。じゃTIPをチップなら、CHIPはどう発音するかと聞いているんだよ。 TIPもCHIPもまとめて「チップ」にしちまうのかい? そうなるとあまりにも乱暴だと思わないかい?SILVERTIPとSILVERCHIPが同じ発音なんて、日本人とはそんなにナサケナイ人種かね?”“………………………………”チップとティップは使い分けしようよ、なっ? このあいだまではビアンチと書いてあったのをビアンキにしたのも我々じゃないか。こうして、ひとつひとつ、いくらかでも正確なほうにもって行きたいじゃないか、ねぇ” “……そんなら、そうしましょうか。シルヴァーティップで行きましょう。しかたがない” かくして、頑迷な編集者もシブシブとワシの書き方に賛成したのだ。1981年のことだったよ。 それをキッカケのようにワシはカタカナエーゴを自分なりに表現しようとがんばり始めた。 それはつらいことだった。GIRLとかTHISとかいった簡単な単語がどうにもカタカナにできないのだ。まったく日本語にない発音はあきらめるしかないことがすぐに判った。そして、わが文部省に対してハラがたった。 日本人は中学と高校をとおしてナント6年間も英語を習わせられる。なのに、わが大半のセイショーネンたちは英語で道を聞かれても答えられず、正確な基礎発音さえできない。 そして、社会人となって、いちように英語コンプレックスをもつにいたるのだ。 学校もバカだぜ。英語会話のしかたを教えずに、いったいなにを教えようとゆうのか?6年間も! 東南アジアでは威張るが、白人の売春婦のまえではヒクツな作り笑いしかできないジャパニーズ。これは文部省の産物ではないかとワシは思う。 その無能な文部省も、やっとこのごろになって、英語をカタカナで書くときはあるていど自由にしてよいと言い出したのだ。 バイオリンをヴァイオリン、ビルヂングをビルディングといったように書いてもよいそうだ。 ビルヂング! ちょっとビル街を歩いてみよう。ほんとうに、なになにビルヂングとネイムプレイトに刻んであったりするのだ。 だがキミ、笑っちゃいけない。ロマンチック、ドラマチック、オートマチック。そう言うだろう? これらはTIC、つまりチックではなく「ティック」でなきゃいけない。「チック」ではギョッとするほど聞き苦しいのだ。CHICKのときにチックと読もうや。 クレジット、ケーキ、ラジオ、チューリップ、スチール、ツアー、ステーキ、テレホン、マガジン。これらも聞くにたえない悲しい日本の英語だ。 布を縫う機械を「ミシン」と書くが、機械のことは「マシーン」と書く。 これは、どちらも同じMACH INEだ。 縫う機械は「ソーイングマシーン」でなきゃいけないのに、なんなのだ、これは! ワシがこれを知ったのは中学のときだが、その時点でワシは日本の文化は信用できないと感じたよ。 「レディーファースト」これはどう聞いても「早く用意」としか解せない。 「レディー」は用意、「レイディー」が女性なのだ。RやLの発音にこだわらず「れでぃー」と「れいでぃー」を使い分ければキチッと通じるのだ。 ただしFIRSTとFASTの書き分けはむずかしい。ワシは苦しまぎれに「フゥースト」と「ファースト」に分けているがとてもツライ。 で、ハナシを「スィグ」にもっていこうかな。 「シー」と言えばどんな意味?カノジョ、見る、海などが浮かんでくるが、ちょっと待て。SEHはたしかに「シー」だが、SEEとSEAはどうみても「スィー」でないとマズイのだよ。 そろそろ、日本人は「シ」と「ス」の使い分けをしなきゃイカンとワシは思うのだ。なにしろメタメタなのだから。 シール、シーズン、シークレット、シチズン、シビックといったコトバはミーンナ「スィ」とゆうはつおで始まらないとオカスイ、いやオカシーのだよ。 と、ゆうわけでSIGはトーゼンのように「スィグ」となる。シグと読むにはスペルがSHIGでないといけない。 ただし、スイスではなんとゆーのかゼンゼン知らない。だれか教えてくれ。 ついでにゆうとくけど、ワシはナカグロとゆうヤツ、あのカタカナの間に打つ醜点、いや黒点。あれがデーッキライなのだ! ウチにある古い本で見ると、大正時代のころにはもうナカグロを使い始めていて、同時に、伝統のローマ字読み英語もしっかりと値をおろしている。 英語を読んで意味は解るが、発音は知らないとゆう時代、そんな連中がテキトーにローマ字読みをして本を書いたのがそのまま今に伝わっているのだ。 さらに、文久元年に発行された英語箋(えいごせん)とゆう辞書をみるとおもしろくてもうニクめない。 太陽は「ソン」、星は「スタル」、北は「ノート」、シャワーは「ショーウル」、ハードは「ハルド」とカタカナで書いてあるのだ。 幼稚とゆうか、無神経とゆうか、とにかくすごいカタチでワガクニの英語教育が始まったのがよーくわかる。 ともあれ。 文章は視覚的に美しくありたいと考えるワシにとって、ナカグロは醜怪な存在としか言えん。 だから、 オートマティック・ハンドガンではなく、オートマティック ハンドガン、とナカグロのかわりに半角あける方法でワシはいきたいのだ。 そして、会話の文は“バカッ!”のように“”を使い、強調したいとき「SIG」とゆうように「」で囲みたい。 日本ではこれらを逆の方法で使用されつつあるが、とにかく横書きに関してはワシは自分流を貫きたい。 英語での会話文は″Oh Baby!″と″″を使うわけで、これは視覚的に弾んだ感じがあって好きなのだ。 マーク トーエンとゆう作家の手書きのオリジナル原稿をワシは見たことがあたる。いきなり会話で始まっていて、それが″″で囲ってあったのを見っき、 ″ウワー!斬新だなー!″ と感動した。以来、自身をもってそれを使うことにしたのだ。「」は明治時代からの流行だ。漢字だらくのめんどきさい文章には合うが、現代の生きた文章にはかたくるしのであまり使いたくない。だが、強調文字の囲みにならつかてみようと思う。 もうひとつ。 数を数えるとき、ワシは一挺と「挺」とゆう漢字を使うが大抵は何者かによってテヘンに書き変えられてきたま だがMGCのMP5Kのカタログをもらって読んでみたまえよ。 銃を数えるのに〈挺〉とつける 挺は木ヘンに延びると書く 古代の男の武器は木の棒だっただから銃を数えるときは今でも木ヘンをつけるのだ と、書いてある。 どなたが書かれたのか存じてはいるが、我ながら感動的である。はははっは! まっ、ちゃんと語源辞典を読んでベンキョーしたうえでやっとるんだから、せまいリョーケンでワシのゲンコーをいじってはいけないのだ。なっ? うわー!疲れたぜい。 なんで、こんなこと書いたかとゆーとだね。このあいだ日本に行ったときのこと、コンバット新担当者のP若編集次長達とミーティングをしたわけだ。そこで、今後の方針としてイチローの原稿には手を加えないとゆうアリガターイ約束をしてくれたとゆーワケなのだ。 そして、ワシのやり方を発表し、つねづねギモンに思っている読者にナットクしてもらい、自己を向上させたいと願うリポーター達の指針になって欲しいとゆうことで長々と書いたのじゃよ。 ワシとしても、「トップガン」での誤字脱字の猛攻にはショーゲキをうけてヤル気をなくしたが、今後の編集部には期待したいのだ。 えっ?誤字なんど気がつかんかっただって? ……ウーンありがたいやら悲しいやらだぜ。 で、ワシがそう書いたからといって、キミが今日から「クレディッ」「ケイク」「レディオ」「スィヴィック」「スィグ」「シュタイヤー」なんて言い出したら、キザなヤーツと思われるだろう。 だから、そうなることを知ってるキミはいつまでも「くれじっと」「けーき」「らじお」と言い続けるしかない。 なのに、ワシが日本に行って「パァスポゥート」なんて発音したら、カッコイーと言われるんだよね。 “キザじゃなーい?”と聞くと、“イチローさんは特別ですよ” いったい、ぜんたい、なにが特別なんだ。まったくわからん。 正しいことも、個人でやってるうちはダメ。権利者や大勢が言えば認める。これが、キミの住んでる日本社会のオロカな実態なのだ。 ムカシ、こんなことがあった。 レイガンがアメリカ大統領になったころだよ。日本のマスコミは朝日新聞も毎日新聞もみーんな「リーガン大統領」と書いていたんだ。たしかに、それはローマ字読みならリーガンと読めた。レイサムをリーサム、ミチュレックをミキュレックと読むんじまうようなもんだ。それは「ONE」を「オネ」と読むにひてしいのだがね。 そしてるうちに、あるとき、 “ワシの名はレイガンだぞー、リーガンとはいわーん” と、大統領が言ったのだよ。 日本人がワーワーおしかけて行って、“みすたーりーがん”と発音したわけだな。 そしたらさ、日本のマスコミ達、コロッと翌日から「レーガン」なんだよね。 〈君子は豹変す〉 とゆう中国の言葉がある。 偉い人は、自分のマチガイに気がついたら、その場で直すという意味だよ。 でも、レイガンのときは相手が大統領だったので〈新聞は慌変す〉とゆうミットモナイかんじだったよ。  さあさあ、キミはどーする? 豹変できる人間になりたいのか? それとも、井のなかのカワズで満足して大海などは知りたくもないとゆうのかな? エッ? どーなんだよ!   ガンショウとゆう、楽しいのがアメリカ各地で開かれる。 公民館とかエクスポ会場みたいなところにガンナッツが集まって、銃関係品の売り買いや交換をするのだ。 ちょっと大きな都市だったら、毎週どこかでやっている。日本人のガンナッツだったらショックをうけるほど素晴らしいショウだ。 カネが無くても、ながめて歩くだけで楽しいので、よーく通ったよ。 あれは、ワシがまだGUN誌のリポーターをやってるころだったから12年ばかり前のことだ。 キャリフォニアのサンノゼのガンショウに、コミヤマ君とゆう読者をつれて行ったんだ。 いつものように人でごったがえした会場をタバコの毒臭に耐えながら見物していると、突然、ピカーッとヒカリ輝く拳銃が視界に飛び込んだのだ。 この写真のようにP210がテイブルにあったんだ。 “うぉー! これだ、これがニューハウゼンとゆうヤツだな、ウーン、なんと、美しい……” アメリカではP210は美術品とされている。とくに初期にだけ造られたハイポリッシュのピカピカは憧れの的なのだ。数は少なく、値段は高く、めったなことではお目にさえかかれない。 ワシはその知的でふくよかなたたずまいに心を打たれて、ジーッとながめいったよ。 .22口径と.30ルガーのコンヴァージョンがセットになっている。 値段は2500ドルくらいだったと思う。これほどの逸品でこの価格なら、日本人感覚にとっては安いものだった。日本刀の有名品だったら、そのツバの先のゴミだって買えない金額だ。 が、S&Wリヴォルヴァが150ドル、ガヴァメントが250ドルとゆう相場の時代に2500ドルのプライスはスサマジイものだった。若者の給料まるまる3ヵ月分なのだ。 GUN誌のギャラが600ドルでヒーヒーやっていたワシにとってもマサにそれは高値の花(あれっ?)だった。 “イチローさん、長く見てましたけど、あのピートゥーテンというのは、そんなにいいもんですか?” “うん、造りの良さ、精度の高さ、耐久力、信頼性、そしてうつくなどでアウトスタンディン(抜群)と言われている。ガンナッツの憧れだよ。ワシもいつかはあんなのを手に入れて撃つからな” “なー、そんなにスゴイものですかー、ピンと来ませんでしたよ” そんなことを話していたコミヤマ君はまたフラリと人ごみにまぎれ、2分後に現れたときには、あの箱を抱えていた。 “ウワッ、買ったのか!” “ウフフフ、はい、これプレゼントです。ずいぶんお世話になったので……” “えーっ! いや、受け取れんよー” “でも、もう買っちゃいましたから” ワシは他人からホドコシをうけるのはミジメな気持ちになるので耐え難いのだが、そのときのコミヤマ君の嬉しそうな笑顔と、モノがモノだっただけに、とりあえず有難うと受け取った。 あとで、かれにはラブレスのナイフをお礼に渡した。 空調関係の技師だったコミヤマ君は、その後日本を飛び出して、今はロスに永住している。 こうしてワシはP210のオゥナーになったのだ。  それから10年以上の歳月が流れ、その間にワシはじつに多くの拳銃を撃つチャンスに恵まれた。ハンドガンナー誌とGUNS誌のスタッフになったので、それこそ世界の超一流どころカスタムのほとんどを撃つこともできた。 そして、今、改めてワシにとっての最高の拳銃はどれかと真剣に考えてみた。 答えは1947年にスイスのファクトリーから生まれ、チューンすらしていないP210だった。現代の最高のカスタム群も、P210の横に置くと青ざめて見える。 それほどに、P210には実力と魅力があるのだ。  P210のフレイムはスライドを抱いている。そのためにスライドがほっそりといていて、スラリとキレイなのだ。 P210の知的な精悍さはここからくる印象だ。 このカタチに見慣れると、他のオートはぜい肉だらけの糖尿病患者のようにぶよついて見える。 スライドの後部は控え目に盛り上がり、上部にビシリとしたハガネのリアサイトが立ち上がっていて、その前にスイスのクロスが打ち込んである。 スライドを引くとカキーンと硬質で上等な音がする。だが、その感触にはいささかのザラツキもなく、まるで絹のように滑らかだ。 銃を認る者が初めてP210のスライドを引いたら“ハッ!”となり、2度目に“ウーン……”とうなり、3度目にはニターッと笑う。 その素晴らしい感触は人を感動の世界に引きずり込んでしまうのだ。 これは、ぜんぜん誇張してはいないよ。ワシって、ありのままに書くとゆうこねは知ってるだろ? P210とゆう拳銃は、所有してからそのスゴサが解ってくる。持たないものがトヤカク言っても信用しないこと。 このグリップは他のP210から外して付け替えた。グリップは銃の相をきめる大切なポイントなのだ。 だが、これはシモブクレすぎてゼンゼン握りにくい。でも、あまりにもキレイなのでつけてある。 スライドキャッチも平たいものだったが、後期のものと交換した。 スライドを引いて5ミリばかり後退させ、キャッチの先端を反対側から押すとキャッチが抜ける。そして、スライドをスルリと前方に抜く。 ガイドロッドと一体のスプリングは他のオートのようにビロローンとならないので、スッと気持ち良く取り出せる。 バレルはスライドのラグに張りついていて、まさに微動だにしない。が、バレル側を下に向けるだけでハラリとウソのように流れ落ちる。 ハンマーアッセンブリーも魔法のように、なんの抵抗もなく抜け出てくる。 ポズィティヴでシンプルで完璧だ。 P210は、だいたいどれも50mで5cmのグルーピングはあたりまえに出せる。 これはものすごい精度だ! これを常識からみると、軍用銃としてはまったく不必要な性能としかいえない。あまりに精密なために泥だらけの戦場では故障もあるだろうから、そっちが心配なわけだ。 でも、ワシが兵士だったらたいしてかまわない。銃を泥のなかに落とすときは逃げるときか死んだときだと思うから。 P210はマガズィンのロックがグリップの下側にあって賛否両論だが、本当に闘いを考えるのだったらボタムリリースをワシは取る。 マグチェンジのスピードは実戦においてあまり重要でないからだ。それよりも、いつマガズィンが落ちるかと年中気を使うサイドロックのほうがずっとコワイ。 一発撃ったらマガズィンが落ちたとか、無くなっていたとゆう訓練中のトラブルをワシはさんざん見たし、経験もしたんだよ。  これは今のP210-6。 アンジェロからとりあげた。ひごろ撃って楽しむためのものだ。同じものを2挺もち、ひとつだけは撃たないでおくとゆうのはコレクターのやり方だ。撃つための銃を彼等は「シューター」と呼ぶ。 そう、こいつがワシのP210シューターなのだ。 仕上げがパーカライズで、アジャスタブルサイトで、グリップが握りやすくなっている以外はだいたいP210と同じものだ。 パーカライズのテクスチャーと色調には独特の金属感があって、なんとも素晴らしい。 このタイプは今も売られていて、値段は20万円以下で買える。 さてさて、P210とゆう経験がどんなに美しくて精度が高いかは、あるていど解ってもらえたと思う。 だが、気になるところもある。 ★セフティーがやや遠く、デッバリが小さいので切りにくい。 ★テイルが短いのでハイグリップで撃つとハンマーが手の皮を破る(うまいシューターはハイグリップなのだ) ★マガズィンキャパスティが8発しかない。 ★ダブルアクションではない。 セフティーとテイルはカスタムショップでやってくれるからよいとして、なんで16連のダブルアクションにしなかったのだろう? これは長いあいだワシの不満だった。 だが、最近になってのテストでこの不満は消えてしまったのだ。 CZ75とグロックとP210でジャムラン競争をやってみたのだよ。 CZ75は最後の鋼鉄拳銃であり、グロックは現代最強のオートマティックだ。これらにP210を加えて、どれかジャムしにくいかテストをしたのだ。 タマが良ければ勝負がつかないので、いろいろなカートで試した。 ヤスモノのリロード弾から、ブレットのへんなカタチまで、手当たり次第にテストしたワケだ。 3強の中で、一番タマに敏感なのはCZ75だった。合ったタマなら二千発もジャムなしだったのが、ケイスやマウスが立ったものだと5発連射もできなくなった、 グロックは角ばった短いハローポイントに弱く、火薬量の足らないタマもすぐにトラブッた。 だが、P210はすごかったのだ! 自分の割り当てをまったくジャムなしで撃ち、しかもCZ75やグロックが撃てなかったダメ弾をぜーんぶ全部タノシソーにヨユーシャクシャクでぶっぱなして、ケロッとしていたのだ。“なんなら、リヴォルヴァ君と勝負したっていいんですよ” そう、言うんだよね(ウソ)。 結局、P210のジャムは見ることができなかったのだ。 これが尊敬できないでどーするよ。 スィングルカーラムの滑らかさなのか、フィーディングランプの角度と磨きコミヤマなのかま。ワシには良く解らんが、P210とゆう拳銃は想像を絶するほどの研究から生まれたのだと感じたのだ。 世はダブルカアラムのダブルアクションの時代になるが、本当のオートはこれでしかいけない。そうゆう結論を得てのスィングルカーラムとシングルアクションだったのだろう。  “よーし、9連発でよか。スィングルアクションでもよか。そのハンディを知っちさえいれば闘いかたもあるっちゆうもんよ。なんよりか、その美しか姿に秘めた根性と信頼性にオイドンは心を打たれたとばいね” イーチはあやしげな鹿児島弁でつぶやいたのでアッタ。
んぢゃまた! 市郎

(#^.^#)たははは
ずいぶんムカシの「バカゲの至り」による
放談なのでお許しを〜(^◇^;)

信玄&TROOPER君、あんがと〜ん♪
市  


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2014年02月05日

ベレッタM84 小説

市 (2014年02月05日 23:05) │Comments(10)記事
イチローさん、ハッピーバースデイ!実はみんなと話し合ってサプライズ同時多発テロを仕掛けてみましたよ! 村野の選択はこれだす!「ベレッタM84」 じゃじゃーん、始まり始まり~。    

9月28日の電話  
くたびれ果てて正体もなく眠りこんでいたが、長々と鳴る電話の音で意識が戻る。片目だけ細くあけると外には陽がさしていた。デジタル時計はAM10:45だった。〆切の近い別冊コンバットの仕事で毎日明け方までがんばっているので、どうしても朝寝坊になる。受話器をとって 「OK, WHAT'S UP(どうしたっていうんだ)」  と、寝ぼけて返事をした。なぜか、親しい友人からだろうと思ったのだ。 「こちら、FBIオフィスでございます。私の名はミセス・ストラサーン、アジア捜査部の秘書です。ミスターナガタとお話したいのですが・・・・・」 「O,OH, YES, SPEAKING(あ、あの、ボクです)」 「アラ、もしかしたら寝てらしたのではありません?」 「いえ、大丈夫ですよ。それより失礼なコトバですみませんでした」 「アートを仕事にする方は、異常な時間帯に寝るものですわ。お気になさらないでね」 「WELL(エート)、ところで何か・・・・・・・」 「ハイ、トレーニング・ユニットのベン・ウェバーがこちらでお目にかかりたいといっておりますが」 「ベンが?・・・・・なんですか一体?」 「至急会いたいとのことです。内容は私にもまだ・・・・・・」 「どうして、ベンが自分でコールしないのですか。もう5年になる付き合いなのですよ」 「すまないといっておりました。今重要な会議が続いているのです」 「・・・・・・・じゃ、行きましょう。サンフランシスコの本部ですね。アジア課は何階でしたっけ?」 「ありがとう。感謝ですわ。実はもう間もなくケリーがそちらに着きます。ご存知ですよね、ケリーは」 「スナイパーのほうですか?」 「そうです。ヘアは薄いけどハンサムなあのケリーです」 「あなたは、なかなか楽しくて知的ですね。会うのが楽しみです。でも確かミセスといいましたね。残念だな」 「ほんとはミスなんですよ。ミセスといわないと週末ゆっくりできないんです」 「アッ、やはり美人なんですね。ベンに早くハナシを終わるように言っといて下さい。そして、それから・・・・・・・」 「それから急いで帰って、ランディ君とアイリーンちゃんと楽しむのですわよね」 「・・・・・・FBIの情報網乱用ですよ。急に行きたくない気分ですね。ベンの顔など見たくもない」 「ウフフ、とにかく来て下さいな。ティータイムなら空けますから」 「あ、ベンの顔がなつかしくなりました。陽の光まで明るくなってきました。楽しみにしてます。声のキレイな人が好きでしてね」 「アラ、私のヴォイスがキレイですか?」 「ハイ、それはもう。最初に聞いたとき、胸がときめいて・・・・・」  その時階下のチャイムが鳴った。 「ケリーが来たようです。ではあとで」 ドアにはめられた広角レンズをのぞくと毛が薄く、目玉がギョロリとして、足の先がエンピツのように細く見えたケリーが立っていた。 「オー、ケリー!今日は運転手かい?手先が狂って人質のアタマを吹っとばしちまって、スナイパーをクビになったんだろ?」 「いや、頭皮からハーフインチだったな。タマはまず人質になった女のヘアを30本ばかりカットして、それから野郎の目玉に飛び込んだ。オンナといってもブヨブヨの45歳でね。野郎の目玉から飛び出した脳ミソを顔面にあびて、その顔をオレは75mから12倍のスコープで見ちまったんだ。死体のほうがよほどキレイだぜ」 「ああ、3日前のコカイン中毒の男が人質を取ったアレだな。そうかケリーがヒットしたの」 「ちょうどGOサインが出たとき、奴は頭をフラフラ動かしてたもんだから、たっぷり20秒もしてからトリガーをスクイズしたんだ」 「ま、続きは後で聞こう。着替えるから中で待っててくれ」    アサイメント  サンフランシスコのフェデラルビルに入ると、ケリーは裏側の荷物用のエレベーターに向かった。 「おい、ケリー。何で表に行かないんだ?」 「なるべく目立ちたくないんだ」 「そうか、スナイパーだしな」 「いや、君のことだ」 「エッ?」 「いや、それしか聞いてないから、オレはそれ以上は知らないよ」  なにか、ただ事じゃないのはハッキリしたと思った。 「ミス・ストラザーンの受付を通らないのかい?」 「階が違う」 「なんてこった!・・・・・帰りはどうなんだ?」 「オレがまっすぐ送り届ける。まっすぐな」 ストラザーンに会えないことなど、もうどうでもよくなっていた。どう見ても、今日の呼び出しは不自然だ。お迎えつきの裏通用口でもって世間話してくれはしないだろう。  7階の資料室の横にある小さなガランとした部屋に入ると、ずっと前に一度会ったことのあるゲイリーが待っていた。何もない部屋に、イスだけ3つ持ち込んだらしい。ケリーと入れ違いにベンが来た。 「ゲイリー・フィッチマンだ。来てくれてありがとう。君のことはベンからよく聞いて知っているつもりだ。私はアジア捜査の責任者でゲイリーという名だが、前に一度あってるんだが覚えているかい?」 「ハイ、フィッチマンという名が変わっているんで覚えてました」 「ストレートに言わせてもらうが、実は君に頼みがあるんだ」 「まさか人を撃つんじゃないでしょうね」 「そのまさかになりえるな」 「ぼくでなくたって他にも人材はいるでしょう?」 「チャイニーズで、おっとりと見えて、しかもクイックシューターでないといかん」 「ぼくは日本人ですよ」 「君はどこから見ても中国人に見えると皆が言う。私が見ても、韓国人でも中国人でも通用すると思うね。言葉はどうでもいいんだし」 「おっとりとはなんですか?」 「ドラッグ取引のデコイをガードしてもらいたいのだよ。相手はチャイニーズギャングで、こっちもチャイニーズのエージェントだ。一週間後にチャイナタウンのレストランで取引をやる。その店は白人の行かない所なんだよ。かといってビューローの中国人エージェントは顔が知られていたり、目つきが鋭かったり、第一シューティングの上手いのがいないんだ。その点君は上手い・・・・・」 「しかもボサーとして見えるというわけですね?だけどぼく一人で集まってくるギャングを捕まえるってわけじゃないでしょう?」 「そうじゃない。取引を成立させて30kgのコカインを渡してやり、金を受け取るのだよ。まだ当分は泳がせるわけだ。君にやってもらうのは、万一連中がエージェントを殺そうとか、誘拐しようとしたときの助けなのだ」 「なるほど、それほど危険でもないか」 「そういうこと。彼等は周囲に不審なことが起こらないかぎりは律儀なものだ。だから君の服装もTシャツとジーパン、それにスニーカーにしてもらう。カバンもバッグも一切なしだ」 「ウェポンは?」 「アンクルホルスタだよ」 「となると、中型拳銃・・・・・M60じゃ5連発,エージェントでも6連発か。ちょっと足りない。オートならPPK/SかP230・・・・・いや14連のベレッタだな。左足にベレッタ、右足にマガジン2個とナイフ。レストランなら狭いから勝負は早い。相手が3人・・・・・いや5人と考えて、2発ずつシルバーチップを叩き込むとして、3秒の勝負か。だったら右足にはマガジンよりバックアップにPPK/SかP230でナイフはないほうが、ベレッタの故障を考えたとき有利だな。どうだろうね、ベン?」 「いや、さすが決めるのが早いな。俺はてっきりM60かと思った。信頼性の面でね」 「.380のPPK/Sなら、リボルバ並みに信頼できる。問題はベレッタなんだ。主力となるだけに重要だから・・・・・テストしてみるか」 「じゃあ、引き受けてくれるんだな?」 「いや、まだ決めてないですよ。ベレッタをテストしながら考えさせてくれませんか?」 「まあ、いいだろ。帰る前にコンピュータでも見ていかないかね?」 「へー、それは面白いですね」  ゲイリーは立ち上がって、入ってきた方の内側のドアを開けた。小さな部屋だったが、グランドピアノくらいのコンピュータが据えてあった。いったい、こういう仕事のギャラはいくらなのだろうか。うっかり店の者など撃ったらFBIで責任を取るのだろうかなどと、新しい疑問がわいてきたが、一人になって考えようと思った。    コンピュータのメモリー 「コンピュータには可能な限りのアジア人のデータが入っている。ためしに誰かの名を打ってもいいよ」 とゲイリーが言ったのでTORO *****と、いたずら半分にキーをたたいた。3秒とたたずにトロサの生年月日から家族構成などが出てきた。別のキーを押すと次々とデータが現れる。『本名****・**。**生まれ。拳銃と憲法の使い手/***で**というレストランを開き*ヶ月でつぶれた。カウボーイ。競争相手の土産屋による密告、嫌がらせなどで閉店。****年*月、*****でスシ屋開業。見よう見まねの素人職人なれど、誰にも見破られず評判良好。女好き、オカマのウワサに関しては調査中。ウーム、知らないことがいっぱいだ。  UZITAと打ってみた。気になる男なのだ。通称ブラックメイラー。仲間のタコハチと組んで四方八方に密告の手紙を送る。イーチがカメラに拳銃を隠して日本に持ち込んだとか、シスコでジャマグチ組に銃を売ったとか言う内容で証拠なし。一見マジメ人間ながらポルノきちがい。ヒマさえあれば日本のウラビデオを見ている。性格陰湿なため、恋人になりかけたムワリコちゃんに逃げられる。偽装工作にて永住権取得なれど、移民局はこれを察知。しかし即刻逮捕はやめ、ポルノを密輸したタコハチと共にインターポール・・・・・・・』  いやはや、この人のデータは深度を下げてみると実に面白いので、次の機会に見るとして、今度はICHIROを打ち込む。『市郎・・・・・鹿児島生まれ・・・・・写真学校・・・・・女・・・・・女・・・・・印刷屋・・・・・女・・・・・フリーランサー・・・・・女、女・・・・・女・・・・・アメリカ・・・・・サラ洗い・・・・・女。人間失格・・・・・また女・・・写真すこしうまい』チクショウ!ロクなこと入ってないと思いながら制度をシークレットまで上げてみた。『女・・・・・女・・・・・1985年6月25日、サンフランシスコ964SHOTストリートにて車に乗ろうとした男女を3人の男が.22LRピストルで脅し、金品をまき上げているとき、銃声が3回して3人の男は即死。犯人は向かいのアパートの角から撃ったので被害者の2人と、本当の被害者3人とも姿さえ見ていない。しかし事件直前に近くに赤のスープラが停車し銃声の直後に去った。目撃者は1FAPとナンバーを記憶していたので該当するものを探したら1FAP900の持ち主がICHIROと判明。この時点で事件はSFPDからFBIに渡され、証拠不十分のまま打ち切る。 !・・・・・』  冷や汗が背中を伝い流れる。この連中、本当に真相を知っているのだろうか! 「証拠不十分か。やってもいない捜査を打ち切るとは、わがFBIも器用なことをするじゃないか。なあ?ベンや」 「エエ、この犯人を逮捕しに行くとなると5人やそこらは死ぬことになりますし、こっちは人手不足だし・・・・・・」 「まったくだ。それに、この犯人はPPK/Sで15mからヘッドショットを3発決めているんだ。この腕前でわしらの助っ人になってくれんものかねぇ。ただの通行人としてたまたま現場に居合わせてくれたら、どんなに助かるか知れないもんじゃないなあ」 「・・・・・来週のいつ、どこですか、それは?」 「おお、やってくれるのか!」 「(-3)+(-3)-0という公式が可能ならね」 「たとえ(-3)+(-1)だって0になるさ。-1がエージェントでない限りはね。この封筒にすべて入っているよ。ただしエージェントのチェインは、君の事を何も知らない。ヘルパーがいることさえ知らせていないのだ。うっかり目を合わせたりして、連中に感づかれたくないからね」 「ワッカリました。ありがとよ、ベン、まーったくいい友を持ったもんだ。ユスリ、タカリの正義の味方だもんな」 「まあ、そういうな。失敗したって我々は君をどうこうしやしないよ。それより、この事は我々3人しか知らない事だから、絶対に口外はするなよ」 「そう願いたいね。これから下見をかねてそのレストランに行って、早めのディナーでも食ってから帰るから、ケリーには送りはいらんといってくれ。あ、それからミセス・ストラザーンにお茶は来週になるといってくれ」    M84とPPK/S  9月27日。別冊の仕事など手につきそうにもないのでツル若丸に電話して、一身上の都合で〆切を一ヶ月延ばしてくれと頼むと、 「エーッ、なぜ、どうしてなんですか。約束したでしょう!ねぇ、なぜですかー」  と、つめ寄られて困った。ドイツ兵も“ルガー!”なんて怒り、ジェシーの手製ナイフを研ぐ音まで聞こえる。 「友人が死にそうなんだよ」 とか何とか言っても信じてくれない。友人が死ぬくらいで仕事が手につかないイーチだとは思わないらしい。この繊細な男をいったいどう見てるのかと驚く。ジェットストリートで3人を撃ったのも、勇気とか人助けでやったのでなく、暴力犯罪を目の前にしても黙っているという自分に対してどんなに落胆するか。自分の存在価値そのものにヒビが入ることは胃の中に酸を注ぐようにつらいから。その精神力の弱さゆえ夢中で撃ってしまい、ドキドキしながら帰ってきたのだ。本当なら見て見ぬふりをするだけの図太い神経を身につけたいのだが、人はそれを信じてくれない。 「まあ、いいでしょう。そのかわり、これからの仕事は減るものと思って下さい・・・・・・」  ということで電話は切れた。FBI直属のボディガードの仕事なんてないだろうなあ。とにかく職さがしはあとだ。ツル若丸の言葉だって、たんなるオドシかも知れないのだから・・・・・・いや、きっとそうだ、うん。などと考えながら、ロッカーからベレッタM84とワルサーPPK/Sを出す。M84は.380の銃としては大柄で、全長が17.5cmもある。ダブルアクションのオートで、マガジンに13発ものタマが入るところがすごい。それにハンマーをコッキングしたときにもセフティがかかるので、ガバメントのようにコックアンドロックができるのだ。通常は、ハンマーダウンして携帯し、撃ち合いでも起こりそうなときは、カチリとハンマーを起こしてセフティがかけられる。ダブルアクションはトリガーストロークが長く、コントロールが難しいが、シングルだとトリガーを1mmでも引けば発射できるし、正確に撃てる。M84は大柄だが、フレームがアルミなので、見た目よりもずっと軽い。マガジンに13発とチェンバーに1発タマをこめたときでも765gと、手頃な重量だ。欠点みたいなものをいうなら、スライドの幅がありすぎることだ。PPK/Sなら22mmなのにM84は25mmもある。ベルトの内側につっこんだとき、3mmの差は大きい。それとマガジンを抜くとトリガーが引けなくなる。マガジンセフティというやつだが、もしマガジンがなくてタマはあるというとき、シングルショットのようにチャンバーに1発放りこんで、ドアを破ってきた男を撃つことができないのだ。強力無比のツールがラジオペンチ以下の存在になりうるので、マガジンセフティは無用といいたい。もう一つの欠点はリングハンマーだ。リングは親指が滑りやすいのでコックするとき気を使う。実弾入りの銃をコックするのだからなおさらだ。スパーハンマーだとよく指にかかるので安心してコックできる。M84とそっくりな、やはりイタリア製のブラウニングBDA380はスパーハンマーだが、惜しいかなコックアンドロックでなく、セフティをかけるとハンマーが落ちるタイプだ。見た目にはリングハンマーはかっこ良いが、ダブルアクション・オートにはスパー、または大きなリングハンマーが必要だ。と言うのは、一瞬にして抜いて撃つとき以外、2秒でもゆとりがあればやはりハンマーをコックしてから撃ちたいので、とくに20mも離れると、オートのダブルアクションでは正確なシューティングができないからだ。  M84を分解して内部をよくチェックした。リボルバと違ってオートは繊細だから、エキストラクターとエジェクターは常に見ておく必要がある。M84はまだ新しく、300発は撃っただろうか。ただアルミのフレームはもろさが気になる。いっそステンレスにしてくれたら良かったのだが、イタリアにはそんな技術がないのだろうか。ちょっと位重くても良い、アルミに命を預けるのは不安だから鋼鉄のものが欲しい気がする。PPK/SにもSIG P230にもステンレスがあるのに残念だ。 そう考えながらベレッタを組み立て、ダブルアクションでドライファイアを練習した。ホルスタから抜いて、目の高さまで持ってくる前に80%くらいトリガーを引き、ターゲットを確認してから引き切る。狙ってからトリガーを引きはじめたのでは、ストリートファイトにしろレストランファイトにしろ命が危ない。しかし、この方法打破よほど練習をしておかないと、抜きながら床を撃ったり、ターゲットを捕らえるより先にハンマーが落ちたりしやすい。これはダブルアクション・シューターの日課だが、銃によってクセが違うのでこまる。M84は、パイソンのように、はじめに軽く、だんだん重くなってから落ちるので、狙う前に撃ってしまうことはあまりない。まるっとした握りやすいグリップ、PPK/Sとよく似た狙いやすいサイトに満足してM84を置く。  次はPPK/Sだ。名銃の中の名銃ワルサーPPKを、アメリカの輸入規制に合わせてグリップを長くしたのがPPK/Sで、SはスペシャルのSだ。PPKアメリカンというわけだが、このPPK/SはアメリカンPPK/S。つまりアメリカでライセンス生産されたものだ。ドイツ製のほうが質が高いのじゃないかという気はするが、これといった不満はない。明るい輝くようなブルーが素晴しく、ドイツのちょっと鈍くおさえて輝くあの魅力とは別の良さがある。値段も安く約7万円。M84と同じくらいなのだ。会社のイメージとしてワルサーとベレッタはポルシェとワーゲンの違いだから、プライスが同じということは安い買い物だという気がする。  M84をいじくりまわして満足はするのだが、なにか足りない感じ・・・・・・夕食にラーメンを2杯食べて、足りないのであと1杯食べてしまったような、満腹の中の空虚がベレッタにある。分厚いトンカツとなめこの味噌汁、熱いご飯とタクワンすこしを食べたあの重圧で微塵の疑いもない満腹感。もう食い物は見るのもイヤだ。後はゆっくり眠るだけスーや須屋という、あの安心感がないのだ。  その不足感はワルサーPPK/Sを手にした途端に解消する。スライドやトリガーを引くまでもない。手にしたとたんにジンと伝わってくるのだ。あっ!美人・・・・・・と理屈抜きに心がなごむ。特別に美しい女性が放つ、あのヴァイブ、こころよい空気、そういったものをPPK/Sは持っている。小型で、細くひきしまり、その知的な女は芸術だ。その華奢な体が絶叫し跳梁し、灼熱の弾丸を凶暴なスピードではじき出すとは考えられないほど見事な調和なのだ。PPK/Sにはツールの持つ必然的な美、それ以外の魅力がある。  クソッ。来週の仕事はこれでやりたい。M84の良さは、コックアンドロックと14連発だけのことだ。PPK/Sはひとまわり小さく信頼でき、命中精度も高いのだ。どうしてワルサーは14連発を作らないのだ。麻薬のディーラーが3人だったら8発でおつりが来るのだが、やはり5人だと仮定すると最低12発欲しい・・・・・・残念だ。    プラクティス  9月28日の朝、ベン・ウェバーが来た。 「オウ、イーチ。みやげだぞ。君が命をかけて戦うときになくてはならぬ小道具だ。さぞかしよく似合うだろうと思ってな」 「なんだこりゃ。ドンブリ?ラーメンのか?」 「その通り、チャイナタウンで買った中国製のやつだ。ほら、ハシもあるぞ」 「どうしろってんだ、一体?」 「今日からみっちりプラクティスだろ?オレも手伝いながら見学させてもらうが、こいつが必死になって練習してる君の前に置いてあると思ったら、それだけで笑えちゃってな。ハッハッハ、もう待ちきれんぜ。早くレンジに行こうや」 「あまりナイスなジョークじゃないが、まあ机の上に置いとけば、多少の気分はでるだろう。だがサンキューをいうのはそっちだ、楽しいのはオレじゃない」 「気にさわったか?スマン・・・・・・」 「いや、ぜんぜん。ただ、こんな重大なときに、こういうジョークをいって、ホントに嬉しそうにしているアメリカの白人種というものに、うらやましいという気がしただけだ。確かに俺たち日本人は緊張度が高い民族だと思うよ」 「そうかな。俺はアジア人の物静かさはやたら物事に動じないという感じでリスペクトしてるんだが」 「よし、お世辞はそこまでだ。行こう」 「OK。やはりM84を使うのか?」 「うん、主力はな。バックアップはPPK/SかSIG P230のどっちかだ」 「P230?あれもなかなかのもんだと聞いてるが、どうなんだ?」 「とてもいい物だ。シンプルで軽い。だがちょっと大きすぎる。M84なみのサイズでシングルカアラムの7+1発、ハンマードロップ式と気に食わん。でも撃ちやすいし、命中精度もPPK/Sに引けを取らん・・・・・・それにしてもPPK/Sの完成度は高すぎて、他のモノがかすんで見えるな。M84のようにファイアパワーという強力な性能でもないかぎりはPPK/Sをヒートできないだろう」 そんな会話をしながらFBIのダッジバンでポリスレンジに向かう。よく晴れた秋の空が美しい。 「キレイな日だな」 と、ベンが運転しながらつぶやいた。 「ああ、このヒンヤリとした空気といい、弱くなった日の光が気持ちいいな。この空の下でなんで人間同士正義だ悪だと勝手な理由をつけて殺し合うのだろうか。俺にはいつも分からん事だ。ベンなんかは正義を守るなんて本当に思っているのかい。たとえばギャングだが、オレ達にとって奴等の存在が都合悪いから、生活がおびやかされるからと言う理由でやっつけようとしているだけで、どこをほじくっても正義なんてありゃしないのじゃないのか?」 「・・・・・・・」 「少なくともオレがこうしてギャングをやっつけることにしたのは、正義を守るなんてアサハカで空虚で立派な心からじゃないんだ。ホントのところ、人間の心に深く根ざした闘争本能をチクリと刺激したからだけのことじゃないかという気がするんだよ」 「ウム、たしかにそれはあるな。人間なんて不必要に残酷だし・・・・・・わからんもんだ」 「オレを見ろ、ベン。となりのフィアット、美人だぞ。肩の線がキレイだ。あれハムちっとして、良く熟れた桃だ。ウス皮をつめの先でむいてがぶっと食うと、ジューッとしたたるあのうまさだ。ウーン、頬の知的な線、湖のような目も上等だ」 「いや、オレはもちっと細くないとダメなんだ。いいのはわかるが、あまり利口そうなのもな・・・・・・」 「オット、次の出口だぞ。おりて右だ」ターゲットは5枚、それも小さいものにした。レストランでは座っているから半身しか見えない。連中のことだから防弾チョッキは着てるだろう。それと.380のパワーを考えるとヘッドショットしかないという気がする。レストランのテーブルの配置を思い出しながらターゲットを立てた。小さなルームなので相手との距離は5mがせいぜいだが、プラクティスは難しいほうが良いので、5mに2枚、7mに3枚セットした。イスとテーブルを置き、座ったままで撃つことにする。テーブルにドンブリを置くとベンがノドチンコを見せて笑った。ターゲットに対して90度の角度をむいて座り、食事のポーズをとる。リラックスして慣れきったポーズが必要だ。 「こんなもんかな、ベン?」 「アー、どう見ても不良東洋人だ」 テーブルの下の左足を、右足のひざに乗せる。左手でさりげなくジーンズのスソをたくしあげアサルトシステムのアンクルホルスタからM84を抜く。ハンマーは起きてセフティをかけてある。左側のターゲットから見えないように右手のM84を腰のあたりに位置した。これがポジションというわけだ。 「ウム、そんな動作で充分だ。こっちから見ていて、何をしてるかまったく分らん。ただ左の腕をテーブルに乗せるともっと自然になるし、右手が自然に見えなくなる」  と、ベンがアドバイスしてくれる。早い動きやギコチナイ動きは目立つ。ゆっくり自然に体を動かして、いつのまにか手に銃を握っている必要がある。これは反射神経ではなく演技力がものをいう。 「よし、ベン。タイマーを押してくれ」  食事の、ちょっとくつろいで何かを考えているふうを装って、右手にかるくベレッタを握り、左手はテーブルに乗せた。足は組んだままだ。不安定ではあるが、足を踏ん張る時間などないかも知れないのだから慣れておきたい。  ブザーが鳴った。物音たてずにさっとターゲットに向き、右から一発ずつヒットする。M84は快調だ。いささかの不安も感じさせない。びしっと鋭くほえ、.380独特の爽快なリコイルがあり、エジェクションポートから次々とエンプティケイスが飛び出す。 「全弾ヒット。3.28秒だ。いいな」 「リビューしてくれ」  プロタイマーは、銃声を聞いてタイムを出し、一発目からずっと記憶しているので、ボタンを押せば何発目が何秒で次との差は何秒というふうに分かる。“シューターズフレンド”と呼ばれる便利なタイマーだ。  1  1.08秒  2  1.66秒  3  2.33秒  4  2.80秒  5  3.28秒  3.28秒・・・・・・・敵が油断していて銃がホルスタに入っていれば、逆襲されずに5人の脳ミソを破壊できるが、銃を手にしていれば、3番目の脳ミソが働いて、こっちがやられるのは間違いない。5人のボディでよかったら1.7秒ですむのだが、ヘッドとなると一発ずつキチンと狙うため3.2秒と長くなる。しかしなんとか2.5秒に縮めたいところだ。  プラクティス、プラクティス。その繰り返しが腕前を上げてくれる。ベンがタマをマガジンにつめてくれるのを次々と空にし、20箱もあった50発入りのタマが残り少なくなる頃にはコンスタントに3秒を切れ、調子のよいときは2.28秒というのまであった。PPK/SもP230も同じように撃ってみると、PPK/Sは小さすぎて握りにくく、キックも強いのでわずかに遅れ、P230は、それよりはるかに撃ちやすく感じた。  室内でただ眺めていると、PPK/Sに圧倒されて安っぽくさえ見えてくるM84だが、いざ撃ちはじめると強くなる。特にPPK/Sよりも6発多く入るマガジンは、安心感を与えてくれトリガーも早くなる。ちょっとくらいミスってもバリバリ撃てると思うのでリラックスするのだ。 「なるほど、ブレラ84はいいなあ!」  と、ベンも気に入った。 「あのな、そのブレラと呼ぶのをなんとかしてくれないか?」 「なんで?アメリカではみなブレラ、またはブレタと呼ぶんだぜ」 「しかしな、イタリアではベレッタと発音し日本でも同じなんだ。ところがこっちでいくらベレッタといっても通じないとは変じゃないか。ニコンをナイコンとか、ミノルタをマイノルタなんて英語はキチガイだ」 「そんなこと言ったらお前、日本人はTHANK YOUといわず、SUNK YOUというじゃないか。そうなると『お前沈んだ』という意味だぜ。レイディとレディをゴッチャじゃないか。エ?どーなんだ、エ?」 「あのなあ、それはTHとS,LとRなんて変わりもしない音を勝手に分けるエーゴがアホなんじゃないのか、そうだろが?」 「夕日の当たるレンジで心地良い疲労感を感じながら、互いに悪口を言い合って楽しんでいるとき、ベンのポケットベルが鳴った。ベンはダッジバンに走って無線のスイッチを入れる。  机の上のM84は紅く輝き、強く大きな影を引いて重く見える。急に逞しくなったような頼もしさを感じてじっと見入っていると、ベンが大きな体をゆすりながら駆けて来た。姿を見るまでもなく、その足音から興奮が伝わった。事件にちがいないのだ。 「イーチ、今夜になった!」 「なにが?」 「取引が今夜になったんだ」 「・・・・・WHAT?」 「行けるか?」 「もう6時だぜ、一体何時に始まるんだ?」 「8時だ。もうチョッパーが向かっているぞ。だからここからシスコに飛ぶ・・・・・・」  ベンの言葉が終わる前に、山あいの彼方にバルバルというヘリコプタの音がして、ずんぐりとした姿でつんのめるように突進してくるのが見えた。  夕日を背景の眩いシルエットだったが、悪い予感がした。ダバダバダバと地面に強力な風をたたきつけながらまっすぐにおりてくるさまを見ている内に悪い予感が黒雲のように大きく広がってきた。     銃撃戦 9月28日  PM8:00 チャイナタウンの暗がりにパークしたスワットバンの中で、野菜三度とミルクの軽い食事をしながら情報を待っていた。ゲイリーとベンは厳しい顔つきになっている。  麻薬の取引は難しい。特に初めての相手の場合、互いに信用しないため罠を恐れて取引場所には神経質になる。今回も一週間後のはずが5日間も早くなり、それを断ると疑われるため応ずる作戦になったらしい。 「中型のバッグを持った男が2人、今入った」  と、レシーバーに耳を当てながらゲイリーがいった。 「2人とも東洋人、布製のスポーツバッグを持ち一人は緑色、もう一人はエンジのジャケットを着ているが奴等の一味かどうか分からない。25歳と35歳くらいだ」 「だとしたら、マシンガンが2丁と見て良さそうだな。M84対イングラムなんてつらい勝負だ。しかもレストランも変わり見取り図もないときたもんだ。天下のFBIも、この中華街にはお手上げだな」 「いいか、勝負なんて考えるなよ。君はただ見守ってりゃいいんだ」 「もちろん、もう丸腰で行きたいくらいの気分だよ」  しばらくの間、レストランに出入りする客の実況中継が続いたが、特に怪しいのはいないようだ。ゲイリーは、入った客、出た客の特徴をノートしながら、常に今中に何人の客がいるかを教えてくれた。この作戦のために30人ものエージェントが働いているのだ。この日にレストラン”華苑”に出入りした客は、隠し撮りをされ車まで尾行がついてナンバーを控えられている。出入りする客は東洋人ばかり、たぶん中国人ばかりなのだろう。  PM8:50「チェイン・ヤングと仲間一人・・・・」とゲイリーがノートにかいた。チェインはエージェントだ。仲間はディーラーのひとりなので守る必要はない。  3分後、ゲイリーが目配せしながら、小さなライトの下に『ナンシー、マイコ、ゲイブン“華苑“に入る』とかいた。 「来たかっ!」  ベンが外をうかがってドアを開けてくれたので、ゆっくりとスワットバンを降りた。暗がりで見るスワットバンは、どう見ても水道工事用にしか見えない。  Tシャツ、ベルトなしのジーンズ、擦り切れたゾウリ。ボォーッとした顔つきの男は一瞬にしてチャイナタウンに融合したようで、誰も気にとめない。それでも、ネオンの下のショーウィンドウなど見るふりしながら、ガラスに移る街を観察し、尾行がないかを確かめながら“華苑”に向かう。  グランドストリートは、チャイナタウンの中央を貫く賑やかで明るい通りで、土産物屋と食堂がぎっしりと並ぶ。9時になっても人通りは多い。“華苑”は、グラントから2ブロック外れたところにあった。わずか100mしか離れていないのに、ウソのように静かで暗かった。腐敗の臭気が沈殿し、もの臭くなるような体臭と気配があった。終戦後の日本の闇市にかいだ祖国の臭いと同質のものだ。  小さな古びた看板はペンキがはげていて、やっと“華苑”と読めた。アメリカに渡って、まずは小さな食堂からはじめ、やがて一旗あげようというという意気込みと希望が“華苑”という文字の中に、はちきれそうに充填されているような気がした。大変なことなのだ。アメリカで東洋人が根を張るということは。  仕事はスリリングではあるが、危険はなさそうだし麻薬取引を目撃できるという好奇心で引き受けた要素もあるので、どこかで楽しんでいるのじゃないだろうかと思いながら狭い階段を上った。左の足首でM84が、右の足首ではPPK/Sが揺れた。10mもある長い階段を上りきると便所を思わせるような小さな扉が開いていて、閉まらないようにダンボール箱を置いてあった。入るとすぐ右にキャッシャーがあって、正面にはつい立が立っていた。左の方がキッチンで右側が客席のようだ。奥行き5m、幅8mと天井のコーナーを見上げて頭に入れた。メガネをズリ下げ、アゴを少し前に突き出して口を半開きにして立っていると、キッチンの奥から50歳位のおかみさん風が料理を持って出てきて、中国語で何か言いながらアゴで客席の方をしゃくって見せた。どこでもいいから座れといっているらしい。つい立の左側を廻ると客席を見渡せた。左の奥に丸いテーブルがあり、そこに女がひとり、男が4人座っていた。チャイニーズギャングの親分の息子の女、ナンシーと2人の用心棒、それにFBIのチェインと連れの男だ。ホホー、なかなかの美人だ。細いあごに軽薄な感じがあったが、目の大きなすらりとした体つきは人目を引く。固太りの用心棒が鋭い視線を送ってきたが、すぐにチェインの方に目を向けた。右の方からも視線があった。ぎょろりと見渡しがてらそっちを見ると、右の隅に緑とエンジのジャケットが座っている。2人とも右手を左の脇の下に入れたままだ。しばらく目が合ったが、2人は安心したように視線を外した。ずり落ちたメガネと半開きのだらしない口は心の奥でも覆って隠す。どうやら関門をパスしたらしい。他に客は5人いたが誰もこっちを見ず話し込んだり食べたりしている。あまりボケーとしてもいられないので、手近な2人用のテーブルに着いた。つい立の方に向いて座った野で、左手に客全部が見える。右奥の2人まで5m、まずはプラクティスのときの形ができた。  おかみさんがぺらぺらのメニューを突き出して、何か言った。汚れて皺皺になった汚いメニューからなんとか八宝菜という文字が読めた。指でさしながらあーあーとメニューを向けると、お上さんはうなずいてメニューを受け取った。わかったという合図らしい。ただの間抜けの無害な男にまでなってしまった。  左手でアゴを支えながら左手の天井の辺りに視線を固定して、視界のはずれに入っているナンシーと用心棒、それに緑とエンジのジャケットを観察する。怖いのは緑と園児だ。右手はずっと脇の下に突っ込んだままで、左手だけで食べたり飲んだりしているのだ。しかも2人ともひざの上にはジッパーの空いたスポーツバッグを乗せている。視線も鋭く、絶えずサーチライトのように周囲を見回しているのだ。この連中は人を殺しても何の痛みもなく、ぬくぬくとマージャンをするのだろうと想像したら、腹の底から負けん気と闘志が沸いてくる。ケンカでも吹っかけたい気分だ。  視線を天井に固定しながら、ナンシーの用心棒2人を探る。天井を見上げているように見えるが、その実、視界に入るものすべてを見るというのは、憲法の技の一つ“八方目”というやつだ。視線、殺気、気配など一切感じさせずに相手の心まで読み取ることまで可能だ。  察するところ、その2人は腕の立つ用心棒ではない。ギャングの幹部らしい落ち着きを見せてはいるが、ファイターとは思えない軟弱さが表情から読めた。ナンシーは神経をチェインの方にすっかり向けていて、周囲のことには無関心だ。武器を身につけているとは思えない。その白い顔にM84のフロントサイトがかぶさるのを想像する。この白く美しい顔を撃つと言う事は、いったいどういうことだろうか・・・・・・と考えているところに八宝菜とチャーハンを持っておかみさんが来た。「あ、あ」と目で感謝をあらわすとにっこり笑った。苦労してそのために頑固になったようなところがあるが、笑うと優しい。  そのおかみさんの目が入り口に移って、頷いた。つられて見ると、そこにSFPDの警官が立っていた。東洋人だ。 「・・・・・・・!」  バカなっ!と思う間もなかった。緑とエンジのジャケットの男たちが、黒光りする大型のオートを抜くのがスローモーションのように見え、ポイントするまでの静寂がウソのようだった。いきなり、部屋は目の前が白くなるような音の衝撃に満たされ、耳の奥に激痛が来た。立て続けに轟音がおこり、警官はよろめいた。そしてコメカミから液体が溢れ出した瞬間、くらげを落としたように床に崩れた。自分でも分からない、気がついたときはキッチンに飛び込んでいた。小さく開いた戸の隙間から成り行きを見た。チェインと仲間はりぼるばを抜いて、撃った男たちに向けようとしていた。お上さんは警官の体に覆いかぶさって泣きわめいていた。いきなりナンシーの隣の男たちがチェイン達を襲った。目を空けていられない位の音がした。耳がキーンとなって会話も聞き取れない。5人お客は床に伏せて、生きているのか死んでいるのかも分からない。ガンガンという文字をタタミほどの大きさでかいたほどの音が続いた。静寂・・・・・・・。おかみさんの泣き声が聞こえた。景観はお上さんの息子だったらしい。たまたま立ち寄ったのだ。事情を察したらしい5人のギャングは、呆然としたが、幹部の一人が2人の用心棒に何かを指示した。用意jんぼうはオートをホルスタに入れて、バッグからUZIサブマシンガンを取り出した。2人共だ。チェインたちも倒れている。幹部はナンシーをせきたてて出口へ向かう。用心棒の2人は落ち着き払った動作でUZIのセフティをOFFにして、一人は握りなおしながら、こっちに歩いてきた。目と目があって。4m、男は平然と近づいてくる。銃は構えずぶら下げたままだ。喉はからからで声も出ない。握り締めていたM84のセフティをOFFにして左手でひきつけ、一歩退いて両腕を伸ばした。ダダダッと扉の向こうで3連射が起こった。同時に扉が開いて、UZIをぶら下げた男が入ってきた。目と目が再び合った。男の鼻先1mにべれったがあった。驚愕の表情を待たずにトリガーを2度引いた。鼻と、そのすぐ上に穴が開いた。倒れる男の横をすり抜けて戸口から客席を除いたとき、再び3連射が起こった。耳は麻痺してもう痛くない。UZIを腰だめにした男は床に伏せた客を無造作に撃ったところだった。バリケードスタンスをとって、ベレッタのサイトを男の顔面に合わせた。男はUZIを軽くスイングして、テーブルの下で伏せているオレンジ色のワンピースに銃口を向けた古江をこらえている2本の白いちょっと見とれたようだ。耳を狙ってM84のトリガーを引く。こっちも見ず、あっちも見ず喜びも苦しみも見せずに男は倒れた。男に銃口を向けたまま寄ると反対側の耳の後ろから、こぶしほどの肉塊が飛び出し、黒っぽく見える血がドクドクと流れ出している。オレンジのワンピースの娘が顔を上げた。丸い顔が泣いている。一秒とそこにはいず、階段の方に走る。見下ろすと3人はゆっくりと降りていた。地面まであと3m。  こいつら、生かして帰らせるか!激しい怒りで震えていた。絶対に許せない。死刑は自分の手でやろうと思った。 「フリーズ!」  大声で怒鳴った。3人が一斉に振り向いた。ギョッとした表情は暗がりでも感じ取れた。 「上がって来い。COME ON」 「あなた、あの2人を殺したの?」  と、ナンシーがかすれた声で言った。キレイな英語だった。 「そうだ、上がって来い」 「あなたは誰なの?」 「通行人さ」 「通行人?・・・・・・とにかく上がるわ。話し合いましょう」  ナンシーが2段ほど上がったとき、後の2人は手にした大きなカバンを4個同時に落として、上着をハネ上げた。ベレッタは右側の幹部-----用心棒たちに皆殺しを命じた男の動きを追っていたので、指に圧力を加えるだけでよかった。銀色のシルバーチップはナンシーの耳をかすめておとこのひたいで炸裂し、延髄を破壊した。立ったまま死人となったギャングは丸太のように地面に落下し、鈍い音を立てた。腰のリボルバに手がさわったかどうかという時、兄貴分が撃たれたので、もう一人の男は一瞬ためらった。どっちみち、階段の上のターゲットは手のひら半分の大きさしかない。暗がりに銃があってその上に目があるというのだから、反撃は無理だと初めから分かっていたのだ。銃を落とそうと思ったとき額に穴が開いた。小さなエンプティケースがナンシーのつま先で止まった。 「DON’T SHOOT おねがい」 そう言いながらハンドバッグを持たず、銃やナイフを見につけている気配はない。困ったと思った。何か武器を持っていて反撃してくれなければ、撃つわけにいかない。先ほどのすさまじい怒りも2人の幹部が派手に落下して死んだせいでさめていた。  ナンシーを壁際に立たせてチェインの傷を見ると、1発が肩を貫通し、2発が防弾チョッキの胃の辺りにめり込んでいる。肋骨は2~3本折れているかもしれないが、命は助かりそうだ。気がついて目を開けた。さすがFBIのデコイとなるだけあってどう見ても麻薬で稼ぐチンピラだ。 「動くんじゃない。骨が内臓に刺さると困る。からな」というと安心して目を瞑った。  幹部2人の死体が狭い階段の上に重なっているのを乗り越えながら、ベレッタをジーンズのポケットに突っ込んで外にでた。両手を上げてゆっくりグラントストリートの方に歩いていくと、最初のコーナーからSWATが銃を突きつけた。黙って立っているとなにか喚き合ってゲイリーとベンが走ってきた。 「ケガ人と死人だらけだ。チェインも撃たれた。助かるから救急車だ」  ゲイリーの指示でスワット6名が“華苑”に滑り込んだ。ベンと一緒に夜道をゆっくりと歩く。まだ膝がガクガクする。「ベン、肩をかせ。まっすぐ歩けない」 「大変だったな」 「まったくだ。いったい、このケリをどうつけるんだろう。世に出せる事件じゃないだろうし、オレもただの通行人じゃすまんだろ」 「ナーニ、偉い連中に任せときゃ大丈夫さ。大統領が暗殺されてもウヤムヤにできる国なんだぜ、ここは」 「自由の国、アメリカか?」 「そうだ」 「そこらで一杯やるか?」 「もちろん」 「・・・・・・あの銃撃戦は何秒だった?」 突然、計算外の警官が上がって来てな。えらい事になったと思ったときにはもうバリバリ始まってよ。最後の男が階段を転がり落ちてくるまで25秒。最初の銃声からラストのやつまで14秒というとこかな。パパンという軽い音がしたとき、オレはニヤッとしたぜ。そして次の一発でタイプライターがやみ、3秒後にはフリーズとしゃがれた声が聞こえたな」 「ふーん、14秒のファイトか」 「ナンシーを撃てなかったな?」 「まあな・・・・・」 「・・・・・いい女だった。ちょっと細めだったが、気に入ったね」  沈黙のときがあって、飲み屋が見えてくるとナンシーの顔を遠い人のように思い出した。  ウワー、やっと終わった。 君、全部読んだの?ゴクローさん!  いつもショートストーリーで初めも終わりもないので、今回は4日もかけて小説にしてしまったのだ。銃のフィーリングは小説の方が伝わりやすい気がしてね。  それと、登場人物はすべてカクーのものですから、UZITA君も怒らないこと。  ではまた・・・・・。   イチロー。

こ、こ、これは長かった~・・・。でもイチローさんの若かりし頃の作品に愛をこめてコピーしました。 喜んでもらえたでしょうか?                   
TROOPER

うわ〜!!ヽ(^。^)ノ
こんなのすっかり忘れてた〜
よくまあ書き起こしてくれたね〜
あんがとーん♪

でも今日は読んでいる時間がないので
後日読むことにするよん。
市  


Posted by 市 at 23:05Comments(10)記事

2014年02月01日

小説 「M59」

市 (2014年02月01日 09:25) │Comments(14)記事


☆フレスノへの道☆
私はフレスノPD(ポリス・デパートメント)のファイアアームス・インストラクターである、ジュリアンという男に会うために、インターステイト・フリーウェイ99を南に向かっていた。
ジュリアンとはFBIのスクールで知り合った仲で、いわば同期の桜といったところだろうか。あの一週間で、カリフォルニア中のインストラクター達と知り合えたので、これからは暇をみてはあちこちのPDを訪れてみたいと思う。
なぜ、真っ先にフレスノPDを選んだかというと、たいていのPDはリボルバーを採用しているのに、このフレスノPDは珍しくオートマチックであるS&WのM59を500人ものオフィサーに持たせているからだった。アメリカン・ポリスはリボルバーと決まっているような今日、なぜフレスノPDはM59を採用したか?その利点と欠点は何か?そんなところをこの目で探ってみたかったわけだ。
昨夜のジュリアンからの電話によると、私の訪問に合わせて、わざわざトレーニングをやって見せてくれる上に、夜間のポリスカー同乗もさせてくれるということだった。
なんと楽しみなことではないか! 良い友達は作るもんです。

朝寝坊な私は、今朝もゆっくりと眠ったので、ベニシアの家を出たのは、もう午後になってからだった。ベニシアからフレスノまでは、車で4時間はかかるため、フレスノが近くなる頃には陽が落ちて、暮れかけた青空の下には黒々としたアメリカの大地が、とほうもなく広がっていた。
ふと、ランドクルーザーのルーム・ミラーを見ると、一台の車がこちらに向かってグングンと距離をつめてくるのが見える。右側車線を走るにしてはスピードが気狂いじみているのでなんとなく気になって、私はルーム・ミラーをのぞきこんでいた。
そのフォード・カプリは私の15m後ろまで突っ込んでくると急に速度を落として、私と同じ100キロの速度でピタリと追ってきた。「まわりに一台の車さえ見当たらないのに、15mしか車間をとらないとは……、これはおかしい……」。
すると、突然、助手席の男が、右のウインドーから右手を突き出して私の背に向けた。「ハッ?リボルバー!?」陽は落ちていたがまだそれくらいは識別できる明るさだった。
私は自分がエモノになっているのをはじめて知った。
「クソッ、そうは行くか!」
私はグイッとばかりに左の車線に入ろうとしたそのときだった。
「パンッ……パン、パン」という鋭い音と同時に、私のランドクルーザーの右側のどこかが、ガンッと一度だけ鳴った。
「あまりウマイ奴じゃないナ」私の車の動きにつられたとはいえ、敵の3連射はリズミカルでなく、ぎこちなかったので少しホッとする。
私はアクセルをいっぱいにふみこんだが、ランドクルーザーでカプリを振り切る自信はなかったし、また、そうも考えなかった。
どこの誰だか知らないが、こんなマネをする奴等を生かしておく必要はない。私はハンティングをやらないかわり、こういった人種ならいくらでも平気で撃ち殺せる性格なのだ。
「戦うまでよ……」。
私が左車線に入ったため、ねらいをつけにくくなった助手席の男は身を乗り出して私をねらい、同時に敵の車も左車線に入ってきた。私はフイッと右側に入るまねをして、センターラインをまたいだあたりから急に左車線に戻ろうとした。
とたんに、再び3連射が私を追った。第一弾は外れたが、2発目はサイド・ミラーに穴を開け、3発目はリア・ウインドーからフロント・ウインドーの右側をズボッとばかりにブチ抜いた。カー・ウインドーは粉々にこわれるものだが、銃で撃たれると見事な穴をあける。「どうも357マグナムらしい」。
3連射で2回に分けてアタックするとは、一応ハンドガンの撃ち方を習った奴らしいが、あわれリボルバーは6連発。
敵があわててシリンダーをスイングアウトしているときが私のチャンスだ!
私は前方を見て、フリーウェイが一直線なのを確かめながら左手でステアリング・ホイールを固定させ右手でシート下にあるM59をつかみ出し、銃口でリア・ウインドーを開けるためのスイッチを押し下げながらハンマーをコックした。
M59はダブル・アクションなので、そのままトリガーを引いても撃てるが、わずかでも時間があるのなら、やはりコックして撃つべきで、それによって第一弾目をより正確に撃てるのだ。
私は上半身をねじって、後方の敵をM59でポイントしながらアクセルを閉じた。
敵もさるもの。私のハンドガンを見たドライバーがなにやらわめくと、タマをこめていた助手席の男も一緒に、車の床にへばりついて見えなくなってしまった。
私がアクセルを閉じたので、カプリはあっという間に6mまで近づいたが、敵もアクセルをゆるめたらしく、それ以上は近づかなかった。
私はカプリのラジエターに向かって、2秒間に3発ぐらいのゆっくりしたテンポで8発撃った。ガンッ、ガンッ、ガンッ……。とM59は鋭く吠えて、耳がキーンと鳴りだした。
敵の車はエンジン・ルームから、真っ白な湯気を激しく吹き出した。そう長くは走れまい。
ゆっくりとした8連射の後、私はチラッと車の前方を確かめておいて、M59のねらいをカプリのステアリング・ホイールのやや上につけて待った。
敵も、車のエンジン・ルームに8発ブチ込まれてはなんとか手を打ってくるだろうし、ヒョッとしたら、運転手のなま半可な知識が私の銃をガバメントだと思ってくれるかも知れない。実は、それを誘うための、ゆっくりとした8連射だったのだ。
はたして!  私のM59のフロント・サイトの上に、ヒョッコリと運転手の顔が現れた。M59をガバメントだと勝手に思いちがいをして、車の床にへばりつきながらステアリングを握りしめ、必死に銃声を数えていたまぬけ面だった。
ラジエターから吹き出す湯気でかすみがちなターゲットをポイントした私は、初弾に特に注意をはらいながらガガガンッ!  と3連射を浴びせた。運転手の顔のすぐ前のウインドーにはズボズボッと穴があき、その内の一発は確実に、そのまぬけ面を貫いた。
近距離でのコンバットでは、いったん撃つからには2連射、または3連射で撃つもので、英語でいうところのメイク・シュア(念を入れろ)というやつだ。腕に自信があっても一発でカタをつけようと思ってはいけない。
運転手をやっつければ、もうこっちのもの……、私は口笛でも吹きたくなった。M59のマガジン・リリースを押してマガジンを落とし、ベルトにはさんであった14連のマガジンを押し込んで再び振り返った。
両方とも車のスピードは40キロくらいに落ちていて、カプリの中では、リボルバー男が助手席から手を伸ばして困りきった表情で運転していた。
男はステアリングを右に切って逃れようとしたが遅かった。私のM59は狂ったようなスピードで9mmパラをカプリのウインドーに15発たたきこんだのだ……。 相手の車は、相変わらず私の後を追って来ていたが、もう中には運転するものも居なければ、私をねらう者も居なかった。ただ、ラーマの357マグナム・リボルバー、コマンチが3発だけタマの入ったシリンダーをスイングアウトしたまま残念そうにころがっていた……。

ナァーンちゃって、M59の多弾数によるファイア・パワーを空想している内に、フレスノに着きました。ヒルトン・ホテルにチェック・インでーす!



マルパソより
ナゼダラウ、なんだかココロの隅っこがチクチクと痛むような痛まないようないたたまれないようなイタタタタなようなアイタタタタと、不思議な痛みが広がりだしますてね。
(;;・ω・;) ウウウ
マッチ売りの少女に傘ハリの内職までさせてるよーな、真冬に子どもに手洗い洗車をさせてるよーな、チョッピリの角砂糖でハードに材木を運ばせているゾウ使いのよーな、、なんだかビミョーなココロモチ・・(なんだコレ)。
(;;^~^) タツセナシ
なのでね。
胸の中のモヤモヤを中和すべく、イチローさんの小説の中でも大好きな作品を書き起こしてみますた~。
当時16歳でした〜!
(ノ∀`;) エヘヘヘヘ



市より
ハア〜ァァ(*^_^*)
駆け出しリポーターの作文って
感じだね〜(^o^)
ほほえましぃー(∩.∩)ふっふっふ♪

この頃はカネがなくってね〜(^_^;
中古服屋で1ドルのジーパンを買って
はいててね〜(^0^;)
これが時代遅れって読者に嘲笑され
ましてね〜(^_^;)

ワシには流行感覚ってないので
どの時代にどんな服を着てもいいと
想っているので笑う奴の気持ちが
まったく解らなくてね〜(^○^)

なにしろ1ドル=250円のパンツは
魅力でしたからね〜(*^^)v

なつかしぃ〜(^_^)
ふっふっふ♪

マルパソよ、なんじの罪は消滅した。
これで心すこやかになろう。(^-^)/  


Posted by 市 at 09:25Comments(14)記事

2014年02月01日

小説「 SIG PRO」全編

市 (2014年02月01日 02:40) │Comments(15)記事


事件や災難といったものは、前ぶれなく突発的おこるものだ。日頃の平和な生活の中で考える「死」は、現実感などなくて、遠い未来のことか、または他人事くらいにしか思えない。 しかし、長い人生のある瞬間、それも唐突に、人はどうしようもなく災いの渦に巻き込まれてしまうことがある。まるで運命のツメに引っかけられたように‥‥ 先日、こんなことがあったのだ。最初のところから詳しく書いてみるよ。 6月28日の夕刻、ワシはサンフランからサンディエゴに飛行機で飛んだ。 空港で、ニューハンプシャー州から着いたばかりのジム社長と落ち合った。 ジムは、ウィルコックス社の社長。秘書のバーバラと営業部長のボブも一緒だった。 大型のペリカンケイスが3個、スーツケイスは四個とうい大荷物だったので、社長はクライスラーのミニヴァンをレントした。 “ハイアットリージェンスィーなんてイーチの気に入るかな‥?” 7人乗りのゆったりしたミニヴァンでダウンタウンのホテルに向かう途中、ジムがワシに聞いた。運転はボブだった。 “そんな高級ホテルは好みじゃないな、そんなカネがあったなら火薬とブレットを余分に買って、もっとカップの練習をしたいよ” ワシは、遠慮なしに言った。 “まあ、そう言うなって、ウィルコックスはキミのスポンサーなんだから、ブレットなんか家の床がヒシャげて地面が窪むほづ送ってやるからさ…たまには南キャリフォニアの豪華な空気を吸って、楽しくやろうよ… といっても明後日からはミリタリーベイスに閉じこもっての仕事が続くんだがね…”  ワシは、ウィルコックス社の開発アドヴァイザーだった。特殊部隊向けのプロトタイプができると、それをテストして、改良点を指摘するのが役目だった。 ウィルコックス社には、多くのエンジニアが働いているが、彼らが造った製品が実際に役立つかどうかのテストができる人が居なかった。そこで、スワットやシューティングの経験豊富なワシに役がまわってきたのだ。 その報酬として、ウィルコックスはワシのビアンキカップのスポンサーになり、試合参加の費用などをヘルプしてくれるのだった。 今回の仕事は、サンディエゴの基地でパワーグリップとM4の組み合わせでナイトシュートのテストに立ち合うというものだった。
テストをするのはスィールズの隊員達で、月曜日の夜から始まることになっていた。 サンディエゴには、大規模な軍港がある。空母や潜水艦も多く出入りし、トップガンのスクールもあればスィールズの訓練基地もそこにあった。 “まだ陽も高いし、どうだ? ホテルに入る前に国境線でも見物するってのは…” “まあ、いいわね、私初めてよ…” と、若くて美人のバーバラがはしゃいだ。 “よーし、じゃあ、そこのフライドチキンに寄って、チキンナゲットとアイスティーを買おう。遠足気分を出そうってわけだよ”  それを聞いたボブは、機敏にミニヴァンを駐車場に停め、チキンを買うためにサッとクルマを降りた。営業という仕事がらなのか、頭の回転や身のこなしも良い。 “ヘイ、待ってよボビー、私も行くから…”  バーバラが小走りでボブの後を追った。 “…可愛いよね、バーバラは…” と、ワシはあたりを見回しながら言った。 “ウン、あれで頭の回転も良いしね…忙しい時の残業や土曜出勤もイヤがらずにやってくれるんだよ” “仕事を大切に考える女は、男もそうだけどさ、やはり魅力があるよね…” そんな会話をしていた。 あたりには人がいなかった。 駐車場には一台のクルマさえ見えない。日曜日の午後はヒマな時間帯らしい。その静けさが気になってワシは外に注意を払っていたのだ。 そして。 まさにその時だ、一台の古いワゴン車がゆっくりと現れた。そして、植え込みの向こう側に停まった。50mほど離れていた。 チキンを買う客だったら、もっと近くに停めるハズ。かと言って他に店があるわけでもなかった。樹木がさえぎっているので見えにくかったが、ワシもジムもジッと観察した。 “あのエコノラインは、30年モノのアンティックだよジム…” “…よく知ってるな…” “モーターサイクルをアレに積んで野山に出かけるのが夢だったんでね…” “…だけど、今どきあんなのに乗ってるヤツは、犯罪に関係してるのを宣伝してるようなもんだぜ…” ジムの言葉は、半分真剣だった。 そして、その時、別のクルマがエコノラインに寄りそって停まった。これも年代モノだった。60年代の大型なアメ車だった。 ワシはスッとウィンドウから顔を退けた。ジムも同時に同じことをした。 何が起こるか、あるいは何も起こらないのか知らないが、あの連中と視線を合わせるのは不必要なことだった。

ジムとワシは、後部座席に乗っていた。 ジムは、片目だけ出して監視を続けようとしていた。 “ヘイ、ジム、ガンを出そう!” ワシは、そう言いながら、後部のトランクルームに這い移った。 “ウン、コンビネイションは2011だ、M4はあるがタマが無い。右側のペリカンを開けてくれ、そこにピストルがある。タマもそのあたりにあるはずだ” ワシは手早くロックの数字を合わせてペリカンケイスを開けた。三角形の角のまるいソフトケイスがあった。それを持ちながらタマを探した。フェデラルの箱があった。 “フォーティスミスでいいのか?” “アー、それだ、でもマガズィンは空だよ” ズィッパーを開けてソフトケイスからガンを出す。見たこともないピストルだった。 SIG P2340とスライドに刻印が打ってあった。 タマの内側を逆さにして50発のタマを床にまいた。右手で10発ばかり握ってマグに詰める。12発入った。もう一つのマグもフルにする。残りのタマはポケットに入れた。 “OKジム、アイムレディー‥” ワシはジムの背中に向かってそう言った。このときは、まだジョーダン半分で、遊びを兼ねた訓練の気持ちでいた。 しかしタマと銃の準備ができたのは安心な気持ちだった。この国アメリカでは何がいつ起こるか判ったものではないからだ。“…さすがに手慣れたもんだなイーチ、オレはヤツラの様子を見ることに気を取られて、ガンを出そうなんて考えなかったよ” “イヤイヤ、これはコンバット気分の遊びというもんよ” “だがな、その心構えってのが大切さ…なにしろヤツラは麻薬ギャングだからな…” “えっ!売買の真っ最中か?”“ビンゴだぞ。でかい箱をセダンの方が受け取り、エコノの方は紙袋だ。バイヤーは後から来たヤツラだな…あそこに停まったのは道路の両側を見張りながら取引ができるからだろう。賢いやり方だ…” ジムの背後から、のぞいて見た。 二台のクルマは、窓越しに何かを話しているようだった。 “こっちのこと気にしないのかな?” “クルマが空だと思っているんだろ” “そうか…ところでジム、このガンは何だ?” “オー、スィグプロのことか…それは、今月のNRAショウで発表されたはずだよ。ウィルコックスには、もっとずっと前からあるけどね…ミリタリーはすでにテスト中で、レイザー用のマウントをウチで造ったところさ”
“あーホントだ、レイルが切ってある…でもストッパーになる切り込みがないぞ…ガンを撃つと、反動でレイザーは前に滑ろうとするんだが、このままじゃスッポ抜けないか?” “ウン、じつはそのことをSIG社に伝えたんだが、あんまり反応がなかったな…よく判ってないみたいだった…ただし、言えることはだ、これでグロックは終わりかもしれんということだよ…フレイムを良く見てくれ”  ワシは、明るいところにピストルを移してよく観察した。質の良いパーカーライズかと思えたフレイムには少しのヒケがあった。  それはポリマー射出成形したときに温度変化でおこる現象だった。それにしても見事な造りだと思った。グロックのような安っぽい印象がまるで無いのだ。一目でポリマーだと見破る人はいないかもしれないーー それほどキッチリとしたフレイムなのだ。 “なるほど…これは良い出来だな…ワリと小ぶりだが229よりは大きそうだな…” “アー、ちょうど229と226との中間だ、良いサイズだろ?それで値段は600ダラを切って売るそうだよ” “ナニ?600ダラ以下だって?…それは安くきたもんだ、そりゃ売れるよ、同じような値段なのにグロックやベレッタを買うのは賢い判断じゃないもんね”  ワシは、手にした「スィグプロ」を驚いた気持ちで眺めた。  世には、多種のピストルが存在する。そして、今市場にあるピストルの中で最も優れたモノと言えばSIGなのだ。  SIGが一番だと考えるのはワシの独断ではない。FBIもミリタリーも、一般のポリスもガンスミス達も、知識のある人だったら異口同音にそう言うだろう。 では、スィグのどこが良いのか?ピストルの能力を判断するとき、大切なのは次の三項目。 1:頑丈信頼できること。 2:使いやすいディザイン 3:よく当たること。  故障せず、ジャムせず、多様なタマにも対応でき、人が実際に撃って使いやすく、そして命中精度の高い銃ーーこれが理想のハンドガンなのだ。 スィグのピストルは、これらの三項目テストで抜群の性能を持っている。 ガンショップから100丁買って、箱から出し、いきなり1000発撃つーーそんな競争をしたとする。実際にそんなテストはしたことないが、個々の銃を撃っての印象から判断すると、以下のようになると思う。 1位 SIG226 2位 ベレッタ92F 3位 H&K USP 4位 グロック17となるだろう。
2位以下はダンゴ、SIGだけがトップをヒタ走るーーそんな結果が出るだろう。 FBIやスワットやスィールズの隊員達がスィグを選ぶ理由は、その信頼性ゆえなのだ。 トゥリガーを引くと毎度確実にタマを突進させてくれる銃。 これこそ闘いにおける真の相棒なのだ。  では、なぜ、みんなSIGにしないのか?答えはただひとつーー値段が高いから。  ミリタリーや警察などには予算がある。大量に買うので安いほど良い。質の問題は値段の次になるというわけなのだ。 ただし、実際の闘いを仕事とするスワットや特殊部隊はケチなことを言わない。武器の性能こそ最優先なのだ。 “命は買えない。なんでも良いから最高のピストルを買えっ!” だから予算も出る。  ドイツのサワー社を傘下にしたスイッツァランドのスィグ社。世界一の工作機械を備えて、最高の銃を造る。工場の立派さも圧倒的で、ベレッタもH&K社も完全に負けている。ただし、SIGのモノは高価だ。 良いモノは、造るのにカネがかかるので定価も高いーーこれは当たり前のことなのだが、SIGが一般的に普及しきれない理由は、その値段あるわけだ。“いつまでもベンツのようにカラ威張りしていては将来が危ない。日本車のように買いやすい値段の高級車をつくるのだ” SIG PROは、そういう思想から造られたピストルらしい。 …スライドの造り、グリップの造り、サイトの造りーーすごく良い、上等だ…  いつしかワシは、スィグプロの観察に没頭していた。チェンバーのランプ部にはタマが滑った跡があった。においを嗅ぐと、そう古くない火薬燃焼の香りがあった。テストファイアをしたという印だった。 “ヘイ、イーチ、ボブとバーバラが戻ってきたぞ、出発だ” ジムが言った。 二人は紙袋とアイスティーのカップ4個乗ったトレイを抱えてニコニコしながらやってきた。内側からドアロックを解いてドアを開けてやった。 “待たしてゴメーン、客は他に居なかったのにノロいのよね、作るのが” バーバラはウキウキしていた。“待ってる間にコッチは、麻薬取引を見物してたんだよ、危うくイーチとやつらが撃ち合いになるとこだった” ジムがジョークを言った。 “まあ、ホント?” バーバラは、思わずといったかんじで周囲を見渡し、二台のクルマを発見した。そしてジッと見ていた。
“コラコラ、あんまり見ちゃいけないよ、襲ってくるかも知れないぞ” と、ワシも冗談っぽく言った。 ボブがクルマを発進させた。いったんバックして停まり、ハンドルを切って道路の方に向かう。本道に出るとき、問題のクルマに20mまで近づいた。  平べったいアメ車の中には4人の人影が見えた。助手席の男が双眼鏡でまっすぐにこっちを見ていた。そのレンズが紫色に光った。   ハッと、呼吸が停まった。 “ボブっ!ハーリアップ!飛ばせっ!”  ワシは強い命令口調で言った。胸がドキドキっとした。ボブは、うなずいてグイと加速した。ぐんぐんとスピードは上がった。あっと言う間に200m離れた。振り向いて見るとアメ車はロールしながらこっちを向こうとしていた。 その動きはスローに見えた、が、後ろのタイヤと地面の間からは薄い煙が吹き出ていた。  ワシだけではなく、ジムも皆も、事態を察して無言だった。 ボブは、アクセルを床まで踏みつけて前を睨んでいた。時速130キロでガランと空いた大通りを走っていた。アメ車は、300m後方にあった、が、距離は少しずつ詰まっているように見えた。 “あの走りは改造エンジンだ、追いつかれるぞ、どうする気なんだ奴らは?” と、メカに詳しいジムが言った。 “道を聞きたいとか、アイスティーを分けてくれとか、そんな用じゃなさそうだよ” ワシは、そう答えた。  もう腹はくくっていた。 避けられない危険に遭遇した。ここで落ちつかなければ死ぬのだと思った。これまで習得した闘いの技術と戦術をフルに活用することでしか、この突然の危機を乗り切れないのだと思った。 奴らの作戦は単純だ。クルマのパワーを駆ってこっちに近づき、マシンガンやショットガンでバリバリ撃つ。停まったところでさらに撃ちまくって皆殺しにして立ち去る、いやバーバラを誘拐するかもしれないーーそんなつもりだろう。なにを勘違いして追って来るのか判らない、が麻薬犯罪者の知能なんてそんなものだ。奴らは、兎でもハントするような気軽さで追ってくるのだ。しかし、この狩猟は運の尽きだ。チビでヒョロい東洋人のオッサンの反撃を食って地獄に落ちるのだ! 後頭部が熱くなり、クワッとヘヤが逆立っていた。血液にアドレナリンが加わって、筋肉が増強した。怒りがこみ上げた。 “ブッ殺してやるっ!” ブルンと身体が震えた。快感が貫いた。


“イーチ、奴らはドライヴバイでくるかも知れない、どうしょう?” “ジム、かもしれないなんて考えは止めたほうがいいよ、だって、奴らの方針はマサにそうなんだから…でも任せてくれ” ドライヴバイシューティングーー走るクルマから撃つこと。 アメリカでは年中行事なので皆知っている。 そこはビルや倉庫などが建ちならぶ地域だった。奴らはジリジリと迫っている。ポリスもいなければ通行人も無い。勝負は今だ。ここで迎撃するしかないと判断した。 “ボブ、300ヤード向こう、左のビルにペプシの広告が見えるか?” “ウン、見える” “あの角の手前で急ブレイキ、そして左に曲がれ、曲がったら30ヤードのところで道をブロックして停まれ。ワシが降りる。奴らが曲がってきて、停まりそうになったら急発進して逃げろ。追突されるかも知れないからホールドタイトだぞ。そして街に行き、ポリスに連絡するんだ、いいなっ?” 口早にそう言いながら、ワシはスィグプロのスライドを引いて放す。マグを抜き、ポケットのタマを1発とってマグにこめる。そのマグを銃にインサートし、ロック音を確認してから再びマグを抜こうとした。ロックされているのでマグは抜けない。再確認なのだ。 ちょっと迷ったが、デコッキンレヴァーを下げハンマーダウンにした、とたんに急ブレイキがかかった。急速にスピードは落ちて車体を右にかしげながらミニヴァンは左折して停まった。左のスライディングドアを開けるなり滑り出る。左手に握ったスペアマグをパンツの尻ポケットに押しこみながらビルのコーナー近くに走り寄った。 スィグプロのグリップを握りなおし、左手の親指でハンマーを起こした。 とたんにギャーンとイヤな音を立てながら大型のアメ車が突っ込んできた。そして目の前で急ブレイキをかけた。 窓は前後とも開き、ドライヴァーの男は顔をしかめてハンドルにしがみついていた。後ろの窓からはイングラムを握った長髪の男が乗り出していたが、急停止のために上半身が前にのめっていた。目の前のミニヴァンを疑視している二人には、わずか10mの横で銃を構えているワシの姿はみえていなかった。 スィグの照準はイングラムの男を追っていた。 いつ撃とうかと考えながら狙っていたが、相手が気づいていないのでクルマが停まるまで待った。前のめりになったクルマが大仰にひと揺れして停まった。
フロントサイトは男の横顔をとらえていた。ビアンキカップの10ヤードプレイトそのものだと思った。  トゥリガーを引いた。  スィグプロはカン高く吠える。マック10がガシャリと道路上に落ちた。続けてすぐ横のドライヴァーの頭も撃った。クタリと、男は首が折れたようになってハンドルにもたれかかった。  ななめ後ろの死角からアメ車に駆け寄った。サングラスをかけた男が振り返った。短く切ったレミントンらしいショットガンを持っているのだが、パニックで身体が反応できなくなっているらしかった。サングラスの奥にあるその目は、スリ足で近づいてくる銃口と東洋人を見て絶望の色を浮かべているのだろうか。距離3m、スィグプロの三度目の絶叫。同時に男のサングラスにボツと穴が開いた。後頭部から脳ミソが吹き出すのが見えた。すかさず銃を右に振って後部座席の男を狙った。上下ジーンズ、カウボーイタイプの長靴をはいた男がドアを開けながら外に出ようとしていた。 車内から巨大なルガーのレッドホークを引っぱり出すところだった。いかにも麻薬族の好みそうな銃だった。そのままクルマから出られてはまずいので速射する。ジーンズの尻に2個の穴が開くのがはっきり見えた。男はまるで蹴られたように道路に投げ出された。だが44マグナムは手放さない。呻きながらも上半身を起こして、自分を狙撃した相手を探していた。その目がワシと合ったとき、二発のブレットが胸部に炸裂した。 ハゥーンというような声を出しながらワシをじって見ていた。憎悪なのか恐怖なのか、その瞳には不思議な輝きがあった。その顔面をよく狙って撃った。鼻から後頭部を貫いた弾丸は、コンクリートの道路に当たって跳弾し、ギュインという音を残してどこかに飛んだ。ビクンと男は震えて死んだ。 アメ車の後に隠れながらポケットからマグを抜き銃を地面に置いて交換したマグにタマを詰める。 フルロードになったマグを尻ポケットに入れながら銃を握る。 エンジンの音は聞こえない。ワゴン車の奴らは来ないのだろうか。後をみるとジム達のミニヴァンがまだ停まっていた。三人でじっとこっちを見ている。 ワシは前方警戒をしながら後ろ向きに駆け寄った。 “イーチ、乗ってくれ、逃げよう!” “そうだな、よしっ”
 
 ワシはデコッキンレヴァーを下げながらミニヴァンに飛び込んだ。ボブはアクセルを踏んだ。ワシは後ろを見ていた。
 最初の角を右に曲がろうとした、その瞬間、ワゴン車が見えた。アメ車に追突しないように必死にブレイキをかけていた。
“ちょっと待て、ストップだ・・・” 
角まで走って片目だけで覗いた。二人の男がアメ車の周囲を回っていた。一人はAR15、もう一人はショットガンを片手に落ちつかない様子で話し合っていた。ワシは壁から銃と片目だけ出して狙いながら考えていた。
…どうしよう?…撃てるだろうか…
距離60m、並のピストルだったらフィクストサイトで60mは合っていない。しかしSIGは別格だ。信じられる気がした。
やがて、ショットガンを持った男がアメ車から箱を引っぱり出してきた。そして二人でエコノラインに向かって歩き出す。
…奴らのまるモーケか…だが、ミスってもミニヴァンに飛び乗れば逃げることはできる…
そう思うと、気軽にトゥリガーを引けた。60mといっても人間の平らな背中がターゲットだとサイティングは楽だ。ズダンッ、と小気味良い反動があり、遠くの男はAR15を投げ出しながら倒れた。となりの男は箱をドスンと落としながらこっちを見た。がビルのコーナーから銃と片目しか出していないワシを瞬時には発見できない。うろたえながらも、肩にかけたショットガンを握ろうとした。しかし仲間が突然倒れてから1.5秒という短い間にできることはそれくらいでしかない。片手がショットガンにかかるとき、男の上半身はスィグのフロントサイトに乗っていた。ビアンキカップのプラクティコォを撃つより簡単だと思いながらトゥリガーを引いた。その胸に.40口径のスラグがマッシュルーム化しながら深々とメリこんだ。男は朽木のように倒れた。その脇腹に向けてあと2発打ち込んで殺した。となりの半死体も撃った。
道路上では、もう何も動いていなかった。エコノラインの様子を伺う。フロントを通してリアウィンドウが見え、人影らしいものはなかった。弾倉交換したスィグプロをエコノに向けながらダッシュした。60mを一気に走った。横のドアをいきなり開けて2歩退る。車内の前方から後方をジリジリとクリヤーする。一番奥に女がいた。座って膝を抱くようにしてこっちを見ていた。細くて顔だちは良い。が、どこか卑しかった。怯えた様子だったが視線には獰猛なものがあった。
 “両手をゆっくりとあげなさい”
 胸をガンポイントしながら、ワシは穏やかに言った、が、女は動かなかった。
 “仲間のようにブッ殺されてぇのかファッキンビッチ!”
 思い切り怒鳴った。とたんに女は鋭く動いた。ワシの指は反射的にトゥリガーを引く。
二発目の弾丸が女の胸に吸い込まれるとき、その手には小さな拳銃が握られているのが見えた。倒れこんだところで白い耳に向けて熱いブレットを叩き込む。バッと片目が飛び出した。ひどい顔になって女は死んだ
 耳の奥でキーンという音がしていた。拳銃の発射音で鼓膜がヘンになっていた。ジム達のミニがゆっくりと近づいてきた。デコッキンレヴァーを押し下げた。そして、女のすぐ横にある紙袋を引っ張り出した。中には札束がぎっしりと入っていた。それを引きずるようにしてミニヴァンに駆け込んだ。
 “OKボブ、レッツゲラアウタヒヤ!”
皆で周囲を見た。誰もいなかった。制限速度で現場を離れた。2分も走るとホッとした。たった今起こった、あのガンファイトは夢かと思えた。なんでもない街並みがキラキラとしていて美しいとかんじた。

“ホラ、ミヤゲだジム…”
と、ワシは札束を指差した。
“……すごいショウを見せてもらったぜイーチ、しかし、なんであんな簡単に4人もの男を撃てるんだ。しかもアッと言う間に…”
 “オー、あれはカーチェイスの基本だ。相手のクルマがこっちより早かったら追いつかれて撃たれる。だから角を曲がってすぐに停まる。降りて待ち伏せする。相手は動いているがこっちは銃を構えている。4人くらいだったら5秒もあれば充分だ。
奴らが観光バスいっぱいの人数でこないかぎりは勝てるというわけだよ。まるでキャンプハミルトンでやったスワット訓練を再現したみたいだった。ただターゲットが人形か人間だかの違いでしかなかったな”
“そんなトレイニングまでやったのか? ただ思いつきの作戦じゃなかったんだな、だからあんなにスムーズにやれたんだ。じゃ、最初に角を左に曲がって留まるのにも意味があるんだな?”
“先ずはドライヴァーサイドを狙うこと。運転してる奴はすぐには撃てない。となると、まず後ろの奴を狙えばよい。そしてドライヴァーを撃つ。クルマはマヒする。向こう側の奴らはそれから撃つ、というわけだよ。大切なことは、相手に攻撃の猶予を与えないことだよ。映画のように互いに向かい合って撃ちまくるのはゼッタイに避けるーーこれはスワットの鉄則だ。ネイヴィースィールズだってそのようにおしえるんだよ”
 “ウーン、なるほど…撃ち方がいくら巧くてもダメで、勝てる状況を作ってから一方的に攻撃することが重要なんだな…”
“そう、こっちがいくら撃つのが巧くても、相手が三人とかで正面対決だったらまず勝ち目は無いと考える。それがガンファイトの常識というものだよ”
“それにしても見事なテクニックだった。命を助けられたという実感だよ。まだ震えが残ってるよ、有り難うイーチ…”
“イヤイヤ、ワシ自身のために闘ったのだから礼はいらないよ。でも、なぜ現場に残ったんだ?すぐに行けって言ったろ?”
とボブに非難がましく言った。すると、
“あ、あれは、えー、ボスがそうしろと命令したもんだから…”
と、ボブはジムの方をチラリと見ながら言ってウインクした。
“そう簡単に仲間を捨てられると思うか?”
ジムは強い口調で言った。
“ま、追求しないでおこうか…”
 そう言いながらワシの心は嬉しさに満たされていた。信頼できる友を得たと思った。
ふと気がつくと、まだスィグプロを右手で握っていた。マグを抜き、スライドを引いてチェンバーのタマを膝の間に落とす。ハンマーをダウン、座席に置いた。チェンバーから抜いたタマはマグにこめる。ついでにポケットのタマもひとつひとつ、ゆっくりとマグにこめた。
“このハンドガンがなかったら、今ごろワシラの身体はメリこんだ大量のタマで重くなっていたかもしれんね”
ワシは、そんなジョークを言った。
“いきなり実戦で撃ったわけだけど、どうだった?そいつは良い銃だと思うかい?”
ジムが聞いた。
“ウン、まずグリップが良いね。226は左の上の方が出っ張っていて、あれがイヤだったけど、これはスッキリとしていて小さくて、すごく良いな…リコイルがマイルドに感じるのはグリップのせいかも知れない。ただ、ハンマーのホーンが小さいので起こすとき滑りやすい。スライドリリースは親指のかかりが良いのだけどデコッキンレヴァーはリーチしにくいな。それに固い感じだ。それとマグリリースが下にありすぎて一瞬迷ったよ。でも、まあ、それらは マイナーな問題だ。トータルで言えば最高なピストルのひとつだよ。ベレッタやグロックとは比べ物にならないくらい上等なトゥールだな……”
 小柄でタフ、鋭敏な強打者。スィグ社の新作「SIG PRO」をワシは好きになっていた。

“ところでどうする?警察に直行?”
心が落ちついたところでワシは聞いた。
“それをオレも考えてたんだが、目撃者が居なかったことだし、ほっとこうかと思うが、どんなもんだろう?”
“あ、そうしよう”
ワシは即答した。
“一応、FBIの上の方には言っておくよ、でないと、奴らの体内から出たタマからバレてしまうだろうから”
と、ジムは言う。
“このモデルはまだ少ないのか?”
“少ないなんてもんじゃない、現在アメリカにあるのはたったの10丁だ。SIGのエイジェントとミリタリー関係、あり場所も決まっているから逃げられない”
“じゃ、この奪ったカネも差し出すのか。残念なことだなぁ……”
正直な話、ワシはそのカネを皆で山分けしたかった。4人で分けても新しいランドクルーザーを買うには充分な金額なのだ。するとジムは言った。
“オレは君のスポンサーだぞ、カネのことでならメンドーみるから、そんなモノはほっとけよ。だいたいな、それはニセガネなんだから使いようもないじゃないか”
“エッ?ニセ札だって?”
“ウン、中程度のニセモノだよ”
ジムは、いつの間にか札の一枚を手にして揉んでいた。
“ヤーレヤレ、ボーナスかと思った。喜びかかって損したぜい。バーバラ、ティーをくれないか、ノドが渇いたよ”
アイスティーをゴクゴクと飲んだ。他の三人も急に気がついたように、口にストローを突っ込んだ。
“あー美味いなぁ…”
生命の危険から脱出すると世の中が美しく見え、水でさえ美味しく味わえるものだ。
以前、グロックで闘ったときジャムがありパニックしたことがある。なぜか、それを思い出しながらアイスティーを飲んだ。

“あの…こんなこと聞いてもいいのかしら…あの…人を殺すのって平気なものなの?…殺した後でそんなに平然としていられるもの?いえ、ただ私は、なんというか、驚いてしまって口もきけないほど興奮してしまっているんだけど…”
と、無言だったバーバラがコホンと咳払いしたあとそう聞いた。
ワシは、答えた。
“いつだったか、バーバラは、ペットに付いたノミやダニをつぶしていたよね。そのあとディナーで牛のステイクを食べたよね。つまり他の生命を絶つことには抵抗無いわけだ。ただ相手が人間だということでショックを受けたんだよね。でもね、考えてごらん、生物界で最も危険なのは「悪人」という人種じゃないのかい?奴らは、人間の形をしているけど、中身は獰猛な野獣よりもっと危険なんだよ。弱く真面目な人から奪い、不幸にさせ、殺すんだ。そんな奴らが「人」だなんて感覚はワシには無いんだよ。はっきり言って、奴らを殺すのは喜びだな。自分と人のために闘うというタイプの人間がもっと増えると、その国は平和になると思うんだ。生きるということは、闘いだというのが動物界の原則で、人間達はそれを忘れかかっているように思うんだよね…”
これは、ワシの信念だった。
バーバラは、黙って考えていた。

次の朝、ホテルの部屋に配られたサンディエゴタイムスを広げた。その記事は意外に小さかった。現場の写真さえも無い。
「麻薬ギャングの撃ち合い。7人の死体。その内の3人はFBIが追っていた幹部達。麻薬取引中のいさかいが原因か?ーー」
そんな程度しかなかった。
ワシとジムは、顔を見合わせてニッと笑った。そのときドアノックがあった。朝7時、サンディエゴFBI支局の捜査部長だった。
“お早うチャック!”
ジムが親しげに握手した。
“まあ、ストーリーは電話で話したとおりだが…これがイーチだよ”
とジムが紹介してくれた。
“エッ、ホントにこれがイーチか?”
チャックは意外そうだった。
“君のことはサンフラン支局の連中から聞いている。そして、昨夕は現場も見た。あんなにクリーンなヒットは見たこともないよ。キレイに死んでいた。さすがにジーン ジョーンズの直伝だと驚いていたところだ……”
“だけど、イーチがどんな怪物かと思っていたら貧相な日本人のただのオッサンだって言いたいんだよね”
“エッ?イヤイヤ、貧相だとは思わん、が強そうには決して見えんな。無害な芸術家になら見えるかな…”
皆で笑った。
“どうだ、ホテルの一室に食事を用意させたからブレックファストでも食おうや”
ジムがそう言って立ち上がった。
三人でエレベイターで降りた。ワシは、チャックが抱えている紙袋を上から覗いた。
“…アイワズダンム…コケインの方を奪ってくればカネになったのに…バカだった…”
“エッ?なんだって?……ン?”
横でジムがニヤニヤと笑っていた。

 朝食ではハムにオーヴァーイーズィーを乗せたものを食べた。談笑中に隣りに座っていたバーバラがさりげなく紙片をワシに見せた。それには「今夜9時にあなたの部屋をノックしますわ」と書かれていた。ワシが読み終わると同時にバーバラは紙片を手の中で揉んで自分のポケットに入れた。ワシはフォークを持った右手の親指をちょっと立てる。バーバラは下を向いて微笑んでいた。

☆☆☆
このストーリーは、事実をワズカながらタクサーン歪曲し、トンガラシやコショーやタバスコで味をつけたり、煮たり焼いたりしてあります……と書いておかんとヤバイ部分もあるとですよ。
 ―ヒッシャ―

たまには文章をイッパイ書いてほしい、とコンバットのファンによく言われます。そこで今回はガンバッたのです。オモロかった?
では、またね。 イチロー

後記:
このストーリーは古いコンマガの記事を
信玄君が仕事の合間にガラケーで起こし
てくれたものです。
ワシは、もっと簡単な方法でスキャン
するのだと想っていたのですが、
手打ちだと聞いて驚きました。

いわば手作りによるリストア小説(^○^)

皆さん、信玄君をほめてやってください。

「アホでオモロいヘンタイの関西人の
信玄さん、おおきにな〜(^O^)/」

と書けば信玄君は大喜びするのだと
自分で言ってますから、ぜひそのように
(^○^)(^o^)(^◇^)
  


Posted by 市 at 02:40Comments(15)記事

2014年01月29日

小説 SIG PRO

市 (2014年01月29日 23:38) │Comments(7)記事
事件や災難といったものは、前ぶれなく突発的おこるものだ。日頃の平和な生活の中で考える「死」は、現実感などなくて、遠い未来のことか、または他人事くらいにしか思えない。 しかし、長い人生のある瞬間、それも唐突に、人はどうしようもなく災いの渦に巻き込まれてしまうことがある。まるで運命のツメに引っかけられたように‥‥ 先日、こんなことがあったのだ。最初のところから詳しく書いてみるよ。 6月28日の夕刻、ワシはサンフランからサンディエゴに飛行機で飛んだ。 空港で、ニューハンプシャー州から着いたばかりのジム社長と落ち合った。 ジムは、ウィルコックス社の社長。秘書のバーバラと営業部長のボブも一緒だった。 大型のペリカンケイスが3個、スーツケイスは四個とうい大荷物だったので、社長はクライスラーのミニヴァンをレントした。 “ハイアットリージェンスィーなんてイーチの気に入るかな‥?” 7人乗りのゆったりしたミニヴァンでダウンタウンのホテルに向かう途中、ジムがワシに聞いた。運転はボブだった。 “そんな高級ホテルは好みじゃないな、そんなカネがあったなら火薬とブレットを余分に買って、もっとカップの練習をしたいよ” ワシは、遠慮なしに言った。 “まあ、そう言うなって、ウィルコックスはキミのスポンサーなんだから、ブレットなんか家の床がヒシャげて地面が窪むほづ送ってやるからさ…たまには南キャリフォニアの豪華な空気を吸って、楽しくやろうよ… といっても明後日からはミリタリーベイスに閉じこもっての仕事が続くんだがね…”  ワシは、ウィルコックス社の開発アドヴァイザーだった。特殊部隊向けのプロトタイプができると、それをテストして、改良点を指摘するのが役目だった。 ウィルコックス社には、多くのエンジニアが働いているが、彼らが造った製品が実際に役立つかどうかのテストができる人が居なかった。そこで、スワットやシューティングの経験豊富なワシに役がまわってきたのだ。 その報酬として、ウィルコックスはワシのビアンキカップのスポンサーになり、試合参加の費用などをヘルプしてくれるのだった。 今回の仕事は、サンディエゴの基地でパワーグリップとM4の組み合わせでナイトシュートのテストに立ち合うというものだった。
テストをするのはスィールズの隊員達で、月曜日の夜から始まることになっていた。 サンディエゴには、大規模な軍港がある。空母や潜水艦も多く出入りし、トップガンのスクールもあればスィールズの訓練基地もそこにあった。 “まだ陽も高いし、どうだ? ホテルに入る前に国境線でも見物するってのは…” “まあ、いいわね、私初めてよ…” と、若くて美人のバーバラがはしゃいだ。 “よーし、じゃあ、そこのフライドチキンに寄って、チキンナゲットとアイスティーを買おう。遠足気分を出そうってわけだよ”  それを聞いたボブは、機敏にミニヴァンを駐車場に停め、チキンを買うためにサッとクルマを降りた。営業という仕事がらなのか、頭の回転や身のこなしも良い。 “ヘイ、待ってよボビー、私も行くから…”  バーバラが小走りでボブの後を追った。 “…可愛いよね、バーバラは…” と、ワシはあたりを見回しながら言った。 “ウン、あれで頭の回転も良いしね…忙しい時の残業や土曜出勤もイヤがらずにやってくれるんだよ” “仕事を大切に考える女は、男もそうだけどさ、やはり魅力があるよね…” そんな会話をしていた。 あたりには人がいなかった。 駐車場には一台のクルマさえ見えない。日曜日の午後はヒマな時間帯らしい。その静けさが気になってワシは外に注意を払っていたのだ。 そして。 まさにその時だ、一台の古いワゴン車がゆっくりと現れた。そして、植え込みの向こう側に停まった。50mほど離れていた。 チキンを買う客だったら、もっと近くに停めるハズ。かと言って他に店があるわけでもなかった。樹木がさえぎっているので見えにくかったが、ワシもジムもジッと観察した。 “あのエコノラインは、30年モノのアンティックだよジム…” “…よく知ってるな…” “モーターサイクルをアレに積んで野山に出かけるのが夢だったんでね…” “…だけど、今どきあんなのに乗ってるヤツは、犯罪に関係してるのを宣伝してるようなもんだぜ…” ジムの言葉は、半分真剣だった。 そして、その時、別のクルマがエコノラインに寄りそって停まった。これも年代モノだった。60年代の大型なアメ車だった。 ワシはスッとウィンドウから顔を退けた。ジムも同時に同じことをした。 何が起こるか、あるいは何も起こらないのか知らないが、あの連中と視線を合わせるのは不必要なことだった。

つづく(信玄殿 早うお頼みもうすぞよ)  


Posted by 市 at 23:38Comments(7)記事

2012年12月21日

バトルスナイパーM4  の記事です 長いっ!!!

市 (2012年12月21日 14:29) │Comments(6)記事








  BATTLE SNIPER M4
by Ichiro Nagata

    ★猫もシャクシもM4★
 オバマ大統領がガンコントロールをするということでCNNだったかFOXニュースだったかで議論をしていたことがあります。
 例によって「鉄砲を取り上げないと犠牲者が出続ける」とか「鉄砲があるから犠牲者とならないですむ人もいる」とか「銃で殺せないなら爆弾でもナイフでも殺すから同じだ」とか、いろいろと話し合っていました。その終わりにキャスターがこう言いましたよ、
“むやみやたらに銃を取り上げられると私としては困るのですよ、だって私は銃が好きでけっこう持っているのですからね~…”
 あははは、さすがアメリカだなぁ~、と笑ってしまいましたよ~。
 
 アメリカ人にはテッポ好きが多く、意外な人がこの趣味にはまっていて驚くこともよくあるのですね。
 で、テッポ好きと言っても、かなり分野があります。まず多いのはショットガンではないかと、そしてハンティングライフル、リムファイヤの22口径、そしてハンドガンなどだろうと想います。
 ようするに「何を撃ちたいのか?」という個人の事情で分野別れができるのだとワシは感じています。ただ紙ターゲットを撃つのが楽しいとか、動いているモノがいいとか、飛んでいるターゲットがいいとか、鉄板を速く撃ちたいとか、遠くの的に命中させたいとか、様々な個人の好みがあるわけですね。
 そこで、ワシはどうかといえば、
「鉄砲は日本拳法の延長にある」と位置づけているのですね。手足で闘うには限度があるのでナイフも使い、それではリーチが足りないので銃を使う、これなら自分の繰り出したコブシが眼の届く距離まで飛んでいく…という便利な魔法の道具が銃なんだと考えているわけです。
 そういうことでワシのターゲットは「自分や家族を襲ってくる人間」と定めが決まっているわけですね。
 そして実は、自分の家は自分で守るという気持ちは多くのアメリカ人がもっており、犯人がドアや窓を破りはじめてから警察に電話をすれば助けに来てくれるだろうと考える人はそれほど多くはないのですね。
 強盗がやってきて、ガチャンと窓を破り、すぐに電話をしても警察官が来るのは早くて3分、この180秒という間にいったい犯人はどういった動きをするのだろう、まさかヴィデオのリモコンのポウズボタンを押したようには止まっていないだろう、ということは誰にでも想像がつくことなのですよね。
 ちなみに我が家の場合は人里離れているのでポリスに助けを請うても30分以内にくるなんてあり得ないと考えていいのですよ。なので悪いヤツが武器を持って敷地内に入って来たら自分たちで逮捕なり射殺なりするしかないのですよね。
 
 「アメリカは三つのGから成り立った、それらはガッド、ガッツ、ガンである」という古い言葉があります。ガッドは神のことで、それと開拓者の根性とGUNで国が成り立ったという意味ですね。
 どうしてアメリカ人は鉄砲を捨てないのだろうかと疑問に想う日本人が多いようですが、こういった歴史的、そして精神的背景を理解しないといつまでも解らないわけです。
 日本でも明治時代までは重い刀を腰に差して歩いていたわけですし、戦争で惨敗し米国を前にして自らの精神まで亡ぼす前は、我が国でも護身のための拳銃などが売られていたわけですよね。
 それはともかく、
 現代のアメリカでも護身は自分でするものだと考える人々は多く、かなり小さな街にでもガンショップがあり、拳銃やショットガンがよく売れているわけです。
 護身のために銃を備える、そして練習もするという人々、こういう人は「コンバットシューター」というわけなのです。
 しかし、護身のために撃つという人々にはかなりな技術差もあり、3mから当てられない人もいれば25mからヘッドを撃ち抜ける人もいるというぐあいに様々なわけです。
 ようするに、セルデ(セルフディフェンス)のマインドの強さ、想定の厳しさ、そして予算の多寡などによってセルデの道具は変わってくるのですよね。
 で、そこで、
 近年になってM4タイプの人気が急加速しているのですよ。昔から AR15系はかなり人気がありましたが、今ほどのような熱気はなかったと感じています。
 M4とは、米軍がヴェトナム戦争から導入していたM16というアソルトライフルを進化させたもので、初めは「フラットトップ」と呼ばれたりしていました。どう進化したかと言えば、簡単に言って「夜の戦闘に対応するようになった」ということではないかと想うのですよ。キャリングハンドルが廃されトップがフラットになり、ハンドガード上下と横にレイルが付き、そこに夜戦のためのディヴァイスが搭載できるようになったわけです。M4となってからはビアンキカップで使われ始めたダットサイトも搭載されるようになり、射撃のスピードと精度が格段に向上しました。
 ナイトヴィジョンやレイザーサイト、そしてヴァーティカル グリップなどが状況に応じて自由に載せ替えできるようになり、その戦闘力たるや、ムカシの比ではないのです。
 “M4にゴテゴテとアクセサリーなど載せるのは好きではない”
 と、そう言う人もまだいますが、載せる必要のないものは外しておくわけですよね。戦いに必要なモノだけを状況に応じて増やしていくのですよ。レイルのある銃だとナイトヴィジョンを搭載できて勝てるチャンスは向上するのに、ナイトヴィジョンがないと殺される可能性が増すわけで…。
 戦闘の道具とは、見かけや好みなど関係なく、勝てるか負けるか、撃つか撃たれるかであり、暗闇で相手が見えないのに敵からは丸見えになっているという状況は死を意味するわけで、ゴテゴテなテッポは嫌いだなどとノタマウ戦友がいたら早々とお別れしないとティームが危険にさらされるわけです。

 「できるだけ多くのアクセサリーをそろえておき、状況によって使い分ける」
 つまりそういうことですね。
 M16では夜の射撃戦に対応できませんが、M4だと選択肢が増えるわけです。選択肢というのは多いほど有利で、これは「戦争ではオカネのあるほうが強い」という理屈に直結しているのではないかと想うのですよ。
 でもオカネがあるほうが強いといっても、武器を買うための予算を出さない国だとオカネがあることにはならないわけですから、それは「セルデのマインド」に関わることなのだと想いますね。
 選択肢というのはどういうことかと言えば、たとえば将棋において相手の手持ちのコマに飛車があり、桂馬も香車も銀もあり、それにくらべてこちらには歩しかなく、防戦を強いられているのに相手の王は鉄壁の穴熊囲いに入った上で様々な攻撃手段がある…とそういうことですからね、アメリカ軍に取り囲まれた硫黄島のようなものではないかと想うのですよ。
 なので、選択肢とはオカネのことでもありますね。でも軍備にケチるという選択肢もあり、こういう国はいつかコッピドイ目に遭う可能性が高いでしょうね。

 さて、
 そのM4なのですが、民間人の間で大人気となり、若者からトシヨリまで、サラリーマンからドクターまでと拡大し、ワシのようなゲージュツカのオジイサン(笑い)までが競うようにアクセサリーを増やしているという状況なのですよ。
 M4の何が魅力かと問われれば、女の子の着せ替え人形のようにアクセサリー類をいくらでも増やせるし自分の個性に合ったカタチにもっていけるからではないかと想うのですよね。それにやはりなんだかM4ってかっこがいいのですよね~。
 というわけで、ガンファンならば、猫もシャクシもM4を持ちたがるのが今のアメリカというわけです。

     ★M4に求めるもの★
 さて、ワシの M4はどれくらい前にゲットしたのか想い出せませんが、ムカシのコルト AR15やアラン ゼダのやイーグルのやとあり、それにナイツがあります。多分探せばもっと出てくるような気もします。
 そしてアッパーときたらワンサとあります。ちょっとこの記事のために集めてみましたが、まだまだ出てくることでしょう。
 M4というものは、アッパーが大切で、これで性能が決まるといえます。アッパーはフレイムとバレルとハンドガードから構成され、命中精度を決めるのはバレルではありますが、バレルを留める方法とかで命中精度も変わります。だいたいにバレルが浮いた状態に保持される「フローティング方式」が良いとされますが、そのあたりはちょっと複雑な要素もあるようですよ。
 ともあれ、ムカシから多くのガンスミスが AR15の命中精度を上げようとトライしていましたが100mで10cmという時代があり、やがて5cmに集弾できるようになってきました。まあ、今でもヘタなバレルでは10cmほどに散るものがいくらでもあるそうですがね。
 ロウワーフレイムさえあれば、精度の高くなったアッパー、またはバレルだけを入れ替えてアップデイトしていけるところがM4の魅力で、ワシもそうやってアッパーの数が増えたというわけですよ。
 ナイツのデイヴ ラッツがいろいろなバレルをテストしたところ、抜群なのはノヴェスキ で100ヤードから1インチに集弾したターゲットを見せてくれました。ワシの持っているナイツバレルの性能は3本とも100m/5cm弱というところです。
 M4はバトルライフルなので100m/5cm という性能で充分だとワシは想っています。だって、M4のサイトは基本的に等倍であり、ブースターで望遠にしても2.5倍くらいのものですから、これを生身の人間が撃ってバレルの性能を引き出すことは難しいのですよ。つまり100mからダットサイトで狙ってもノヴェスキバレルだろうが普通バレルだろうがモンダイにするほどの差は出にくいわけです。
 インターネットなどに「オレはドコソコのバレルでハーフインチのグルーピングを出したぞ~」などと書き込まれていても、それはラッキーショットだったりウソだったりする可能性があるので、すぐに信じてはイケナイのですよね。メイカーがらみでウソを書く人ってけっこういますからね。
 ですから、M4の精度を実験したかったらまずはダットサイトを外し、最低でも10倍のスナイパースコープを搭載して何日もかけて撃ってみないと判らないのですよ。ちょろちょろっと5発ずつ撃って、その中で一番良いグルーピングを切り取って魚釣りの魚拓のように仲間に見せてハナシのネタにするのは楽しいことですが、だからといってそれを信じきってはイケナイのですよ。
 春夏秋冬、暑いとき、寒いとき、雨模様だったり湿度が低かったりと、様々な条件下で撃ってデータを出すのがよく、1本のバレルを信用できるまでは毎週撃って少なくとも1年はかかるというのがワシの考えです。そしてスコープにおいても同じことがいえます。数日間は同じ所に集弾していたのに、ある日にゴソッと別なグルーピングになる、そして場合によっては散りまくったりと不可思議なことがよく起こります。その原因はスコープなのか銃なのかの見分けも楽ではないことがよくあるのです。
 ともあれ、頑丈なスコープと頑丈な銃、この基本が崩れると面白くないわけです。
 そういうことでワシがM4に求める精度は100m/5cm、この性能を活かすために1-4倍のCQBスコープを搭載しライトスナイパーガンとしても使える、というものでした。
 それはたしかにフンパツして高価なノヴェスキバレルを自分の M4に組み込みたいという気持ちになったことはありましたよ、しかしいつも想い直しました。その理由は、「ギャス直接噴射」というメカニズムが信用できないという結論に至っていたからです。
 どうして信用できないかといえば、それらのアッパーがことごとくジャムったからです。つまりウチにゴロゴロと転がっているアッパーは、ある確率で故障するという前科があってのことなのです。
 「プッシュロッド式が良い、実戦において噴射式は使いたくない」
 この気持ちは M4を撃てば撃つほどに強くなりました。射撃訓練でM4がジャムって教官や生徒たちがパパッと慣れた手つきでジャムクリヤーするのを観るたびに「次は我が身…」とサメた気持ちになったものです。

 噴射式かプッシュロッド式か?
噴射式というのは弾丸が飛ぶときのギャス圧を直接ボルトに噴きこんで作動させ、プッシュロッドはギャス圧でロッドを動かしてボルトを動かすというもので、どちらが良いかということでは常に議論のタネとなっているのですよ。

 で、ワシの噴射式アッパーたちときたら、初めは調子が良いのに数ヶ月も放置して撃つといきなりジャムって、スプリングやバファーを替えたらしばらくなおり、でもまた後でジャムるとか、とにかくそんなのばかりなのですよ。気分屋たちなんですね。
 でも、どういうわけか他の人たちって撃っている途中でジャムってもクリヤーしてケロリとして撃ち続けることが多いのですよね。ワシのばあいは、千発に一度でもジャムがあると原因を考えないではいられないわけで…というのは「実戦ではその珍しいジャムが必ずおこる」と想定してしまうのですね。これはきっと剛胆さに欠けているワシがチマチマと気にしすぎるからでもありますね。
 ともあれ、ワシが銃に求めることは「精度よりもトゥリガーを引いたら必ずタマが飛び出すこと」なのです。この自信が得られなかったら戦闘などゼッタイにいやです。
 噴射式には問題などなく自分のは調子が良いという人はいても、現実にワシのアッパーはジャムっているわけで、これが運のせいであろうとなかろうと、噴射式とはサヨナラしたいと想ってしまうのはシカタないのではないかと…。
 まあ、構造なんてどうでもいいのですよ、糞射式(笑)だろうがなんだろうがトゥリガーを引くたびにタマさえ出てくれればいいというわけなのです。

 そうそう、そういえば想い出したことがありますよ。
 クリスコスタたちがディザイン参加して組み立てたというAR15をワシとキャメロン編集長にブラヴォーカンパニーが贈ってくれたのですよ。その BCMをキャメロンはワシの目の前で千発撃ってジャムなしだったということがありました。
 コスタは生徒達が買いやすいようにと M4 廉価版を作ったわけですが、その質のよいのに驚きました。で、ワシのはまだあまり撃っていませんが、お客さんたちに撃たせるかぎりでは調子は良いようです。
 まあ、こういう例もあるのでイチガイに噴射式はイカンとは言えないことも解ってはいるのですがね…。
 とはいえですね、ワシんとこには SIG 550というスイス製の凄いライフルがあるのですよね。アメリカ製とスイス製では品格が違うとはいえ、どうしてもこの550とM4をくらべてしまうわけですよ。
 550はぜんぜんジャムったことがないのですね。いろいろなタマを使ってもバシバシと頑強に動くのですよ。そして、1983年とかに出て来た銃なのに100m/25mmという命中精度を秘めているのですよ。そのころの AR15なんてゴルゴさんの不可思議な方法で分解できるアーマライト以外は大したモノではなかったのです。
 で、FBI教官の奨めもあって、ワシはその550でスナイパースクールに参加し最初からワンインチの規定をクリヤーしたものです。撃つ前はせせら笑っていたポリスのスナイパーたちは550の周りに集まってきてシゲシゲと眺め、ウエバー教官はスナイパーライフルにセミオートの時代は必ず来る、と予言したものですよ。
 世界一の軍用銃はどれか? そう聞かれたら今でもワシは SG550だと答えますよ。
 ただ、550にはレイルがなくて、ナイトヴィジョンもレイザーも搭載できず、実質的にはM4に負けるわけで…。
 そこで優れた戦闘銃を求めるワシは、しかたなくM4に凝ることとなり、時代の流れとともに深みにハマることとなりました。ただ、有り難いことにM4関係のアクセサリーやパーツは雨後の竹の子のように各所から販売され、信頼できそうなアッパーなども増えて凝り甲斐があるわけですね。
 求めることは故障しないという信頼性、その上でなるべく当たるということ。ほんとうのところを言えば、100m/25mmの命中精度を秘めたM4、これなんですね。

    ★ヴァイキングのアッパー★
 そんな折、ミッキーファアラの息子のローガン君がヴァイキング タクティクスのアッパーを愛用しており、ワシも買おうと想いました。気に入った理由はハンドガードの細さと長さです。撃ってみるとなんだかM4とはまったく異なったライフルのような感触があり、とても撃ちやすいのです。早撃ちをする時は左手を真っ直ぐに伸ばして撃つわけですが、この技法にピッタリの造りなのですよ。でもまあ、左手延ばしがいいかと言えば、屋外での射撃や競技ではよくても屋内の戦闘ではフレクスィビリティーに欠けるのでコレばかりにするとまずいのですが…でもキチンとマスターだけはしておくわけです。これも選択肢を豊富にするというコンセプトの一環というわけですね。何でも学び、やがては自分流を確立するというのが良いと想うのですよ。
 そしてある日のこと、写真を学んでいるローガン君がワシのレンズを欲しがっていることが判りました。それはもう使っていないヤツでしたので彼のヴァイキングと交換しましたのです。お互いにモウケましたね。

 で、このヴァイキングアッパーのフレイムはノヴェスキでバレルは BCM のものでした。ノヴェスキバレルは$500と高価なので買えなかったのだそうです。このまま1年ばかり撃ってみてジャムしないようだったらバレルを替えようと想っていました。
 200発ほどこれで撃ったところ調子はよく、やってきた自衛隊員たちに貸したところでも快調でした。
 それまで愛用していたルイスのモノリスティックにカーボンバレルという組み合わせのアッパーに良いものが加わったと安心していました。
 ところが、その10ヶ月後のこと、ある警察官がやってきました。
“イチローさん、M4を撃ってみたい!!”
 そういうので最良のセットアップであるはずのヴァイキングを渡しましたよ。自分で撃つよりも他の人に撃たせたほうがタマ代を使わずにテストができるという「下心」がワシにはあるので、どんどんお客さんに撃たせるのですよ。笑
 すぐにジャムりました。
 ヤッキョウがイジェクションポートに引っかかっています。10発と連続して撃てません。ワシが撃ってもジャムるのです。
 “だいたいね~、警察官のくせしてM4なんか撃つからイケナイんだよ…”
 とナンクセつけて撃つのをやめましたよ。
 後でローガン君に渡すと、やはりジャムです。スプリングを替えたりしてもダメです。ギャスブロックが詰まっているのかもしれません。すくなくとも千発は快調に動いていたアッパーが季節が変わったとたんにまったくダメになったのです。こういうことは以前にも何度かありました。
 信頼しかかっていたアッパーがアッパッパァ~になったのです。
 多分、修理はできると想います。直せてまた撃てるようになるのは確かです。でも、もうワシの心は直りません。以後の訓練には使いますが、本当の闘いが起こったとき、これを持ち出すことはないのです。
 ワシってリラックスしていて愉快で楽しい人なんですよね、でも武器に関してはすっごくウルサイのですよ。ナイフならちょっとナマクラでも人肉くらいは切れますが、鉄砲という武器って故障したら重大な命の危機に陥るのですよ。すぐに拳銃を引っこ抜けばええではないか、じゃないっちゅうのです。
 正直に言うと、どうも噴射式はシンケイシツで欠陥ディザインではないかという気がしなくもないのです。これはまったくシロートのただテッポ好きなだけの、それでいてソコソコ経験のあるワシの独善的で一方的で間違いの可能性の高い解釈ですがね。笑
 とにかく、もう噴射式はイヤです!!

 うむむむむむむ~、どうしよう???
アッパーはもとのカーボンに取り替えて、思案にくれる日々が一ヶ月……

 そこにSIG社からメイルが来ました。
 「おまたせして澄みません、やっと516アッパーを発送できました」
  
     ★GO16アッパー★
 516アッパー!!!
 じつはコイツに最後の期待を寄せていたのですよ。
 ここに至るまでを書くと長くなりすぎるので縮めますが、SIG社がワシをドイツに行かせてX5カスタムの製作アドヴァイスをさせていた頃からの計画でした。その時にライフル ディザイン部門に寄って新しいライフルのハナシもあり、それは堅く口止めされていたのです。
 その頃にあったライフルにワシは失望しており、工場長にかなりモンクを言いました。
 しかし大きな会社ほど改良には時間がかかるもので、そのことを忘れるほどに待つこととなりました。
 そしてやっとSIG 516が市場に流れ出てきました。雑誌から撮影の依頼がありアーケディアPDにて516にお目にかかりました。
 それはミリタリー&ポリス向けの14.5インチバレルのものでした。
 “うん、良くできている”
 手にしてすぐに良いと感じました。ピストン式にしては小ぶりになっており、それでいて剛性の高さが伝わってきます。ハンドガードを掴んでみると通常のM4よりも太いとは感じません。ほんとうならピストンが入る分だけ背高になるわけなのですが、これはレイル部の上をギリギリまで攻めてあり違和感ゼロなのです。つまりM4に慣れた人がハンドガードを握ってもプッシュロッド式であることに気が付かないのです。現にポリスの1人が言いましたよ。
 “えっ? これピストンガンだって??”
 それってすごいことです。
 撮影が終わってからテストをしました。
 載っていたダットサイトを外して15倍ものスナイパースコープを載せました。それも評判の高いナイトフォースです。
 簡単に100m/25mm を達成です!!
わずか14.5インチという短いバレルでこの精度がっ!!……ラッキーショットの可能性があるので何度も撃ちました。でも毎回ゴボリと当たります。
 “これ、もらっとくわ”
 ワシはアッパーをフレイムから外して持ち帰りましたよ。だって、どしてもほしかったんだもん。
 アメリカの法律では、鉄砲とは基本的にロウワーフレイムのことを指すのです。登録番号がロウワーに打たれています。で、下側を勝手に持ち帰ると犯罪になります。でも、アッパーには制限などありません。ガンショップでアッパーを買えば、無登録でそのまま持ち帰れます。なので外してワシが持って帰るには “請求書まわしとってや~”とさえ言えば誰もモンクを言えないのです。
 で、バレル長16インチ以下のライフルだと民間人は持てない、という法律もあります。でもライフルは買えなくても、アッパーだけなら買えるのです。でも、そのアッパーを自宅でロウワーと結合させると違反となります。ですから、離れた場所に保管しなければなりません。ところが、もし AR15ピストルを持っていれば、それに14.5インチを載せても、それはピストルなのでOKなのですよ。
 なので、ワシが短いアッパーを持ち帰ると言ってもアーケディアのポリス諸君は笑っているだけなんです。きっと彼らはワシが自分の家で結合して撃つという悪事をはたらくにちがいないと邪推しているに相違ありません。むしろ撃たないほうが不自然だと想っているのではないかと。
 “自分の土地で撃っているのを誰が見ているっちゅうんだ? そしていったい誰が取り締まるっちゅうんだ??”
 そうなんですよ。警察も、銃を取り締まる ATFでさえも、こんなクッダラナイことでいちいち捜査なんてやらないのです。
 だからと言ってワシが法を破ってショートなアッパーを撃つかといえば、それはありません。ぜったいにやりませんよ。ワシが法律を破る可能性は万に一つもないのです。それだけはここで断言しておきますね。

 でも万に一つもなくても、京(けい)にひとつくらいはあるかも…笑

そしてワシはすぐにSIG社に注文を入れましたよ。“16インチアッパーをくんろ”とね。
 ところが初回の配給が売り切れたらしく、数ヶ月も待たされてようやく届いたのです。
 さっそくナイツからカーボンを外して516アッパーを搭載します。そしてあの15倍スコープを載せます。庭先にあるホキマ射場から100mを撃ちました。よく当たります!!スコープの調整がすむころにはすでに25mmのグルーピングは当たり前となっていました。
 数日かけて撃ち、いつも素晴らしく当たります。ヤッキョウはビシビシと勢いよく飛び、不安感がありません。

 “とうとう願いが叶うのか?・・・”
 そういう予感に包まれてドキドキしました。夢のワンメネットバレル、そして憧れのピストン式!!!
 “1000発をクリーニング無しで撃てたら、まずは信頼できるだろう…”
 そういう想いでテストを始めました。
 テストというのは遊び撃ちや訓練と違ってちょっと面倒なのです。コールドショットの日々なのでチョッとずつ毎日のように撃ち、毎回の緊張もあります。でも真剣にやるつもりになっているのです。
 516とは「GO! イチロー!」の意味だったかと、やっと解りましたよ。笑

     ★1-4倍スコープ★
 しばらく15倍スコープで撃ち、やがて1-4倍のに替えました。その上にはマイクロT-1というエイムポイントが載っています。
 これはワシのバトルライフルに載せる最新のセットアップです。
 50mくらいまではダットサイトで狙い、それ以遠は4倍のスコープで狙うというコンセプトです。これは200mの距離を撃つときに50mまで近寄って狙えるというような感覚で撃てるという仕組みなのですよ。200mとなれば等倍のダットサイトでのヘッドショットは難しすぎですが、4倍スコープなら容易になるのです。
 で、このスコープは日本製なのです。
 それもワシが一番良いと想っている日本の工場で作られており、ワシのアドヴァイスも取り入れられています。もっと改善していきたいのですが、とりあえず使えるところまで来ているので販売をしています。取り扱いはOTSという官公庁相手のショップです。
 インフォはこれです。

     株式会社オペレーション・トレーニング・サービス
     Operation Training Services Co.
     〒179-0073 東京都練馬区田柄2-51-17-1F
     TEL03-5967-0633 FAX03-6750-6407
     
お店が  タクティカルプロショップ エリート
     〒179-0073 東京都練馬区田柄2-51-17-1F
     TEL03-5967-0634 FAX03-5967-0635

 そうそう、OTS といえば、この記事でワシが被っているヘルメットも扱っています。
 これは FAST のバリスティック ヘルメットでメイカーからのイタダキ物なんですが、あとで値段を聞いてびっくりしました。とてもかぶり心地がよいです。
 じつは、ワシは M4をモーターサイクルに積んでパトロールをしたいので、そのために軽い方の「ベイスジャンプ ミリタリーヘルメット」というのを購入予定なんです。
 野山を低速で走るだけなのでオートバイ用のヘルメットはやめてこれで充分かと。それにナイトヴィジョンとIRライトをヘルメットに装着しなければならないので、そうなるとコレが最適なのですよ。

 ところで、日本でのエアガンに1-4倍スコープを使っているシューターがいますね。
 たとえば、市ブログのメンバーとなっている「まうさん」は強力ウヨクの1人です。
 そのまうさんに、ちょっと質問をして答えをいただきました。その文章を転載させていただきますね。
 
「僭越ながら、お答えさせていただきます。 まず、競技ごとに銃を準備するのが考え方の基本なのですが、室内フィールドでのタクティカルシューティングイベント用であります。 距離は5mから12m程度で、基本の的は20cmの金属プレート。(灰皿)です。タイムトライアルで、最後のストップターゲットには、ブルズアイターゲットがあり、点数によりタイムが減算されるという競技です。 そこで、単に当てればいいターゲットにはオフセットしたT-1を使用し、最後のブルズアイには精密射撃のできる4倍スコープと瞬時に切り替えるためです。 そのため、アイアンサイトは外してます。 タニコバM4はガス銃なのにさかさまにしても撃てます。 距離も12m程度なのでホップは不要です。少しくらいホップがかかっても12m程度なら直進します。 (ホップを殺した自作チャンバーパッキンを使用してますが) また、マガズィンにはファステックスを付けて、ガンベルトから伸ばしたパラコードと繋ぐことで、マグチェンジ時に重いマガズィンが床に落ちて破損することを防いでます。(股間でブラブラしますが) またマグプルAFGフォアグリップとショートグリップをアンダーレールに付けてます。これは左右のスイッチングを早くするためです。 あとは、ライトとレーザーモジュールを付けてます。 レーザーの用途はドットサイトとの差によって瞬時に距離を読み取るためです。by まう@東大阪 」

 ここまで凝っていれば老後の幸福は約束されたようなものではないかと。笑い
 なにしろ人の幸せとは「自分を何かに捧げていられるかどうか」ですからね。

    ★バトルスナイパー M4★
 ナイツに516アッパー、そしてスコープとダットサイト搭載。ナイトヴィジョンも数秒で載せられる…。
 これでバトルライフルは完成です。
 かなりシヤワセです。
 後はヒマをみては少しずつ撃ってタイムプルーフしていきます。やはり千発は超えないと安心はできませんからね。
 そこで翌朝から200m先の12インチプレイトを狙って12発ほどずつ撃ち始めました。
 きっちりと当たります。いつも当たります。もんだいありません。……でも、なんだかつまんないのですよ。
 なにがつまんないのか??
しばらく考えてやっと気がつきました。
 1インチに挑戦できないからです。
 せっかく狙撃をするのならターゲットは小さい方が楽しい。15倍スコープでテストをするときは1インチの黒テイプ貼って穴をあけて楽しんだのに、今はもう撃てない。なぜかといえば4倍スコープではこれが見えないからです。ワシのアソルトライフルはものすごく当たる、なのにその性能を引き出すチャンスはない。かと言ってライフルで50mから撃つなんてピストルにばかにされてゴーハラです。これが隠れ不満だったのですね。
 しかしですよ、この銃に長いスナイパースコープを載せたらレイルが短いのでナイトヴィジョンのルームが無くなってまずい。考え込みましたよ。
 うむむむむむ……ハッ!
 ナイトフォースの2.5-10倍だったらそう長くはないゾっ! もしかしたら…
 と、閃くものがありました。
 そこで10倍を引っ張り出します。選択肢ヤローですからね、いろいろ取りそろえているわけですよ。
 やっぱり!!…これは、なんてコンパクトなのでしょう!! ワシの1-4倍とあまり変わらないのです。
 ばっちり載りましたよ。なははは
 10倍といえばマリーンスナイパーも長いこと使っている倍率ですからね。都市での狙撃は6倍でいいと言うくらいですからね。
 さっそくこれで撃ちましたよ。とうぜんながらターゲットは1インチです。狙えます。バシーンと撃つとズコッと穴が開くのですよ。10倍スコープだと100m先の親指のアタマが見えるどころか光線の具合では5.56mmの弾痕さえ見えるのですよ。
 そういうわけで、毎朝のように3発ずつ撃つ日が続いています。
 グルーピングをチェックするには3発がよいと教えられました。それを幾度も繰り返すのです。仕上げは5発にしてもいいということです。でも、とにかく大切なのは、その日の一発目なのですよ。
 スナイパー訓練では、まず自分の銃に熟知することが大切です。
 その日の第一発目がどこに当たるのか、
それを識っていなければ人質をとった犯人など撃てるわけもありません。
 ですから、春夏秋冬にまたぎ、朝昼バンと
撃つ必要があるのですね。
 それは毎日ではなく、週に一度で充分なの
ですが、一番に大切なのは
「コールドショット」です。
 その日の第1発、それがコールドショットです。午後には銃が冷えたからといってそうは呼びません。
 撃つ前は、身体も銃もコールドです。スナイピングには準備運動も想ったほどには役にたちません。実戦では常にこのコールドショットで勝負することになります。
 日により時により、ぼこっとグルーピングが動くことって多いのですよね。それは銃に原因があったり、自分がモンダイだったりします。もちろんタマは同じものを使います。
でも、日頃はいろいろなタマを使ってそれぞれにデータをとっておくべきです。
 「一日に3発も撃てば充分だ」
 と、FBIのデイヴ ウエバー教官は言いましたよ。ワシもまったく同感です。
 で、この原稿を書いてる今朝も8時に撃ちました。今朝はタランバトラーのコンペンセイターをつけました。すると着弾が3cmほどナナメ下に動き、上下6クリックずつ修正しました。100m でワンクリックすると6mmほどレティクルの中心は動くのです。径2cmのコインを狙うのにワンクリで6mmも動かれるとちょっと困るのですがね。
 で、3発のグルーピングが1cm くらいになりました。200mで撃つとピンポン玉ほどにまとまりました。
 これは、すごいことですよっ!
 だって M4はスナイパーライフルではないのですからね。M4は近い距離でキッタハッタするバトルガンであり、研ぎ澄まされた狙撃銃ではないのですよ。
 いわば、めっぽう喧嘩に強い浪花のアンちゃんがふらりと心斎橋を渡ってメリケンに現れ、M24みたいな由緒正しいながら血統書付きの実力に乏しい狙撃銃をへし折るようなものですからね~。笑

 「狙撃銃とは100ヤードで1インチに集弾できる性能を持つ銃のこと」
 と考えてよいわけですが、この性能を持った銃は重くてカッタルイのがほとんどなのですよね。500m先のターゲットをコロリンと倒せるのは痛快きわまることであり、敵にとっては怖ろしい存在なんです。
 狙撃銃が重くたい理由は二つあります。バレルが太いのと大きなタマを使うからです。排気量の多いクルマが重くなるようなものですね。バレルが太いのは熱くなっても命中精度を保つためだとか他にも理由があるそうですが、最近の研究ではそうでもなくなってきているようです。大切なのは最初の1発が狙った一点に当たることであって、連射後の精度がどう変化するかを心配するよりも、持ち歩きが楽な軽い銃のほうが実用的だと考える人種もいるわけですね。ワシもそのひとりですがね。
 狙撃銃のタマは7.62mmが圧倒的に多く、これが主流といえます。で、これが狙撃銃のタマとして最適かといえばゼンゼンそんなことはなく、もっと良いカートリッジは多いのですよ。ただ、これは軍用弾としてどこにでもあり、入手がたやすく、とくにミリタリーでは在庫豊富だから手軽に狙撃を始められる、という理由なのだそうです。
 ようするに予算に合わせた便利なタマというわけですね。
 ですから、本格的な狙撃をやるとしたらラプアマグナムあたりでないと物足りないとワシは想うのですよ。これは1000mを楽々と撃てるので「狙撃~!!」という実感が得られます。でも、1発のタマが500円もするのでワシはビビって年に一度も撃てないのです。そして、もちろん、このようなドエライお方には流石の浪花あんちゃんもいさぎよくゴロニャンするのです。
 さて、それはソレとして、  
 「バトルスナイパーM4」という構想。
 これがワシの夢だったのですよ。
 バトルガンといえば、100m以内程度の距離で戦う軽快にして丈夫なライフルで300mの敵に必中とはいかなくとも威圧を与えられる、というイメイジがあります。
 しかし市街地戦闘で建物を攻めるときなどは、屋上や窓から狙い撃ちされてバタバタと倒されてしまいます。こういう場合に200m からのヘッドショット、500mからは上半身を確実にヒットできるだけの性能を秘めたライフルを全兵士が持っていたら相手はどんなにヤリニクイことかと。
 銃の性能を引き出すのは人間の仕事ですが、このためには難しく苦しく長い訓練よりも「適正な照準器」があればすむことだろうと想うのですよ。
 では、どういう照準器が必要なのか?

 格闘には拳と眼が要りますよね。
 で、どちらかといえば拳はちょっと弱くても、鋭い眼があれば利がありますよね。眼が弱かったら拳の能力を有効に使えないので不利ですよね。
 まずは頼れる拳を作る、そして拳の威力を相手の急所にたたきこむための眼力を得る。これらの融合が強さにつながるわけですね。
 
 銃撃戦では相手を先に見つけた方が勝ちとなります。良いスコープは、いち早く敵を見つけるための優れた眼です。精度の高い銃があってもスコープが無能だと駄目なのです。駄目という言葉は囲碁用語の「駄目」で、つまり「目ができないで死んでいる」という意味です。これではダーメダーメですね~。
 ともあれ、ここらにワシの研究主題があるわけなのですよ。

 近距離でも素早く撃て、200mで5cmという性能を持ち、それも早い連射ができ、夜間の戦いにも強く、かつ軽快なバトルスナイパー M4。この長年の夢はSIG 516アッパーの出現によって叶えられそうなのです。
 ここで、5.56mmという口径のパワー不足を指摘する人が出てくると想うのですが、その場合はSR25のような7.62mmをゲットすればよいことです。でもそうなるとかなり重くなってしまいワシのコンセプトから外れてしまうのです。
 風の影響を受けやすくパワーに欠ける、と、これが5.56mmの弱点です。が、ワシにとっての狙撃目的は1発必中ではありますが、必殺である必要はないのですよ。遠距離の場合は、むしろ脇腹や足などに小さな穴をあけて戦線離脱させてやるほうが敵方にとっては困りものですしね。
 で、M4のタマは軽いので風に流されると言われていますが、タマが小さいのでワリとそうでもないという気もするのです。風速20m くらいの横風でも100mくらいだったら気にしないで撃てましたしね。まあ、それらのことは、銃の調整がすんだところからデータ出しをやっていこうと想っています。
 むしろ M4の「非力感」が出るのはすぐ近くで撃ち合う時ではないかと想うのです。
 「当たっているのにぜんぜん倒れない」という兵士もけっこういるわけで、そこらはポウルハウの言うように「相手の背骨を砕け」というアドヴァイスに従って精度ある射撃訓練を積むのがよいでしょうね。
 銃にしても装備にしても、軽いということはワシとしては重要で、バトルスナイパーM4を求めた理由もそこにあります。
 いつも散歩の時にはどれかの銃を持って歩きますが、M4にタマの入った弾倉を入れて8kmも歩くと老骨の疲労が大きく、これ以上重いヤツはごめんだな、みたいな気持ちになるのですよね。とても7.62mmを持つなんて気持ちにはなれません。まあこれはワシが非力なせいですが、100kmも歩かされるという自衛隊さんだって持ち物は100gでも軽くしたいというのが本音というものではないでしょうか。

     ★スナイパー訓練★
 さてさて、今朝のコールドショットは改まった気持ちで正式なスナイパーのように200mから5発撃ちましたよ。
 200mの所に12インチのプレイトが立ててあり、黒く塗ってあります。10倍スコープだとすごく狙いやすいです。呼吸を整えながらそれを狙って、
バン、カツーン…バン、カツーンとゆっくり撃つのです。すると着弾点にボツっと白い弾痕が付きます。スコープは100mに合わせてあるので200mだと3センチほど落ちます。
 4発がまとまって大きな点のように見えました。ううむ…凄い! と想いながらラストショットを放ちます。その弾丸は200mという空気の壁を凄まじい速度で貫きながら鉄板に当たって砕けます。
 「5cm」という集弾でした。
 “おおう!…すごい…すごすぎる…”
 つい、ワシは呻きましたよ。
 自分が狙いをつけた一点にタマが毎回飛んで行くというのはとても痛快です。

 516アッパーで撃ち始めて12日目ですが、さすがにコイツの性能に自信を持ってもよいという気がしています。
 この精度でこの信頼性…。
 じつは、12日間一度もクリーニングをしていないのです。ただバレルの中だけにはフロッグルーブというオイルを塗ったスネイクというクリーニング用のヒモを毎日一回だけ通しているだけなのですよね。これはウエバー教官には内緒です。知られたら怒られます。だって「20発撃ったら大掃除しろ~!!」とうるさく言われていましたからね。でも現実には日を重ねるごとに精度は上がり続け、とうとう狙撃銃の域に達してしまったわけで…。
 「1日70発くらいは撃って、途中でクリーニングなどしないよ」とマリーンのスナイパー教官は言ってましたしね。
 ワシは精度が落ちるまでクリーニングしない、というテストをしたいのですよ。
 なので来年の今ごろには、この銃が本当に凄いままなのかということの結論を出せると想っています。
 と、いうことで、
 「バトルスナイパーM4」という画期的な銃が完成しそうなので、これを活かすための訓練を始めたいと想います。
 道具がきたら、それを使いこなす練習をしないと宝の持ち腐れですからね。でもこの銃なら持ち腐れでもよいので持つだけでもOK なのですがね。笑
 このライフルの目的は「護身用」ということになりますから、それに沿ったカタチでメニューを作ります。
 まずはベニシア時代にやっていたように、ブザーが鳴ってから何秒で銃を取り出して窓をあけ、外にあるターゲットをヒットできるか、という訓練です。これには「どこにどのように銃を保管するか」が重要です。武器の取り出しに手間取ることって多く、それが致命的な遅れを招きますからね。
 次は、外に走り出てどれくらい速く初弾を放てるか、ということです。あるときはプローン、あるときはニーリング、ある時はスタンディングというように射撃姿勢に変化をつけます。スナイピングでは立って撃つのは精度を期待できないのであまりしなくてもいいのですが、慣れておく必要はあります。
 それと風の強い日の着弾点移動を知っておくのも大切ですね。それと雨の日だと弾丸が200m飛ぶ間に幾度か雨粒にぶつかるので、その曲がり具合も試したいですね。これは空中でパパパッと白い破裂が見えてキレイなんですよ~。
 そして家の周辺を守る用意ができたら、次はテリトリーのパトロールです。運動を兼ねて歩くのはよくやっていますが、機動力を発揮する訓練はオロソカになっていますので、これを充実させようと想います。
 林のパトロールは、4輪ではできないので2輪の機動力を使うことになります。
 そういう計画なので、ホンダのモンテッサという古いトライアルバイクを購入しこれで練習を始めました。でも、じっさいのパトロールにはホンダのCT 110というバイクで出かけるのですよ。このバイクは「マウンテンゴート」と呼ばれるくらいしっかりしたもので、乗りやすく、避難をするときにもすごく役立つと想うのです。細いリヤカーもあるといいのですがね。でもこの「ハンターカブ」は人気が高く、なかなか出物がありません。この号が出るころにはゲットしておきたいものです。
 なお、SATマガにフォトを入校した後でソガヒロがタランバトラーのコンペンセイターを送ってくれたので、さっそく付け替えたところ反動が激減しましたよ。
 そしてタンゴダウンのバイポッドは外して、グリップポッドにしました。これはとても使えるグリップです、が、ライトを外さなければならなく、サテサテどうしたものかと思案中なのですよ。
 そして、この原稿書きを終える今日の朝は、昨夜に撃っておいたターゲットをチェックしました。
 月がなく、曇っているので星明かりもないという暗い夜を待ってナイトヴィジョンによる夜間射撃をしたのです。M4での夜間射撃は 25mや50mでしか撃ったことはなく100m というのは初めてでした。この距離になるとさすがに暗くて見えにくいです。10倍のままだとターゲットを探すのに手間取るのでズームリングを回して3倍まで下げました。こうなると広い野原を見渡すのが楽です。ターゲットもすぐに見つかります。倍率を下げたほうがナイトヴィジョンの映像もシャープです。でもいったんターゲットを見つけたら10倍に戻して撃つのも良さそうです。ここでレイルに装着してあったシュアのヴァンパイヤ ライトを点灯しました。なにしろヴァンパイヤですから夜に強く、相手からは察知できないインフラレッド光線なのです。ターゲットはさらによく見えました。今の小型 IR は100mも届くのですね。
 ターゲットは8インチのプレイトです。人間の致命傷ゾーンというサイズです。でも楽勝で撃てると感じました。ハズスなんて心配などまったくありません。
 “トラトラトラ、ワレ奇襲ニ成功セリ” なんて呟きながらトゥリガーを引きましたよ。
 バキッ、と弾丸が鉄板で砕けて火花が散ります。昼間とはまったく異なる濃厚そのものな映像です。6回の火花を確認しました。
 その次は200mのターゲットを探します。暗くてすこし手間取ります。ナイトヴィジョンだけで覗くとすごく明るくみえるのですが、スコープを通すと暗くなってしまうわけです。ワシのナイトヴィジョンは小型な近距離用なので50mくらいまでならドラマティックなほどに威力を見せます、が、スコープを通して遠くを狙うと暗くなるのです。それでも200mでボンヤリとターゲットが見えました。トゥリガーを3回引くと、毎回ヒット音があり、とても驚きました。
 まっくらな世界、肉眼だと真っ暗。なにも見えません。だいたい自分の銃も見えないのですべて手探りなのですよ。なのにナイトヴィジョンを覗くと煌々たる緑の世界があり、あったハズのターゲットが見える。そしてトゥリガーを引くとガインと当たるのです。解っているとはいえ、そしてこれが大きな目的だったとはいえ、現実に200m先のターゲットをヒットすると感動します。
そして翌朝の今朝、ターゲットを見に行きました。すると100mでは拳のサイズにボコリと集弾していました。もっと慎重に狙えばさらに小さくなると想います。200mでは限界がありますが、敵が丸出しの場合は必中という気がします。50mでしたら耳にイヤリング用の穴だって空けられ、だらしなく伸びている鼻毛だってカットできるかも。笑
 と、こう書くと皆さんは「なるほど~すごいな~!」と感じると想うのですよ。でも、もし君自身がこれを体験したら、その驚きと感動は読んだよりも百倍はありますよ。

 銃にゴテゴテとモノを載せるのは嫌いだ、とオッシャル人も、ワシのバトルスナイパー を撃ったら改心する風はみせなくても、心の中では土下座するにちがいありませんね。
         では、また!! 市 
   


Posted by 市 at 14:29Comments(6)記事

2012年09月05日

ケルテック

市 (2012年09月05日 05:04) │Comments(16)記事

載せようと想っていながらチャンスが
なくてできませんでしたが、SATマガの
ケルテック記事をアップしますね〜(^_^)



★Karu-Tek★
 え? ああ~…「Kel-Tek」ですね、
でも、すごく軽いテッポなので「カルテック」と勝手に呼んでいるのです。
 失礼しました。

 これは「キワモノっぽい」テッポだと想っている人も多いかと。
 キワモノとは一時的な流行をあてこんで売られる商品のことで、実力の無い人気取り商品といったイメイジがありますね。
 ところがドッコイ之助で、ケルテックは個性豊かな素晴らしく魅力のあるテッポだとワシには感じられるのですよ。ここの製品はどれも革新的で先進的で、必ずしもどれも凄いとはいえませんが好感度は高いのです。

 で、ウチには PLR-16という拳銃とSU-16というライフルとがあります。どちらも同じ基本ディザインですがストックの無い短銃身がピストルで銃床つきの長いのがライフルだというわけなのです。
 これらのテッポが送られてきたのはもう10年とか前のことなのですよ。まずはピストルだったかと。口径5.56mmというM4のタマを撃てるピストルはけっこう愛用者が多く、ワシも大好きでして、だって超パワフルな拳銃ですから誰だって欲しくなりますよね~♪
 で、M4を短くしたAR-15のピストルは多くて、それを見慣れた眼にはケルテックはなんだかエアガンのようで初印象はヤスモノな気がしたものですよ、でも撃ってみてガラリと気持ちが変わりました。ビンビン動くのです! ARピストルにはムリがあるようで良かったり悪かったりなのですがコイツは快調そのものでいくら撃ってもジャムらないですからサヴァイヴァルガンとして持っていたいと想ったものです。
 “あの~ケルテ拳銃の撮影が終わったのでお返ししますが、もしもよかったらワシが買いたいのですがね~…”
 と、ケルテ社に電話をしたわけです。したら、最初の言葉を言ったとたんに相手のオバチャンはさえぎってこう言ったのです。
 “なに言ってんのアンタ~! さんざ撃ったテッポなんか返してくれても売れるわけじゃなし、こっちもジャマだわよ、さっさとガンショップに行ってアンタの名前で登録してちょうだいよっ!”
 “あ…はいい…♪”
 いや~、これまでにメイカーからずいぶんとテッポをもらいましたが、こんなに押しつけられたのは初めてでしたね。
 そんなことがあった後、今度はライフルが送られてきました。これがまた軽くて取り回しがよくてディザインが優れていて命中精度は100mで9cmくらいはあって、これって300mでの銃撃戦が充分にできるわけで、この感動的な軽さは瞬間的にM4は重くてウザッタイと想わせるほどなのですよ。
その軽さときたら2kgとちょっと。ほんとに嬉しい軽さなのです。それとピンを抜けばストックを折りたためるとこなんか、ブロンソンが狙撃に使った AR-7でしたか、あの魅力をたたえており、違うといえばアッチは作りの粗末な遊び用で口径も22LRの軟弱弾で、コッチはハイテックでパワフルで本格的なサヴァイヴァル銃だということなのです。

 そこで、ライフルもすっかり気に入ったのでまた電話をしました。そしたらあのオバチャンがまた出まして、
 “なに言ってんのアンタ~!・・・”
 いや~! 笑 あははははは。
 
 と、そんな会社なので1度は訪問してみたいと考えるのが人情というもので、連絡してみたら “何したいか知らないけど、おいでよ~” というのですよね。なんと天下のガンフォトグラファー様をよくは知らないみたいでしたよ。笑。ここは誰にでもおいでよ~なんて言うのですかね~?
 

 ケルテ社は、フロリダのココアという所にあり「♪ここあ~お国~三百里~♪」みたいに遠い地にあるのですがさっそく訪問してみました。まあ、ナイツ社の近くなのでソッチの撮影ついでに一日を費やしたというものではありますが…。
 で、ケルテ社は想ったくらいのコヂンマリとしたファクトリーで、工場内の雰囲気はゆったりとしており、昔のシュアファイヤのように互いがよく知り合っており、働いていて楽しいのではないかという気がしました。
そしてケルテの工作機械がこれまたヤマザキのメイザック(アメリカの呼び方で日本ではマザック)でしたね。武器輸出をしてはならんのに米国の一流武器工場のほとんどが日本製の工作機械を使っているのはコワイカニ?と感じますね~。でもともあれワシ的には嬉しいことなのですよ。
 ここの試射室ではケルテのブルパップでヤッキョウが前に飛び出すヤツを2種類撃たせてもらいオドロキを感じました。ご存じのようにブルパップは銃の全長を縮めるのに最も適したディザインですが、ヤッキョウがホッペの下から飛び出すので左右で撃ち分けることができないという一大欠点があり、それを克服するためにバレルの下側にあるチューブから前方に排出するというもので、これがじっさいに動くので想わず唸ってしまいましたよ。このメカニズムが安定し軽量化
されたらブルパップの時代がくるという可能性があると想いましたね。


 さてさて、
 10年も前から持っているのに、なんで今まで隠していたか、というと、べつに隠してなんかいなく、笑、ただ Gun庫の底に転がしたまんま忘れていただけなのですよ。
 でも、最近になって M4への熱が冷めてきて他になんかサヴァイヴァル銃はないのかと考えたらカルテックを想い出した、ちゅうわけなのですね。
 M4熱が下がった理由は、いろいろといじくった末に、そろそろアクセサリーの組み合わせが完成の域に達したということで、これはひとまず置いといて、普通の人が現実的に使えるサヴァイヴァルガンは何か?・・・と思考の方向性を変えたというわけなのです。だって M4の能力を目一杯に引き出すとしたら2百万円くらいはするナイトヴィジョンや高価な IRレイザーも必要で、一般的とはゼンゼンいえないわけですからね。
 そしてイヴァキュエイション(避難)のための銃を考えると M4では重くてカサバルという見方もあり、できたら小型軽量なほどよいわけですからね。そういう意味でケルテのテッポはとても魅力的なわけなのです。
 で、そこで、
 避難のための銃、と書きましたが、この必要性を日本人に解ってもらうことは難しいと想うのです。SAT マガを読んでいる人たちは別として、普通の日本人に「米国での避難において銃は必需品です」なんていってもハア~??と言われるのではないかと。
 昔は米国に戦争をしかけるという無謀な元気があり、そしてブチのめされて戦いのマインドを抜き取られ、平和のぬるま湯に浸かって平和ボケが発症した。これが日本の姿ですからね、今更「銃を取れっ!」などといっても
ハア~?…なわけです。
 で、いくら暴力蔓延のアメリカでも、地震などで避難するとき団体であれば安全だと想うのです。問題なのは1人、またはトーちゃんカーちゃんと子供だけといった場合なのです。ここで父親さえ殺せば後は好き勝手にやれるわけで、徒党を組んだ悪玉たちはせっせと弱いエモノを物色してまわるわけです。
 米国ではちょっとした騒ぎが街で起こるとすぐにスーパーなどのドアがブチ破られて略奪行為が起こるわけですが、こういった連中が単独でいる人間を見つけると金銭を奪い、面白半分に殴り、強姦や殺人を大喜びで始めるのですよ。
 で、あのですね、この現象をなんと怖ろしい事なのだ、と考えるのは人間への想定が間違っているからですよ。心優しい日本人たちは世界の「暴力水準」を見直す必要があると想うのですよ。
 
 「他人の財産や女を奪う、そして殺す」
 この行為は人間の本能なのです。我々人間にとって快感であり、じつはやりたくてしょーがないのです。これは善悪の問題ではなくて摂理なのです。弱肉強食の原理であり自然本能なのです。
 「男のほとんどは、暴力でキレイな女を犯したいと心の底で感じている」
 そう想いません?
 しかし、社会には取り決めがあり、法があり、教育があるので本能は抑えられ、悪を憎むという知性を「かろうじて」我々は維持しているのだとワシは想うのです。
 
 日本は世界でも珍しく平和な国だと想います、でも災害があって人々が避難所に集り、そこで夜などに女性が1人で外に出て行くと男達に強姦されることは頻発するわけですからね。日本人といってもやはり動物の一員だということを想定から外してはならないと想うのですよ。
 というわけで、力のある者が弱い家族を襲うのは悪でもなんでもなく、自分で自衛できなかったら強い者のエジキになる、ただそれだけのことではないかと。
 すくなくとも、目前の飢えた狼野郎どもが襲い来る時に正義だの法だのを説いても無意味なのは確かで、それを止められるかどうかはパワー次第ということになるでしょうね。
 
 まあ、それはともかく、
 アメリカの世の中は暴力の危険性に充ち満ちており、とくにいったん無法化された場合、つまり警察の力が及ばない状況では心の貧しい人間達が野獣化し人を襲い始めるわけで、そうなると市民達は銃をもって我が身を守るという構造になっているわけです。
 うだうだ言ってないで確かな武器をゲットし、しっかりと訓練をしている人がイザという時にサヴァイヴできるのだというわけで、そのためにサヴァイヴァル銃が存在しているわけですね。

 で、サヴァイヴァルに適した銃とはどういうモノかといえば、やはり「軽くて信頼性がある」ということでしょう。
 そのターゲットは襲い来る人間たちであり、鹿などの食するための動物でもあり、射程も長くてそれなりのパワーも必要かと。じっさいのところ308口径がほしくはありますが、こうなると銃が重くなることを覚悟しなければなりません。現実的なところでは M4に使う223口径が良いと想うのですよ。これは米国で最も入手しやすいライフル弾だと想うので、タマの補給に不安が少ないわけです。でもこのタマで大鹿を倒すには熟練の射撃力が必要とされるのでしょうがね。
 ともあれ、避難時にもっとも頼れるのは人であり、一方、最も危険な相手も人間なわけで、対人用として採用された223弾なら600mからでも致命傷を負わすことができ、ケルテックでも300mなら必中の精度を秘めているので心強いかと。
 じっさいのところ半信半疑で撃ってみたのですが、命中精度は100m先のコブシくらいあり、まず信頼性がありそうで嬉しくなりました。といってもまだ300発くらいしか撃っていませんが、箱から出してオイルもやらず300発もジャムなしに撃てるというのはかなり説得力があるわけで。
 それとなんと言ってもケルテのウリはその軽さなのですよ。M4を両手に持って1万歩あるくと腕がダルくなります。かなり疲れますよ。でもカルテックなら疲れをほとんど感じないのです。でも断っておきますが、かなり慣れてないと拳銃ひとつ持って歩いても腕は疲れるものですよ。モノを持っての1万歩連続歩きはあまり楽ではないのですよね。
 始めにイヴァキュエイターを背負ってテストする時はM4を持って歩いたり小走りをしていたのですが、これがキツクてね~! 汗
坂を上がる時なんかフーフーなるのですよ。
 こりゃ辛すぎるな~! と想いましたよ。まあワシは来年には70才となるようなオイボレですが、かといってウチに来る太りすぎのシューターたちにやらせたら途中で座り込むハズで。笑
 街を行く時でもそうですが、とくに野山を移動するときは周囲への警戒が必要でして、というのは悪党たちも銃を持っているので相手より先に見つけたほうが勝ちとなるわけですからね。拳骨やナイフでやりあう場合は至近距離に近づいての戦闘ですが、ライフル銃の場合は200mくらいでの射撃戦を想定しなければならず、こういう距離で先に見つけられてトゥリガーを引かれたらまず助からないと想っていいのですよ。
 「射撃の腕よりも警戒力」
 これが現実なのですね。
 自分の姿を捕捉されたら撃たれ、こっちが先に見つけたら隠れるも撃つも選択は自由。というわけなのです。ですから行動する時は目立ちにくい場所から場所を遠回りしてでも選んで歩き、たえずキョロキョロとめんたまを動かしながら警戒行動するわけで、そんなときにテッポが重くて疲れやすいと集中力もなくなるというものですよ。
 ともあれ昼間は目立ちすぎるので、できたら夜間に行動するのが賢いともいえます。そうなるとナイトヴィジョンがほしいですね。
 正直いえば、ワシは M4とナイトヴィジョンとでの夜間行動を選びます。これについては近いうちにリポートしますが、そっちは最高にゼイタクで高価なものなので一般的ではないかと。それに自分の道連れにも銃を持たせたいわけで、それにはケルテックが適していると想うわけです。じっさいのところ、どんな銃でも弾丸を発射できるかぎりは使いようで大いに役立つものですしね。
 その値段ときたら5万円ていど。誰でも買えて信頼でき、実用性が高いので持っているだけでも楽しいライフル銃。
 これがケルテックだと感じるのです。
 惜しむらくはスコープを搭載するためのレイルが短いのでダットサイト+ナイトヴィジョンの同時搭載ができないこと。でもこれは長いレイルを被せるとかのカスタマイズをすれば解決はできると想います。
 本来ならトライすべきなのですが、今回は夜の闘いはさておいてみました。闇での戦闘に対応できないのはワシとしては無意味なのですが、そっちは M4があるので、ここではナイトヴィジョンは PVS14ゴーグルにして可視光レイザーによる夜間仕様も可、という拡張性を見込んでのテストというわけです。
 そこでスコープに凝ってみましたよ。
 これは日本のOTS 社で開発中の1-6倍というスコープのプロトなのです。至近距離は等倍で、狙撃は6倍で、という CQB にもスナイピングにも使えるという素晴らしいモノです。レティクル(十文字)の真ん中には赤ダットが点灯するのですよ。
 今のハヤリは等倍のダットサイトですが、やがては1-6とか1-4とかのスコープが主流になってくるとワシは予感しています。
 もしも今の時点でワシが戦闘に参加させられるとしたら1-4倍のスコープの上にエイムポイントを載せていきます。どちらかひとつを選べといわれたら1-4倍を選びます。その理由は「より遠くを狙えるから」です。等倍のダットサイトで素早く狙える距離は50mくらい、ちょっと時間をかけて狙うと100mも撃てますがチと苦しいのです。200m ともなればアキラメ撃ちになるかと。でもそんな時にスコープの倍率を4倍に上げて狙うと200mからトコトコトコと50mの距離まで近づいて狙うのと同じになるのですよ。これなら簡単に当たっちゃいますからね~。安心笑。
 そこでスコープを等倍(じっさいは1.1倍くらい)にして近いターゲットをどれくらい早く撃てるか試したところ、エイムポイントとまったく同等のスピードで撃てることが判りました。この実験結果でワシは1-4時代の到来を予感したわけです。
 至近距離の速射ができる、ダットも入っている、そして狙撃もできる。こりゃゆーことありませんよね~。
 ただし欠点もあります。銃の上にアイアンサイトを載せる場所が無くなるということ。もうひとつはスイッチングでの照準が難しくなるということ。右構えから左構えにスイッチしたときスコープだと覗きにくいというわけです。しかしこれも訓練次第なのですよ。
 で、バックアップのアイアンサイトはハヤリの斜め横に張り出すタイプなんかよいかと想います。
 そこで、ケルテの場合はレイルスィステムが無いので制限はあります。でも6倍ものズームで200mからのヘッドショットができるというメリットに比べたら、これらの問題点は呑めるというのがワシの考えです。まあ、状況によってサササとダットサイトに取っ替えればすむことですしね。いろいろ選択肢を持っているほうがツオイですよ。笑。
 そこで、この1-6倍というヤツ。なかなか素晴らしいのですよ。6倍という倍率は FBI のスナイパースクールで「アーバンスナイピング用」として推薦するパワーなのです。「300m まで狙撃できれば良しとする」これが都市における狙撃の条件と割り切っています。あまり倍率が高いとターゲットを探すのに手間取り、揺れの倍率も高くなるので6倍あたりで撃つのがよろしい、と教えています。そして10mとかの狙撃もあるのでズームがよいとも言ってました。たとえばスナイパー訓練ではビルの窓から上半身を出して真下を走っているターゲットを撃つということもやるわけで、こうなると20倍ものスコープだとどうにもならないのです。なのでワシは スコープの横っちょにダットサイトを載せていますがね。ふふふ、ずるいね♪。
 というわけで、1-6のスコープはケルテックにウッテツケだという気がしています。じっさい撃ってみると軽快でよく当たり、これならええわい! と満足なのですよ。
 ところで、ワシが自衛隊の司令官でしたら、戦闘部隊の4人に1人にはこのスコープを配って89式に載せさせますよ。これはあらゆる場合に役立つわけですが、とくに建物を攻めるとき、走って入り口に到達するまでに窓や屋上から狙い撃ちにされて負傷者がうんと出るわけで、そんな時にまずこのスコープで見張りどもをサンザつぶしておいて道路を安全に渡れるようにしてから兵を動かすわけですね。アーバンスナイパーというわけです。もっとも司令官だからといって自分の部隊にスコープを導入できるような軍隊ではないのですが、でも戦闘が起こる状況でしたら隊員たちに「パチンコでスッたと想ってなんとか自費で買ってくれぬか」と頼みますね。そのためには彼らの奥さんたちを集めて買ってやってくれと頭をさげますよ。だいたいそんなこと言われるまえにスコープのひとつやふたつは買って備えておくような連中とでないと共に戦う気持ちも起こりませんがね。給料の使い方を観るだけでも隊員たちのマインドセットの程度って解りますからね。
 戦国時代の武将たちは常によりよい武器を求め、長巻(ながまき)のような実用的で強力な刀を使ったわけですが、我らが自称サムライたちは残念ながらオノレの出世ばかりを気にしているようですね。

「マインドセットとは自分を捧げること」

 それにしても、この民間ジジイの持っている武器の多彩なことったら・・・笑い。
  では、またっ!! 市郎 
   


Posted by 市 at 05:04Comments(16)記事

2012年07月22日

M65の古い記事

市 (2012年07月22日 00:28) │Comments(11)記事
このM65の古い記事は神武 保具さんが
ブログに載せられるようにファイルにして
くださいました。
とても感謝しています。それに、すごく
キレイに仕上がっており嬉しいです。市


Smith&Wesson M65 3inch Model

“長さ”をもてあます6インチ
Kフレームにラウンド・バットのグリップ。.38スペシャル用の短いシリンダ。バレルは3インチしかないがストレートのブル・バレル……。S&W M10の3インチ・モデルは現在FBIが使用しているリボルバだ。
ハンド・ガンは何がいいか、ということを考えるとき、まずそれを使用する状況を設定しなければ答えは出せない。150mからただの1発で……というときにはトンプソン・コンテンダーの出番だろうし、50~70mでの撃ち合いとなると6インチ・クラスのリボルバ、それもなるべく重いやつ。たとえばM29とかレッド・ホーク。M586やパイソンも威力充分だろう。50~70mと書いたが、実は6インチのDA(ダブル・アクション)リボルバはオールマイティーともいえる。かりに、コーナーを曲ったとたんに敵とハチ合わせしてしまい、シュバッと抜くとき、M586やパイソンあたりだったら、重すぎもしなければ長すぎもしない。(ホルスタにもよるけど)かまえたときのバランスのよさ、撃ったときのリコイルのマイルドさなども6インチがいちばんだし、火薬を充分に燃焼させて、カートリッジの持てるエナジーをたっぷりと引き出せるのも6インチならではだ……。
でも、そこで……。
いったん戦いにのぞめば頼りがいのある6インチにも欠点がある。ほかでもない。その長さだ。全長30cm近くもある。フロント・ブレイク・ホルスタに入れておけばクイック・ドローもできるが、それをカウボーイのようにブラさげていると、クルマに乗ったときジャマだし、レストランですわればゴロゴロしてウンザリさせられる。毎日1度は犯人と撃ち合いがあるというのなら、それもガマンする価値はある。だが、アメリカのオフィサーが撃ち合いをするチャンスといえば、一生に1度。それも100人にひとりいるかどうかといったものなのだ。CHPには4インチと6インチがあり、オフィサーの好みで選べる。10パーセントくらいの新米オフィサーが6インチを取るが、しばらくすると「4インチに変えてくれェ」とかけ込んでくるそうな。使わないときの6インチはかったるいというわけ。ダーティー・ハリーのようにショルダーに吊ったらどうか。当然、そう考えますな。そう、あれなら大してジャマにはならない。でも、オーソイのよ……抜くのがね。ショルダー・ホルスタはかっこいいので、ぼくも好きだけど、ヒップ・ホルスタのスピードには全然かなわないわけ。


4インチの名銃M19&M66
そこで、先端をチョキンとカットしたのが4インチ。4インチのD・Aリボルバというと、もうターゲット・ガンではなく、ハンティング・ガンでもなんでもない。ズバリ“対人用”そのものの様相を帯びてくる。対人様なんていうと、ゾーッとする人がいるかも知れないが、考えてもごらんよ。世の動物でもっとも野蛮で恐しいものは人間かも知れませんよ。自分の利益のために不必要なまでに多くの人を殺し、腹が減っているわけでもないのに、ほかの動物を撃ち殺して遊ぶなんてことするのは、人間くらいのものでしょう。ワシ、戦争はキライじゃ。イギリスのサッチャーさんには、フォークランドをとられたとき、「あんな遠くの小さな島など渡しておあげなさい。あれっぽっちの領土のことで1滴の血も流す価値はありません。たとえ、その血がアルゼンチンの人のものであるとしてでもです……」といってもらいたかった。そしたら世界中が拍手を送ったにちがいない。この頃の女性は、自分の息子たちをクイーン・エリザベスに乗せて戦地に送るんだからコワイ、コワイ。ハナシが湿った。ここらでチョン。
人間にはいろいろな種類がいる。とくにアメリカには世界各国から人々が移民してきて、その子孫から成り立っているため、日本人だけが住んでいる日本とくらべたら随分とちがう。いい人は底なしによく、悪い奴はもう人間じゃないと思えるくらいの神経を持ったのがいる。そういう悪い奴は誰かが退治したほうがいい。そして、それを行なうのがポリス・オフィサーだ。4インチ・リボルバは、そのオフィサーの命を守る最適のツールというわけ。
どうやらハナシがもどったナ。
6インチのバレルだと50ヤードで2インチのグルーピングが得られるが4インチ・バレルだと、約4インチ程度にバラついてくる。ターゲット・シューティングから見れば、これは致命的だが、コンバット・シューティングの側から見るとまったくモンダイない。コンバットでは、肩だろうが尻だろうがとにかくボディーに命中すれば相手は倒れるからだ。
それよりも、2インチ短くなったことで、つっぱらなくなり、軽くなり、しかも抜きやすくなった。バランスも6インチほどではなくとも、まだまだフルサイズ・リボルバの貫禄は充分だ。そんなわけで、4インチD・Aリボルバはアメリカ中のオフィサーから最も愛されることとなった。とくに好まれたのは、かの名銃M19。エジェクター・シュラウドのある、あの細身なヤツだ。その名も“コンバット・マグナム”と呼ばれポリスにもFBIにもCIAにも愛された。M19をステンレスで作ったのがM66。ステンレスは布で磨くと銀の色になる。ニッケル仕上げのあのケバケバしい軽薄さではなく、明るくパアッと輝きながらも、どこか落着いた、渋味をたたえるのだ。“正義の味方は銀の銃”なんてイメージをもたせてくれるのがM66だ。それにステンレスはサビにくいため、普通の状態で使っていれば、2年でも3年でも油布で磨く必要がない。ブルーのGUNだと、汗ばんだ手で触って放っとくと数日後にはサビが出る。
M66の人気は今でも大したもので、GUNショップのウインドーにならぶことはメッタになく、もし出てもその日に売れてしまう。どうしてもほしい人はGUNショーに行って定価より100ドルばかり高い値段で買うのが常だ。
M66のフレームとシリンダは、もともと.38スペシャル用なので.357マグナムをガンガン撃つとやがてガタがくる。ぼくは、それが欠陥だとは思わない。もともとGUNは消耗品だと考えているからだ。どんなものでもやがてはガタがくるだろう。M66はほかのものにくらべて早めにリタイアしたがるだけのことだ。それよりも、あの軽量さと細身で繊細なラインが好きだ。4インチもいいが、2.5インチの可愛さもたまらんではないか。


+P時代のライトなKフレーム
そうこうしているとき、LフレームのM586とM686が発売された。3月号を見てくれましたかのォ。あれは制服のポリス・オフィサー用GUNとしては決定版となった。重量はあるがタフで、スゴ味もあって、Nフレームほど大きすぎず、.357マグナム用としては最高のリボルバだ。だが大柄なので私服用に向かないのは、しかたないナ。一方、ここ数年来、カートリッジの開発もよく進み、CHPとウインチェスターが一緒に開発した.38SP+P+というタマが出た。軽量なハローポイント・ブレットを高速でとばしてショッキング・パワーを増加させようというものだ。それまでの.38SPはパワー不足でどうしようもないという意見が多く、自然にリボルバは.357マグナムに傾きつつあった。.357マグナムのタマはスラッと細長く、よいプロポーションを持っているが、見かけとはウラハラに、そのパワーは強烈そのもので反動も痛烈だ。夜間とか暗いところで撃つと、マズル・フラッシュで目がくらみ、ターゲットを見失うという欠点まで持っている。CHPの+P+は、.38SPのパワー不足を解消し、.357マグナムのようなジャジャ馬でないタマとして登場、実戦において、たて続けに20人ほどの悪漢を葬り去った。これがきっかけとなり、世は.38SP+Pの時代となり、各メーカーはこぞって+Pを発売しはじめた。FBIもCHPにならって+Pを使うことにし、フェデラル社のセミ・ワッドカッター・ハローポイントの+Pを採用した。セミ・ワッドカッターを使った理由は、ブレットの先端の断面積を大きくして、インパクトの瞬間におけるショッキング・パワーを増やそうというものだ。あるFBIインストラクターの調べでは、どうやらFBIよりもCHPのタマのほうが上らしいということだ。
さてさて、そこで……またGUNのハナシ。
せっかくS&W杜がLフレームというすばらしいリボルバを作ってくれたものの、世は+Pの時代となっていた。Lフレームにだって+Pを使えるからモンダイはないのだが、実は+PはKフレームにピッタリなのだ。つまり、+Pを撃つのにLフレームのような頑丈なGUNは必要としないということ。そうなると、Lフレームの重量は無意味なものとなる。もともと、+Pはミリタリー・ポリスあたりで充分にコントロールできるように作られているため、M66ならいうことないし、それ以上ヘビーなGUNは疲れさせるだけということになるわけだ。そうなると、M19とM66は依然として強い。

理想のリボルバM65
あるとき、FBIのインストラクターが200人のポリス・オフィサーにインタビューした。質問の内容は、「あなたの使ったGUNは何だったか」「カートリッジは何だったか」といったことのほかに「あなたが犯人を撃ったとき、フロント・サイトとリア・サイトを使って照準してからトリガーを引いたか」というものがあった。そう、その200人とは、犯人を撃った経験者たちだったのだ。サイトを使ったかという質問には、全員が「ノー」と答えている。オフィサーが発砲を許されるのは、自分または第3者の命が危ないときだけ――たとえば犯人がGUNをこちらにスイングしようとしたときなどに限られている。そういう緊迫した一瞬にサイトを合わせているヒマはないということだ。そし90パーセントは7ヤード以内で発砲している。「ということは、やはりアジャスタブル・サイトは必要ないじゃないか」というのがFBIの結論だった。――フレームはフィクスト・サイトのM10がよかろう。グリップはラウンド・バットとし、オーバー・サイズにしない。ただし、グリップ・アダプターをつけなければグリッピングがルーズになる。さて、バレルだ。理想は4インチだが、それでは背広を着るエージェントにとコンシーラブルとはいえない。かといって2.5インチではエジェクター・ロッドまで短くなって排莢に支障をきたす。フル・レングスのロッドをカバーさせるとしたら……3インチか。これなら高めに吊ったパンケイク・ホルスターとの組み合わせで外側から見えることはない。3インチともなると+Pのリコイルも大きくなるからブル・バレルをつけよう。そのかわり、大して役に立っていないシュラウドはなしだ――多くの実戦データから割り出されて完成した実戦的リボルバ。それが、FBIの3インチM10なのだった。M10に加えて、3インチM13も最近使いはじめた。M13はM10とそっくりだが、シリンダが.357マグナム用となっている。車の中の犯人とやり合うときなど、貫通力のある.357マグナムも使えたほうがいいからだ。
そのFBIスペシャルM10は、ぼくも手に入れることができた。ごくアッサリとしていて、どちらかというと退屈なかんじのリボルバなので印象も乏しかったが、実際に撃ってみると、ナールホド!と思わせる。まず、3インチのブル・バレルがいい。M66のようなシュラウドタイプがカッコいいのだが、やはりここは実をとってブル・バレルだ。ラウンド・バットもクレバー(賢い)だ。地味なGUNだが、プロの作ったものだけあってすべてしっくりとくる。でも、せっかくならM13のほうがほしいと思った。.357のKTWを使用できたら威力倍増だからだ。そして、それがステンレスだったらいうことないのに……つまり、ぼくのほしいのは、ありもしないM65の3インチ・モデルというわけだったのだ。

そして、あるときのGUNショー。
例によってブーラ、ブーラと歩きまわっていると、ステンレスのリボルバが目に入った。「M64かな、でもバレルが長めだなあ」と思いながら近くに寄ってみると、ナント、ナント3インチのM65ではないか! 「ワッ、何ですかこれは?」オヤジさんはニッコリ笑って「ホウ、3インチなのがわかったかね」「でも、これは作っていないはずでしょう?」「それが最近、ごく少しだが作ったんだよ」「ウッ、売ってくれる?」「高いぞ、……350ドルはほしいね」「なんのこっちゃ.M66より安いでないの」「M66は多くの人に好かれるんだよ、なにせスタイリングかいいからね。だけどこのM65はいいもんだよ」「あったり前ですよ、これこそぼくの理想のリボルバだったのですよ」どんなに嬉しかったか、わかるでしょ。


◆M19やM6のバレルの下にある、あのシュラウドにしびれているファンは多いだろう。わかる、わかる、その気持ち。とくに右側から見たところがたまらんネ。リボルバの弱いところはエジェクター・ロッドで、それをしっかりとカバーしているのがそのシュラウドだが、じっさいは必要というほどではないのだよ。よほど運の悪い落し方をしない限りエジェクター・ロッドが傷むことはないし、だいたい戦いの最中にGUNを落としたらもう終わりだせ。しかしね、君が敵のバックを取ったとするよ。「HOLD IT !」というか「動くんじゃねェ!」とやるかは、お好きにどうぞ。奴は手をあげた。だがほかにも敵がいるかもしれんから君は銃声をたてたくない。こりゃ、もうガツンとやるしかないね。その時、君の愛銃がM66だったら、そのまま上から奴の後頭部にバレルをたたき込めだOKだ。シュラウドがあるからロッドは平気さ。でも、M65だったら、GUNを水平に(上を左に向ける)持って、右から左にプンとスイングして奴のテンプル(コメカミ)にGUNの上部をたたき込むべし。左利きの人はこれと反対の動きをしてくれんと、ワシ責任はゼンゼン持たん。それとモデルガン(特にプラ)でやるのなら、人の頭でなくてトウフをターゲットにしてくれたまえよ


◆フレームの中にキッチリといっぱいに納まった.357マグナム・シリンダ。ハンマーはロン・パワー・タイプのデホーンド。完全に曲面の下に潜伏するリア・サイト。D・Aリボルバの理想の集約がここにある


◆このごろ,S&W社はラウンド・バットのコンバット・グリップを3種頬発売した。フィンガー・グルーブ入りのこれなんか、ルックスもいいし、なかなか握りやすい。でも、ぼくとしてはグルーブなしが好きだ


◆例によって、トリガーのエッジはグラインダーで落とし、400番と600番のサンド・ペーパーで磨きあげた


◆D・Aリボルバを大別するとサービス・ウエポン(制服警官用)とオフ・デューティー・ウエポン(私服用)の2種類になる。NRAか定めるサービス・ガンは3インチ以上で、普通4インチか6インチを意味する。オフ・デューティー・ガンは、私服を着た時に表面から、その存在がわからないということを前提としているので、3インチ以下となっている。オフ・デューティー・ガンの中でいちばん人気のあるのは、なんといってもチーフ・スペシャル。または、そのステンレス版であるM60。そして6連発のM64、コルトのデテクティブやエージェントも好まれている。ワシはM60とデテクティブも大好きじゃ! FBIが決めた3インチというのは、つまり大型のオフ・デューティー・ガンということになる。超特大スナブ・ノーズというわけだ。本来、ディフェンシブ・ウエポン(防御用)だとはいえ、3インチのブル・バレルともなると、達人が使えばリッパなアタック・ウエポンとしての性能を引き出せるのだ


◆短いくせに、フルサイズ・ガンに近いパーフォーマンスを約束するブル・バレル。外径20mmもある。M66は17mmだ

◆デホーンド・ハンマーは太陽光を反射するので、ブラックに塗装した。塗料は何かって? マジック・インク…… ハハハ。禿げたらまた塗るのサ

◆シリンダ・ラッチを押しながら、シリンダを左に押すと、曲線を描きながらシリンダがフレームから出てくる。これを“スイング・アウト”と英語でいう。なんとひびきのよいコトバではないか。日本語だったら、“押し出し式輪筒”とでもなるかナ


◆ぼくの知るかぎり、S&Wリボルバに関してこの人以上に知りつくしたガン・スミスはいない。スタクトンPDのアル・ガラバリアだ。S&W社のガン・スミス・スクールを卒業し、長いことスタクトンPDのレンジマスター兼ガン・スミスとして働いている。
「試合用GUNのシルク・タッチ・トリガープルにしながら、しかも実用銃としてのありあまるハンマー・パワーを持たせたいのだけど……」というぼくの希望をハイヨと聞いてくれ、冗談かと思ったらホントに絹のようになめらかなトリガー・プルにしてくれた。これだけの仕事を頼むと、そこらの自称ガン・スミスでも60ドルは請求する。そして、トリガーは軽くなるが、ハンマーのパワーがなくて不発だらけだ。「バカ、お前から金を取れるか!」とジーン・ジョーンズの友だち、アル。ぼくにできるお礼は、このM65でオフデューティー・マッチに出て優勝し、「このM65はな、スタクトンのアルがチューンしてくれたんだ」といいふらしてやることだ。ところが現実はきびしい。前回の試合で2位だったのだ。SFPDのジェミーという男に2点差でやられた。ジェミーの使ったGUNは……クソッ、いいたくないけどパイソンの2.5インチ……ナ一ニ、次があるサ


バレルが短いと、どうしても命中精度は落ちるがそれでも3インチあれば20メーター先の小さなリンゴくらいになら100発100中の能力を持っている。マシン・レストで計ると、決して失望するほどのグルーピングではないのだが、人の手で撃つとなると命中率は急降下するのだ。原因は、リアとフロント・サイトの距離が短くなるので、目測の誤差が大きくなるからだ。重量も軽くなるため、リコイルは大きくなり、握り方の強弱変化でタマは上下に散りやすくなる。それと、バレルが短くなった分だけターゲットから遠くなるので、タマの飛距離が長くなり……アハッ、これは冗談だよ。
とくにプローン、ニーリング、左手、右手とポジションを変えて撃つと、短いバレルの神経質さは、よくわかるものだ。25ヤードから6インチ・カスタムのトリガーを引き、ハンマーがプライマーをたたいた瞬間のサイトピクチャーの残像から「アッ、ちょっと上だったナ」と感じたとき、それは10cm程度の外れですむが、2インチで同じように感じたら、もう目も当てられない。なにしろ30cmも上にピョーンと行っちゃうのだから。ブル・バレル付きの3インチM65にも、当然スナブ・ノーズ特有の神経質な面を感じはしたが、それは想像していたよりもずっとよく、慣れてきたら4インチだか3インチだかわからないようになってしまった。M19からはじまってパイソン、M28を経てM66に到達、長くこれを愛用したが、去年、1年間かけてリボルバというものをあらためて見つめ、ハンド・ガンとは何かを考え、ようやく今ごろになって、ぼくなりの結論“M65”にたどりついたわけだ。考えてみれば、アジャスタブル・サイトは試合用以外には必要ないことくらい3年も前に感づいていたことだし、バレルも3インチあれば充分だと知っていたのに、チト、頭が固いのか、M66のかっこよさに蛙せられて、本質の追求を避けてきたのか、ホントに年月がかかった。
 ところで、フィクスト(固定)サイトは必ず目に合っているのだろうかと疑問を持つ人がいると思う。答えはイエス・アンド・ノー。合ってるのもあれば合ってないのもある。上下の狂いだったらフロントなりフレームの上面をケズることで解決できるのだが、たいていの場合は右左どちらかに5~10cmくらい25ヤードでずれている。こうなると素人の手にはおえない。ワシはどうしたか? ピッタリのがあるまで買い続ける決心をしたのだよ。最初のM10は右に5cmずれていた。次のM65は左上に7cmだった。そしてまた、やっとの思いで捜したM65、これがピッタンコだったのだよ。ショージキにいって、嬉しかったなあ。なにしろ10挺やそこらは買い集める覚悟をしていたんだから。残った2挺はどうするんだ、オイラにおくれだって?そんなムチャな。あと29年間も家の支払いがある上に、ラングラーの月賦、ボブチャウ・カスタムⅡの支払い、グレイ・ガン(2100ドルもするヒミツのカスタム)を買うための積み立て、ブレンテン10mmオートだってもうすぐ出てくる。新型のCz75(どうせ手に入らないけど)もほしい――そんなワシにムゴイこといわんといて。すこしくらい未練があっても、不要な銃はGUNGUN売るか交換してしまうのサ。GUNは高いけど、売るときもワリカシよい値段で売れるし、中には値上りして利益が出るものだってあるんだから助かるのだよ。
 ところで、コクサイのセッチャンよ。Kフレームのよいやつを作ったそうだから、このFBIスペシャルも仲間に入れてやっとくれよ。なあ、みんな。(ソーダ、ソーダ、ソーダ屋のオジサンが……)そこで、さて。そろそろP7のリポートをやろうかな。あれはユニークですよ。かっこもいいしね。マルシンのヤマちゃんよ。ぼちぼち、P7を出して下さいナ。なあ、みんな。(ソーダを飲んでしんだソーダ)なんのこっちゃ。〈な、なんて古いギャグなんだ! こんなんで笑えるの20代後半より上のオジンだけだぜ、イチローあにい。もうちっとオモシロいギャグ考えんと原稿料上げてやんないよ〉

  


Posted by 市 at 00:28Comments(11)記事

2012年06月22日

狙撃拳銃のリポート

市 (2012年06月22日 13:28) │Comments(12)記事

え〜と、、SATマガに載せた狙撃拳銃の
記事はまだここには載せていませんでし
たよね?
載せたような気もするのですが、まあ人が
苦しむわけでもないので載せますね(^^)
週末の読み物としてどうぞ。





★遠くを撃ちたい★
マリーンの狙撃手は優秀だとして知られており600mだの1000mだのの距離で狙撃訓練をする。だがストーキング訓練では200mまで忍び寄ってから撃つ。なぜ200mかといえば、この距離だと敵の姿がよく見え、風の影響も読みやすいので極めて高い確率でヒットできるわけだ。じっさい、10倍以上のスコープを搭載したスナイパーライフルを撃ってみると200mという距離から人間の頭に命中させるのはいとも簡単だということが判る。 
 一方、米国のポリス スナイパーが本番で撃った距離の平均は80ヤードだそうだ。FBIの狙撃班によると300ヤードまでを撃てるようにしておけば充分だという。
 考えてみれば、300ヤードという距離から必殺の一弾を放てるということはなかなか魅力的なことではないか。平和とはいえない国に住んでこんな狙撃銃を身近に備えるのは心強いことだ。しかし難をいえばライフルは長すぎて常時携帯ということが出来ないこと。そして危ない目に遭うのはやはり外出している時が多いわけで…。

 そこで外出にはCCWのための小型拳銃ということになる。
 小型拳銃の特徴は、軽くて小さいので携帯に便利というものだが、これには射程が短いという短所がつきまとう。目前にいる暴漢が自分を殺そうとしている時には使える武器だが、道路の反対側で犯人が自分の妻を殺そうとしている場合には一発必殺で倒すということはできないと見てよい。小型拳銃というのは至近距離用としてディザインされており、とても撃ちにくいのだ。
 したがって、射程を伸ばしたい人は中型拳銃を選ぶ。こうなると戦闘力は格段に上がるわけだが、それでも25m先の悪漢を撃ち倒すには難しいものがある。射場で時間をかけて25m先の20cmのターゲットに確実に当てることができる人でもドロウを入れて3秒以内に初弾を放つというコンバット射撃では至難の技となる。
 さて、CCWの許可をもらいSIG P226を携帯するようになった。これならほとんどフルサイズの拳銃という大きさなので撃ちやすく、よく当たり、装弾数も多いので本格的なガンファイトに対応できる。拳銃というものは大きくなるほど使いやすくパワフルで精密に撃てるものなのだ。
 本格的なガンファイトという意味は、目前にいる3人を撃ち倒し、クルマに乗っていた2人も即死させ、加勢に飛び出してきた6人のギャングもすべて沈黙させる、といった状況のことで、これに対するにはチーフやPPKでは難しすぎるわけだ。
 226は、そういう「大喧嘩」に対処できる強力な拳銃なのだ。難点といえば重くてカサバルことだがね。
 しかし、ツラツラ想うに、CCWのサイズは持ち主のマインドセットに比例するのではないかと想う。つまり、やる気があるほどにデカイのを持つ、ということ。

“イーチのキャリーガンを見せてくれよ”
 と、対ギャング班の連中に聞かれたのでタクレーヌから226を抜いて見せた。すると、
“ほほう…これなら強力だ…”と感心された。そこでシャーツの下からグロック19を抜いて
“場合によってはこっちを抜くんよ”
 というと、
“おお~う!!”
 と、感嘆の声をあげる。そしてパンツのポケットからチーフをサッと抜いた、
“ええっ?? う~ん、これで判ったが君は大したファイターだな~”
 と、二人は顔を見合わせていた。
 この時は、たまたま3挺をキャリーしていただけで、通常は2挺だ。しかし誰かが3挺もキャリーしていたらワシもそのマインドセットの強さに感嘆の声をあげるだろう。しかし、ワシとしてはそんな自分に決して満足はしていなかった。
 
「携帯するのならより強力な武器がよく、それもできるかぎり遠くを撃てるのがよい」

 これがワシの考えだ。
 そして想った・・・

“今のままでは射程が短いので、より遠くを撃つために「狙撃拳銃」を携帯しよう…”

 CCWといえば上着かパンツの内側、またはポケットに入れるものだという観念があって、これがワシのジャマをしていた。ダットサイト付きの拳銃は大きすぎて持ち歩けない、という気持ちがあった。
 しかし、市街地で本当に拳銃での闘いをするのならビアンキカップ用みたいなハンドガンが最も強いことは解っていた。そしてある時に気がついた。
“なにも身につけることもあるまい、タクレットLはダットサイト付きが入るようにディザインすれば速く抜けるし、他にもバッグを作ればよいだけのことではないか…”
 こうして狙撃拳銃の実験を始める。

    ★50mを射程に入れたい★
 拳銃でどの距離まで闘えるのかという意見は、人によってまったく異なるだろう。
 ミリタリーもポリスも拳銃は主として7ヤード以内で撃つことを前提として訓練する、そして教官の多くが拳銃では遠くを撃てないと考えている。
 拳銃で50mの距離で闘えると想う人と、そうでない人とに別れ、その差はオープンクラスの試合に出ているかどうかによるのではないかと想われる。

 10m以内の距離で素早く撃てる射手を育てるのは簡単だが25mで闘える射手を育成するには10倍以上という時間と弾薬が必要となり、シューターの才能も必要となってくるわけで、拳銃は当たらないという迷信はここらから生まれているのではないかと想う。じっさいのところ数多い射撃教官の内で幾人がIPSCやビアンキカップ スペシャルという銃を撃ったことがあるかと問えば、それは50人に1人もいないだろう。

 拳銃が当たらないのではなく、
 当てられる人が少ないだけのこと。
 つまりはこれだと想うのだ。

さて、現実には拳銃が秘める性能とはいかなるものか? このことをワシ自身も明確に知りたいわけで、そこから狙撃拳銃のコンセプトが生まれるわけだと想われる。

 ワシの場合は必殺の距離は50m、重傷を負わせられる距離は100m超。もし犯人の上半身が見えていたら200mまでは制圧射撃を加えたいと想定している。制圧射撃というのは、相手の近辺に弾丸をバラバラと飛ばす方法で、運が良ければ当たってしまうというものだ。上半身が丸見えの場合、5発撃ったら、その内の1発はヒットさせるくらいのつもりで撃つ。これをやられると、至近弾がバラバラと飛んで来るので、相手はかなり恐怖を覚えるわけだ。ちなみにこの場合は頭上1.5mほどを狙って連射すればよい。精度の高い拳銃で安定したプローンで撃つと等身大のターゲットなら200mでもほぼ確実に当たる。

 では、必殺の距離を50mにしたいとワシが決めたのはどうしてか?
 じつは、それなりの経験があるのだよ。

    ★起きそうになった事件★
 ほとんどの事件がそうであるように、この場合も予想だにしなかった場所でまったく突然に起きた。
 それは、メル ミラードというポリス インストラクターから譲ってもらった中古のブルバレル付きのS&Wリヴォルヴァを使ってサンフラン スィスコ郊外にあるパブリックレンジで練習をしていた時だった。
 25ヤードの距離から直径10cmほどの黒点に15分間に50発撃ち、すべてを黒丸内に入れるということにワシは凝っていた。そして、その日曜日も混んだ射場で同じ練習を黙々とやっていた。
 撃ち方始めの笛がなって皆が撃ち始め、15分後に撃ち方止めの笛が鳴る。そしてターゲット交換というルールだ。15分間に50発という自分なりのルールは、この15分の間に50発入りのタマ箱を空にする、というところから来ていた。
 スタンディングで25ヤードから連続50発を10cm内に撃ち込むというのはとても難しいことだ。後々になって判ってくることだが、たとえばレヴェルの高いLAPDのスワット隊員にとっても難しいことなのだ。
 ただしこれは一般射撃の基本であって、戦闘射撃となるとまったく違ったテクニックを学ぶことになる。
 ワシはいつしか、時折はそれを達成することができるようになっていた。レンジマスターたちからもよく褒められていたし、他の日曜シューターに教えを請われたりもしていた。
そんなある日のこと、撃ち方止めの笛が鳴る前に50発を撃ち終えたワシは空にしたリヴォルヴァを机の上に置いて黄色の待機ラインに立ってターゲット交換の合図を待っていた。やがて笛が鳴りターゲットを貼りなおし、再び待機ラインに立ったところにテッド今井というレンジマスターがやってきた。そして彼は囁いた。
“イチロー、そのガンに今タマをこめて予備のタマも持って私についてきなさい”
“えっ? いいの? そんなことをして?”
とワシは一瞬戸惑ったが、テッドの命令口調に身体はもう動いていた。ターゲット交換の待機中に机の上にある銃に触ろうものならスピーカーでものすごく怒鳴られるのだ。しかしワシは机の上に置いたリヴォルヴァにタマをこめ始めた。周囲を見回したが誰も気にしてはいない様子だった。まあそれはテッドがワシの直近に立ってワシを見ているので訝しがる者はいなかったのだろう。そしてタマをこめ終わるころワシは初めて疑問が湧いた。
〈いったいテッドは何をさせる気だ?…〉
リヴォルヴァのスィリンダを閉じたとたんに
“私について来なさい”
 とテッドは言い、早足で歩き始め尋ねる間もなく日本語で説明を始めた。
“あのね、中国人ギャングで仲の悪いグループ同士が来ていて喧嘩しそうだから、もしも撃ち始める奴がいたら撃ち殺してちょうだい。イチローはあっちのクルマの近くにいるヤツラを撃ってちょうだい、他のはワタシたちが撃つからね…”
 目立たないように小さくアゴでしゃくられた方を見ると3人ほどの東洋人が見えた。まっさきに考えたのは、その距離とどこから撃つか、ということだった。射場の出入り口にクルマが停まっており、そのタイヤに隠れてプローンで撃てば6発で3人なら撃てるだろうと感じた。
“あのクルマの下から撃つけどいいよね?”
とワシはテッドに囁き、テッドは頷いて右の方に行った。ワシが左翼、テッドが右翼を守ることとなった。さて、相手は何人いて味方は何人いるのかさえ判らなかった。ターゲットは6~10人くらいかも知れないと想った。とにかく発砲するヤツがいたら次々に撃とうと想った。とくに緊張は感じなかった。動悸もなかった。恐怖はもちろんなくて冷静そのものだった。そんな冷静な自分が観えて不思議な気もしたが、まあこんなものだろうぐらいにしか想わなかった。すぐに盾にするクルマに着いた、がまだ何も起こっていなかった。いきなりプローンに入るのも目立つと想ったのでそこでなんとなく周囲を見回していた。パンという音がしたらすぐに寝転んで射撃をしようと想った。距離は50mほど、クルマの下からなのでサイトは日陰に入り、さぞかしフロントサイトはくっきりと見えるだろうと想った。もしも立って撃つヤツがいたら一発で倒せるという確信があった。クルマに隠れて撃つヤツがいたら足でも手でも、見える部分を次々に狙撃してやろうと考えていた。ギャングたちは撃ち始めたとたんに予想だにしていなかった方向から一斉に狙撃されて数秒で全滅するだろうと想った。
 しばらく経った・・・。なにも起こらない・・・。これはダメそうだな、と感じ始めた。起こるならもっと早く起こっているだろうという気がしてきた。右側からテッドがやってきた。
“あっちのヤツラ帰ってったよ”
“そう…じゃシューティングにもどろうか…”
“ギャングたちが口喧嘩始めたので撃ち合いになるかもと想ってね…”
 すこしがっかりしていたワシにテッドは説明しながら射座まで付き添ってくれた。テッドは何事もなかったように振る舞い、何かが起こりつつあることを感知した客は1人もいなかった。
 ワシはまたターゲットを撃ち始めた。そして考えていた。
〈…いい経験になったな~、これは実戦経験と同じだ。あれだけ落ち着いていられたらこれからも大丈夫だ…そうか、できるだけ離れたところから撃てればより安全なんだな、射撃の腕も大切だが有利な場所に立つというのはもっと大切なんだな…それとなるべく遠くを撃てる拳銃があるといいな…いったい拳銃ってどれくらいの距離まで撃てるのだろう?…逆光線だと狙いにくいし、暗くなるとサイトが見えなくなるしな…手足を使った喧嘩とはちがい銃と銃との闘いは知能の働きが勝機をつかむことになるようだな。しかし今日は昼間なら50mで狙撃できることが判ったので、それだけでもトクしたな…〉
 などと考えていた。
 
 その後、本格的な試合に出始める。
 名人達の腕前や、種々の拳銃に触れる機会も増し、拳銃の性能も判ってくる。
 闘いを想定した拳銃の試合の場合、遠くは50ヤードが多く、まれに70ヤードの速射などもあることが判った。そして特殊な拳銃なら300mからでも当てられることも知った。だが、それらは戦闘用ではなく、単発だったりボルト操作が必要だったりで、とにかく大きすぎてフトコロに入れて歩けるというシロモノではなかった。サイトを50mに合わせておけば100mからなら50cmほど上を狙えばかなり当たるのだということも知った。当時に流行していた.44マグナムは戦闘用としては不向きで、357マグナムの方が現実的なのだと知った。そして世の中には安い拳銃と高い拳銃があることも知り、壊れやすいのや頑丈なのがあることも判った。そしてカスタマイズすればさらによく当たるようになるということも知り、精度の高い拳銃はそれゆえに強い武器となることなども知るようになった。

 こうして年齢を重ね、今や拳銃を護身のトゥールとして携帯するようになったところでツラツラと考えることがあった。
「自分の敵はどの距離にいるのか?」という想定だ。
 街で金品目的に脅されるのに対処するなら2mで撃てればよかろう。しかし妻や娘を人質にとられたら5mからの1.5秒ヘッドショットという高度な技が要求されるだろう。では道路を隔てたところで娘がクルマに連れ込まれるとしていたらどうするのか? その距離は20mかもしれないし50mかもしれない。撃つタイミングを逃したとしても、せめて逃げ去るクルマのタイヤに穴をあけて救出の可能性を残したい。ビアンキカップではプローンで50ヤードという距離からコブシサイズのターゲットを撃ち、これはそう難しいことではない。できればカップガンを持ちたいものだ、だがこれでは大きすぎて携帯には向かない。スティル チャレンジ用カスタムの速射力とカップガンの命中精度に迫れるキャリーガンがあったらベストな拳銃といえないだろうか? CCW用といえば小型拳銃だと相場が決まっているが、大型になるほど人の命を救える可能性も大きくなる。現実にフルサイズのコルト45を携帯する人も少なくはない。だったらもう一歩踏み込んで試合銃のように「狙撃できる拳銃」をキャリーするというのはどうなのだろう?…。
 そういった構想が浮かんでしまうと、うずうずと熱いものが脳天までこみ上げてくる。

     ★狙撃拳銃とは?★
 では「狙撃拳銃」とは何か?
これについて熟考してみる。
 まず参考になるのは狙撃銃だろう。
 狙撃用ライフルにとって何が大切かを考えれば、狙撃拳銃への手がかりも掴めるのではないかと想うのだ。
 狙撃銃の目的は遠くを正確に撃つこと。
 そのために必要な要素としては、

1. 100mから最低でもピンポン玉を確実に撃てるという銃の性能。

2. 100mからピンポン玉を凝視できる照準器。これはオープンサイトだと可能ではないので少なくとも6倍以上の高倍率スコープを意味する。  

3. 100mからのピンポンを撃つとき、ブレずに引ける味の良いトゥリガープル。

 高性能銃、高性能スコープ、切れの良いトゥリガー。狙撃銃の条件とは、この三項目に絞ることができそうだ。

 それを拳銃に当てはめてみようか。
 ただし拳銃であるからには至近距離でのスピードを犠牲にするわけにはいかない。とても俊敏でとても遠くを撃てるというコンセプトから外れてはイケナイと想うのだ。
 高性能な拳銃には50mで2.5cmという性能がある。
 しかし、そのためにはオープンサイトでなくスコープが望ましい、というよりは必需品だろう。できたら倍率がほしいが、それだと5mから撃つときのスピードにおいて支障をきたすので等倍がよいだろう。それも暗い場所で撃つことが半分はあると想定しダットサイトの選択は必然といえる。そしてそれはより小型なものが良く、土砂降りの中でも照準でき泥をかぶっても水洗いでき防水である必要もある。そして電池は一年間は点けっぱなしでもよいというのが望ましい・・・と、そうなればエイムポイントのマイクロ、それもナイトヴィジョン対応のT-1というモデル。これをさしおいて他には見当たらない。じつのところ、このマイクロが発売されたことでワシの長年の夢だった「狙撃拳銃」の構想が実現できるのだと言える。

      ★ダットサイト★
 ブライアン イーノスというシューターがエイムポイントをビアンキカップに持ち込んで優勝して以来、ダットサイトはゆっくりと射撃の世界に広がっていった。
 初めは電気光学サイトなど信用できないと食わず嫌いを決め込んでいた軍や警察のカワズたちも、今ではこぞって使用している。
 じっさい、今のアメリカでは井の中から出たことのないカワズでさえダットサイトの良さは認識している。
 日本でもダットサイトを最初に使い始めたのはエアガンシューターたちであり、やがて警察や自衛隊も採用することとなる。
 そんなダットサイトで練習を積んでスピードシューティングの世界でトップの座に躍り出たのがマック堺という男なわけだ。
 そのマックに、ダットサイトについてコメントを書いてほしいと頼んだら、以下のようなメイルをくれた。

  ★ダットとオープンサイトの差★
 まず、ダットサイトとオープンサイトについて説明させていただきます。
 ダットサイトは、スコープのような単眼鏡の形をしており、倍率もありません。その中を覗くとダットと呼ばれる赤点が光っており、狙いたい的にそれを合わせることで照準ができます。
 スコープと違い、目から離して狙うこともできますし、目に近づけても狙えます。
 オープンサイトは、フロントサイト、リアサイトから成りフロントサイトの凸部分を、リアサイトの凹のへこみに合せて、それを的に合せて照準します。
 ただ単に早く撃つというのであれば、重量も軽いオープンサイトが有利だと思います。
しかしターゲットに確実に当てるとなると話は変わります。
 オープンサイトでは、的が大きい場合は別として通常はフロントサイトに焦点を合せます。的、フロントサイト、リアサイトを一直線に合せて撃つ訳です。
 それに比べ、ダットサイトの場合は的を見つめそこにダットの中心を持って行くだけで照準は完了します。
的にフロントとリアを合わせる煩わしさが無く、ダットを撃ちたい一点に乗せるだけでピンポイントで撃てます。
 フロントとリアのズレを調整する必要なく、かつ目の焦点を的に合せるだけというのはとても安心な照準方法なのです。
 オープンサイトは、フロントサイトに目の焦点を合わせるので的とリアがぼやけ、しかもフロントとリアで的の下が隠れてしまうのです。ヒットしたい部分に焦点を合わせるだけというのはとても楽なのです。
 フロントとリアを確認しかつターゲットに合わせるのを瞬時にやるのがオープンサイトですが、これがすごく長く感じます。ダットサイトには必要の無い時間なのです。
 スティールチャレンジは、真っ白く塗られた円形の金属の的を使用し、数メートルから40mほどにある5個の的を早く撃つ競技です。
合図と同時に銃を抜き5個の的に当てるという早さを競います。白い的は実銃の場合黒い弾痕が残り着弾点がわかります。その場合も、スティールプレートを撃つにつれ、弾の跡が黒くのこり、だんだんとフロントとリアの関係が
曖昧になってきます。
 スティールチャレンジでオープンサイトを撃つ場合は、ファイバー等も無い真っ黒いフロントとリアが好きです。真っ白の中に、真っ黒いフロントとリアの方を合わせる方がスッキリして楽に感じるからです。
 ダットサイトの場合は、的が黒くなろうが確実に狙えました。また、日が沈むころでもギラギラと日差しが強いときでも、的にダットを合せて撃つとそこに弾が当たります。
 オープンサイトの場合は、日没になるとフロントとリアが見えにくくなってきます。見えにくくなるということは時間をかけてサイトを確認することになり、狙うのが遅くなるということです。
 撃つ動作において、ダットサイト、オープンサイト両方に言えることは、狙った後引き金を引いて撃つことになりますが、ここでも差が出ます。引き金を引くという動作は、大変難しいです。サイトが合っていたとしても、銃をぶらさずに引き金を引ききらないと当たりません。引ききる瞬間まで的を狙い続けることになります。
 ダットサイトの場合は、的を見つめてダットが狙った場所にずれないように確認しつつ
引き金を引けますがオープンサイトの場合は、フロントとリアの関係を崩さないように引き金を引きます。当然のことですが、焦点が曖昧になりやすく、確実に撃つにはダットサイトよりも確認の時間がとられます。
 さらに実銃射撃の場合は、フリンチと呼ばれる反動に対する反応で難しくなります。
 フリンチは、反動を怖がるあまり銃を動かしてしまう現象です。
 これは、引き金を引く動作をするときに起こり、引き金を引ききったときには違う方向にずれてしまいます。
 ダットサイトならば、的を見つつどこを狙っているかはダットが動くので確認しやすいです。オープンサイトの場合、的を見ているとフロントとリアの関係はぼやけているのできっちり確認するのが難しくヒットマークも見えません。
 簡単に言いますと、ダットサイトは的に狙いを合わせる手順が少ないため、早く確実に当てやすいと思います。オープンサイトは、手順が多くミスが起きやすいと思います。
 以上は、競技をやっているシューターの多くは感じていることと思います。私はシューティングをやってもう20年になりますが、銃をあまり撃ったことのない女性のシューティングマッチの為にAKを用意した時、オープンサイトとダットサイトを比べて撃ってもらいましたところ横から見ていてもダットサイト付きの方が早く確実に当たっており、本人もダットサイトが使いやすいと言っておりました。
 こんなことからも、ダットサイトの方が確実に早く当てられるのだと想われます。
 マック堺

    ★テラロッサの場合★
 お世話になります。SATマガジンの寺澤です。ハンドガンにダットサイトつけて、どんだけよくなったかの感想原稿を送ります。
 M4などライフル系にはダットサイトはもはや必須アイテムといえ、ダットがないと狙いニクイとすら思う。ハンドガンもまた同様のはず! 小誌でイチローさんもコンパクトで取り回しがよい拳銃にダットが着いたら“最強の戦闘拳銃!”とおっしゃっておりましたが、未熟なテラはガンを構えてからダットを探すのに時間がかかってしまい、アイアンサイトより遅いんです。イチローさんからは「ばっかもーん! DVD『初弾』をみて練習しろ!」と怒られております……。これから精進いたします!

 という場合もある。笑
 銃を撃つこと自体、そう簡単にマスターできるものではないので、いずれにせよ訓練を積む必要があることは当然だね。
 ちなみに、現存する無数のダットサイトの中では信頼性やバッテリー寿命においてエイムポイントが最高峰なのだが、これとて時折ダットに狂いが生じるので定期的な着弾チェックが必要なのだ。今日撃ってゼロを確認しても一ヶ月も放置してから撃つと50mで5cmくらいズレでいることは多い。
 これはダットサイトの欠点ではなく、上下左右の調整ネジの作り方にモンダイがあるわけで、そういう現象は狙撃用のスコープでも見られるものだ。
 近距離で撃つ場合にはこの狂いは認識できにくいものだが、50mでセンターにゼロインして翌日もそのままとはかぎらない。4クリックくらいの再調整が必要なことは普通におこるのだ。しかし、どうかすると調子の良いモノは、1ヶ月間くらい毎日撃ってもそのまま動かなかったりもする。
 そしていったん航空機で銃を運ぶと、ほぼ確実に再調整が必要となる。その原因はバラしてみれば解ることだが、現行の調整スィステムがオソマツだからなのだと想う。
 そういうことなので、50mで5cmに当たり続ける銃があっても現実に使う場合はヒットできるのは20cmのターゲットだということを織り込むべきかと想われる。しかしこれでも拳銃の能力としては画期的なわけだね。

 さてさて、エイムポイントは「まあ使える」ダットサイトだとワシは考えている。で、他のはどうなのか?
 じつは、命を託せるようなのはなかなか無いと感じているのだ。
 5発撃っただけでダットがプツリと消えてしまう。調整ネジが利かなくなって着弾点がまったく定まらなくなる。なかにはレンズが外れて落ちたのもあった。とかくトラブルが多く拳銃に載せて2万発撃てるダットサイトはエイムポイント以外にしらない。ただ、タスコジャパンが販売していた日本の○○○ 社製には良いものがあった。しかしこれも製品に均一性がなく、壊れるものも多かった。そしてもうその会社は無い。
 たとえばイオテックはカッコ良くて宣伝もよく効いて有名だ。イラクでハムビーが爆破されたのに中にあったM4に載ったイオテックはまだダットが点いていたというハナシもあって話題になった。そこで、オークランド警察はイオテックを導入しライフルオフィサーに配った。ところがパトロールに使い出すと故障が相次ぎ、とうとうマイクロと交換したというイキサツがある。
 それと残念なことは、現時点の日本製にはワシから見てミリタリーや警察で使えるような信頼に足るダットサイトが存在していないということ。じつは3代目となるプロトをカップガンに載せて毎日撃っており1万発を超えてダットはまだ光っている。まだブレも起きていない。レンズは世界のどれよりも良い。ただしエレヴェイション&ウィンデイジの調整ネジがスムーズに動かないというモンダイがある。これは純日本製で、この会社が本気になって開発を続けてくれれば素晴らしいモノになると感じている。

     ★トライアル★
 さてそこで、
 身近にある良く当たりそうな拳銃を眺めながら、次々にマイクロを搭載して実験を繰り返してみた。
 じつは、狙撃拳銃の始祖として数年前に作ってもらった「ブラックウイドウ」という魅力的なのがある。これには狙撃拳銃の条件を満たすものが多く含まれている。じっさい、これをカバンかコンピュータケイスかに入れて持ち歩けば済むことでもある。だが、この道の好き者としては常にアップグレイドしたいものだからね。
 ブラックウィドウにはエイムポイントM3専用のマウントが着いているので、より小型なマイクロは使えない。それと飛距離は少し縮んでも、どこでも入手できる9mmルガー弾を使いたいと想っていた。
 15連発以上の多弾装であること。
 より軽量であること。
 なるべくコンパクトであること。
 そして、使用するカートリッジは入手が容易で低伸性に優れていること。
 「低伸性」とはパソ子の辞書では出てこないが、昔にはあった気がする。「ていしんせい」と読み、つまり弾頭がフラットに飛ぶということだ。まちがっていたらゴメンね。
 とまあ、こういった条件で銃を選んでみたわけだ。

     ★SIGとグロック★
 まずCCW用の狙撃拳銃としてはSIG P226にマイクロを搭載したものを市オシとしていた。その理由はタクレットかパンツの内側に差している拳銃が226だからだ。
 腰から抜いたキャリーガンもバッグから出した狙撃拳銃も同じタイプの銃だと違和感がまったくないからだ。
 しかしこれをテストしてみると50mで20cmというグルーピングなのでチと心細い。本当はもっと良い性能を秘めているのに2万発も撃ったために精度が落ちたのかも知れない。そのうちにバーストバレルと交換してテストをしたいと想う。
 慣れているせいもあるが、226という銃はとても使いやすく、安心感がある。そして精密に狙うときはハンマーをコックするわけだが、このときのトゥリガープルは素晴らしくて銃の性能を引き出すのが楽だ。全長も短めであり軽量でもあり、たまにバネが折れることもあるが、信頼性は高い。将来はCCW狙撃拳銃として携帯する可能性は高いだろうと想う。

 226の対抗馬としてグロック34のスライドにマイクロを直搭載したものを組んでみた。エイムポイント社がこのマウントとT-1を送ってくれた。彼らのテスト結果ではマイクロをスライドに搭載しても壊れる心配はなく、グロックがジャムることもないという。ただしスライドが重くなるので火薬を減らしたタマだと動かないこともある。
 友人の1人にレイ ティロナという元警察官がいて「ゴズィラスキン」という処理をワシのグリップに施してくれた。熱くした金属棒で表面を溶かしながらボツボツを付けるというのはかなり流行っているが、日本文化の大好きなティロナはゴジラのファンであり、その肌をグロックに転写するという離れ業をやってくれたのだ。
 グロックの人気は高いが嫌う人も少なくはなく、その第一の原因はグリップの後部下のデッパリだろう。これはとても不愉快なコブなのでワシの使うグロックはすべて削り取ってある。ティロナの改造するグロックもこのニーズに応えている。じっさい、この「手のひらのタンコブ」を取り去ることによってグロックは悟って改心した人のように好感の持てる拳銃となるから不思議だ。
 グロックを狙撃拳銃とするにはフレイムがポリマー製なので直搭載がベストだと感じている。これでテストしたところ226と同等のグルーピングだった。そしてこれもバーストバレルに交換すれば性能は上がるハズ。ただしリアサイトの溝だけでマウントが留まっているので反動への耐久力は期待できない。このことはエイムポイント社も理解しており特別なスライドを計画している。それはマイクロを低く強く装着し、その前後に背の高いフロントサイトとリアサイトとを立てるというものだ。こうなればマウントの要らない狙撃拳銃が誕生することになる。
 さて、226とグロックは同等なグルーピングを持つわけだが、これは据え置きで撃った場合のことで人間がスタンディングで撃つとなると命中率には大きく差が出る。その原因は「トゥリガープル」に他ならない。SIGの滑らかで切れ味の良いトゥリガーに対してグロックの重く引きずるようなプルには耐え難いものがある。そのためにグロック用のトゥリガーアッセンブリーが市販されているわけだが、それでも引くにツライのがグロックなのだ。
 しかしこのG36は異質なほどにスラリとしていて軽くて面白いのでコレクションとしては嬉しいものがある。 
 人間には使う目的でなくモノを入手し、ただ眺めて楽しむという性癖があるわけで、銃の世界もどちらかといえばそっちの数が多いのではないかと想われる。かくいうワシも悟りの境地からはほど遠いので必要のないモノをゴマンと集めて心の充足を得ているわけだね。ほしいモノを買うと空腹が満たされるような快感があるわけだよ。なので、このグロックを携帯する気持ちなどサラサラなく、たまに撃ってみるだけなのだ。ねっ? 君だってこんなの引き出しに入れておきたいだろ?
 
     ★チャレンジャー★
 持っていて嬉しい拳銃の王様クラスとしては、この「チャレンジャー」というロングスライドだろう。ナウリンがミッキーファアラに贈呈したカスタムだ。
 あるときミッキーが何か他のテッポを買うとかで現金が必要となり、ワシにこれを買わないかと持ってきた。
“なに? ナウリンのSTIカスタム? え? 3000$でいいの? もちろんもらうよ~!”
 と、見もしないで譲り受けた。ナウリンの作品なら価値としては5000$、いや、すでにナウリンは先だっているので価値は上がるばかりだろう。ミッキーもワシに渡せば転売などしないので今は亡きナウリンへの顔も立つと想ったのだろう。やがてトモがこれを知りワシは詰問されることとなる。
“あの名刀はボクに売れとミッキーに頼んであったのですよぉ~…”
“あ~そうだったか、では小包で送るよ、ふーん、コレそんなにいいもんかね?…”
 と、冗談を言いながらケイスから出してよくよく眺めるとそれは拳銃の名刀かという佇まいではないか。剛の者、傑物、したたか者、そんな風情なのだ。剣術では最強だった薬丸ジゲン流の侍たちが愛用したナミノヒラ(波平)のような長剣。その肌は飾り気のない豪傑を想わせ、全体の風貌も剛胆そのものだ。
 そのパワフルな存在感ゆえに、疲れた時やショゲた時に手に取ると元気が湧いてくる、まさにそういう拳銃なのだ。そして銃口のサイズからみて口径は38スーパーだと想っていたらNOWLIN 9mmという刻印が打たれていた。もちろんながら、あの有名なナウリンの純正バレルが入っているのだ。
 日本では「刀」と呼ばれる人斬りの道具が美術品として高価売買されているようにアメリカでも特別な銃や珍しいガンなどは投資の対象となっているわけだ。
 さてそこで、
 このチャレンジャーはGun庫には入れず「座右の拳銃」として机の上や引き出しの中に入れてあったわけだが、ふとしたことでこれにR226マウントを装着したらサゾカシ格好良いのではないかという閃きがあった。だが残念なことにチャレンジャーにはレイルが無かったので、閃く回数分諦めることとなる。R226マウントはSIG用にディザインしたものだがレイル付きSTIや1911のオペレイターにも簡単に装着できる。そこでそのオペレイターに着けてみるとカッコ良いのだ! 撃ってみるとその大口径45ACP弾は豪快そのもので老眼なのに良く当たる。50ヤードから撃って弾痕は10cm近くに集まる。大口径ヘヴィーヒッターの狙撃拳銃、それも10連発。ぜんぜんワルクない。
 コルトガヴァメントという銃に熟知した人なら、この性能には驚きを感じるハズだ。それに230グレインという重い弾丸を50m以上も正確に飛ばせるとしたら10連発でも納得できるではないか。ワシは9mm弾が好きではある、が、こうなると昔にさんざん撃っていた45口径に引き戻されそうな気持ちになる。
 というわけで、このグリーンなレイル付きのフレイムの端正なオペレイターを惚れ直すことになった。
 で、オペレイターをさらに好きになればなるほどにチャレンジャーが気になってしまう。
 なにしろこっちは25連発。これは矢車剣之助をたじたじとさせられるタマ数なのだ。
 なに? 矢車剣之助とは誰かですと?
では、このさい説明しておこうか。
 それはチャンバラマンガだった。時代劇なのに武器はたしかリヴォルヴァで機関銃なみに撃ちまくって大勢の敵をなぎ倒すという内容。その主人公様が矢車剣之助さ。小学生がみてもいくらなんでもあんなにタマは出せないだろうと想える多弾の侍だが、なぜか見ているだけでスッと快感を得られたもんよ。
 ひょっとしたらワシは矢車先生に大きな影響を受けているのかもしれないよ。
 話を矢車拳銃にもどそうか。
 
〈…そうか…R226のレイルをフレイムの下側にネジ留めすればいいのか…〉
 矢車市之助は考えていた。
〈…しかしこの美術品にボルトの穴を開けたら値打ちは下がってしまう…しかし将来売る気などまったくないのだから煮ろうが焼こうが自分次第だ…とはいえ美しいままで遺したい…しかしそれにどんな価値があるというのか…テッポは撃ってこそ値打ちを発揮するのではないか…でも新しいSTIを作ってそれにR226を装着するのが正解ではないのか…しかしこの煮立った気持ちはそこまで持たない、もうトイレに駆け込む寸前まできているので思考力もないほどなのだ…では誰に頼んでフレイムに穴を開けるつもりだ…レイルにも二重穴を開けるわけでシロート細工では難しいぞ…ところで明日は仕事を休めるぞ…自分でやれば半日で完成できるぞ…もうれつにカッコ良い狙撃拳銃ができて、そいつをバババババババと矢車射法で撃てるのだぞ…う~んん……〉
 
 「…!!」と人は物事を決める一瞬がある。
 それは神の啓示を受けたように人をして行動に駆り立てる。
 矢車市之助はつと立ち上がった。
 もはや美術品破壊に対する罪の意識は消えていた。もう誰が来ても押しとどめることなどできない。市は敢然としてR226を持ち出し、そのパーツをチャレンジャーの横に並べ、じっと見つめていた。そしてやおらナウリンの遺産を分解する。グリップセフティーを切りやすくするためにパテを盛りつけ、トゥリガーの前面を好みのカタチに変えた。
 そして翌日の朝日が昇り、西にさしかかったところで挑戦印の狙撃拳銃は完成していた。
 なにもしないとなにも起こらず、なにもしないままに日々は過ぎて、そこには以前のままの自分がトシをくっただけで残る。そのようにして30年くらいはいとも簡単に過ぎ去るものだ。だが、この日はチャレンジャーにR226が装着されてマイクロのT-1が搭載されている。小さいが、ふと心に灯った夢が実現していた。想像したカタチが手の上にあり、実在の重量感は心を充足させていた。
 ようするに矢車市之助は「うわ~い!」と大喜びしていたわけだね。

 夢は壮大である必要なんてないさ、日々を生きる上で楽しそうなモノを作るだけで人生は輝くものだよ。モノ作りはTVゲイムのように「空疎な過去」を作ることはなく、カタチとして残り、自分自身の創作として明日への成長につながるものだ。君も電気のプラグを引っこ抜いて何かを作ることにチャレンジすれば未来を変えることができるぜい。
 なんちゃっても、大多数の人には余計なオセッカイだけどね~。

 そして矢車市之助はホキマ射場に新設した50ヤードラインに座る。
 それは撮影ストゥディオの脇にあるので家から数秒で行けるので数あるテッポの命中テストをするには便利だ。
 この机に屋外用のカーペットをかぶせてステイジバッグやレンジバッグ、そしてタクレーヌなどの上に狙撃拳銃を乗せて撃つ。砂袋だと巧く撃てるのだが、やはり現実の闘いを想定すれば身近にあるバッグを使うということに慣れる必要がある。もちろん、実際の狙撃訓練はバッグのサポート無しで行うが、時間をかけて精度を試す場合はより撃ちやすい方法でやるわけだ。
 で、どんなに精度の高い銃でも人間にとって撃ちやすくなければ精度は出せない。そのためには握りやすいグリップと滑らかなトゥリガープルが必要となる。
 226は良いトゥリガープルだがグループ中ではグロックが最悪だ。なんとか撃てるが、慎重に狙うために10発を撃つスピードがまったく遅くなる。226とグロックは同じくらいの精度だったが、撃ち易さという大切な部分では断然に226が優った。オペレイターもデューティーガンとして納得でき、SIGのX5の場合は、これはもう素晴らしい。軽くて滑らかでタッチが柔らかいのだ。X5のトゥリガーの味はまさに最高級で命中精度もファクトリーガンでは抜群だった。そしてブラックウィドウとなれば、これは無敵かと想わせる。トゥリガープルはX5に負けるとしてコンペンセイターがあるので連射が速くなる。あきらかに発射時のハネ上がりが小さく、ダットはビシリと狙った位置にもどってくる。これはファクトリー製にダットサイトを載せた狙撃拳銃ではとても勝てないだろう。この命中精度は100mで10cm以内というもので50mでは狙った一点を確実にヒットできる。ここだ、と想ってトゥリガーを引くと、その一点にボツリと黒点が付くので弾痕の見える鉄板撃ちではその痛快さに感動する。今更ながらブラックウィドウを作ったマークモリスというガンスミスの腕前に驚いてしまう。
 ただし断っておくことがある。
 使ったタマについてだよ。
 ブラックウィドウのタマはワシのリロード弾で、ブレットもプライマーも火薬も、この銃に最適なものを使用しており、他の銃では普通の練習用を使った。命中精度のカギを握るのは「弾丸」なわけで、これが銃によって精度が高かったり落ちたりする。バレルとブレットには相性というものがあるわけだ。しかしこの相性の良い弾丸を見つけるには、いろいろなのをテストする必要があり、今回はそこまではできない。なので9mm群にはモンタナゴールドという中庸なタマを使った。これは過不足のない調和のとれたブレットだ。値段もまずまずで、精度も悪くはない。練習ではもっぱらこれを使うし、相性の良いバレルを持ったシューターはこれをビアンキカップでも使っている。
 ところでブレットを変えて撃つと着弾点がガラリと変わることが多い。モンタナゴールドでセンターに調整した拳銃に同じ火薬とプライマー、同じヤッキョーでホーナデイ弾を撃つとなんと10cmほど離れたところにゴボリと集弾することがある。そしてバレルによっては同じところに集弾することもある。これは不思議な現象だ。この道30年のワシにとっても、これは七不思議のままなのだよ。ちなみにヤッキョーが異なると着弾点が変わるとジョン プライドは言うが、たしかに同じブランドのケイスのほうが集弾率は高くなる。でも、これはなんとなく解るね。
 さてさて、そこで、
 いよいよメイン イヴェンターであるところの「矢車拳銃」の出番となった。
 まずは、ステイジバッグの上から狙って空撃ちをする。
 「ぎょっ!」とした。
 狙いを着けて〈撃とうかな〉と想いながらそろりとトゥリガーに触れるとカチンとハンマーが落ちるのだ。射手の心を読むどころではなく、発射準備にかかろうとするだけで弾丸は飛ぶのだ。
 スタンディングで撃っている時はヤケに引きやすいトゥリガーだと感じてはいたが、精密に狙う50ヤード射撃では想像を超えた威力を発揮する。このトゥリガープルは1パウンドあたりだと感じる。ビアンキカップの規定は2パウンド以上なので違反となる軽さだ。2パウンドでも素晴らしいのに、そのはるか上なのだ。ちなみにトゥリガープルは軽いほど撃ちやすい。だが興奮した人が使うと暴発させるので警察官や軍人には使わせないようになっている。普通は4パウンド前後というわけだ。
 市之助は矢車号を慎重に撃ちながらマイクロの調整ネジを回して着弾点に合わせる。トゥリガープルは絶妙、触れるだけでタマは飛び出す。慣れるのに少しかかったが「凄い」の一言しかない。だいたい真ん中に当たるようになったところでゆっくりと10発を撃つ。 
 10cm以内に集弾していた。このサイズはモンタナゴールドの平均的な性能を示している。残念なことに今年はまだビアンキカップの試合用弾を作ってはいなかった。それを使えば半分のグルーピングになると想う。なぜならワシはナウリンのカップガンを持っているが、それだと2cmほどにまとまるからだ。しかしそれもバレルが老朽化して交換する時期にある。しかしもうナウリンさんはいないのが残念でならない。
 ともあれ、いくつかの狙撃拳銃ができた。
 次にやるべきことはSIG 226のバレルをバースト製にしてみることだ。これで5cmという集弾性能を出せれば226狙撃拳銃をCCWに加えたい。
 これより後の実験はワシのブログで発表してゆくことにするので興味のある人は訪問してくださいな。
http://ichiro.militaryblog.jp/

 追伸:
 この原稿を書き終えてから、ふと想い出し古いP226からバレルを抜いて226狙撃拳銃に入れて撃ったところグルーピングは半分くらいになりましたよ~♪ 昔のバレルは良かったということですかね~?

 では、また~!!
          市

  


Posted by 市 at 13:28Comments(12)記事